#258 追加された農業クエスト
夕飯を食べ終え、ログインするとみんながリビングの一つで命名、作戦会議室に集まっていた。
命題は若木の森にいるドラウグルビーストの討伐だ。これは冒険者ギルドで正式な依頼として、来ている。
討伐クエスト『若木の森のドラウグルビースト』:難易度A-
報酬:成果によって変動する。
時間制限:あり。
クエストチャレンジ期間:後4日。
クエストチャレンジ:一回のみ。
対象:全プレイヤー
若木の森のドラウグルビーストを討伐せよ。
今までのクエストとは違うな…時間制限とかあるのか…タイムオーバーした場合、どうなるんだろう。今まで浄化してきたことが水泡と消えるのは勘弁して貰いたいな。
司令官ことルインさんが話す。
「ドラウグルビーストはレイドボスでプレイヤーの参加制限はないわ。けどクエストは一発勝負で受けられる期限が決まっているの。これは期限を越えると獣魔ギルドが動くということみたい」
まぁ、あそこをなんとかしないと新規の召喚師はかなりきつい。
他の召喚師もドワーフの里で属性石が手に入るようになったから色々試したい人が多いだろう。
「今回は私たちだけじゃなく、他の国からもプレイヤーが参加するわ」
凄い数にならないか?因みに他の国のプレイヤーが参加する理由は今回はイベントでレベル上げが満足に出来なかったかららしい。
フリーティアは火計でゾンビの大群を退けたのは既に知れ渡っており、今回の討伐もそれを使えば可能という考えらしい。
「それでタクト君は参加しないのよね?」
「はい」
『えぇー!?』
なぜ驚く。当然だろう。
「あのな…俺たちは絶賛デスペナ中だ。こんな状態で戦えるわけがないだろう」
そこでメルが話す。
「でも、作戦指示とかで活躍出来るじゃない?」
「無理だ。俺の指揮限界はリリーたちの30だ。それは以前に証明している」
以前のイベントでミライに完全敗北したからな。しかしみんなも譲らない。今度はルークだ。
「タクトさんはクリーンスライム、ユルルングル、新しいヴァンパイアで参加出来るじゃないですか」
「集団戦では運ばないといけないスライムにレベル1のヴァンパイアだな。サビクは活躍するだろうがサビクだけに負担を押し付け、死なせるわけにはいかないんだよ」
全員が黙る。そこでルインさんが話す。
「タクト君は今回の作戦…火計でクリア可能だと思う?」
ルインさんに聞かれて即答する。
「恐らく無理なんじゃないかと」
「どうしてかしら?」
「以前ガルーさんが言ってました。リリーの攻撃は魔方陣を破壊することが出来ていて、竜化したリリーなら若木の森の魔方陣を破壊することが出来ると」
「確かに言っていたわね…だとすると今回のドラウグルビーストは魔方陣を破壊しないと無限復活してくる可能性があるわね」
ルインさんがそういうとミライが驚きの発言をする。
「…この前の戦闘で解放されたスキルに解除魔法があった。…使ってみたら魔方陣を破壊して、魔法を使えなくする魔法だった」
そんな魔法まであるのか…俺が取得している封印魔術と似ているが封印魔術は使用を禁止するが解除魔法は使用した魔法を使えなくするみたいだな。
ようは解除魔法は魔法を使用するから魔力の消費が発生する。もし少ない魔力でどんな魔法も解除可能なら大魔法を使用する度に大損することになる。
俺のイメージは対魔法使い専用魔法。もちろんモンスターにも有効なんだろうけどね。
「魔方陣を解除する魔法なら上手く行きそうね…後は準備ね」
全員が俺を見る。そんなみんなに俺は答えよう。
「今の俺は松とか取りに行けないので、頑張ってください」
全員が渋い顔をする。火計の肝とも言える松と油は前回の戦闘で遠慮なしに使いまくった結果、ほとんど残ってないのだ。
まぁ、油は錬金術で作れるらしいし、火矢も作成可能だ。ただやはり松素材の方が優秀という話だ。
前回上手くいった素材を使えないだけで不安になる気持ちはわかるが、みんなには頑張って貰いたい。
作戦会議を終えた俺はぷよ助でフリーティア近郊の浄化作業をする。
フリーティアの騎士たちから感嘆の声が聞こえてくる。君たち、仕事してくれ。
浄化作業を終えた俺はやることがないので、農業ギルドに顔を出した。
ヴェルドーレ村のクエストが終わったから何か無いかと探していたら、たくさんクエストがあった。中でも気になったのがこちら。
依頼クエスト『畑の復活』:難易度C-
報酬:綿の種
綿畑を復活させて欲しい。
依頼クエスト『畑の復活』:難易度C-
報酬:トウモロコシの種
トウモロコシ畑を復活させて欲しい。
依頼クエスト『畑の復活』:難易度C-
報酬:アブラナの種
アブラナ畑を復活させて欲しい。
依頼クエスト『ハーブの選別』:難易度E
報酬:ミントの種
雑草と混ざったミントを選別して欲しい。
綿は服の素材、コットンで知られている。
その一方で高級なサラダ油、綿実油としても知られている。まろやかな味わいがあり、風味が控えめな点から個人的に天ぷらがオススメ。
天ぷらって、いいよね!
次がトウモロコシ。これはサトウキビのおばあちゃんが教えてくれたバイオ燃料のヒントに目をつけた。
もちろんコーンとして料理に使ってもいいし、燃料になるということはサラダ油としても使えるということだ。
ただしコーン油は炒め物に適していない。よくドレッシングで使われる油だ。
これはチェックしておきたい。
次はアブラナ!有名な菜種油だ。菜種油で有名なのはマヨネーズ。他にもバターの変わりにパンに使われたり、ドレッシングや揚げ物、炒め物に使われる油だ。
サトウキビ、トウモロコシ同様でバイオ燃料として使われている。
最後はミント。ハーブと言えば、まずこれだろう。ミントティーで知られるミントだが、料理にも使われる。
クエスト内容が同じだが、クリア出来る回数に制限がある以上、優先度を決める。一番はやはり綿だろう。服の素材はやはり欲しい。
次が悩んだ結果アブラナにした。やはり油の有用性を見るとアブラナに軍配が上がった。コーン美味しいんだけどね…サトウキビがあるから優先度が下がった。
それじゃあ、クエストを受けて挑戦しますか!あ、ルインさんがいないや。
どうする?危険を承知でヴェルドーレ村に向かうか?
じっとしても仕方無いな…屋敷の金庫に有り金全部と装備も含めたアイテムを全て収納。これでデスペナは怖くない。
さて、それじゃあ。行きますか。
『じ~』
ドアからリリーたちが俺を見ていた。
「あ~…ちょっと出掛けてくるな」
「タクトだけずるい…」
「隠してもダメです! 外に行くつもりですよね?」
リリーとイオンの言葉に全員が頷く。くっ…数の暴力はダメだ。仕方ない…事情を説明して、お留守番をさせるか。
名前 ぷよ助 クリーンスライムLv3
生命力 70
魔力 0
筋力 0
防御力 91
俊敏性 36
器用値 42
スキル
捕食Lv21 防御Lv10 物理無効Lv12 変形Lv21→Lv22
衝撃吸収Lv11 分裂Lv8→Lv10 再生Lv14→Lv16 挑発Lv3 腐蝕Lv3
水中行動Lv9 極寒ボディLv19 浄化Lv9→Lv11 水属性無効Lv1
火属性無効Lv3