#165 バトルシップとエクスマキナの歴史
翌日の学校で委員長たちに怒られた。カタパルトが怖かったらしいが俺に怒られても困る。
因みに海斗のやつは口を聞いてもらえない。
「巨乳を登るのは男のロマンだろ…そうだよな? 誠吾」
「俺に聞いてくるな。俺は今、難題を抱えているんだよ」
「そういえばカプセルゲットしたのか? たぶんお前しか交換出来ないって話だが」
そうなんだ…まぁ、ポイントが凄かったからな。
「したよ」
「お! なんだったんだ? ガチャなら何をゲットしたんだ?」
やはりガチャをイメージするよな。
「幼女」
「またかーーー!?」
「うるさい!」
それから海斗のやつが休みの度に聞いてくる。だが教えられないな。こいつに話すとロクなことにはならないと俺の第六感がそう言っている。
帰り道、スーパーで買い物してゲームにログインする。ベッドで起きると制服を着たイクスがベッドの中にいた。絵面的に俺がクラスメイトと一晩過ごしてしまったように見えるからアウトだ!
「…なんでその服なんだ?」
「この服を着ていた時のほうがマスターが喜んでいたからです」
なぜわかると聞くのは愚問なんだろうな。
「はい。わたしとマスターは繋がっていますから」
リンクスキル、怖すぎだろ。
「はぁ~、これだけは約束してくれ。他の人前ではその服装にはならないでくれ」
「約束…つまり命令ですか?」
なぜ言い直す?そしてなぜ嬉しそうなんだ?
「マスターに命令して貰えることがわたしたちの喜びだからです」
絶句。つまり俺はイクスに命令をしないといけないのか?
「はい。なんなりと命令してください」
そんなこと言われても命令するの苦手なんだよな。
「じゃあ、とりあえずその服装は今後、禁止だ」
「…わかりました」
命令を聞いたイクスはリリーたちの服装になる。しかしなぜ間が空いた?大丈夫だよな?本気でやめてくれ。
「他に命令はありますか?」
「他? うーん。あ! リンクスキルを勝手に使うのは禁止だ」
「……わかりました」
凄く嫌そうだな…でもこれで俺のプライバシーは守られた。
下に降りるとリリーたちがいた。やっぱりまだ直ってないな。
「久々に訓練するつもりだったが、無理だな」
「「ガーン」」
二人はショックを受けるが仕方無いだろ。というわけで恋火とするわけだが問題発生。
「剣…壊しちゃいました…ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。頑張った結果だろ?」
「も、もちろんです!」
元々脆いのはわかってたから、仕方無いだろう。
「ヘーパイストス、新しい剣はすぐに作れないよな?」
「はい。昨日見せてもらった魔氷塊で片手剣を作れますけど、どうしますか?」
『じー』
リリーたちから自分の武器を作ってくれるよね?視線攻撃。
「魔氷塊で武器を作った場合、火と相性はどうなんだ?」
「良くないですね…残念ですが恋火さんには向いてないと思います」
しゅんとする恋火。仕方無いよな。
「イオンさんは逆に同じ属性なので相性はいいですが、昨日聞いたイオンさんの氷刃と効果が被る可能性があります」
あー…氷の剣なら確かに効果が被りそうだ。するとリリーが元気に声をあげる。
「じゃあ、やっぱりリリーだね!」
「どうするかはタクトさん次第ですね。ただ個人的には新しく作ったほうがいいと思います。欲を言うと鉄鉱石で作りたいです」
まぁ、そうなるよな。
「わかった。とりあえず保留にさせてくれ」
「わかりました」
脱線したが、訓練はまた今度だな。そう思っているとセチアは木刀を2本渡してくる。
「どうぞ使って下さい」
「いつの間に作ったんだ」
「タクト様がいない間にです」
セチアにお礼をいい。恋火と訓練をする。やはり恋火は強い。
「うぅ~…負けました…」
「抜打のアイデアは良かったけどな。ヒヤリとしたぞ」
恋火は抜打の第一刀の居合いを斬らずに柄で鳩尾を狙ってきた。ギリギリあわせて防御したが、間に合わなかったら、負けてたな。
「マスター、わたしもマスターと戦うことを希望します」
イクスがそう言い出す。え?戦えるの?
