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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
22/1716

#21 錬金術ギルドと錬金スキル雑談

虎徹とコノハの様子を見てみよう。相手はデスニアです。さあ、来い!


結論から言うと俺とリリーの出番が無かった……デスニアが川から飛び出すとコノハが横から風魔法で風の刃みたいなものを放ち、デスニアを陸に吹き飛ばした。その後、虎徹が噛みつき、爪を立てながらデスニアを押さえ込むとグレイも噛みつき。それで終わった。


どうやら虎徹は襲い掛かったときに強襲スキルを使ったみたいだ。牙と手に赤いエフェクトが発生していた。


不完全燃焼の俺とリリーだが、十分な水性石は手に入れた。今日と昨日の若木の森の採掘で鉱石も貯まっている。準備は整ったので町に戻ろう。


今日の目的は2つ。虎徹とコノハの進化と水性石から作れるであろう水の魔石を使った2回目の魔石召喚だ!


俺は町に戻り、食事を終えると部屋で錬金スキルを使おうとするがやり方が分からない…なんてこった。リリー達に聞いてみよう。


「わかんない!」

「ホー?」

「「ガウ?」」


元気に答えるリリーと首を傾げる2匹と1羽。ですよねー。さて、クロウさんたちなら知っていそうだが、朝早いから迷惑かも知れない。ここは冒険者ギルドで聞いてみるか。


というわけで冒険者ギルドに向かうと何故か町中の人が道を開けてくれている。今までこんなことは無かったが、なんでだろう?疑問に思いつつ冒険者ギルドに到着した俺は錬金スキルについて聞いてみると一応教えてくれた。


「錬金スキルについては錬金術ギルドに聞いてみてください」


という回答。というわけで錬金術ギルドの場所を教えてもらい、冒険者ギルドの紹介状を持って錬金術ギルドに向かう。たらい回しにされない事を祈る。


錬金術ギルドは小さいと思ったら、どうやら地下が本拠地らしい。地下に降り、扉を開けるとそこには理科室を思い出す光景が広がっていた。


ビーカーやフラスコがたくさん並べられている。どことなく危ない組織臭がするね。


「お前が冒険者ギルドから来た若僧かい?」


「あ…はい。そうです」


おばあちゃんに声をかけられた。若僧と呼ばれたんだからこれくらいセーフのはず。


「なかなか物騒な召喚獣を連れてるね。けど、ここは動物厳禁だ。召喚石に戻しな」


「えーっと、それってどうすれば出来るんですか?」


やり方知らないんですけど。


「何? …ほう、これは珍しいね。召喚したのではなく、餌付けで飼い馴らしたのかい?」


見ただけでわかるもんなのか?俺はわからないんだが…ひょっとしてこのおばあちゃん、強かったりするのかな?


「はい」


「なるほどね。道理で召喚師なのに町中で召喚獣を出してるわけさね」


え?町中で召喚獣を出すのって駄目なの?


「普通は出さないね。考えてごらんよ。町中にサーベルタイガーが歩いている姿を」


俺は虎徹を見る。確かに怖いね。というか町を歩いてて、前が開けられていた理由はこれか。


「えーっと、この場合はどうすればいいんですか?」


「その子たち用の魔石を作って契約をすればいいのさ。魔石の作り方なら教えてあげるよ」


そこが本題だったね。あ、ついでに聞いておこうかな。


「ありがとうございます。他に錬金スキルで何が出来るか教えて頂いていいですか?」


「勉強熱心だね。でもやり方までは教えてあげられないね」


ありゃ、駄目か。


「どうしてか聞いてもいいですか?」


「いいよ。魔法と違って、これでも錬金や錬金術は学問であると同時に商売や強さに関わってくるもの。そう簡単に教えられるものじゃないのさ」


結構物騒な話だけど確かに秘匿している技術で商売をしているならそれを他人に教えることは出来ないわな。一応理解はできたが、ちょっと引っかかることがあったので、質問してみよう。


「なるほど。納得しました。ただ錬金スキルと錬金術スキルの違いがよくわからないんですけど…後、魔法と違ってとはどういう意味ですか?」


「魔法のところに疑問を持つとは素質があるね。まず錬金スキルと錬金術スキルの違いについては実演して説明しようかね」


おばあちゃんが石ころを二つ取り出す。


「物質結合!」


おばあちゃんがそう言うと二つの石ころがくっつき、大きな石ころになった。


「これが錬金スキル。簡単に言うと既存の鉱物の鍛えるスキルってところかね。物質結合の場合は鉱物を二つ使ってより大きく硬い鉱物を作ることが出来る。鑑定してごらん。品質が上がってるはずさね」


おぉ! 確かに品質が上がってる!


「これに対して錬金術スキルは更に高度なことをする。金属錬成【鉄】!」


石ころの下に魔法陣が描かれると石ころに稲妻が発生し、次の瞬間石ころが鉄に変化した。敢えて言おう。かっこいい!


「これが錬金術。鉱石を全く別の金属に変える魔術さね。極めればただの石ころを銀や金に変えることが出来る。当然そこの領域に行くためにはそれなりの修練が必要になるけどね」


まぁ、いきなり金や銀は登場しないよね。因みに金属錬成の場合は金属に変わるだけでレア度などは元の素材に依存するそうだ。ある意味そこが錬金術で作製した金属か普通に手に入れた金属との見分けるポイントとなるみたい。


「理解出来たようだね。次に魔法についてだけど、魔法とは魔力と自然界に存在するマナを使って、自然界の現象を引き起こすものなのさ」


現象ってことは火で例えるなら発火現象を魔力とマナってやつを使って、発生させるのが魔法ってことか。じゃあ、錬金術とはどこが違うのだろうか?


