#24 魔法コンプと初称号
リリーとイオンを助け出した俺はアウラさんに呼び止められる。リリーとイオンがビクッとする。
「リリーちゃんとイオンちゃんと遊ばせてくれたお礼にいいこと教えてあげるわ」
何だろう? っと俺の足に抱き付いているリリーとイオンが何か言ってる。
「遊び……あれが遊び……」
「完全に襲われてましたよ……あれ」
うん、そうだね。
「識別スキルは取ったほうがいいわよ?」
「識別スキル?」
「モンスターとかの詳細がわかるスキルなんだけど、これでモンスターの強さとか大体分かるわ。識別スキルが効きが弱かったり、全く効かなかったら、相手は格上と言うことなるわ」
確かに強さの基準がわかるのは助かるね。
「それとは別に召喚師にはいいことがあるのよ」
「というと?」
「リスト召喚は知ってるかしら?」
「使えますけど、使ったことはないです」
謎だったんだよね。
「まぁ、そうよね。これは魔石召喚と違って召喚するモンスターを選ぶことが出来るのよ。対象は仲間にしている召喚獣と識別スキルで識別に成功していること。召喚師はこれを使って、召喚したい召喚獣を仲間にするのよ」
「取得します」
確かにそれは取得しないといけないね!取得ポイントは3pt。高いな。そこで天の声。
「はい。これ」
アウラさんがインベントリから巻物を取り出し、渡してくれた。
「識別スキルのスキルスクロールよ。楽しませてくれたお礼。使ってちょうだい」
「ありがとうございます!」
スキルスクロールを開くと取得出来るらしい。早速使ってみよう。俺がスキルスクロールを開くとインフォが流れる。
《スキルスクロールにより、識別スキルを取得しました》
名前 タクト 召喚師Lv12
生命力 18
魔力 28
筋力 14
防御力 7
俊敏性 12
器用値 26
スキル
素手Lv2 蹴り技Lv3 杖Lv4 召喚魔術Lv6 錬金Lv4
採掘Lv6 解体Lv6 鑑定Lv7 識別Lv1 火魔法Lv4 光魔法Lv5
料理Lv7 餌付けLv3
というか俺はこれでドラゴニュートを大量に召喚出来るのだろうか?
「残念ながらリリーちゃんやイオンちゃんはリスト召喚は出来ないわよ? ドラゴニュートはモンスターじゃなくて、竜人族という種族だからね。」
それは残念。つまりドラゴニュートを召喚したかったら、ランダムの魔石召喚をしないといけない訳か。それで属性石を使えば魔石召喚でもある程度、召喚を絞ることが出来るということだね。折角なのでリスト召喚を試してみよう。
「リスト召喚!」
俺が唱えると何やら一覧が表示した。
ウルフ
タイガー
フクロウ
これを選択して、魔石を使うと召喚出来るのか。便利だな。だが俺は一日一回の召喚を使ったので、これは出来ない。
「わかりました。色々教えてくださりありがとうございます。それとスキルスクロールも」
「いいのよ。また新しい子を仲間にしたら、見せに来てね。その時にリリーちゃんとイオンちゃんと遊ばせてくれたら、言うことなし!」
その言葉にリリーとイオンは顔を真っ青にしている。彼女たちは絶対に来ないと誓っていることだろう。
その後、俺たちは図書館を目指した。読書スキルとこの世界の本に興味があったからだ。
図書館を見つけ、入ると現代と変わらない図書館だった。ファンタジー要素の期待を裏切られたな。
俺はカウンターの人に初めて来たことと読書スキルのスキルスクロールを貰えると聞いたことを話すとあっさりゲット。早速開いてみるとインフォが流れる。
《スキルスクロールにより、読書スキルを取得しました》
名前 タクト 召喚師Lv12
生命力 18
魔力 28
筋力 14
防御力 7
俊敏性 12
器用値 26
スキル
素手Lv2 蹴り技Lv3 杖Lv4 召喚魔術Lv6 錬金Lv4
採掘Lv6 解体Lv6 鑑定Lv7 識別Lv1 火魔法Lv4 光魔法Lv5
読書Lv1 料理Lv7 餌付けLv3
ステータスを見るとちゃんと増えている。これで本が読めるんだよね。とりあえず知りたいことを調べてみるか……まずは魔法スキルからだな。氷魔法の取得条件とかわからないかな?
