#161 竜化の代償とイベント結果
今はゲームのメンテナンス中。俺は爆睡。予想外に疲労していたみたいだ。
そして昼前に目醒め、佳代姉たちとゲームの話をしながら、昼食を食べる。
昨日の夕飯の時にイベントが無事にクリア出来たことを教えてもらい、ホッとした。ロボがアスタロトに負ける可能性があるかもしれないと思っていたが、やはりロボは偉大だった。
そして佳代姉たちが掲示板の状況を教えてくれる。リリーたちの竜化で大騒ぎになっているそうだ。そりゃそうだろう…俺自身びっくりしたからな。
そして当然俺の話題が出てくるわけだ。これが意外にいい評価だそうだ。結局守護氷精を倒せたのは俺だけだったらしい。
「ポイントを独占で最初は叩かれていたけど、結局他のサーバーではそのボスを倒せず、ポイント喪失者が続出したからそれを防いで攻略のキーポイントを見つけたせい君の評価は上がった感じかな」
「それでも独占は良くないことだからね!」
「…連絡は大事」
「わかってるって…それにしてもそんなに強敵だったのか…」
確かにずば抜けて強かったが、正直そこまでの被害が出たのか謎だ。
「めちゃくちゃだったらしいよ? 天候を雪に変えられると姿が消えて、気配察知でも見つけることが出来なかったみたい。気配遮断で対抗してもあっさり攻撃されちゃうみたいだよ」
「ミステリーだ」
ん?可笑しなことかそれ?
「気配遮断しても雪が当たればいるとこバレバレになるんじゃないか?」
『あ』
おいおい。
「こほん。それにどうやら敵に応じて武器も変えるみたいだね」
「あぁ。確かに俺の時は太い片手剣と細い片手剣だったな」
「弓でアローレインを使ってきたみたいだよ」
「当たると凍っちゃうんだって」
「レギオンで挑むとブリザードからアローレイン撃たれるみたい」
えぐ。でもそれならバーサークキングコングの戦法はダメだったのか?
「サウンドバットはダメだったのか?」
「アローレインで真っ先に狙われるらしいよ」
あれは武技だから妨害の効果外なわけか…やるな。お姉様。
「それと気になってることがあるんだが」
『何何!』
いや、そんな期待されても困るんだが…
「ピラミッドはドラゴンを復活させるためのものだったのか?」
「違うみたいだよ。どうやらあのピラミッドはアスタロトドラゴンを封じ込められていたもので中にはアスタロトドラゴンのコアがあったみたい」
「アスタロトドラゴンのコアを見つけたサーバーだとアスタロトドラゴンのコアを持っていたプレイヤーは真っ先にアスタロトに狙われて、倒されると周辺の人たちが犠牲になってアスタロトドラゴンが現れるみたい」
「結局荒れてたよ。苦労して見つけたレアアイテムのせいで周りの人たちから叩かれていたからね」
「なんでそんなアイテム用意したんだー! って書いてあった」
「…ミステリー」
いや、そのレアアイテム超便利だろ。
「それは使い道を間違えた結果だろ? アイテム目当てにアスタロトが追ってくるなら浮島の鉄の扉の前においておけば苦労せず誘導出来たんじゃないか?」
『あ』
「しかもそのアイテムをアスタロトが解放すると周囲にダメージを与えるならロボを出現させることも出来たんじゃないか?」
だとすると俺は死ぬことなく、誘導なんてせずに戦闘に参加出来たわけだ。
『あ、あはは…』
ピラミッドを見つけたメンバーの三人は苦笑いだ。
「えーっと…私たちはイベント攻略出来てよかったよね!」
「兄ちゃんのおかげだよ!」
「兄様。日本一」
誤魔化すなよ。その後、佳代姉たちの買い物に付き合い、佳代姉たちも明日から学校なので、そこで別れる。
さてと…いつもの我が家が帰ってきた!アイム、フリーダム!
ゆっくり夕飯を食べてじっくり風呂に入る。至福の一時だ。
そして0時ジャスト、メンテナンスが終わると同時にログインする。仕方ないじゃん?結果とか色々気になるんだからさ。
俺がログインするとお店に立ったままで出現。今までベッドで起きてたから違和感があるな。するといきなりインフォ。
『おめでとうございます! 運営イベント『古の島』で累計獲得ポイント一位に輝きました! 称号『ポイントの獲得王』を獲得しました』
誰がポイントの獲得王だ!変な称号渡すな!いや、待て?累計獲得ポイントで一位だって?
