#291 シルフィ姫様の来訪と巨人の鬼
翌日、学校で海斗から召喚師の掲示板で感謝の言葉が溢れているのを見せて貰った。なんか異常に称えられていて、凄く怖かった。
因みに普通の掲示板では賛否両論みたいだ。そこまでする必要があったのか?とか色々書かれているそうだが、結局は闇落ち職の犠牲になった人たちの書き込みに何も書き込めなくなっているらしい。
海斗によると俺の悪評は広がって、闇落ち職に狙われることはほぼないだろうと言っていた。それが事実ならありがたいことだ。俺はこんな決闘よりも冒険がしたいからな。
学校が終わり、食材を買い込み、ゲームにログインする。
俺がリビングに顔を出すと予想外の人に声をかけられた。
「お邪魔しております。タクト様」
「あぁ。大丈夫ですよ…ってシルフィ姫様!?」
病で倒れているはずのシルフィ姫様がお供も連れずにいた。
「はい。こっそりお邪魔しております」
こっそりって…まさか…
「ひょっとして、誰にも言わずに来たんですか?」
「仕方なかったのです。外に出たいと言えば、絶対に止められてしまいますから。なので黙ってお城を脱走するしかなかったのです」
それはそうだろうな。
「お体は大丈夫なんですよね?」
「はい。お薬を頂いてからは苦しみを感じなくなりました。それと少しだけなら魔法も使えるようになったんです。改めてありがとうございます。タクト様」
あぁ。わざわざお礼を言いに来たのか。
「お気になさらずに。ご用件はそれですか?」
「いえ、召喚獣たちと遊びに来ただけです。まだ召喚が出来ませんから」
それだけかよ!そういえばリリーたちの姿がない。
「彼女たちなら自室で頭を撫でてあげたら、気持ちよさそうに寝ていますよ」
シルフィ姫様にリリーたちを奪われそうな感じがするのは俺だけか?というかお城の脱出なんて出来るのだろうか?出来るならアンリ様が絶対にしていると思うのだが…
「私も今までは無理でした。しかし最近可能になったんですよ」
「え? 何かありました?」
「ここフリーティアに最近新たな地下道が発見されたんですよ。しかも手付かずの」
それってセフォネがいたあの地下道のことだよな。
「ブラスさんからの報告で大体の位置を把握出来ましたから、後はテレポーテーションで飛ぶだけです。もっともばれないように色々細工が必要で時間がかかってしまいましたが、無事に成功して、今日来た感じです」
ブラスさん、姫様の脱走の手助けしてますよ。大丈夫かな。
「今日はフリーティア城でイクスさんの武器の情報を公開してくれるんですよね?」
「はい。これから向かうところです。シルフィ姫様はどうしますか?」
「しばらくここに滞在させてください。もちろん私のことで何か聞かれたら秘密でお願いします。あ、サラとアンリに聞かれたら、教えてあげてください」
意外にお茶目な姫様だったんだな。いや、サラ姫様、アンリ様の姉だからな。そういう一面があっても、不思議じゃない気がする。
「それは構いませんが、首が飛んだりしませんしませんよね?」
「そんなこと私がさせませんから大丈夫ですよ」
ならいっか。俺はイクスだけ起こして、先に魔石召喚をする。目指せ!レッサーオーガだ!
魔石をセットして、いざ召喚!
「魔石召喚!」
魔方陣が紫に輝く。お!来たんじゃね?
紫の魔方陣からレッサーオーガが召喚された。おぉ!でけー!流石はオーガだ!サイズはジャイアントとほぼ同じ。顔は般若に似ており、姿は蛮族の格好をしている。
名前はもう考えてある。
名前 月輝夜 レッサーオーガLv1
生命力 66
魔力 32
筋力 100
防御力 66
俊敏性 30
器用値 32
スキル
鎚Lv1 格闘Lv1 闘気Lv1 物理破壊Lv1 咆哮Lv1
強襲Lv1 投擲Lv1 再生Lv1 恐怖Lv1 火ブレスLv1
名前は月が輝く夜でるきやと読む。オーガだから夜をイメージした。
強さは半端ない…筋力がずば抜けて高く、生命力、防御力もある。完全なパワータイプだな。
「召喚師のタクトだ。これからよろしくな。月輝夜!」
「グォオオ!」
凄い雄叫びだ。こんなのフィールドで出会ったら、絶望的だな。しかしレッサーオーガの召喚でだいぶ苦戦した。残りの召喚できる数も3体となり、少なくなってきてる。しばらくは自重しよう。
月輝夜を召喚した俺はフリーティア城に向かった。
お城の中は案の定大騒ぎになっていた。
「とにかくシルフィ姫様を探せ! 国中だ! ったくどこ行きやがった! あの高性能姫様は!」
「元気になった途端、これなんですから! あぁ、もう!」
ガルーさんとブラスさんが頭を抱えて、騎士たちに指示出ししている。大変そうだね。その姫様はうちにいます。
「あ! タクト殿、シルフィ姫様を知りませんか?」
「知りません。どうかしたんですか?」
「城からいなくなったんだよ! ったく、どうやって多重結界をすり抜けやがったんだ」
「しかも探知結界も擦り抜けてです…どうしてその才能をもっと他のことに使わないんでしょうね…」
するとサラ姫様とアンリ様が来る。
「タクト殿、来ていたのですね。ちょっといいですか?」
「あ、はい」
俺は部屋の一室に入ると鍵を閉められた。これはばれているな。
「これで邪魔者は入ってこれまい。姉様の行方を知っているな?」
サラ姫様とアンリ様には教えていいと言われているから正直に答えよう。
「はい。うちにいます」
「やっぱりタクト様たちの召喚獣で遊んでいたんですね」
「元気になった途端にこれか…姉様らしい」
どうやらこれが元気だったころのシルフィ姫様の姿のようだな。それにしてもアンリ様が遊んでいたと言ったか?