「それに対して、錬金術やあんたが使う召喚魔術は魔力のみ使い、自然界に存在しない現象を引き起こす。ま、媒体とかが必要な場合があるけどね」


その説明だと魔石っていうのは、自然界に存在しないのか?買い取り不可のアイテムとはルインさんから聞いたことはあるが。


「魔法については自然現象を起こすだけだから学問とは呼べない。錬金術や召喚魔術には人間が知らない現象がたくさんある。それゆえに学問なのさ。もちろん魔法を学問と捉えるものもいるがその場合は全て魔術と呼ぶのさ」


とりあえず学問になった瞬間に術呼びになるってことなのか。


「ご説明ありがとうございます」


「納得出来たようだね。理解が早いし、将来が楽しみさね。ま、錬金スキルで簡単に出来ることなら教えてやれるよ。聞くかい?」


それが本題でしたね。


「お願いします」


「まずは坊やの目的である魔石生成。これは物質に宿っているマナに魔力を加えて魔石を作ることが出来る。ただの石ころでは普通の魔石しか作れないけど、鉱石によっては属性が宿ったり、より高度な魔石を作れたりもする」


「それってこれのことですか?」


「へぇ…。水性石を持っているかい。それは水属性が宿っている鉱石で魔石生成を使うと水魔石が作れるよ」


やっぱりそうなんだ!頑張った甲斐があった。


「他に出来ることは武器の耐久値の回復が有名かね?錬金術のレベルまで行くと大体出来てしまうのが錬金術のいいところさ」


「大体出来る?」


それって生産職大丈夫か?


「一長一短だけどね。例えば薬の作製。HPポーションの場合だと薬師が作る物は品質が高く、スキルなどによってはボーナスとか付く場合があるけど、錬金術で作るとまず付かない。その代わりに錬金術で薬を作った場合は作るのが早く品質は一定なのさ」


「つまり質を求めるなら生産スキルで量産を求めるなら錬金術という感じですか」


いい薬を作って、一気に大金を得るか。普通の薬を大量に売るかの差か。


「そういうことさね。さっき話した武器の耐久値の回復も一長一短がある」


これは聞いておかないとな。


「例えばそこの可愛い嬢ちゃんが持っている石の剣だが錬金スキルだと武器の元になった石ころを使って耐久値を回復させることが出来る。これに対して鍛冶師はスキルを使って武器を打たないといけない。当然時間もかかるし、商売のためにお金も取る」


一瞬錬金スキルが万能だと思ったが、気になるところがあった。


「武器の元になった素材がいるのですか? それってレア度が高いものほど大変な気がするのですが」


「そこが錬金術の欠点さね」


なるほどね。レア度が高い武器は錬金スキルで回復させるのが困難だが鍛冶師はスキルと武器の打ち直しで直せるわけか。


「ざっとこんなところかね」


「ありがとうございます。勉強になりました」


「礼はいいよ。やり方とか詳しく知りたかったら、町の図書館を使うといい」


何? 今、重要な事を聞いたぞ。


「図書館があるんですか?」


「当然さね。ただ本を読むには読書スキルがいるけどね。ま、あんたみたいな勉強熱心な奴なら色々有効に使える施設だと思うがね。読書スキルについては施設の人に聞くとスキルスクロールが貰えるよ」


知らない単語が出たな。


「スキルスクロールですか?」


「スキルが封じられている巻物のことさ。取得するのにスキルポイントを使わないから便利さね」


おぉ! 確かに便利! というかプライスレス。つまり図書館に行くとただでスキルが獲得できるわけか…これは行かないとね!


「さて、そろそろ本題の魔石生成のやり方を教えようかね……とはいえ、やり方は簡単さ。まず錬金スキルから魔石生成を選んでごらん」


「はい」


俺は言われた通りにすると魔法陣が2つ現れる。これの意味がわからなかった。


「右の魔法陣が元になる素材で左が錬成するのに使う素材さ。別々の素材を使うときはいい素材を右にするのが基本さね。普通の魔石は石ころ二つでいいから深く考えなくていいよ」


「わかりました」


俺は石ころを魔法陣の上に置く。


「これで準備は完了。後は魔石生成を使えばいい。やってごらん」


「はい! 魔石生成!」


俺がスキルを発動すると魔法陣が1つになると石ころは消えてなくなる。そこには何もない……あれ? 俺の魔石はどこ?


「失敗のようだね」


あぁ……クロウさんが言ってたっけ。失敗があるって……これレア度が高い素材で失敗したら、ダメージでかいな。


「まぁ、後は根気よく頑張んな。スキルのレベルが上がれば失敗も減るからね」


「わかりました。色々お世話になりました」


「別に大したことは教えてないさね。それから召喚獣の契約については獣魔ギルドで聞きな。ついでに所属もしておくといい。召喚師や猛獣使いならみんな入っているからね」


「わかりました。これから行ってみます」


俺は錬金術師のおばあちゃんにお礼を言って、錬金術ギルドを後にした。



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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] 練金ギルドのおばあちゃんの台詞が続いています。 「そういうことさね。他に出来ることは武器の耐久値の回復も出来るよ。これも一長一短がある」 「例えばそこの可愛い嬢ちゃんが持っている石の…
[一言] 一から十まで聞かなきゃできないのは三流以下(笑)リアルでもゲームでも自分で調べなきゃ(笑)その上でわからなければ聞けばいいだけだし
2020/01/08 07:04 退会済み
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