表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゾンビ襲撃
218/1718

#205 ゾンビの行き先

俺はインフォを受けて慌てて、リターンでリープリッヒに戻るとお店にはルインさんたちがいた。


「ルインさん、さっきのインフォは!?」


「タクト君にも来たのね…」


「ということは皆さんにも?」


「うん。今、ユグが掲示板を見に行ってるよ」


そうなんだ…でもこれは…


「クエストから見て、ネビロスが言っていたことですよね?」


「十中八九そうでしょうね…ガーベラグロウがキーになってるとは思わなかったわ」


「ガーベラグロウさんがどうかしたんですか?」


セチアが聞いてくる。セチアはガーベラグロウと話をしていた。聞かせるのは辛いが話すしかない。


「すみません。セチアと話して来ます」


「わかったわ。詳しいことがわかったら、教えるわね」


「お願いします。セチア、二階で話そう」


「は、はい」


俺の部屋にセチアを入れる。


「セチア、落ち着いて聞いてくれ。若木の森のガーベラグロウが討伐されたらしい」


「え…」


セチアが固まる…そうなるよな。


「そ、そんな! どうして…確かガーベラグロウさんの討伐は国が禁止しているはずです!」


「あぁ…だが、その禁を破った奴がいるんだ。そしてガーベラグロウが守っていた封印が解かれてしまったらしい。恐らくネビロスが言っていた封印だ」


「で、ではゾンビたちが?」


「あぁ。ここに来る可能性が高い」


セチアが抱き付いてくる。それは優しくセチアの頭を撫でてあげる。


「酷いです…ガーベラグロウさんはずっと人のためにあそこを守り続けていたのに…」


「分かってる。俺も祝福して貰ったからな」


そうだ。決して悪いやつじゃなかった。


「ゾンビどもが来るなら倒すぞ。きっとガーベラグロウもそれを望んでいる」


「はい! タクト様!」


よし。いい返事だ。そこでメッセージが来る。ユグさんが来たみたいだ。


下に降り、掲示板の情報を教えてもらう。


「今回の発端は先のイベント上位者たちが起こしたことみたいだよ」


「どういうことです?」


「なんでもイベント武器がガーベラグロウに有効だったみたい。カースの武器は回復を防ぐ効果があったらしいよ」


ということはカースは呪いの状態異常を相手に与える武器か…確かに回復を封じられるのはでかいな。


「それにポイズンの武器も植物モンスターに特攻の効果があったみたいだよ…イベントで森が毒に犯されていたからね」


なるほど…つまり運営はイベント報酬でガーベラグロウの討伐を誘導したわけか。


くそ!ボスがアスタロトだった時点でもっと警戒するべきだった!


「現状被害は出ているの?」


「ガーベラグロウを討伐したレギオンがインフォと同時に大量に涌き出てきたゾンビに襲われて死に戻ったくらいかな?」


御愁傷様。でも弁解の余地はないな。


「そもそもどうしてガーベラグロウが討伐されたんですか? いくらイベント武器で誘導されたからと言って、ルインたちが掲示板で警告していたんですよね?」


「えぇ…でもやっぱりゲーマーは強いボスを倒してみたいものなのよ…それで何かが起きるかも知れない。珍しいアイテムがゲット出来るかも知れない。掲示板で自慢できるかも知れない。その結果、いくらダメと言われても挑戦してしまうものなのよ」


そんなもんなのかね?まぁ、俺が言いたいことはひとつだけだ。


「そんな身勝手な理由で巻き込まれたくないのですが? ガーベラグロウを討伐できるほどの腕があるなら、このイベントはその人たちが全責任を取るのが筋だと思うのですか?」


