#166 獣魔ギルドのグラマスと雪遊びの定番
凄く今更ですが、騎乗戦闘に使うスキルを馬上剣などにしていましたが、それを無くし、騎手スキルのみに変更しました。
騎手スキルを取得すると騎乗しながら弓や魔法が簡単に使えるようになるサポートスキルです。
フリーティアに戻ってきた。とりあえずイクスの武器を作るのが当面の目標だな。しかし鉄鉱石中々手に入らないんだよな…情報収集するか。
冒険者ギルドで情報収集をすると早速情報をゲットできた。
「鉄鉱石についてはたくさん取れる場所はあります。ですがその道にゴブリンとモンキーたちが砦を作り、私たちも貴重な鉄鉱石が手に入らず、特にドワーフが困っています。クエストも発行されております。受けますか?」
む。これはその砦を攻略する流れだな。鉄鉱石が効率よくゲット出来るなら望むところだな。
「受けます!」
「ありがとうございます。こちらがクエストです」
依頼クエスト『キングコングの砦を攻略』:難易度C+
報酬:望んだ鉄製の武器、10000G
キングコングとゴブリンが作った砦を攻略せよ。プレイヤー参加人数自由
微妙に難易度高いな…そしてキングコングと戦うのか。まぁ、いつかは戦わないといけない敵だ。鉄鉱石のために我慢して戦おう。報酬も悪くない。でもヘーパイストスがいるんだよな。恋火の武器が欲しいし、悩む。
とにかく攻略しないとな。ぶっつけ本番は危険だろうから情報収集して、しっかり作戦を立てて挑むとしよう。
キングコングの砦を確認する前に今日の召喚をしないとね。というわけで獣魔ギルドに着くとプレイヤーがたくさんいた。
どうやらイベントでゲットしたアイテムで召喚を早速していたみたいだ。ルークたちもいた。
ルークはコボルト…お前…どんだけだ。
チロルはペンギン。モフモフではないが喜んでいる。
「あ、タクトさん!」
「イベントお疲れ様でした! お陰さまでレベルアップにポイントがたくさんです!」
それは良かったね。俺はレベルアップ無かったよ。他にも一緒だった人には御礼を言われた。一緒になれなかった人たちは愚痴を言ってくる。
「タクトさんならカプセルに届きましたよね? あれ、なんだったんですか?」
ルークの質問に全員が聞く態勢になる。
「残念ながら公開はNGだ」
俺がそういうと烈風と雷電に捕まる。
「ということは交換しましたね?」
「げろっちまえよ。どうせいつかばれることだろ?」
「確かにそうですが、非常にデリケートな話なんです。話せるようになったら、話しますから引いてくれませんか? 無理矢理聞き出すつもりなら相手になりますけど」
俺がそういうと二人は引き下がる。
「なんだよ。教えろ」
「ば、ばか!」
「死にたいんですか!」
強引に聞き出そうとしたプレイヤーを二人は慌てて、止める。俺の本性を二人は知っているからな。二人には悪いがイクスのことを考えると多少脅して黙らせるしかない。後で二人には謝っておこう。
「あははは…タクトさんはこれから召喚ですか?」
「あぁ」
「何の属性を試すんですか? あ、それともリスト召喚ですか?」
「氷とリスト召喚でスネークだな」
「あ、合成召喚でヒュドラ狙いですね?」
「バレバレだよな。あ、そういえば識別の約束だったな」
『あ、忘れてた!』
俺が召喚獣を召喚してプレイヤーたちが識別していく。そしてリスト召喚をすると無事に召喚出来るようになったみたいだ。俺もついでにチロルのペンギンを識別させてもらった。
それが終わると周りは俺の氷の召喚の話に。
「やっぱマーメイドだろ!」
「ペンギン!」
「イベントで出てきた氷精に決まっている!」
「ラッコ!」
「氷のドラゴニュート!」
「アザラシ!」
めちゃくちゃだな…因みにチロルは氷でペンギンだったみたいだ。
さて、色々な意見が出たが失敗する可能性もあるんだよな…とりあえず獣魔ギルドの中に入り、ネフィさんがいるかを聞くと丁度アウラさんもいたようだ。助かったぞ。
