#304 トノサマガエルの城、攻略戦
日本の食文化は偉大だ。俺は今日ほどそれを実感したことはないだろう。熱が通っている料理ってこんなに安心出来るものだったんだ。
酷い目にあった俺はなんとか回復した。俺は何も食べなかった…よし、ログインだ!
「大丈夫ですか? タクトさん」
「何がだ? イオン? 俺は何かしたか?」
「い、いえ! 何もしてないです!」
イオンが俺に合わせてくれた。いい子だ。
「タクト先輩…大丈夫でしょうか?」
「無かったことにしたいみたいですから、そうしたほうがいいです。リアンももし食べていたら、そうしたくなるんじゃありません?」
「そ、そうですね! 分かりました!」
リアンも賛同してくれたようだ。よし、じゃあ、クエストの続きと行こう。
「実は最近、このナール湿地にフロッグの王が住み着いてな。フロッグたちを使って、おかしな建物を作りおった。お主たちが出会ったのは、偵察に出した奴らなんじゃが、その建物に近づくと理性がなくなり、野生化してしまうようじゃ」
「野生化するともう元には戻らん。わしらに出来ることは人の迷惑にならぬように…安らかに眠らせてやることしかできん。お主には迷惑をかけてしまった。一族を代表して謝罪する」
俺たちに話しているのはここの長だ。老人だが、歴戦の勇者の感じがする。
「構いません。それよりフロッグの王をどうするつもりですか?」
「悔しいがわしらでは手出しできん。フリーティアの冒険者ギルドに依頼をするつもりじゃ」
まぁ、こういう流れになるわな。因みにリザードマンが野生化する原因はボスのトノサマガエルの能力らしい。
「では、その依頼、俺たちに受けさせてくれませんか?」
「何? 良いのか?」
「はい。これでもフリーティアの冒険者ですから」
「そうか…わかった。お主たちの強さを信じよう」
インフォが来る。
『特殊クエスト『フロッグの城を攻略せよ』が発生しました。受けますか?』
依頼クエスト『フロッグの城を攻略せよ』:難易度D
報酬:リザードマンの槍
フロッグの王が建てた城を攻略せよ。
はい、受けますっと。
「フロッグの王のところまではこやつが案内する。任せたぞ?」
「はっ! 案内役、慎んでお受け致します」
助けたリザードマンが案内役となり、トノサマガエルの城に到着した。
それを見て、一言。蛙が作れる城じゃないだろう…普通に日本の城がデザインだ。まぁ、デザインだけで大きさはキングコングの砦と同じだ。
じゃあ、攻略して行こうか。メンバーはイオン、リビナ、ロコモコ、アステル、シンスだ。
イオンは話を聞いていたから自分が決着をつけたいと志願した。俺はイオンの意思を尊重した。
ロコモコ、アステル、シンスはあまり戦闘向きじゃない。しかし今回のボス戦はそれで大丈夫だと判断した。
何故なら、敵を発見する。
家来ガエルLv8
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
一丁前に鎧と槍を持った蛙だ。
「何者ゲコ!」
海斗の情報で敵は理性があるオスしかいないことが判明している。
「こんばんは! 蛙さん! ボクと一緒に楽しいことをしようか」
リビナが妖艶な笑みでそう告げた。この状況はキングコングの砦と同じだった。
………
……
…
ここはトノサマガエルの城の最上階。
「殿~! 殿~! 敵襲ゲコ!」
「慌てるなゲコ。この城は難攻不落ゲコ」
「もう城に入られているゲコ!」
これにはトノサマガエルは驚く。
「何ゲコ!? 家来ガエルたちは何してるゲコ!」
「みんな仰向けになって、痙攣しながら死んでるゲコ! 他の家来ガエルたちも次々倒されているゲコ!」
「どういうことゲコ! 何が起きて」
「エクスプロージョン!」
面倒臭いので、扉を爆破してボス部屋に入る。
「お前かゲコ! ワシの城を荒らしておるのはゲコ!」
「荒らしてはいないな」
「うん。ボクが美味しく頂いちゃっただけだね」
結局リビナのみでここに到着した。恐らく最速タイムをマークしたな。
さて、仕上げと行こう。
「生きてここから出られると思うなゲコ!」
トノサマガエルが鳴くと家来ガエルは出現し、こちらに向かってくる。じゃあ、終わらせよう。
「リビナ、頼む」
「うん。男の相手はボクにお任せだよ」
トノサマガエルと家来ガエルたちが一瞬でリビナに生命力と魔力を吸いとられる。
「ご馳走でした」
「な、何ゲコ…ゲコ?」
トノサマガエルがイオンを見つける。
「ゲコゲコ! バカめ! これでも聞くゲコ」
トノサマガエルが鳴く。イオンがトノサマガエルに近づく。
「ゲコゲコ! これでお前のドラゴニュートはワシの思い通り」
「氷刃」
イオンが氷刃でトノサマガエルを刺す。
「ゲコ!? な、何故効かないゲコ!?」
「海竜の血に覚醒している私にあなたの耳障りな声が効くはずないでしょ」
「か、海竜ゲロ!?」
こいつはイオンがただの水のドラゴニュートと思ったんだな。
「一撃で終わらせるつもりでしたが、私を操ろうとしたんです。覚悟は出来ていますね?」
「ま、待つゲ」
「シュトルムエッジ!」
イオンが剣を構え、シュトルムエッジを使用する。イオンがトノサマガエルの周りを走るとトノサマガエルが旋風に閉じ込められ、イオンが剣を構えながら回転し、トノサマガエルを切り刻む。
これがシュトルムエッジか…相手の動きを封じながらの連続斬り。なかなかの武技だな。
トノサマガエルはイオンの新武技でオーバーキルされた。
こうしてトノサマガエルは俺たちの冒険の中で最もしょぼい攻略になった。
さて、解体する。これでトノサマガエルの肉だったらキレるぞ。
殿蛙の肉:レア度4 食材 品位E+
トノサマガエルから取れるお肉。通常の蛙肉より栄養素が高く、味が濃いのが特徴。
名前が微妙に違うだけだ!ふざけんな!