自分たちの身勝手な行動の不始末は自分たちでカタをつけるべきだ。


「タクト君の言い分には私も賛成だけど、流石に規模が大きすぎるわ。とにかくこうなった以上、私たちは既に巻き込まれているわ。何か対策を考えないといけないわ」


そうだな…まずは気持ちを落ち着かせる。そしてルインさんに当たったことを素直に謝罪する。怒りを他人にぶつけてしまうとはまだまだ修行が足りないな。


まずは現状の確認をしよう。


「ゾンビどもはここに来ますかね?」


「間違いなく来るわね…タクト君は現状どのくらい戦えるのかしら?」


「えーっと。まともに戦えるのは俺、リリー、セチア、恋火、和狐かな? イクスは神聖属性にすれば戦えるか?」


「戦えます」


するとブランが伝えてくる。


「主よ。私も戦えます。死者や悪魔の討伐は私たち天使種の役割です」


するとリビナが反応する。


「ボク、死んでないし、悪魔じゃないからセーフ!」


「あなたも悪魔でしょう!」


「はいはい。今は喧嘩してる場合じゃないんだ。やめてくれ」


「はーい」

「すみません」


改めてルインさんに言う。


「ゾンビと戦えるのは7人ですね」


「フルパーティーを組めるなら大したものよ」


まぁ、初めてディープレッド荒野に行った時と比べるとだいぶ戦力アップしたよな。


「とにかくイクスの属性を変えてきます。イクス」


「イエス、マスター」


俺はイクスのカプセルでイクスの属性を変える。


まさかこんなことになるなんてな。予定が完全に狂った。


とりあえずイクスの属性チェンジは急務だからしたが、このあとはどうすればいいんだ?


さっきの話だとゾンビが出現した地点は若木の森だ。ここまで距離があるから大丈…夫?


ちょっと待てよ。ゾンビがここに来る前提で話していたがここにしか来ないのか?もしゾンビが近くにいるプレイヤーを狙うなら行き先はここじゃなくてファストの町じゃないのか!?


「属性チェンジ完了しました。マスター」


俺が慌てて下に降りるとインフォを見たプレイヤーが集まっていた。



「タクト君、ごめんね? 集合場所に使わせて貰っちゃって」


メルが謝ってくるがそれどころじゃない!


「誰かファストの町にフレンドがいる人はいないか!?」


ルインさんが答えてくれる。


「ほとんどの人はいると思うわよ? どうしたの? 血相を変えて」


「ファストの人にもインフォが流れたか確認してくれませんか?」


「それならクエスト対象が全プレイヤーって書かれてあったから届いているはずよ?」


あぁ!?そうだった!くそ!もっと早く気付けた!


「リリー、セチア、イクス、ブラン! 一緒に来てくれ! ファストの町にワープするぞ!」


『うん(はい)!』


「ちょ、ちょっと待ちなさい。タクト君。説明してくれないとわからないわ」


あぁ~時間がないのに!


「今回のイベントはプレイヤー全員が対象です! そしてゾンビが出現したのは若木の森ならゾンビが最初に狙うのはファストの町になりませんか?」


『っ!?』


全員が驚く。そしてトリスタンと満月さんが話す。


「確かにモンスターは近くのプレイヤーを狙うから…」


「その原則を考えると確かにそうなるな」


そして決定的なことを話す。


「そしてファストの町を襲った後、それぞれの国にゾンビが分散するなら全プレイヤーが対象である話が通るんです!」


なぜなら俺たちプレイヤーがファストの町から分散したからだ。ルークが話す。


「ちょ、ちょっと待ってください! ファストの町にいるのは初心者ですよ!?」


確かにそうだが、ルインさんが否定する。


「そうでもないわ…イベントがあったから初心者はいないはずよ? それにポイントでゲットした物を売れば、他の国には行けるはずなのよ」


「あ…」


「つまり今回のイベントは他のプレイヤーを他国に行かせるイベントな訳か!?」


烈風さんはそういうがそれは決まったことじゃない。


「これはあくまで俺の予想です。なので今から確かめに行ってきます」


「私たちも行きましょう。タクト君の予想はよく当たるからね。もしその予想が当たりならイベントが発生するはずよ」


そして集まっていたプレイヤー全員がファストの町に向かうことになった。この予想は外れていて欲しいんだけどな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] でもルインは結局タクトを頼ってるのが気に食わないな。 今までも少し寄生に近い気がする。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