「問題ありません」
イクスがそういうならやってみるか。
イクスが木刀を構える。ん?これは…なるほど。そう来たか。面白い。
俺が攻めに出るとイクスも同時に攻めに出る。互いに打ち合う。イクスは完璧だな…イクスは間違いなく俺の剣術を解析して反映している。
しかも俺の思考までそっくりだ。わざと隙を見せて、頭脳戦を仕掛けてくるし、対応も完璧だな。更に死角攻撃まで再現した。やばい、楽しいぞ。
しかし打ち合っているとイクスの弱点を発見した。連続で打ち合っていると30手目から反応が鈍くなる。
恐らく思考の限界だな。むー、惜しい。
「負けました…マスターは化け物です」
こらこら。失礼なことを言うな。リリーたちも頷くな。
「流石に思考が追い付かなくなったか?」
「はい…マスターを満足させるためには脳のパーツを変える必要があります」
脳までパーツあるのかよ。
イクスの母艦に行く前にイオンたちに料理を教える。三人とも真剣だ。微笑ましい。
三人とも苦労したがちゃんとした料理を作ることができた。それを見たイクスが自分もすると言い出す。
イクスは俺が見る限り完璧だった。当然だ。俺を真似ているんだからな。
「勝利です」
「「「反則!」」」
イクスの解析は全員一致で反則スキルに認定された。
満腹度全開でイクスの母艦に向かおうとするが、問題はリリーたちだ。
「行かせて~。タクト~」
「お願いします」
まぁ、気になる気持ちはわかるからな。仕方無いから連れていくことにした。ただし、戦闘が発生したら、問答無用で代えることを約束した。
というわけでリリー、イオン、セチア、恋火、イクスで向かう。
転移石を交換して、早速使うと俺たちが転移したところは浮島の扉の真ん前。てっきり森の中に転移して、また筏を作ることになると思ったがどうやら違うみたいだ。
考えられるのは…俺がイベントで倒れた位置か?そう考えると納得するな。とりあえず目的地の前に転移できたのは大歓迎だ。
「さて、イクス。ここの扉なんだけど」
「残念ながらマザーシップではないです。これはわたしたちのバトルシップです」
バトルシップね…こんな馬鹿でかい攻撃能力を持っている船で襲われたら、ひとたまりもないだろうに…
「どうやったら、中に入れるんだ?」
「マスターが扉に手を触れるだけで大丈夫です」
うむ…手を触れる…こうか?俺が手を触れるとロボが出現した際に聞こえた声がした。
『エクスマキナのマスターを確認。正面ゲート、解放します』
そういうと扉が開いていく。おおお!イクスを除く全員が口を開けっ放しだ。
「マスター、ここからはわたしが案内します」
「あぁ。頼む」
俺たちはエクスマキナのバトルシップを探索を開始した。とはいえ、全部を見れるわけじゃなかった。イクスに理由を聞くと。
「わたしとマスターのレベルが低いのが原因かと」
なるほど。それは当然だろうな。イクスはまだレベル1だし、俺も強いわけじゃない。だがこれはレベルを上げていくとゆくゆくはバトルシップを動かせる可能性がありそうだな。目標がまた増えたな。
イクスによると俺たちが行けるのは『第一格納庫』『第一ファクトリー』のみという話だ。
第一格納庫には何もなかった…えぇ…
「ここはわたしたちの武器などを格納しているところのはずですが、どうやら古の戦いで全ての武器を使い果たしたみたいですね」
ん? 古の戦い? アスタロトとの戦闘ではロボしか登場していなかったみたいだが、ちょっと聞いてみるか。
「古の戦いはわたしたちエクスマキナとこの星に住む生命体との戦いのことです」
「ちょっと待て。エクスマキナは人間や亜人種と敵対していたのか?」
「はい」
問題発生だな。これって、絶対トラブルだろ。そしてイクスからエクスマキナの歴史を教えてもらった。