その後、リザードマンの長に報告し、インフォが来る。
『マングローブの森が解放されました』
これでマングローブの森に行けるな。更にクリア報酬を貰った。
リザードマンの槍:レア度4 槍 品質E
重さ:25 耐久値:40 攻撃力:10
効果:水属性アップ(中)、リザードマン筋力アップ(中)
リザードマン愛用の槍。水属性が付与されており、火属性の敵に強い。
リザードマンが使うと筋力が少しアップする。
ほぼリザードマン専用の武器と言っていいものだが、どうするかな…これ。
「タクトさん、私にこの槍をくれませんか?」
「別に構わないが、弱いぞ? これ」
「わかってます。それでも私が欲しいんです」
野生化したリザードマンたちのことを考えているのかな?それならイオンの気持ちを尊重しよう。
「わかった」
「ありがとうございます! タクトさん!」
イオンの笑顔だけが救いだ。
その後、帰ってルインさんに蛙肉を売ろうとしたら、嫌な顔をされた。
蛙肉はみんなから売られていて大変らしい。だろうね。でも、お願いします。その後、和狐から靴を貰った。それがこれ。
耐水の蛇靴:レア度4 靴 品質D
重さ5 耐久値40 防御力+10
追加效果:防水
水に強い靴。水の罠に特に強く、靴の中に水が入らないため、湿地などで活躍する。
雨の冒険をして思ったが、靴の中がベトベト。早速履いてみる。しかし今一違いがわからないな。すると大量の靴を作っているミュウさんが話す。
「ナール湿地に行くと効果を実感出来るよ」
「そのナール湿地ですが、雨で水没してましたよ」
「あぁ~。天候でフィールドが変化するんだったね」
とりあえず外に出てみる。お?靴だけ濡れてない。靴の中に水が入るの嫌いな人間には凄い売れる気がする。いや、それよりも欲しいものがある。
「傘とか作れないですかね? いちいち濡れるのは大変で」
俺の一言でミュウさんが反応する。
「それだ! これは売れる気がする! あ、でも素材がアナコンダの皮になるかな」
確かにアナコンダの皮の傘はイメージすると結構やばいな。それでももし傘が出来上がったら、買わせて貰おうと思った。
名前 イオン ドラゴニュート・エンベロープLv18→Lv19
生命力 63
魔力 116→119
筋力 62
防御力 33
俊敏性 152→156
器用値 109
スキル
二刀流Lv32 槍Lv4 投擲操作Lv10 飛行Lv9 遊泳行動Lv16
氷刃Lv18 連撃Lv9 水魔法Lv16 蒼波動Lv4 竜技Lv9
竜化Lv7 海竜の加護Lv5 料理Lv18
名前 リビナ サキュバスLv7→Lv8
生命力 70→72
魔力 138→140
筋力 56
防御力 50
俊敏性 91→93
器用値 99
スキル
鞭Lv1 闇爪Lv10 飛行Lv15 隠密Lv5 夜目Lv15 誘惑Lv11→Lv15
催眠Lv2 魅了吸収Lv11→Lv15 闇魔法Lv10 時空魔法Lv1 幻術Lv7 魔弾Lv14
淫夢結界Lv3
名前 ロコモコ ハピネスシーフLv8→Lv9
生命力 104
魔力 69→72
筋力 11
防御力 89→91
俊敏性 48
器用値 40→42
スキル
飛行Lv6 体当たりLv3 危険察知Lv11 逃げ足Lv3 育毛Lv16
採乳Lv16 耐寒Lv1 幸福Lv8 祝福Lv8 守護Lv4
光魔法Lv3 天の加護Lv10
名前 アステル フェアリーLv14→Lv15
生命力 30
魔力 59→61
筋力 20
防御力 22
俊敏性 54→56
器用値 36
スキル
飛行Lv8 竪琴Lv1 舞踊Lv3 魅了鱗粉Lv2 風魔法Lv13
木魔法Lv10 幻術Lv3
名前 シンス インプLv10→Lv12
生命力 26→28
魔力 46→50
筋力 24→26
防御力 22
俊敏性 46→50
器用値 28→30
スキル
飛行Lv4→Lv6 吸血Lv1→Lv3 夜目Lv3→Lv5 気配遮断Lv3→Lv5 潜伏Lv1→Lv2
闇魔法Lv5 呪いLv1