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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
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#29 生産職とレギオン

現実で昼食を食べ終えてからゲームにログインする。リリーとイオンの武器を錬金スキルで修復し、下の調理場でボア肉の山と格闘する。それが終わると少し時間に余裕を持って、クロウさんのお店に向かうことにした。


「来たわね。時間よりも少し早いなんて感心感心」


「あれ? クロウさんはまだですか?」


待ち合わせ場所にはクロウさんを除く女性の生産職が揃っていた。


「あいつは時間ギリギリ男だからもう少し来るのに時間かかるわね。全く……早く向かいたいのに」


「時間は有限ですからね。でも、時間があるならちょうどよかったです。見てもらいたいものが」


俺がそういうと生産職のメンバーの目が光った。代表して、ミュウさんが聞いてくる。


「新素材!?」


「かどうかわかりませんが」


俺は蜘蛛の糸、キャラピラーの糸、蜂の針を取り出すとミュウさんが調べる。


「糸だね。残念ながら新素材じゃないね。昨日と今日で持ってきた人がいたよ」


あら? 残念……だがユグが蜂の針を手に取る。


「でも、この蜂の針は初めて見たよ。弓矢に使えそうだし、多分毒武器になるかな? どう思う? ルイン姉」


「私も同じ意見よ。現状で状態異常の武器は貴重だし、弓矢なら更に人気が出ると思うね。この素材も若木の森で手に入れたの?」


「はい。ビーという蜂のモンスターを倒した時に落ちました」


俺がそう言うとユウナが暗い顔で言う。


「蜂は苦手です」


「得意な人間はそうそういないと思うよ」


ハルが励ます。ま、俺も苦手だな。刺されたら洒落にならないから。しかしビビっているわけにもいかない。


「俺も蜂は嫌いですが、蜂蜜もゲット出来たんですよね」


「「蜂蜜!?」」


俺の言葉にユウナとハルが暗い気持ちが吹っ飛ぶ。そうだよね。現状で甘い物の存在は女の子からしたら一大事だろう。


「森に行く前に色々教えて貰っていいかしら?」


「いいですよ」


俺は出現するモンスターの情報と解体結果を教える。するとルインさんが疑問を口にする。


「まだ見てないモンスターの情報はどうやって手に入れているのかしら?」


「図書館にそういう本があったんですよ」


「図書館なんてあったのね……この町」


「掲示板に書いてあったよ。その話。字が読めなくて読書スキルを取らないと無理なんだって。くそ仕様って書かれてた」


ありゃま。ひょっとしてスキルスクロールのこと知らないのかな?


「カウンターで読書スキルのスキルスクロールを貰えますよ」


俺がそういうとみんな驚く。そしてルインさんが呟く。


「カウンターで確認しないそいつが悪いわね……ちゃんと聞いていればただで読書スキルを貰えたわけだから」


「貴重なスキルポイントを消費して自慢気に語ってるの見ると滑稽だね」


確かにそう見えてしまうだろうな。するとイオンが聞いてくる。


「タクトさん、この人たちは?」


ルインさんを除くと他の三人はイオンと初だった。


「俺がお世話になっている人たちだよ。そういえばイオンの自己紹介がまだでしたね。イオン」


「イオンです。よろしくお願いします」


うんうん。ちゃんと挨拶できて偉い偉い。


「気にはなっていたけど」


「また女の子ですね。しかもタイプが違う」


「可愛いですね」


生産職の面々が自己紹介が終わるとクロウさんが来る。


「「「「遅い!」」」」


「遅刻はしてねーだろ!?」


確かに遅刻はしていない。本当にギリギリだった。さて、クロウさんも来たので、雑談は中断してフィールドに向かう。そして召喚獣を召喚すると驚かれる。


「話には聞いていたけど、実物見ると凄いわね」


「ハ○ーで出てきたフクロウだね! 可愛い!」


「虎徹ちゃん、触っていいですか?」


「あ、私も触りたいです」


虎徹に確認すると大丈夫みたいだ。


「いいみたいですよ。始まりの草原ならリリーだけでたぶん大丈夫だと思います」


「それなら、若木の森に入るところでレギオンを組みましょうか」


おっと知らない言葉が出てきましたよ。


「レギオンってなんですか?」


ルインさんとクロウさんが説明してくれる。


「このゲームでは複数のパーティーで1つのパーティーを組むシステムをそういうのよ」


「本来ならでかいボスに挑む用のシステムだ。当然メリットとデメリットが存在している」


「メリットはプレイヤーがたくさんいるんだから通常より危険が少ないわ」


それはそうだろうな。仲間が増えたからそのことはよくわかる。


「デメリットは経験値とアイテムの分散だ。これが元でよくトラブルが起きるんだよな。特にサモナー系は嫌われている」


ありゃま。どうしてだろうか?


「自分の召喚獣だけでパーティー組んでいると1パーティー分の経験値をサモナーが独占することになるだろ?」


あぁ、要は公平じゃないと言いたいわけか。でも経験値が入るのは召喚獣達であって、俺には俺の分しか入らないわけだし、公平な気もするがそうは思わない奴らもいるってことね。でもそれならルインさん達はいいのだろうか?


「今回は俺たちの護衛だからな。俺たち自身が申請しているんだし、理解しているから問題はないぞ」


「タクト君もレギオンを組むときは事前に色々決めといたほうがいいわ」


「わかりました」


「それとこれはメリット、デメリットにもなるけど、出現するモンスターは増えるみたいね」


これは確かに両方だな。より多くの素材や経験値が入ると考えたら、メリットだが危険が増えることを考えたらデメリットだろう。その後、皆で始まりの草原を移動中に俺はボスの話をする。


「あぁ、その話なら掲示板に専用のスレを立てて、本格的に攻略しようとしていたな」


「タクト君が見かけた人も多分書き込んでいるわね。レギオンを使って3パーティーで瞬殺だったみたいよ」


あぶねー。挑まなくて良かった。


「因みにレギオンの上限は5パーティーなんだけど上限限界で挑んでも勝てないらしいわ」


「滅茶苦茶強いみたいだよ。まだゲージ1つも減らしたレギオンがいないらしいからね」


5パーティーが瞬殺なのかな? だとしたら俺たちではとてもじゃないが無理だな。


「今回はそいつに出会ったらスルーでお願いね」


「わかってます。自分も死ぬとわかって飛び込むほど無能じゃないつもりです」


痛い思いをして死に戻るのはごめんこうむる。俺はMじゃない。

レギオンの説明する回でした。


次回はいよいよ若木の森の中ボスが登場します。

恐らく初めて召喚師らしい戦闘を書くことになります。

お楽しみです。

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