「わたしたちはこことは違う星から来ました。私たちの母星は既に滅んでおり、新天地を目指して、この星にやってきました」
うむ。よく聞く設定だな。
「しかしこの星にやってきたわたしたちは人間と亜人種から攻撃を受けました」
いきなり宇宙人が来たら、そうなるのか?現実でも実際そうなったら、どうなるかわからないからな。
「攻撃を受けたわたしたちは人間と亜人種を敵と定め、敵を殲滅するために行動を起こしました」
うわー。でも最初に攻撃を加えた奴らが悪いパターンだな。
「わたしたちはこの星の約7割の生命体を倒すことに成功しました」
やりすぎー!まぁ、このバトルシップにロボまでいるんだ。人間はまず無力と言っていいだろう。亜人種たちもどこまで強いかわからないが、少なくともアスタロトはロボに倒されたからな。
「しかしわたしたちにも弱点がありました。それがエネルギー不足です」
まぁ、無限のエネルギーはないか…エクスマキナならそれぐらい作れそうだが。
「エネルギーが無くなったわたしたちは次々と機能を停止していき、エクスマキナは絶滅の危機を迎えました」
「そこで当時のエクスマキナの総司令は絶滅の危機を回避するために新たなエクスマキナを作ります。それがわたしです」
おぉ!エクスマキナの総司令のおかげで俺はイクスに出会えたわけか。感謝しないとな。
「亜人種と友好的な人間の召喚師と契約を結び、魔力をエネルギーに活動するエクスマキナを作りましたが、わたしたちは既に恐怖の象徴とされ、とても友好は望めませんでした。そしていつか出会う友好的な召喚師が現れることを信じて、エクスマキナは休眠することになりました」
なんか壮大な歴史の重みを丸投げされた気がする。そして問題はイクスの扱いだな。この話の通りなら人と亜人種との関係は最悪だ。
「わたしを捨てるとマスターが命令するならわたしはそれに従います」
「そんなこと言うはずないだろ? もう二度とそんなことを言うな。これは命令だ」
「イエス。マスター」
ん?ちょっと微笑んだ?
「なんですか? マスター」
「いや、なんでもない」
とにかく今は隠すしかないな。他の人に話すのも危ないかもしれない。はっ!?朝、海斗のやつに働いた第六感は正しかったわけか。朝の俺を褒めてあげたい。
気を取り直して、第一ファクトリーに向かうとそこはSF世界の工場だった。ただし動いてはいない。イクスに聞くと動かすには魔力が必要みたいです。
つまり俺の魔力が必要なわけだ。そして魔力を供給するためにはマスター登録が必要。
「マスター、このパネルに手を置いてください」
この展開を俺は知っている。手を置くとロックされ、また何かが抜かれていく感覚…これ嫌いなんだよな。だが、成果はあった。
『マスター登録完了。魔力の供給を確認。第一ファクトリー、稼働開始いたします』
すると一気に電気がつき、工場に稼動音が聞こえた。だが何も作ろうとはしない。
「ここはわたしたちの装備を作る工業ですが、素材がないと作れません。作りたい武器の素材はこのパネルで確認出来ます」
あぁ、素材がいるのか…というか嫌な予感しかしないわけだが…パネルで確認したら、案の定だ。
身体
光学迷彩 素材:光魔石50、闇魔石50、鉄鉱石300
装甲F 素材:鉄鉱石20
胸部パーツAAA 素材:鉄鉱石50
尻部パーツS 素材:鉄鉱石80
エネルギーコアF 素材:魔石50
エネルギーバッテリーF 素材:魔石50
腕
ロケットパンチ 素材:火魔石50、鉄鉱石300
手首
ネットガン 素材:柔糸200、鉄鉱石100
目
暗視ゴーグル 素材:光魔石50、鉄鉱石100、硝石100
オープンサイト 素材:魔石50、硝石50
