#279 和牛狩りと暗黒召喚師の挑戦状
夜はイエローオッサ山脈草原で和牛を狙う。こいつを仕留めないと俺は先に進めない。というわけでメンバーはイクス、ノワ、セフォネ、コノハ、ダーレーだ。
これで仕留める!
まずは先手を取る必要がある。
イクス、ノワ、コノハが索敵する。俺はスカーレットリングを持ち、待機する。
暫くするとイクスが発見する。
「マスター。小型の敵を発見しました。恐らく和牛ではないかと」
「よくやった! イクス! コノハは空から援護してくれ。ノワとセフォネは俺の影に…ノワは出来れば動きを封じてくれ。イクスは銃で狙い撃て、セフォネも攻撃してくれ」
「…ん」
「任せるのじゃ!」
「任務了解です。マスター」
全員が頷き、俺はイクスの指示で向かうと和牛を見つけた!まだ気付かれてない!貰った!
「テレポート!」
ダーレー、イクスと共に和牛が逃げ込むであろう草むらと和牛の間にテレポートする。
そして俺はスカーレットリングで斬り裂く。しかし手応えが変だった…まるで鉄を斬ったような手応えだ。なんじゃこりゃ。
当然和牛は生きていて、スカーレットリングの効果で燃えながら、逃げ出す。待て待て待て!肉を置いてけ!
逃げ出した方向にコノハが立ちはだかり、羽投擲をするが、そんなのお構い無しに逃げ出す。
「ホー!」
コノハが捨て身に覚悟で氷爪を使い、和牛を頭を押さえつけに掛かる。
「…影縛り!」
コノハが時間を稼いでくれたお陰でノワが間に合った。これで勝負ありだと思ったが、まだ逃げ出そうとしていた。
往生際が悪い和牛だな…まるで簡単に食べられてたまるかと訴えかけているように感じる。
「妾に任せよ! 吸い付くしてやるのじゃ」
セフォネが和牛に噛みつく。するとセフォネが転がり回る。
「硬いのじゃあああ!? 歯が!? 妾の歯があああ!?」
スカーレットリングで斬れなかった敵だ。噛むとこうなることはわかると思うんだが、命令したのは俺だ。止めなかった俺の責任だな。
「セフォネは闇魔法でデバフを試してくれ」
「うぅ…わ、わかったのじゃ…」
俺も状態異常の魔法を試すが効果がない。たくまし過ぎだろ…仕方無い。時間は掛かるがダメージは与えているんだ。俺はボトムレススワンプとノワの影縛りと交互で時間は稼ぎ、袋叩きにしてなんとか仕留めた。
俺は決闘で見た飛行魔法を使いたいので、風魔法をメインに使った。そして異常に感じるレベルアップが来た。これはシープと同じ現象だな。
逃げ足が速い奴や仕留めるのが難しいのは経験値が多いよな。となるとレベル上げも含めて、狩りたいがどうやって安定化するかだな。
「マスター。リリーお姉様のハンマーなら効果があったのでは?」
「どうだろうな。硬い敵だから効果はあると思う。ただ鉱物じゃないから物理破壊が有効か疑問だな」
「納得しました」
物理破壊は鉱物に効果が発揮されるスキルらしい。生身では効果が発揮されないので、効果がないだろうな。
「現状動きを止めて、攻撃し続けるしかないな…」
となるとヘビ系と蜘蛛系を選んだほうが良さそうか?しかし逃げられたらもとも子もない…どうするかな。あ、イクスの武器でスタンネットガンがあったな。あれなら逃げられないだろうし、いけそうな気がする。
とりあえず解体する。
牛肉の友バラ:レア度5 食材アイテム 品質C+
牛のアバラ骨の周辺のお肉。別名カルビなど呼ばれる部位。中バラに比べて赤身が多く、焼肉として最適のお肉。
友バラゲットだ!やったぜ!これは…あれだ。色んな部位がゲットできるというとことだな!そしてサーロインやリブロース、ヒレはレア度が高いんだろうな。
しかし不幸中の幸いなのがお肉のサイズだ。通常と同じでホッとした。
その後、和牛を探すが現れず終了。サーロインの道はなかなかに厳しいみたいだ。
リープリングに戻るとみんなやタクマたちが何やら揉めていた。どうやら俺の事で揉めているようだ。
「ただいま。どうかしたのか?」
俺が聞くと全員が気まずそうな顔をする。なんだ?これはかつてない嫌な予感がするぞ。
するとリリーが空気をぶち壊す。
「暗黒召喚師がリリーたちに喧嘩をーーんぅ!?」
「リリーちゃん!!」
メルがリリーの口を押さえる。なるほどな…それは揉めるはずだ。
「話を聞かせてくれ」
「ダ、ダメだよ」
「メル…相手がわざわざ俺を指名してきた以上、狙われるのは時間の問題なんだぞ?」
「そ、それはそうだけど…」
メルたちは分かっているんだろうな…俺があいつらと戦うとアーサー戦の再現になる。
「タクト! リリーは戦うよ! 絶対に負けない!」
リリーが凄いやる気になっている。俺はみんなから説明を受けた。
まず暗黒召喚師たちはイベントで奪った召喚獣…ルークのオーク、アロマのエンジェルなどを使って、PKを繰り返しているそうだ。
そして掲示板で非難していると暗黒召喚師から大切な召喚獣を返して欲しかったら俺たちを決闘かPKで倒すしかないと書かれたそうだ。
「獣魔ギルドで聞いたら、それは事実なんだそうです…ただそのためには召喚師か召喚獣が暗黒召喚師を倒す必要があるそうです。もしPKで倒せたら暗黒召喚師は二度と暗黒召喚師になれないそうです。決闘ではこのデスペナは発生しないそうです」