調べてみると見つけました。だが簡単にはいかないようだ。氷魔法の取得方法はこう書いてあった。
〈風魔法と水魔法を取得し、魔法を求めし者のみが取得することができる〉
ある程度はわかってはいた。コノハがそうだからね。だが、取得すればすぐに覚えるというわけでもなさそうだ。魔法を求めし者か……まさか魔法全種類覚えるとか? うーん、どうしようか。
そして当然というべきか……他の魔法も存在していることが判明した。説明文は同じなので取得出来る魔法と組み合わせをまとめるとこうなる。
風+火で雷
火+土で爆
土+水で木
水+風で氷
光+闇で時空
全部で5つ。時空がやばい臭いがするが爆もやばいだろう。現在俺は火と光を取得している。どちらも狙えるが……他の魔法も気になる。
残りのスキルポイント20pt。全魔法の取得には8pt必要になり、その後の魔法の取得にもスキルポイント使うんだろうな……むむむ。
かの名バスケット選手は言いました。
Don't be afraid to fail. Be afraid not to try.
挑戦することを恐れるな。挑戦しないことを恐れろ。
というわけでやっちゃいました。
《風魔法を取得しました》
《風魔法【ウインドカッター】、【エアショット】を取得しました》
《土魔法を取得しました》
《土魔法【アースショット】、【マッドボール】を取得しました》
《水魔法を取得しました》
《水魔法【レイン】、【アクアボール】を取得しました》
《闇魔法を取得しました》
《闇魔法【アタックダウン】、【ディフェンスダウン】を取得しました》
インフォラッシュ。これで残りのスキルポイントは12pt。後悔はしていない! そして早速いいことがありました。
《全ての基礎魔法を取得しました。称号『魔法を求めし者』を獲得しました》
《全プレイヤー中、初の称号を獲得しました。称号『称号の開拓者』を獲得しました》
《雷魔法スキルが解放されました》
《爆魔法スキルが解放されました》
《木魔法スキルが解放されました》
《氷魔法スキルが解放されました》
《時空魔法スキルが解放されました》
インフォラッシュ再び。どうやら全ての魔法を取得して、称号を得ることが条件かな。さて、称号って何?
称号『魔法を求めし者』
効果:魔力+10、特定スキルの解放
全ての基礎魔法を取得したものに与えられる称号。
え?魔力10も上がっていいの? 特定スキルは解放された魔法スキルのことだな。
もう1つは何だろう?
称号『称号の開拓者』
効果:スキルポイント+5
全プレイヤーで初めて称号を手に入れた者に与えられる称号。
残りのスキルポイントを見る…17ptに増えてました。新しい魔法の取得に必要な3pt。全部で15ptだ。
かの名バスケット選手以下略。
《雷魔法を取得しました》
《雷魔法【スタン】、【ライトニング】を取得しました》
《爆魔法を取得しました》
《爆魔法【ボム】、【マイン】を取得しました》
《木魔法を取得しました》
《木魔法【グロウ】、【リーフカッター】を取得しました》
《氷魔法を取得しました》
《氷魔法【アイスニードル】、【スリップ】を取得しました》
《時空魔法を取得しました》
《時空魔法【クイック】、【リターン】を取得しました》
やっちゃった。まぁ、召喚師は元々魔法使い寄りだ。リリー達をフォローするのに全属性の魔法を持っていたほうがいいだろう。あれだけあったスキルポイントが2ptになってしまったのは悲しい。だが後悔はしていない!
そんなことを思っていたらインフォの続きがあった。
《複合魔法を全て取得しました。称号『魔道を突き進む者』を獲得しました》
称号『魔道を突き進む者』
効果:魔力+10、特定スキルの解放
複合魔法の全てを取得したものに与えられる称号。
更に魔力アップ!しかしこの称号さっきの『魔法を求めし者』に上書きされてるね。でも効果は継続されてるらしい。良かった良かった。さて、ステータスはどうなったかな?
名前 タクト 召喚師Lv12
生命力 18
魔力 28→48
筋力 14
防御力 7
俊敏性 12
器用値 26
スキル
素手Lv2 蹴り技Lv3 杖Lv4 召喚魔術Lv6 錬金Lv4
採掘Lv6 解体Lv6 鑑定Lv7 識別Lv1 風魔法Lv1
火魔法Lv4 土魔法Lv1 水魔法Lv1 光魔法Lv5 闇魔法Lv1
雷魔法Lv1 爆魔法Lv1 木魔法Lv1 氷魔法Lv1 時空魔法Lv1
読書Lv1→Lv3 料理Lv7 餌付けLv3
称号
『魔道を突き進む者』、『称号の開拓者』
あはは! なんじゃこりゃ! 魔力がリリーの筋力超えてるし、スキル多!? まったく誰だ? こんな馬鹿なことをしたやつは……俺ですね。
タクト自身がチートの一歩を踏み出す回でした。
各魔法については後日説明します。
次回は出現モンスターの詳細を書く予定です。