称号『ポイントの獲得王』
効果:スキルポイント+20
イベント『古の島』で累計獲得ポイント一位になった称号
スキルポイント大量ゲット!ウハウハだ。更にインフォ。今度はなんだ?
『おめでとうございます! 運営イベント『古の島』をクリアしました! クリアされた皆様に称号『古の島の解放者』を獲得しました』
これはクリアしたみんなに贈られるものか…みんなで協力した証みたいでちょっと嬉しいな。でもあいつらにも贈られるものなのかな?だとしたら素直に喜べないな。
称号『古の島の解放者』
効果:スキルポイント+5、古の島から毒が無くなる。
イベント『古の島』をクリアした称号
ん?古の島から毒が無くなるってことはまたあの島に行けるのか?
インフォは…とりあえずなし!これで俺のスキルポイントは58ptになった。スキルのレベルアップはあったがやはり死に戻りしたから経験値貰えなかったみたいだ。まぁ、その結果はスキルポイントになったと考えるとしよう。
さて、スキルが上がったので、インフォが来る。
『爆魔法のレベルが20に到達しました。爆魔法【エクスプロージョン】【タイムボム】』
『木魔法のレベルが20に到達しました。木魔法【ギルティーソーン】【シック】』
エクスプロージョンは爆発。純粋な爆魔法なんだろうな。
タイムボムは時限爆弾。破壊活動でもしろと言いたげだな。
ギルティーソーンは罪の茨。名前からして攻撃魔法かな。
シックは病気。状態異常にする魔法なんだろうな。病気にはなったことないから、どんな効果か確認しないとな。
さて、インフォも終わったし、リリーたちを呼び出す。すると俺がどうなったか知らないリリー、イオン、恋火が心配で飛び付いてくる。あれ?変だぞ?
「タクトー! 大丈夫!?」
「タクトさん! お怪我は!?」
「タクトお兄ちゃん…」
「あー、とりあえず大丈夫だから。それよりもリリーとイオン。その姿はどういうことだ?」
「「え?」」
リリーとイオンがわからない様子だがセチアと恋火は気付く。
「お姉様たち…背が…というかドラゴニュートに戻ってます」
「わぁ! お姉ちゃんたち、可愛いです!」
二人が自分の姿を確認する。
「「小さくなってる~!?」」
リリーとイオンの絶叫がお店に響いた。
騒ぎを聞き付けたヘーパイストスとレギンさんが合流して、現状を確認する。
リリーたちのステータスを見ると名前はドラゴニュートになっており、ステータスは初期の頃と同じになっていた。スキルも同じだが竜化だけ残っている。
そして竜化には168時間の文字。どうやら再使用には168時間。つまり一週間の時間が必要になるみたいだ。
するとリリーとイオンは不安そうに聞いてくる。
「あの…私たち、どうなるんでしょうか?」
「もしかして、ずっとこのまま…」
俺は二人の不安が無くなるように話す。
「そんなことないさ。ただいつ戻るかは分からないな。最悪一週間後には戻るはずだが」
「「そんな~」」
落ち込む二人だがセチアが思い付いたように言う。
「つまり一週間私が一番のお姉ちゃんと言うことですね!」
「なんでそうなるの!?」
「そうです! 私たちがお姉ちゃんでしょ!?」
「はいはい。小さくなってしまったお姉様たちは黙っててください。そのままでは戦闘も出来ないでしょう?」
「「う…」」
確かに今の状態のリリーたちはフィールドに出せないな。
「タ、タクト~」
「残念ながらセチアの言う通りだ。リリーとイオンはしばらく店番だな」
「「そんな~」」
落ち込む二人だが二人の成果は確かに存在している筈なんだよな。とにかく昨日のことを話すとセチアがうっとりした様子で口を開く。
「ふぅ…タクト様に守られながら死ぬのは、悪くないですね」
「「「む!」」」
またセチアは地雷を放り込む。
「どういうこと! タクト!」
「そんなことをするとは聞いていません!」
「タクトお兄ちゃん…説明してください!」
はいはい。全く…イベント終わってもみんな平常運転だな。
「説明も大事かも知れないがまずはみんな頑張ったからちょっとしたパーティーでもやろうか?」
「「「「パーティー?」」」」
ありゃ。パーティー知らないか。この場合は祝勝会とかになるが難しいか…
「頑張ったみんなのご褒美にたくさん美味しい料理を作ってあげる。って話だよ」
三人が喜びの声をあげる。その一方でセチアがこっそり言ってくる。
「…上手く逃げましたね」
「セチアのサラダの中に渋苦草を入れることになるとは残念だ」
