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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゾンビ襲撃
228/1718

#215 貴族の逃亡とリーゼの暴走

夕飯を食べ終え、風呂を済ませてからログインする。さて、夜もイエローオッサ山脈に向かいますか。


そんなことを考えていたがそんな甘くはないみたいだ。サラ様からメールが来ている。


『スケルトンライダーの群れに国境を突破されました!』


大丈夫だって話じゃなかったか!?俺は急いで店を出て、お城に向かう。


お城は大混乱だった。ちょうど門前にガルーさんがいた。


「えーい! 騎士なら慌てるな! くそ、どいつもこいつも! おっ! 来たな」


「ガルーさん、状況は?」


「悪いが最悪だ…国境を守っていた騎士団が敵が来る前に逃げ出しやがってな…敵が目指してる場所もさっぱりだ」


国境を守っていた騎士?それって…


『僕はロベール!』


あ、い、つ、かぁあああ!最悪だ!そして事態は更に悪化する。


「はっ…はっ…良かった! タクト殿! ガルー殿!」


オリヴィエさんが慌てて走って来る。あの人のあんな姿始めてみたな。


「忙しい所すみません! リーゼお嬢様を知りませんか?」


「え? 知りませんがいないんですか?」


「…はい。夕飯の支度をしていたら、いなくなってしまっていて」


このタイミングで?凄く嫌な予感…騎士の人が言う。


「あ、リーゼ様なら私兵団を連れて外に出ていきましたよ」


「な!? どうして…」


「さぁ? 貴族の正しい姿を見せねばならぬとか言ってましたが」


それって…俺はガルーさんを見る。ガルーさんは頭を抱える。


「国境守っていた貴族は伯爵、子爵、男爵ばかりだったから逃げ出したと聞いて、飛び出していったんだろうな」


「な!? そのようなこと私は聞いておりませぬぞ!」


「姫様たちから聞かされたんだろ…」


オリヴィエさん、絶句。そこでインフォ。


『緊急クエスト『リーゼの救出』が発生しました』


緊急クエスト『リーゼの救出』:難易度D

敵に襲われているリーゼを救出せよ!

緊急クエスト『ゾンビ軍団、襲来』の結果により、報酬が変化する。


あぁ、そう来るだろうな!俺はオリヴィエさんに確認する!


「私兵団はスケルトンライダーやアンデッドと戦えるんですか?」


「っ!? 強さはありますが、武器は鉄製の武器です…」


つまり勝てないってことね!


「ヒクス!」


俺は失礼を承知でヒクスを召喚する。


『レッサーグリフォン!?』


騎士たちが驚いた様子だ。俺はヒクスに乗り、リーゼのことを話した騎士に聞く。


「リーゼ様はどの門からどの方向に向かったかわかりますか?」


「ひ、東門からトレントの森に向かいました」


よりによって、森かよ!?入られるとわからないぞ。


「連れ戻してきます! ガルーさん、敵のことがわかったら、教えてください!」


「わかった。お嬢のこと、頼む」


ガルーさんに頼まれる。サラ姫様と一緒にいる人だ。リーゼのことを知っていても不思議じゃない。そしてオリヴィエさんが懇願してくる。


「タクト殿! 私も連れていって貰えませんか?」


「わかりました。乗ってください」


「感謝いたします!」


オリヴィエさんが乗ったことを確認する。


「飛ばしますよ!」


「お願いいたします!」


俺たちはリーゼを探しに向かった。それを呆然と見ていた騎士たちにガルーさんが一喝する。


「冒険者の召喚師は慌てず立派に自分のするべき事を見付けて行動したぞ! お前ら、騎士はどうするんだ! 慌てるだけか!」


『い、いえ!』


「違うならさっさと防衛態勢を取れ! 国民一人も怪我させるんじゃねーぞ!」


『は…はっ! ガルー様』


騎士たちもようやく防衛態勢を取るべく行動を開始した。



ヒクスで一気にトレントの森を目指していると空にスケルトンライダーを発見した。するとスケルトンライダーから何かが落ちている?