「相談したいことってなんですか?」
「新しい亜人種でも見つけた?」
アウラさんが正解なわけだが、ここで話すわけにはいかない。
「すみません。恐らく非常にデリケートな話なので、誰もいないところで話せませんか?」
二人は俺の様子から何かを感じ取り、ネフィさんの私室に案内される。
「ここでなら大丈夫ですよ。何があったんですか?」
「落ち着いて聞いてください。旅先の遺跡でエクスマキナを発見して、契約を結びました」
流石にイベント報酬とは言えないだろうからこの辺りが妥協線だろう。
「「えぇ!?」」
二人は驚く。
「ちょ、ちょっと待ってください。エクスマキナって絶滅した亜人種のことですか?」
確かに休眠したらしいから絶滅と判断されてもおかしくはないだろう。
「人類を絶滅させようとした亜人種と聞いているけど…本当にそんな伝説の存在を見つけたの?」
「はい。エクスマキナの歴史は彼女本人から聞きました。なのでどうするべきか相談に来ました。お二人なら大丈夫だと思いましたから」
俺がそういうと第三者の声がした。
「うんうん。若い有能な召喚師に信頼されているみたいでよかったね。二人共」
視線を向けると一匹のデブ猫がいた。
「「グラマス!?」」
ん?グラマス?何それ?
「はじめましてだね。亜人種に愛される召喚師よ。僕の名前はカイン。このギルドのギルマスで獣魔ギルドのグランドマスターをしている。君のことは二人から聞いているよ」
な、なんだってー!?このデブ猫がここのギルマスって大丈夫なのか?するとネフィさんが言う。
「グラマス! 猫の姿のままです!」
「おっと、そうだった。よ!」
デブ猫がそう言うと人間の姿になる。ネフィさんと同じ年くらいの青年だ。
「いやー、ごめんね。あまりにデブ猫が好きでいつもデブ猫の姿でいるんだよ」
獣魔ギルドに変な癖の人が多いのはこの人が原因な気がする。
「どうしてここに…というかここは私の部屋ですよ!?」
「猫は自由だから猫なんだよ」
「説明になっていません!」
「つまり猫の姿のままなら何をしても許されるのさ」
「そんなルールはありません!」
確かにそんなルールがあったら、大変だろうね。
「まぁまぁ。今は彼の話だ。とにかくそのエクスマキナに会わせてくれないかな? 実際に見て判断したい」
「わかりました。お店にいますので、案内します」
「お! 噂のお店だね! ラッキー。だがその前に召喚がまだだろう? やってくるといい」
グラマスまで知っているお店ってそこまで有名なのか?うちの店。そしてこの人、色々把握しているんだな。
召喚の間に向かい、氷魔石で魔石召喚を実行!
魔方陣が青く輝く!よし、成功だ!さて、正解はあったのか?出現したのは小さいーー
雪だるまだった。
「え?」
いかん、思わず固まってしまった。とりあえず識別してみるか。
スノーマン
うん。雪だるまだな。いや見た目からそうなんだけどさ。
するとスノーマンは跳び跳ねながら近づいてきた。おいおい。大丈夫か?壊れたりしないよな?
俺が持ち上げるとちゃんと冷たい。だが体は崩れることはなかった。まぁ、当然か。
さて、名前はどうするかな。まさか雪だるまに名前をつけるとは思わなかった。性別もわからないし、雪でどちらでも使える名前にするか。
名前 伊雪 スノーマン
生命力 10
魔力 10
筋力 12
防御力 15
俊敏性 4
器用値 12
スキル
素手Lv1 雪投擲Lv1 防御Lv1 物理耐性Lv1 雪潜伏Lv1
これで俺が召喚できる召喚獣の数は8になったな。しかしこのスノーマンはどうなるんだろう?ひょっとしたらゴーレムの亜種の可能性もなきにしもあらずなのかな?
次はスネークをリスト召喚だ。
魔方陣無反応…失敗あるんだったね…まぁ、氷魔石が無駄にならなかったんだ。よしとしよう。
俺が伊雪を連れてカイムさんと外に出るとみんな同じリアクションをした。
『雪だるま?』
そうなるよな。その後、俺は三人を連れてお店に向かった。