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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゾンビ襲撃
232/1718

#219 烏の翁

探索を続けていると狐子が空に反応。最初はなんだ?


三羽烏(さんばからす)Lv18

召喚モンスター 討伐対象 アクティブ


三羽?どっからどう見ても一羽の烏だが…すると目の前で三羽に分身した!俺は咄嗟に持っていた杖を振って、分身を倒す。


すると体が重くなる。まずった…これは祟りだ。呪いと病気の状態異常になった。


「…にぃ、大丈夫?」


「タクト!? 平気!?」


「大丈夫だ…勉強になるな…分身体を倒しても祟りは有効なのか…」


さて、相手は空飛ぶ敵だ。これ以上、祟られるのは避けたい。


「アラネア、粘着糸で罠を作ってくれ。みんな、あの烏は俺が仕留める。分身体でも手出しするなよ? 俺のようになるぞ」


「…ん。にぃの影に避難する」


「ボク、ノワは狡いと思うんだよね」


同感だ。


烏だからデバフをしてくるが病気状態だと通常のデバフは効果がないみたいだ。結果、俺はみんなの壁になった。


しばらく防戦一方だったが、三羽烏が粘着糸にかかり、俺が剣で止めを刺して終わりだと思った瞬間だった。


微かに草が揺れる音がして、俺は咄嗟にその場から飛びのき、地面を転がる。


顔をあげると俺がいた場所に黒い金属の棒が見えた。その場にいたら、あれに貫かれていただろう。


それの持ち主は奇襲が失敗したためか空に避難する。そいつを識別する。


烏魔天狗(からすまてんぐ)

? ? ?


烏魔天狗?烏天狗(からすてんぐ)じゃないのか?それに書くなら烏丸(からすま)と書くんじゃないのか?


いずれにしても烏天狗はダメだろ…識別でも分かるが間違いなく最強クラスの難敵だ。


姿のベースが人で顔が烏になっている。服装は山伏装飾で背中には烏の羽、手には錫杖、腰には刀がある。


烏天狗は鞍馬山の烏天狗が有名だ。牛若丸に剣を教えたことで知られている。


このゲームで天狗はどんな立ち位置にいるか知らないが現実では山の神にされていたり、日本三大妖怪の一つにあげられるほどの存在だ。


烏魔天狗が俺を見ながら、地表にゆっくり降りる。すると自信満々でリビナが前に出る。


「ふふん! どんなに強くても男ならボクの出番だね!」


確かにリビナなら勝機があるか…烏魔天狗がリビナを見る。


「ふふん…ボクを見たら腰砕けになっちゃうよ。おじいちゃん」


リビナがそういうが烏魔天狗に変化はない。


「あ、あれ?」


この結果にリビナは驚くが烏魔天狗はため息をついて、シッシッとジェスチャーする。


まるで大人の女性になってから出直して来いと言いたげの態度だ。この烏魔天狗の態度はリビナの逆鱗に触れた。


「あははは…はぁ…殺す」


リビナが爪を伸ばし、烏魔天狗に攻撃するが錫杖の突きをカウンターで腹にくらい、木に激突する。


「うぐ…き、効いたぁ~…」


リビナは倒されはしなかったがお腹を押さえて、苦しそうだ。


ゲイルが雷を放つと、烏魔天狗は居合いでゲイルの雷を斬る。雷切出来るの?この天狗…だがそれだけじゃなかった。続くアラネアの鋼糸、狐子の邪炎、ノワの影の槍全てを斬り裂く。


無茶苦茶強いぞ…この烏魔天狗。俺が烏魔天狗の強さを認識していると烏魔天狗は俺に錫杖を振るう。


警戒するが体の怠さが無くなった。俺がステータスを確認すると状態異常が直っていた。あの烏魔天狗がしたのか?


すると烏魔天狗は錫杖を消し、腰の刀を抜く。どうやら俺との真剣勝負がお望みみたいだ。


こんな変わったモンスターはガーベラグロウ以来だな。稲荷様や九尾も変わっていたが…ん?こいつってそのレベルのモンスターなのか?