なるほど…あちらにもリスクはあるわけだな。ルークに変わり、アルマが悔しそうに話す。
「それを知ってるからでしょう…彼らは私たちとの再戦を拒否し、タクトさんとリリーさんに自分たちと戦うように書き込みました…私たちの召喚獣は眼中にないそうです」
自分の召喚獣を自分の力で取り戻そうとしたのか…もし俺ならそうしただろうな。
「それで決闘の内容とかわかるのか?」
「場所はライヒ帝国のコロッセオです。ルールもほぼ同じ…ただし魔法剣の使用は禁止だそうです」
「随分調子に乗ってるくせにそこは禁止にするのか…ダサいな」
そして決闘の場所はコロッセオね…
俺の言葉にリッカが言う。
「もっと呆れると勝ったら、報酬で魔法剣が欲しいそうだよ」
「へぇ…なるほどね」
俺からはリリーを失うリスクと魔法剣。向こうは暗黒召喚師で無くなるリスクと奪った召喚獣の解放と言いたいわけだな。
「わかった。受けよう」
「さっすがタクト!」
リリーは喜ぶ中、ルインさんが確認してくる。
「…いいのね?」
「はい。アロマが召喚師のために戦ったのに逃げるわけには行けませんし、喧嘩売られた以上黙っているつもりはありません」
アロマが驚く。アロマも本来ならギブアップしているはずだ。なのに彼女は戦った。何故か?召喚師が他のプレイヤーからブーイングを受けていたのを見て、なんとかしたいと思ったからだろう。
結果は負けになったが俺はアロマの行動に感謝したい。だからこそ今度は俺がアロマの勇気に答えたいと思う。
俺は辛そうにしているメルに言う。
「心配かけて悪いが、俺は勝算のない戦いはしない主義なのは知ってるだろ?」
「はぁ~…タクト君は意外に頑固だからね…わかった。でも私と一つ約束して」
「なんだ?」
「もし負けたら、このゲームを辞めて」
全員が驚く。メルはそれほど、心配しているんだな。なら俺の答えも決まっている。
「わかった。約束する」
こうして俺と暗黒召喚師との決闘が決まった。
そして俺は今回の決闘である仮説をみんなに話すことにした。
名前 タクト 情愛の召喚師Lv5
生命力 70
魔力 139
筋力 60
防御力 40
俊敏性 60
器用値 102
スキル
格闘Lv9 蹴り技Lv16 杖Lv22 片手剣Lv23 槍Lv15 刀Lv7
投擲Lv7 高速詠唱Lv27 召喚魔術Lv31 封印魔術Lv13 騎手Lv21→Lv22
錬金Lv20 採掘Lv20 伐採Lv33 解体Lv36→Lv37 鑑定Lv23→Lv24
識別Lv30 風魔法Lv26→Lv27 炎魔法Lv1 土魔法Lv24 海魔法Lv1
闇魔法Lv22→Lv24 神聖魔法Lv8 雷魔法Lv24→Lv25 爆魔法Lv26 木魔法Lv24→Lv25
氷魔法Lv25→Lv26 時空魔法Lv39 水中行動Lv5 読書Lv12 料理Lv35
餌付けLv8 釣りLv18 シンクロLv15 連携Lv4
名前 イクス エクスマキナLv37→Lv39
生命力 69→71
魔力 69→71
筋力 54→56
防御力 54→56
俊敏性 54→56
器用値 54→56
スキル
機人兵装Lv14→Lv15 解析Lv5 探知Lv14→Lv15 換装Lv4 リンクLv7
魔力充電Lv5
名前 ノワ ドラゴニュート・オブセッションLv5→Lv7
生命力 60→61
魔力 108→114
筋力 45→46
防御力 40
俊敏性 52→54
器用値 98→102
スキル
影操作Lv11 飛行Lv4 呪撃Lv4 影探知Lv8→Lv9 影移動Lv4→Lv5
影潜伏Lv10→Lv12 影縛りLv11→Lv13 影召喚Lv4 気配遮断Lv7→Lv8 擬態Lv5
暗視Lv16→Lv17 邪眼Lv4 闇波動Lv1 竜技Lv3 竜化Lv4 邪竜の加護Lv2→Lv3
名前 コノハ スノーフクロウLv11→Lv13
生命力 52
魔力 73→79
筋力 52→54
防御力 38
俊敏性 55→59
器用値 72→78
スキル
奇襲Lv20→Lv21 飛翔Lv30→Lv31 氷爪Lv13→Lv14 羽投擲Lv15→Lv16 暗視Lv18→Lv19
気配遮断Lv12→Lv14 風魔法Lv20 水魔法Lv15 氷魔法Lv26
氷刃Lv10 耐寒Lv2
名前 セフォネ ヴァンパイアLv6→Lv11
生命力 20→25
魔力 25→30
筋力 15→18
防御力 12→13
俊敏性 12→14
器用値 25→30
スキル
吸血Lv10 夜目Lv12→Lv14 影潜伏Lv10→Lv12 影召喚Lv10 隠密Lv10→Lv12
暗黒魔法Lv2→Lv4 夜不死Lv10
名前 ダーレー 赤兎馬Lv8→Lv10
生命力 45→46
魔力 44→48
筋力 49→50
防御力 30
俊敏性 114→120
器用値 72
スキル
蹴り技Lv6 突進Lv12 猛火Lv7 火炎操作Lv8→Lv10 乗馬Lv23→Lv24
疾走Lv17→Lv18 騎手強化Lv20→Lv21 連撃Lv4 英気Lv6→Lv7 闘気Lv6→Lv7
譲渡Lv4→Lv5 赤馬の加護Lv4→Lv5