「あの…遊んでいたとは?」
「なんだ? 召喚獣たちから聞いてないのか? タクト殿の家に入れてもらったんだが」
俺はイクスを見るとイクスは答えた。
「リリーの判断で皆様を家に入れました。その時にシルフィ姫様に撫でてもらうことを条件で口止めをされました」
なるほどね。別にいいけど、なんだろうな。このなんとも負けた気分…まぁ、騎士たちを入れたのは大目に見るか…入れないとまずいからな。
「まぁ、無事でいてくれたならそれでいい。後で脱出方法を教えて貰わねばな」
「ですね」
どうやらフリーティアの姫様たちの脱走はこれから増えそうだ。その後、俺はアンリ様の案内でフリーティアの技術者たちの元に案内され、ライヒ帝国と同じ情報を伝えた。これでイーブンだ。しかしイーブンじゃない国がある。
それがエリクサーラピスとウィザードオーブだ。帰ってきたシルフィ姫様の話では近いうちに接触があるかも知れないという話だ。
まぁ、こうなった以上それは避けられないだろうな。他の国に行けるし、こちらにも得はある。
因みにメールで『ロボ研』の人たちがエリクサーラピスにいるそうだ。他にも錬金術師たちが何人かいるそうだ。ウィザードオーブはレッカが上級職になるために今日から向かっている。他のみんなも上級職を目指して、クエストクリアを目指しているそうだ。俺も負けていられないね。
ログアウトする前に生産だけすることにした。畑にも行き、野菜を採取して植える。そしてバイオエタノールを再度作る。闇落ち職のことで忙しかったからな。早くいつも通りの感じにしないとな。
名前 セチア ハイエルフLv13
生命力 53
魔力 146
筋力 48
防御力 36
俊敏性 40
器用値 146
スキル
杖Lv14 魔法弓Lv21 鷹の目Lv12 射撃Lv13 木工Lv17
採取Lv28→Lv29 調薬Lv12 刻印Lv5 宝石魔術Lv2 宝石細工Lv2
風魔法Lv7 火魔法Lv17 水魔法Lv24 土魔法Lv13 闇魔法Lv1
神聖魔法Lv6 雷魔法Lv5 爆魔法Lv5 木魔法Lv16 氷魔法Lv5
樹魔法Lv9 ハイエルフの知識Lv22 精霊召喚Lv7 料理Lv18
名前 ロコモコ ハピネスシーフLv8
生命力 104
魔力 69
筋力 11
防御力 89
俊敏性 48
器用値 40
スキル
飛行Lv6 体当たりLv3 危険察知Lv11 逃げ足Lv3 育毛Lv15→Lv16
採乳Lv15→Lv16 耐寒Lv1 幸福Lv8 祝福Lv8 守護Lv4
光魔法Lv3 天の加護Lv10
名前 アラネア 土蜘蛛Lv7
生命力 46
魔力 55
筋力 52
防御力 28
俊敏性 34
器用値 86
スキル
噛み付きLv6 格闘Lv1 粘着糸Lv19→Lv20 柔糸Lv14→Lv15
鋼糸Lv26 罠設置Lv20 糸察知Lv6 毒ブレスLv3
土潜伏Lv3 投擲Lv4 土魔法Lv1 呪いLv1 妖術Lv1
名前 エアリー ズラトロクLv8
生命力 84
魔力 50
筋力 52
防御力 32
俊敏性 65
器用値 45
スキル
角擊Lv18 登攀Lv4 危険察知Lv14 跳躍Lv10
疾風Lv15 木魔法Lv3 光魔法Lv12 採乳Lv12→Lv13
守護Lv5 祝福Lv6 蘇生Lv1 狂戦士化Lv2
名前 ミール ドライアドLv11
生命力 76
魔力 80
筋力 36
防御力 36
俊敏性 75
器用値 74
スキル
土潜伏Lv18 蔓Lv10 俊足Lv8 風魔法Lv3 土魔法Lv8
木魔法Lv7 水魔法Lv7 光合成Lv3 譲渡Lv3 花蜜Lv3
花粉Lv4 採取Lv26→Lv27 植栽Lv12→Lv14 寄生木Lv10 罠設置Lv12
植物召喚Lv2