ちょ、ちょっと待て…まさかあれは腐敗ゾンビか!?だとしたら、不味いぞ!


そしてスケルトンライダーがトレントの森の一ヶ所に集中して落としてる。あそこか!


「来い! リリー、ブラン!」


「タクト、どうしたの?」


「敵ですね? 主」


「あぁ、スケルトンライダーを頼む」


「任せて!」


「お任せを!」


リリーとブランがスケルトンライダーを仕留めに向かう。俺は槍を構え、リーゼがいるところに突っ込む。


リーゼは腐敗ゾンビに囲まれていた。そこにブランの効果で神聖効果が付加された槍が腐敗ゾンビの一団を貫き、腐敗ゾンビたちは消滅する。


オリヴィエさんはタイミングをあわせて地上に着地する。俺は和狐を召喚する。


「どないしました? タクトはん?」


「和狐。結界でリーゼ様たちを守ってくれ。俺はまず空の奴らを倒してくる」


「わかりました」


俺はヒクスと共に再び空に行く。その間にオリヴィエさんがリーゼに駆け寄る。


「ご無事ですか!? リーゼお嬢様!」


「うぅ…ぐず…爺? 爺!」


「良かった…よくぞご無事で」


「こ…怖かったのじゃ…空からゾンビが…」


「わかっております。どうかご安心を…強力な味方と共に参りました」


「ぬ?」


リーゼが顔をあげると和狐が駆け寄る。


「みなはん、固まってください。結界で守ります」


「お主は確かタクトの…ではあのレッサーグリフォンに乗っておるのはタクトか!?」


「左様です。しばしお待ちをお嬢様、お嬢様を泣かした屍どもを消してきます」


オリヴィエはかつてない殺気を放ち、腰にある銀製の剣を抜く。


「う、うむ! 頼んだぞ。爺」


「はっ!」


オリヴィエは消え、ゾンビどもを次々消滅させていった。


上空では俺、リリー、ブランがスケルトンライダーを仕留めていた。


それと同時にサラ姫様に連絡する。


『スケルトンライダーが腐敗ゾンビを落としてる!? それは本当ですか?』


「本当です。目視で確認しました。上から落とされたらどうしようもありません。フリーティアの上空に入られないようにしてください!」


『わかりました。すぐに動きます。リーゼは無事ですか?』


やはり心配だよな。


「大丈夫です。まだ戦闘中ですが、結界で守って貰っています」


『そうですか…良かった。あなたはこれからどうしますか?』


「とりあえずリーゼを護衛して、フリーティアに戻ります」


『わかりました。お願いいたします』


コミュニケーションを切り、戦闘に集中する。


「これで終わりです!」


あ、ブランが仕留めて終わった。下を見ると和狐が手を振ってる。オリヴィエさんが剣を納めているからオリヴィエが倒したんだな。戦闘見逃した!するとインフォが来る。


『槍のレベルが10に到達いたしました。槍武技【パイルバンカー】を取得しました』


下に降りるとリーゼ様が声をかけてくる。


「タクトよ! 皆のもの、大義なのじゃ! 助かったぞ!」


「ご無事で何よりです。先程サラ姫様に連絡いたしました。俺たちがフリーティアまで護衛いたします」


「ぬ? フリーティアまで護衛じゃと?」


「はい」


俺が頷くとリーゼは慌てる。 


「そ、それはダメなのじゃ! 妾たちはこのまま国境まで行き、ゾンビどもを食い止めるのじゃ!」


俺はオリヴィエさんを見る。


「お嬢様、それは不可能です。どうかフリーティアにお戻りになってください」


「不可能ではない! さっき倒せたではないか!」


さっき倒せても次、倒せるか分からない。それが戦場だ。ましてやこっちは戦闘で疲労している。


「それは万全の状態だったからです。疲労していてはどうしようもありません」


「それでも行かねばならん! 国民がピンチなのじゃぞ!? 貴族の騎士たちは逃げ出した! 公爵がじっとしておるわけには行かぬのじゃ!」


「お嬢様…」


