#225 幸福の羊と虹蛇と地中の里
土偶の解体は代表して、俺がした。結果がこちら。
魔聖石:レア度5 素材アイテム 品質D+
強力な神聖属性の魔力を宿した石。武器の素材に使われる。高確率で神聖属性が付与される。
魔導核:レア度5 素材アイテム 品質D+
かなり多くの魔力が溜め込まれた玉。魔法具や魔導機械の部品として重宝されている。
聖石と土性石は30。人数分だ。だが魔導核は一つ。これが初回撃破報酬だと言う話だ。流石にこれは俺からじゃんけんを提案した。流石にみんなで攻略した初回限定を貰うのは気が引けたからだ。
メルたちが話し合う。
「土偶がパーティー毎に出現するなら聖石がここで確定で手に入ることになるけど…」
「問題は土偶に勝てるかどうかですね…」
「最初の石化は確定攻撃だろう…生き残ったとしても最後にカウンターが来る…かなり厳しい攻略になるぞ」
石化対策とカウンター対策が必須の敵。ノワが影縛りに徹していなかったら、俺たちは負けてたな。
さて、分析はメルたちに任せて俺はサビクとロコモコを進化させるとしよう。
最初はサビク。進化先は一つだ。
ユルルングル
やばい…知らない名前が来た。後で調べないと。
説明を見てみよう。
ユルルングル…聖なる泉に住んでいる大蛇。別名虹蛇とも呼ばれる。美しい蛇皮とは裏腹に銅のような硬さを誇る。天候を司っており、叫ぶと雷雨が発生する。
虹蛇か天候を司っている。なんか凄そう。どうなるか…進化させてみよう。
名前 サビク ブラックマンバLv16→ユルルングルLv1
生命力 60→75
魔力 22→42
筋力 36→56
防御力 22→42
俊敏性 45→60
器用値 36→46
スキル
噛みつきLv19 巻き付きLv11 薙ぎ払いLv1 鉄壁Lv1 猛毒Lv17
熱探知Lv13 水中行動Lv1 雷魔法Lv1 水魔法Lv1 土移動Lv1 雨乞い(あまごい)Lv1
水ブレスLv1 蘇生Lv1
流石は大蛇だな。キングコブラを超えるデカさになった。色は本当に虹色だ。いきなり大蛇が登場したので、メルたちに怒られた。仕方ないじゃん…これも召喚師の仕事なんだよ。
今までサビクはスキルが少ない印象だったが、劇的に進化した。まず雨乞いは言葉通りなら雨を降らせる能力。だからなんだという話だが何かしらの効果があるんだろうな。
土移動は土の中を穴を掘って移動出来るみたいだ。土潜伏では穴が発生しないから奇襲とかで活躍しそうだ。水ブレスは水の息吹だな。
そして凶悪なのが蘇生。恐らくこのユルルングルは一度死んでも蘇る能力がある。
そんな強く成長したサビクに俺はこの言葉を贈ろう。
「これでサビクも俺の肩から卒業だな」
「シャ!?」
落ち込むサビク。いや、だって…以前のルートを超えるデカさは無理だろ。
そしてお待ちかねのロコモコだ。進化先は1つだ。
ハピネスシープ
幸福の羊…なんかほっこりしてしまったが、説明を見てみよう。
ハピネスシープ…空を飛び人々に幸福をもたらすと言われている羊。滅多に見ることが出来ず、天の使いと言われている。
ロコモコ、天の使いになる。しかし説明からでは、予想がつかないな…進化させて確認しよう。
名前 ロコモコ クラウドシープLv16→ハピネスシープLv1
生命力 75→90
魔力 33→53
筋力 6→10
防御力 57→77
俊敏性 27→42
器用値 8→33
スキル
飛行Lv1 体当たりLv3 危険察知Lv7 逃げ足Lv1 育毛Lv7 採乳Lv7
耐寒Lv1 幸福Lv1 祝福Lv1 守護Lv1 光魔法Lv1 天の加護Lv1
ロコモコを進化させた瞬間、俺たちに七色の光の粒子が降り注ぎ、バフの光に包まれる。
「な、何!?」
「…これ、バフ?」
「ちょっと待て…ステータスを見てみろ」
満月さんに言われて確認すると全ステータスが10アップ。それだけでも驚異だが更に俺とノワには神聖属性、状態異常一回無効、ダメージ一回無効も加わっている。
俺たちが犯人を見るとそこにはプカプカ空に浮かぶ七色の羊がいた。大きさは俺の2倍は越えている。
「ロコモコ、お前がしたのか?」
「メェ~」
進化したロコモコが頷く。ロコモコは生産職から立派なバフ職に進化した。俺はたまらず抱き付くと七色の毛の中に入り込めた。
ロコモコの毛の中は天国だった。全身が太陽の暖かさに包まれ、草花の香りと水の香りを感じる。
あぁ…このままここで永眠したい…
するとメルたちの会話が聞こえてくる。
「どう思います?」
「恐らくシープを進化させる難易度が関係しているんでしょうね…パーティーで一枠失ってレベルを上げないといけないし、レギオンで挑むと敵が増えて、倒されるリスクが上がるから」
トリスタンさんの説明でみんなが納得する。そして与一さんと満月さんが疑問を口にする。
「神聖属性のバフはタクトさんたち限定でしょうか? 私たちにも付与出来るなら、ロコモコさんだけで今までの問題が全て解決しますよ」
「流石にそれは無理だろう…。しかしバフの対象次第で我々にも可能性があるんじゃないか?」
「…兄様、緊急事態。出てきて」
ミライに呼ばれ渋々外に出て、ロコモコに確認する。
「レギオンみんなに神聖属性のバフはかけれるのか?」
ロコモコが頷く。お!凄いじゃん!メルが慌ててお願いする。
「じゃ、じゃあ! 試しに私たちにバフをかけてくれないかな?」
するとメルに光が当たる。どうやら天の加護はこの光が当たると神聖属性が付与される能力みたいだ。
ただしこれは人間30人入れるか微妙な範囲だ。しかも光の外に出ると効果が無くなるみたいだ。すると与一さんとトリスタンさんが話す。
「…いえ、この範囲にいればいいなら大人数にバフをかける方法はありますよ」
「そうね。塔を建てればいいのよ。そうすれば塔の中にいる人たちにバフがかかるはずよ」
なるほど。攻城塔のようなものを作ればいいのか…ということはユグさんたちの出番だな。
天の加護の能力はわかった。状態異常一回無効は魔法でもブレスがあるからこれが祝福だろうな。名前からして、ダメージ一回無効が守護。残りのバフが発動したのが消去法で幸福だろう。
俺がスキルの予想をしていると何かが動く音がした。見ると壁だと思っていた場所がスライドし、新たな道が出来た。
ワープポイントを設置して、探索を続けることにした。俺は恋火、グレイ、虎徹で警戒態勢。
しかし意外にも敵にあわず、あっさり出口に着く。そしてそこには地中の村があった。
そして俺たちの目前に会われたのは背が小さい巨乳のお姉さんだった。
これが幸福スキルの効果か!
そこはドワーフたちの村だった。そういえばここにはドワーフたちの里があると聞いたことがあったな。すっかり忘れていた。
すると目の前の女ドワーフは持っていた石を落として、村に走り出した。
「人間が攻めて来たわ~~!!!」
全員が顔を見合わす。これは嫌な予感がするな。




