#214 イエローオッサの泉とハイポーション
ミールの案内でたどり着いた場所は綺麗な泉だった。すると全員が泉に近付き、水を飲む。水、飲みたかっただけかい!
しかしこの水はただの水じゃなかった。鑑定出来たのだ。
イエローオッサの天然水:レア3 素材 品質D
イエローオッサ山脈に湧き出ている水。普通に飲むことができ、イエローオッサ山脈に住む生き物たちの命を支えている。
ミネラルウォーターの商品名と思ったのは、俺だけだろうか?
しかし、いい水を使えばドリンクの効果アップ。料理もスープとかにいい効果が期待できそうだ。何より食材ではなく素材ということはポーションの変化に期待が持てる!
たくさん持って帰ることにした。ごめんなさい、命を支えている貴重な水を少しわけてください。ポーションは死活問題だから自然の力を貸して貰おう。
水を汲んでいるとミールが草を採取してくる。
「たくさん見付けました」
キュアセリ:レア度3 素材アイテム 品質D-
生命力回復効果があるセリ。キュアリーフより効果が高い
マナセリ:レア度3 素材アイテム 品質D-
魔力回復効果があるセリ。マナ苔より効果が高い
キュアソバ:レア度3 素材アイテム 品質D-
生命力回復効果があるソバ。キュアリーフより効果が高い
マナソバ:レア度3 素材アイテム 品質D-
魔力回復効果があるソバ。マナ苔より効果が高い
「凄いな。偉いぞ」
「ふふ。誉めてくださり、ありがとうございます」
自然様…本当にありがとうございます。頂戴いたします。
古の島のワープを変え、ここに設置する。仕方無いんだ…しばらくお世話になります。
フリーティアに戻ってきた俺たちはヘーパイストスとセチアに成果報告する。
「凄い大きい角ですけど…これは…ちょっと…」
「やっぱ、無理だよな~。使い道なんだろう?」
「可能性的には槍ですけど…鉄の方がいいと思います。何せ角が複雑に変化しているので、かなり変な武器が出来上がりますよ。僕はそういう武器も好きですけど」
「オリジナル武器はロマンを感じるが使う側が大変なんだよな。それに遊ぶ時間はないだろ?」
「はい…」
となると鹿の角はやはり漢方…薬になるのかな?でも説明ではダメと書かれていた。なら使い道はなんだ?セチアが教えてくれた。
「成長した鹿の角は薬の効果は望めません。ですが肥料として使うなら非常に優秀なんですよ?」
なんですと?俺がミールを見る。
「あら? そうなんですか? セチア様」
「ミールもドライアドになったんですから、草木の肥料のことは知っておいたほうがいいですよ?」
「私たちは肥料作れませんからタクト様とセチアお姉様にお任せ致します。育てるのはお任せください」
「はぁ~…これなんですよね」
あぁ…そういえば調薬とか無かったな。ドライアドなのに…考えてみたら、ドライアドが薬作るイメージないな。
「でもこんなに固く大きなものを肥料にするのは大変なんですよね…」
肥料…粉…試してみるか。
「粉末化!」
立派な角が一瞬で粉になる。料理スキルのものだが、有効なんだな…良かった。識別している。
巨鹿の肥料:レア度5 素材アイテム 品質D
巨鹿の角を粉末化した肥料。肥料として栄養価が高く高値で取引されてる。
ちゃんと肥料になるんだな。良かった。一方でセチアが頭を抑える。
「全く…タクト様は規格外にもほどがあります」
「楽出来たんだから、いいだろう?」
「そうなんですけどね…はぁ、もういいです」
呆れられた…よし、今のうちに…
「どこに行くんですか? これからミールが見付けてくれた素材で新しいポーションを作るんですよ?」
「あー…俺は全然、お店してないから今日は手伝わないといけないと思うんだよな」
「皆さん、頑張っていますから大丈夫ですよ。それよりもタクト様は新しいポーションの制作を手伝ってください。ほら、行きますよ。ミール、タクト様を強制連行です」
「はい! セチアお姉様! ささ、タクト様はこちらです」
くっ!逃げ場ない…ヘーパイストスを見る。
「えーっと…剣を作らないと!」
逃げた!?苦楽を共にする選択肢はないのか!