手
エネルギーシールド 素材:鉄鉱石300、魔石300
耳
索敵レーダー 素材:魔晶10、鉄鉱石100
魔力探知レーダー 素材:魔晶石100、鉄鉱石100
武器
エネルギーガン 素材:魔核1、魔晶石25、鉄鉱石200
エネルギーランス 素材:鉄鉱石200、魔石100
エネルギーブレード 素材:鉄鉱石200、魔石100
エネルギーダガー 素材:鉄鉱石100、魔石50
身体のパーツに悪意を感じる!胸部パーツはAA〜Iまであり、鉄鉱石は25ずつアップしていた。完全にバストサイズを表している。尻部パーツはS〜LL。完全にヒップサイズだ。
運営にお好きにどうぞ。でも好きなタイプの子にしたかったら、素材集め頑張ってね。と言われてた気がする。
俺にはそんな余裕ない。武器だけでいっぱいいっぱいだろう。
ふぅ…頑張りますか。暫くは素材集めが決まったな。
俺たちが外に出ようとしたとき、ふと疑問が出たので、イクスに聞いてみる。
「イクス、ここには他の人間も入れるのか?」
「不可能です。このバトルシップはマスターが最初の登録者のようなので、マスターがこのバトルシップの所有者です。マスターがこの船の所有権を渡さない限り、他の人間が入れることはありえません」
俺、この船の所有者なんだ…すげー。
「リリーたちは大丈夫なんだな」
「リリー様たちはマスターと契約により繋がれているので、可能のようですが…本来なら問答無用で排除を実行されています。下手に触ったり、船の中を走り回るのは極めて危険な行為です」
「「「「そういうことは早く言って(ください)!」」」」
全くだな…船を触りまくったり、走り回っていたぞ…リリーたちの言い分は尤もなのだが、イクスは言う。
「マスターに聞かれませんでしたので」
確かに事前の注意点とか聞かなかったな。それでもそういう危ない話は話して貰いたいものだ。
「それは命令ですか?」
「あ、あぁ。命令」
「マスターの命令を確認。今後、危険なことがあれば報告をします」
「あ、あぁ。頼む」
命令するの馴れないな。
俺は外に出ると再び転移しようとする中、またある重要なことに気がついた。
俺たちが森に行くためには結局、筏を作らないとダメなんじゃないか?泳ぐのはきついだろう。行き来するためには必要な気がする。
つまりまた木を伐採しないといけない?はぁ~…憂鬱だ。
名前 イオン ドラゴニュート・エンベロープLv1
生命力 60
魔力 82
筋力 53
防御力 32
俊敏性 104
器用値 85
スキル
二刀流Lv24 槍Lv1 投擲操作Lv6 飛行Lv7 遊泳行動Lv11
氷刃Lv12 連撃Lv3 水魔法Lv2 蒼波動Lv1 竜技Lv4
竜化Lv6 海竜の加護Lv2 料理Lv1→Lv2
名前 セチア エルフLv27
生命力 33
魔力 84
筋力 24
防御力 20
俊敏性 21
器用値 84
スキル
杖Lv13 弓Lv6 木工Lv10 採取Lv12 調薬Lv8 風魔法Lv7 火魔法Lv10
水魔法Lv14 土魔法Lv13 木魔法Lv15 樹魔法Lv6 エルフの知識Lv12
精霊召喚Lv5 料理Lv1→Lv2
名前 恋火 セリアンビーストLv25
生命力 52
魔力 52
筋力 52
防御力 32
俊敏性 60
器用値 45
スキル
刀Lv12 二刀流Lv1 炎魔法Lv6 狐火Lv12 気配察知Lv12
危険察知Lv12 妖術Lv1 血醒Lv5 料理Lv1→Lv2
名前 イクス エクスマキナLv1
生命力 15
魔力 15
筋力 15
防御力 15
俊敏性 15
器用値 15
スキル
機人兵装Lv1 解析Lv2→Lv4 探知Lv1 換装Lv2 リンクLv1 魔力充電Lv1