#261 地下訓練所と釣りの誘い
昼食を食べ終え、ゲームにログインし、みんなでイベントの話をする。まずはルインさんが聞いてくる。
「タクト君はイベント不参加よね?」
「参加しても意味ないですからね」
『えー』
リリーたちが残念そうに言うがそもそも決闘にはいいイメージがない。諦めてくれ。
「今回のイベントは運営の思惑が見え隠れしてますね」
「あぁ。初心者狩り対策に加え、暗殺を誘導しているな」
「暗殺?」
与一さんと満月さんの会話で不吉な言葉が出たぞ。するとアーレイが説明してくれる。
「暗殺はランキングイベントでわざと低い位置につけて、終了間際に一気に高ポイントを出して上を抜き去る行為のことさ」
へー。油断させて一気に蹴落とすのか酷いな。しかし戦法としたら、間違いとは言えないな。改めて二人が説明してくれる。
「今回はランクが高いプレイヤーは低いプレイヤーから決闘を断ることが出来ませんからね。必然的に暗殺を誘導しているんですよ」
「あえてログインしない手もあるが…それでも暗殺されるリスクが高い。結果的に同ランク、高ランクのプレイヤーに勝ち続けるしかないな」
シビアだが、それが本来のあるべき姿だろうな。そこでリサが聞いてくる。
「兄ちゃんはソロとタッグで有利な職業とか組み合わせとかわかる?」
「データもないし、わからないな。俺個人的な意見を言えば、ソロで有利な職業、タッグで有利な職業はないと思ってる」
俺でも近接戦闘が出来るからな。最早有利不利は存在していないだろう。
「それでも気にしてる職業があるんじゃない?」
メルに聞かれ、素直に答える。
「まぁな。案外忍者がいい線、行くんじゃないかと思ってる」
忍者は筋力、防御力がないが、全クラス最高のスピードと忍術による遠距離攻撃、絡め技もある。
敵に回すと厄介だろう。俺は烏魔天狗で厄介さを知ってるからな。
「なるほどね…タッグの組み合わせならどうかな?」
「それこそ相性勝負になるな」
忍者のみのスピードパーティーだと魔法使いや弓術師のような一撃必殺のパーティーに強いが騎士のようなバランスタイプや格闘家のような自己回復、自己強化持ちは苦手だろう。
バランスタイプは重戦士のようなパワータイプに弱いし、パワータイプは一撃必殺タイプに弱いだろう。
これらの有利不利をどんな戦略でクリアしていくかがポイントだろう。
するとルークが聞いてくる。
「召喚師はどうなりますか?」
「まぁ、召喚獣は相手せずに真っ先に狙われるだろうな」
「ですよね…どうしようかな」
するとチロルが爆弾を投下する。
「タクトさんなら誰と組むんですか?」
リリーたちが超反応する。しかしもし組むなら俺の答えは決まっていたりする。
「イクスだろうな」
『えぇ~!?』
「流石です。マスター」
全員が驚くなか、シフォンが言ってくる。
「てっきりリリーちゃんかイオンちゃんと組むと思ってたよ」
まぁ、普通ならそう思うだろう。
「リリーたちでも戦えるが今回のルールじゃ、波動系や竜化は不利だからな。でもイクスなら何度でも必殺技が撃てるし、装備のバランスもいいからな」
プレイヤーたちは納得する。リリーたちは納得するはずがないな。
あえて言わなかったがイクスには俺の思考を読み取るリンクスキルと俺の剣術をコピーできる。
そう考えるとイクスが一番良いと思った。まぁ、どうせ参加できないけどね。
するとメルが呟く。
「実際に決闘して、色々試さないとね」
確かに試さないと色々わからないからな。
「どうせなら決闘用の施設を作ってみないか? スペースなら地下にあるし」
「え!? いいの!?」
「良い案じゃないかしら? これからも同じイベントはあるだろうし、今の内に作るのはありだと思うわ」
というわけで地下に決闘施設を作ることが決定した。
早速作成に入る。まずは見取り図を作り、みんなの意見をまとめる。俺からはセフォネがいた場所は残すことをお願いした。
その後、完成した図面を元にルインさんたち主導で作成する。とりあえずは4面完成したがそれを見てルインさんが一言。
「悪のりしちゃったわね…」
「まぁ、決闘フィールドなんて聞いてイメージでだいたいこんな感じになるんじゃないですか?」
フォローのつもりで言ったが子供の頃みたアニメのバトルフィールドにそっくりだった。
まぁ、昔みたアニメのフィールドで戦うのもおつなものだ。早速メルたちが使い心地を試す。
「タクト! リリーもやりたい!」
「俺もしたいが武器がないんじゃ」
「心配無用だよ! はい!」
ユグさんが木刀を渡してきた。
「準備いいですね…」
「実は最初の頃に木刀が結構売れてね。これは売れ残りだよ!」
