#164 料理とハンマー
四人に欲しいスキルがあるか聞いてみるとリリーを除く三人が欲しいスキルがあるみたいだ。
「え!? 三人とも欲しいスキルがあるの!?」
驚くリリー。リリーはどうやらスキルが欲しいなら欲しがるタイプみたいだな。なんともリリーらしい。
「それで三人はどんなスキルが欲しいんだ?」
「「「料理スキルです!」」」
綺麗にハモったな。
「「「む!」」」
三人の間で火花が散る。
「二人共、タクトさんの料理のサポートなら私だけで大丈夫です!」
「イオンお姉様と恋火は戦闘で疲れますから私に任せて下さい!」
「疲れるのは問題じゃないです! タクトお兄ちゃんをお世話するのは妹であるあたしの使命です!」
あー。確かに召喚獣全員の料理を作るのは大変なんだよね。時間もかかるからサポートしてくれるなら助かる。
「じゃ、じゃあ! リリーも!」
「リリー…やめておけ。他の人が欲しいものを聞いて、欲しがった場合、ろくなことにならないぞ」
「うー。でもリリーもタクトの役に立ちたい…」
リリーの純粋な願いに思わず笑顔になる。まったく俺は幸せ者だな。
「料理だけが役に立つわけじゃないだろ? リリーはどうやって役に立ちたいんだ?」
「それは…戦って役に立ちたい」
「それならリリーにあった戦闘スキルを後で探そうか」
「うん! ありがとう! タクト」
さて、問題の三人を見る。
「「「変えません!」」」
必死な様子が微笑ましいな。
「三人とも、料理スキルが欲しいなら取得すればいいと思うぞ? 好きな料理も違うから役割分担すれば大丈夫だろう」
俺がそういうと3人は納得する。
さて、肝心のスキルオーブだが全て3000pt。三人で9000pt。転移石と合わせると残りは64000pt。まだ余裕があるから見ていくとあるものを発見した。
それがステータスオーブ。プレイヤーや召喚獣などのステータスをあげることができる物だ。俺が欲しかったのは俊敏値だ。
理由は黒鉄だ。これでスピードの遅さが克服できるぞ!ステータスオーブは1000pt。全部換えるか?いやとりあえず保留にするか。
まずはイオンたちのために早速料理のスキルオーブを交換して、使用するとインフォが流れる。
『イオンに料理スキルオーブが使用されました。イオンが料理スキルを獲得しました』
『セチアに料理スキルオーブが使用されました。セチアが料理スキルを獲得しました』
『恋火に料理スキルオーブが使用されました。恋火が料理スキルを獲得しました』
これでよしっと。さて、問題はリリーのスキルだ。だが俺はリリーに薦めたいスキルがあった。
「リリー。鎚スキルを取得してみないか?」
「鎚? どんなスキル?」
あぁ。わからないか。
「具体的にはクロウさんが使ってた武器だ」
「えー…」
嫌そうな顔をしてやるなよ。クロウさんが可哀想だろ。だが俺の意見にイオンが賛成する。
「確かに大振りのリリーにはぴったりの武器ですね」
まぁ、それも事実なわけだが…俺の狙いは別にある。
「確かにリリーに合ってる武器ではあるけど、それよりも俺たちの弱点を補えるスキルなんだよ」
「私たちの弱点ですか?」
「あ! 硬い敵に弱い…ですか?」
「お! 恋火、正解だ」
そう。思い返しても俺たちはウッドゴーレム、ハーミットクラブと硬い敵に弱い。それは剣、魔法、牙、素手が硬い敵に適した攻撃方法じゃないからだ。
それ故に鎚。つまりハンマーだ。これなら硬い敵に適応できるはずだ。
「おー! なんか凄そう!」
興味を持ったな。ではもう一押しするか。
「それと重要なことがある」
「何何?」
「この鎚という武器は盾と相性がいい。恐らく盾で弾くことが出来ないだろう。つまりアーサーのようなやつをフルスイングでぶっ飛ばすことが出来るようになるぞ」
「取る! 取りたい!」
よしよし。計画通り。
「マスターは誘導しましたね」
「タクト様はそういう所がありますよ」
「ですがそれは私たちのことを考えてくれているからなんですよ」
「優しい人ですから安心して下さい」
イクスに何か教えてる。というか聞こえてるから!恥ずかしいからそういうことは聞こえない所でやってくれ!
とにかく鎚スキルオーブを交換して、リリーに使用する。これで戦功ptは61000ptだ。
『リリーに鎚スキルオーブが使用されました。リリーが鎚スキルを獲得しました』
とにかく浮島に行きたいが、浮島に行くと朝になるかもしれない。イベント結果と報酬の確認もしたから十分だろう。
じゃあ、ログアウトするか…いやこのままイクスを放置するのはまずい!何せ俺たちの学校の制服なのだ。プレイヤーに見られたらアウトだ!
では、イクスの衣装を考える。とはいえ小学生…佳代姉たちの小学生の頃ってどんな服だったっけ?バイトでも結構見ているはずだが、記憶にない…どうする?俺!
結果、リリーたちの服を紫にしたものにしました。自分の服センスの無さに絶望した!
「納得いきませんね…」
「うん…」
セチアと恋火が拗ねているが仕方無いだろ!?セチアの衣装を着せたらスケベになり、恋火の衣装を着せたら巫女服好きだ。
これしか選択肢がなかった。わかって欲しい。色々調べないとな…いや、小学生の服を調べるのはヤバくないか?…俺にとってイクスの服は最大の難題だと思った。
名前 リリー ドラゴニュート・クーラLv1
生命力 60
魔力 42
筋力 105
防御力 42
俊敏性 39
器用値 35
スキル
光拳Lv7 飛行Lv7 片手剣Lv22 大剣Lv14 鎚Lv1 連撃Lv3
錬気Lv12 光魔法Lv2 光波動Lv2 竜技Lv4 竜化Lv5
聖竜の加護Lv3
名前 イオン ドラゴニュート・エンベロープLv1
生命力 60
魔力 82
筋力 53
防御力 32
俊敏性 104
器用値 85
スキル
二刀流Lv24 槍Lv1 投擲操作Lv6 飛行Lv7 遊泳行動Lv11
氷刃Lv12 連撃Lv3 水魔法Lv2 蒼波動Lv1 竜技Lv4
竜化Lv6 海竜の加護Lv1→Lv2 料理Lv1
名前 セチア エルフLv27
生命力 33
魔力 84
筋力 24
防御力 20
俊敏性 21
器用値 84
スキル
杖Lv13 弓Lv6 木工Lv10 採取Lv12 調薬Lv8 風魔法Lv7 火魔法Lv10
水魔法Lv14 土魔法Lv13 木魔法Lv15 樹魔法Lv6 エルフの知識Lv12
精霊召喚Lv5 料理Lv1
名前 恋火 セリアンビーストLv25
生命力 52
魔力 52
筋力 52
防御力 32
俊敏性 60
器用値 45
スキル
刀Lv12 二刀流Lv1 炎魔法Lv6 狐火Lv12 気配察知Lv12
危険察知Lv12 妖術Lv1 血醒Lv5 料理Lv1
名前 イクス エクスマキナLv1
生命力 15
魔力 15
筋力 15
防御力 15
俊敏性 15
器用値 15
スキル
機人兵装Lv1 解析Lv1→Lv2 探知Lv1 換装Lv1→Lv2 リンクLv1 魔力充電Lv1