リーゼはずっと公爵としての責務と戦ってきたんだろう。それが今回の暴走に繋がってしまったんだな。


「リーゼ様…あなたも私兵団の人たちもフリーティアの国民であることを理解しておりますか?」


「ぬ! それぐらい知っておる!」


「では、あなたが言ったこと、したことは逃げ出した騎士たちと同じだと言うことは理解しているんですね?」


「な!? どこが同じなのじゃ!」


「国民を危険な目に合わせたことです。もちろん意味はまるで違いますが結果は同じです。違いますか?」


俺が聞くとリーゼは詰まる。


「ぬ…それは…」


「あまつさえ俺たちに死ににいくように言いましたね? それはリーゼ様が目指す公爵が言っていい言葉ですか?」


「ダメじゃが…しかし国民をほっておけないのじゃ!」


「戦うことだけが国民を救う方法ではありません。俺たちは戦うことしかできませんがリーゼ様にはリーゼ様にしか出来ない国民が救う方法があるはずです」


「妾しか出来ないこと…」


リーゼ様が考える。するとオリヴィエさんが話す。


「そうですな…これからフリーティアには傷付いた国民が沢山来るでしょう。リーゼ様が先程感じた恐怖から救いを求めた国民たちです」


「あれから助かるために…」


「リーゼ様は恐怖を知りました。公爵家として彼らを安心させられるのはリーゼ様が適任ではないですかな?」


「そうじゃな…妾にしか出来ないことがあるんじゃ…タクト、爺! 急いでフリーティアに戻るぞ!」


「「はい!」」


リーゼはフリーティアに戻る決断をした。するとオリヴィエさんが話してくる。


「申し訳ありません。嫌われ役を押し付けてしまって」


「別にいいですよ。リーゼはきっといい公爵になりますね」


「ほほ。私もそう思います」


今回の暴走は失敗だったが、失敗は人を成長させる。リーゼは失敗を受け入れ、しっかり学び正しい行動を自ら選んだ。それが出来たリーゼはきっと凄い公爵になるだろうな。


名前 タクト 中級召喚師Lv19


生命力 49

魔力  103

筋力  35

防御力 25

俊敏性 38

器用値 77


スキル


格闘Lv9 蹴り技Lv16 杖Lv22 片手剣Lv18 槍Lv8→Lv10 投擲Lv7 

高速詠唱20 召喚魔術Lv28 封印魔術Lv5 騎手Lv11→Lv13 錬金Lv17 

採掘Lv20 伐採Lv17 解体Lv33 鑑定Lv20 識別Lv28 風魔法Lv22 

火魔法Lv21 土魔法Lv22 水魔法Lv28 闇魔法Lv22 神聖魔法Lv5 

雷魔法Lv22 爆魔法Lv22 木魔法Lv23 氷魔法Lv22 時空魔法35 

水中行動Lv2 読書Lv8 料理Lv33 餌付けLv7 釣りLv16 シンクロLv10


名前 ブラン エンジェルLv17→Lv18


生命力 23→24

魔力  33→34

筋力  26→27

防御力 23→24

俊敏性 32

器用値 31


スキル


飛行Lv1→Lv5 盾Lv6 槍Lv1→Lv5 挑発Lv6 光魔法Lv3 光輪Lv5→Lv7 天使の加護Lv3→Lv5


名前 ヒクス レッサーグリフォンLv3


生命力 72

魔力  64

筋力  94

防御力 46

俊敏性 94

器用値 60


スキル

飛翔Lv12→Lv14 鉤爪Lv5 騎乗Lv8→Lv10 旋風Lv6→Lv7 防風Lv3 風刃Lv3 疾風Lv5→Lv7 

残像Lv4 風魔法Lv2 雷魔法Lv2 雷ブレスLv1 威光Lv1 騎手強化Lv6→Lv8



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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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