そんな情報は聞きたくなかったがお金を支払い、久々のバトルをする。
「うわーん! タクトにパワーで負けた~!」
リリーと戦って気付いたがどうやらデスペナの範囲にステータスポイントは範囲外みたいだ。
結果、リリーにパワーで勝利してしまう新鮮な勝負となった。
完全に俺が有利になったが、それでもイオン、恋火、イクス、ブランは俺と戦い、戦えない現状のストレスを発散した。
「今までタクトさんが苦労していたことがわかりました」
「あたしもです。パワーやスピードで負けているって凄いハンデなんですね」
イオンと恋火は普通俺よりスピード、パワーは上だから色々学ぶことがあるだろう。
「リリー、イオン、恋火…暗黒召喚師を覚えているか?」
俺の言葉に和狐が反応する。悪いとは思ったが伝えないといけないことだ。リリーたちは当然覚えていた。
「リリーは今までステータス的に有利に立っていたがこれからモンスターも強くなってくるだろうし、あいつみたいな敵が来るだろう。せっかくの機会だから自分が弱いときにどう戦うか考えて見るといい」
『うん(はい)!』
元気に返事をするリリーたち。それを見ていた全員から冷やかされる。特訓とかを頼まれたが断った。
リリーたちで手一杯だし、そもそもあまり教えていいものじゃないからだ。
気がつくと夕飯時になっていたので、ログアウトした。夜になると遂に新しいリープリッヒが完成した知らせが届いた。
皆で見に行くとそこには俺が選んだ通りの三階建てのお店が完成していた。
早速中を確認すると一階はファンタジーでよく見る酒場風になっており、二階は喫茶店風、三階は個室、屋上はビアガーデン風になっている。
注文通り完璧な出来映えだ。大工のおばあちゃんたちには感謝しかない。本格的な開店は明日にした。
今日はフリーティア周辺の浄化作業をしていると懐かしい人に声をかけられた。
「お久しぶりです。精が出ますね」
「シャローさん! メールは時々頂いていますがお久しぶりです」
シャローさんは以前古の島でフレンドになった釣り師だ。ワントワークで釣りをしていて、時々メールで何が釣れたか教えて貰っているのだ。
当然俺も海で出会ったモンスターの情報を教えあっている関係だ。
「実はフリーティアでイベントのサポートで参加しておりまして。食材の提供だけなんですけどね」
どうやら魚を提供して、結構な儲けになったみたいだ。
「それで本格的に船を買い、今日仲間と一緒に海釣りを楽しんだのですが、明日良ければ一緒にいかがですか?」
「いいんですか!?」
「もちろんです。ただ代金は頂かない代わりに釣竿の糸を頂けませんか?」
この様子だと海釣りは結構過酷みたいだな。とはいえアラネアの糸で退屈な一日が海釣りになるのなら願ってもないことだ。
俺は先払いで糸を渡し、シャローさんと明日の夕方にフリーティアで待ち合わせをして別れる。
俺はその後、セチアに釣竿の製作を頼み、ついでに和狐にもリリーたちの分のロコモコの衣服を頼んだ。浄化作業と生産作業を終え、ログアウトする。
現実に戻るとテスト勉強をして今日は寝ることにした。
名前 ロコモコ ハピネスシーフLv8
生命力 104
魔力 69
筋力 11
防御力 89
俊敏性 48
器用値 40
スキル
飛行Lv6 体当たりLv3 危険察知Lv11 逃げ足Lv3 育毛Lv11→Lv12
採乳Lv11→Lv12 耐寒Lv1 幸福Lv8 祝福Lv8 守護Lv4
光魔法Lv3 天の加護Lv10
名前 アラネア 土蜘蛛Lv7
生命力 46
魔力 55
筋力 52
防御力 28
俊敏性 34
器用値 86
スキル
噛み付きLv6 格闘Lv1 粘着糸Lv15→Lv16 柔糸Lv10→Lv11
鋼糸Lv24→Lv25 罠設置Lv20 糸察知Lv6 毒ブレスLv3
土潜伏Lv3 投擲Lv4 土魔法Lv1 呪いLv1 妖術Lv1
名前 ぷよ助 クリーンスライムLv3
生命力 70
魔力 0
筋力 0
防御力 91
俊敏性 36
器用値 42
スキル
捕食Lv21 防御Lv10 物理無効Lv12 変形Lv22→Lv23
衝撃吸収Lv11 分裂Lv10→Lv11 再生Lv16→Lv17 挑発Lv3 腐蝕Lv3
水中行動Lv9 極寒ボディLv19 浄化Lv11→Lv13 水属性無効Lv1
火属性無効Lv3
名前 エアリー ズラトロクLv8
生命力 84
魔力 50
筋力 52
防御力 32
俊敏性 65
器用値 45
スキル
角擊Lv18 登攀Lv4 危険察知Lv14 跳躍Lv10
疾風Lv15 木魔法Lv3 光魔法Lv12 採乳Lv9→Lv10
守護Lv5 祝福Lv6 蘇生Lv1 狂戦士化Lv2