そしてリリーたちも誰も助けてくれず連行された…救いの神はいなかった。俺、召喚師だよ?
部屋でセチアが真剣にポーションを作る。俺は新作のドリンクを作る。やはり新しい水を使ったドリンクは気になる。
しかしドリンクは品質が上がっただけだった。むぅ…ダメか…試しに飲んでみる。
う、うま!市販のリンゴジュースと大差ないぞ!効果は変わらないが味が劇的に変化した…魔法の水だな。
「あ、あの…タクト様? 一口」
「ミール…それは調子が良すぎると思わないか?」
「う…」
これは俺の生命線だから、お預けだ!何せこの後には地獄が待っている。
「出来ました!」
出来てしまったか…俺はポーションを見る。
HPポーションは青色、MPポーションは茶色だった。鑑定してみる。
ハイHPポーション(中):レア度4 回復アイテム 品質D
飲むと生命力が50%回復する。
ハイMPポーション(中):レア度4 回復アイテム 品質D
飲むと魔力が50%回復する。
アイテムの名前は変わって効果も完璧だな…問題は味だ。
「ささ! タクト様! ぐいっと一気に飲んでください」
もはや味見とか言わないさ…大丈夫。これはブルーハワイとウーロン茶だ。そう、これは飲み物だ…美味しい飲み物。
自己暗示をかけ、ブルーハワイを飲む。
…
……
………ん?
俺はもう一回、飲む。
不味くは…ないな。この味は…あれだ。ハッカ飴の味だな。好みが分かれる味だが喉がスーッとして俺は問題ない。
「「あ、あれ?」」
ちょっと待て!二人のその不味くないの?みたいなリアクションはなんだ!ダメだろ!
これならハイMPポーションも大丈夫かな?
飲んでみる。あー…この匂い、味はソバ茶だ。間違いない。
「ふぅ…うん。これなら好みは分かれるが普通に飲めるぞ」
「で、では。私も」
セチア…安全がわかってから飲むのはどうなんだ?
「…確かに好みは別れる味ですが、問題ないですね」
「だよな。とりあえずセチア。おめでとう」
「あ、ありがとうございます! タクト様とミールのお陰です」
「そ、そんなわたしは採取しただけですから、タクト様とセチアお姉様のこれまでの頑張りの成果だと思います」
皆で褒め合っていたが気になるのは飲めるポーションになった原因だ。考えられる原因は天然水だろうな。というわけで普通のポーションで実験。
「ど、どうですか?」
「う~ん…飲めはするな」
HPポーションはあれだ。うがい薬を間違えて飲んだ時の味。MPポーションは凄く渋いお茶だ。飲めはするがずっと飲み続けるのは心配になる味だ。
とはいえこれで味には水が重要であることがわかった。その後リリーたちにも飲んでもらった。全員信じて貰えなかったのが、悲しいな。その後、夕飯の為にログアウトした。
名前 セチア ハイエルフLv5
生命力 50
魔力 122
筋力 43
防御力 36
俊敏性 37
器用値 122
スキル
杖Lv14 魔法弓Lv8 鷹の目Lv3 射撃Lv2 木工Lv12 採取Lv18 調薬Lv8→Lv12
刻印Lv3 宝石魔術Lv1 宝石細工Lv1 風魔法Lv7 火魔法Lv13 水魔法Lv20
土魔法Lv13 闇魔法Lv1 神聖魔法Lv3 雷魔法Lv1 爆魔法Lv1 木魔法Lv16
氷魔法Lv3 樹魔法Lv9 ハイエルフの知識Lv13 精霊召喚Lv6 料理Lv8
名前 ミール ドライアドLv1
生命力 60
魔力 60
筋力 32
防御力 32
俊敏性 65
器用値 60
スキル
土潜伏Lv8 蔓Lv8 俊足Lv3 風魔法Lv1 土魔法Lv6
木魔法Lv5 水魔法Lv1 光合成Lv1 譲渡Lv1 花蜜Lv3
花粉Lv1 採取Lv7→Lv10 植栽Lv4 寄生木Lv5 罠設置Lv5
植物召喚Lv1