しかしわざわざ状態異常を直してまで挑まれたんだ。答えないわけには行かないな。


「ノワ…リビナを見てやってくれ」


「…や。にぃが危ない」


ノワもやっぱりドラゴニュートだな。敵の強さが分かるみたいだ。


「男の一騎討ちなんだ。わかってくれ」


「…ん」


「いい子だ。ゲイル、アラネア、狐子も下がってくれ」


「ガウ」


ゲイルとアラネア、狐子も後ろに下がる。俺は前に出て、剣を構える。


お互い徐々に距離を詰めて行き、間合いに入る。


最初に仕掛けたのは俺だ。烏魔天狗の刀を弾き、突きを放つ。烏魔天狗は躱し、弾かれた刀を構え、懐に飛び込んでくる。


剣でガードしようとしたが、烏魔天狗は刀を使わず、蹴りを使ってくる。予期せぬ攻撃に咄嗟に足でガードするがぶっ飛ばされる。だがなんとか踏みとどまる。


ガードしたのにだいぶ生命力を削られた。この烏魔天狗…間違いなく俺より強い。ステータスでももちろんそうだが刀の技量がかなり良くて互角。


それに問題なのは俺が教わった剣術に限りなく近いことだ。まるで死んだじいさんが天狗になって、蘇っているみたいだ。冗談に聞こえない上に悪夢にもほどがある。


烏魔天狗はそんな俺を見て、笑みを浮かべ、刀を収め、居合いの構えをとる。俺はそれを見て、俺が知らない技が来ることを予感した。


理由は烏魔天狗の注意が不自然なほど、動いていることだ。剣術において相手に集中することは基礎中の基礎。それを壊すにはそれなりの理由があるはずなのだ。


俺は剣を中段に構え、覚悟を決める。相手が自分より強いならやれることは限られている。


烏魔天狗がこちらに向かってくる。そして居合いを放つ直前に烏魔天狗が三羽に分身し、左右正面から斬りかかってくる。


大丈夫、その戦法なら三羽烏で見ている!俺は剣を両手持ちから右手の片手持ちに変える。


まず正面の烏魔天狗の刀を左手で握り、強引に軌道を反らし、左側から斬りかかってくる烏魔天狗は腕で止めるが、切り落とされる。


そして右の烏魔天狗の刀を剣で受け止め、そのまま剣を流し、正面の烏魔天狗を斬りさく。


次の瞬間、烏魔天狗の姿が丸太になる。これは変わり身!?丸太の後ろから刀を上段に構えた烏魔天狗が現れる…これはダメだな。完全に先を読まれた。


そしてブラックアウト…目覚めると自室のベッドだ。


「はは。反則過ぎるだろ。あの天狗」


斬られる時、烏魔天狗は笑っていた。きっと俺も笑っていただろう。どうしてもあの天狗の姿と爺さんの姿が被る。だからだろうか? 俺はあの烏魔天狗と戦えて良かった。どうしてもそう思ってしまう。


その後、再ログインする。デスペナで失ったのが山葵で助かった…そしてインフォが来る。なんだ?


『片手剣のレベルが20に到達しました。武技【連続斬り】を取得しました』

『片手剣のレベルが20に到達しました。刀スキルが解放されました』

『片手剣のレベルが20に到達しました。二刀流スキルが解放されました』

『片手剣のレベルが20に到達しました。大剣スキルが解放されました』


あー、死に戻っても、スキルは上がるんだったな。ようやく刀スキルが解放されたが、この解放のされ方は納得出来ないものがあるな。


とはいえ早速ゲットするか…必要なスキルポイントは5ptだ。


『刀スキルを獲得しました。刀武技【一閃】を取得しました』


これで俺の残りスキルポイントは62ptに戻った。その後、デスペナが温泉で有効か試してみる。するとそこには先客がいた。


「えぇ湯やわ~」


「何しているんですか? 稲荷様」


狐の神様の稲荷様が温泉に入っていた。


「あんさんたちが揃いも揃って楽しんどったからなぁ。うちも楽しみに来たんよ」


フリーダム過ぎるだろ…稲荷様。まぁ、神様なんだし、自由なのは当然かも知れない。


「こないええものがここにあったとは知らんかったわ…うちの領域にも作らせなあかんなぁ~」


随分温泉が気に入ったようだ。すると俺に話しかけてくる。


「烏魔の翁に手酷くやられたみたいやね~、気にせえへんからここに入りや」


え?一緒に入っていいの?じゃあ、お邪魔します。


「大変そうやね~ところで烏魔の翁はどうやった?」


「ご覧の通りです。というか知り合いなんですか?」


「まぁ、知り合いやな。何せ烏魔天狗は烏天狗の総大将やからね」


…いやいや。可笑しいだろ…


「なんでそんな人? がここにいるんですか…」


「あんさんが目当てやよ」


狙われてるの?俺。


「烏魔天狗は変わりもんでな。将来有望な武芸者と戦うことが大好きなんよ。戦うことが好きやから神の座につかんと地上で生きとるぐらいやからなぁ」


あぁ…やはりじいさんの化身だ…あの烏魔天狗。そしてとんでもないことを聞いたぞ。


「あの烏魔天狗は神様レベルだったんですか?」


「流石にうちやカルラより弱いね…でもな、武器のみの戦闘やと全妖怪の中で最強と言ってええやろな。うちでも勝てへんかもしれんな~」


おかしいから!今の状態で戦っていい敵じゃないから!運営は俺を殺しにかかってるだろ!


「まぁ、今回はあの人の軽い挨拶や。しばらくは出てこーへんから気にせんことやな」


軽い挨拶で殺されたんですけど?まぁ、現れないならいいか…星空を見ながらそう思った。


すると声が聞こえた。


『カッカッカッ! もっと強くなったお前さんと戦う日を楽しみにしておるぞ! さらばじゃ!』


俺は稲荷様を見る。


「おきばりやす(頑張ってね)」


そう言うと稲荷様はいなくなる。それだけ!?あぁ、もう!リリーたちを呼び出し、デスペナを少し回復させてからログアウトした。


名前 タクト 情愛の召喚師Lv1


生命力 65

魔力  120

筋力  55

防御力 40

俊敏性 54

器用値 93


スキル


格闘Lv9 蹴り技Lv16 杖Lv22 片手剣Lv18→Lv20 槍Lv10 

刀Lv1 投擲Lv7 高速詠唱20 召喚魔術Lv28 封印魔術Lv5 

騎手Lv13 錬金Lv17 採掘Lv20 伐採Lv17 解体Lv33 

鑑定Lv20 識別Lv29 風魔法Lv22 火魔法Lv21 土魔法Lv22 

水魔法Lv28 闇魔法Lv22 神聖魔法Lv5 雷魔法Lv22 

爆魔法Lv22 木魔法Lv23 氷魔法Lv22 時空魔法35 

水中行動Lv2 読書Lv8 料理Lv33 餌付けLv7 釣りLv16 

シンクロLv10 連携Lv2


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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