「ごめんなさい! それだけはやめてください!」
やれやれだ。では食材を買いに行きますか。
パーティー用に料理を作ったら、料理スキルが2つもレベルアップした。いつもなら買わない食材をたくさん買って、料理もたくさん作ったから当然かな。
今まで見たことがない料理の数々に目を輝かせる召喚獣たちを見るとこういうことの大切さがよくわかる。とはいえ我慢し切れずリリーがつまみ食いをして、それを皮切りに皆がし始めた。
そこまでなら微笑ましく見ていられたのだが、喧嘩しだし、流石に叱ることになった。
「黙って完成待てないなら全員飯抜きだ!」
『ごめんなさい!』
そんなことはあったがパーティーは大成功。そして、気になるイベント結果を見てみる。まずは貢献ポイントから確認してみよう。
貢献pt:133600pt
食材の確保1000、食材の提供300、料理200、素材の提供500、プレイヤーの救援100、
情報の公開1000、石版の発見3000、筏の作成1000、ベースエリアの発見6000、
ベースエリアの解放10000、遺跡の発見3000、遺跡の攻略5000、
防衛に成功したベースエリア5000、作戦立案3000、ボスとロボを敵対させる100000。
死に戻り 通常イベント-500、ボス戦-5000
う、うん?1つぶっ飛んだ項目があるんだが…というかこれが1位の原因だろ!とりあえず1つずつ確認していこう。
食材の確保はたぶん、リンゴなどの食べられるものの確保に普通のボアなどからゲットできた食材だな。
食材の提供はルインさん達に肉、魚、果物を提供したから貰えたんだな。
料理はユウナさんたちのを食べもしていたが自分も作っていたからな。実際ボスの悪魔たちにはバフが有効だった。
素材の提供はアラネアの糸などだな。他にもロコモコのウールや乳、エアリーの乳がこれに当たるはずだ。ほとんどがアラネアのポイントだろうな。ロコモコのウールはカタパルトの岩を燃やすのに使われた。
プレイヤーの救援は委員長やボアリーダーに襲われていた人たちを助けたから貰えたのかな?
情報の公開はルインさんたちに色々伝えたからかな?ベースエリアのこととか壁画のこととかだと思う。
石版の発見、筏の作成、ベースエリアの発見と解放、防衛成功、遺跡の発見と攻略はそのまんまだな。石版は最初に発見したのが2枚、ベースエリアの発見と解放も2つ分が合計されている。
作戦立案は微妙だな…確かに色々考えはしたが、全て俺一人で考えたものじゃない。カタパルトの案は錬金術師の人だし、細かい作戦の詳細をつめたのはルインさんやメルたちだ。あれで貰っていいのか謎だ。
それ以上に謎の項目がボスとロボを敵対させる項目だが、確かに一番重要な項目だが、ポイントおかしくない?まぁ、貰えるものはありがたく貰うとしよう。リリーたちが一番頑張った項目だしね!
最後の死に戻りはロボにやられてマイナス500。ボスにやられてマイナス5000。これだけ見ると納得しがちだが、素材の提供と遺跡の攻略分のポイントを失った点を見ると恐いな…
次に戦功ポイントを確認してみる。
戦功pt:83000
イベントモンスターの撃破6000、ハーミットクラブの撃破3000、守護氷精の撃破10000、
ロボット戦闘で評価がC3000、プチデビルの撃破500、レッサーデビルの撃破1000、
デビルの撃破1500、デーモンの撃破3500、アスタロトドラゴンに攻撃20000、アスタロトに攻撃40000
死に戻り-500、-5000
イベントモンスターの撃破は防衛も含まれているみたいだから結構稼いだな。他のみんなも稼いでいる筈だ。
ハーミットクラブは少ないな…まぁ、ぶっちゃけ盾役、回復役、ポイズン使える魔法使いの3人で攻略可能だろうからな。
逆に守護氷精の撃破はやはり多い。リリーたちの頑張りの成果だな。
そして衝撃の項目がロボットの評価がC。俺たちの悪あがきは無駄じゃなかった。ある意味一番嬉しいかもしれない。
次からはボス戦だな。最初のプチデビルとレッサーデビル、デビルのポイントはサーバーで俺たちしかゲットしていないはずだ。アスタロトドラゴンとアスタロトの攻撃ポイントはリリーたちの頑張りそのものだな。
色々思うところはあるが先にお待ちかねの景品交換だ!何があるか楽しみだ!
名前 タクト 中級召喚師Lv10
生命力 44
魔力 88
筋力 31
防御力 22
俊敏性 28
器用値 63
スキル
格闘Lv7 蹴り技Lv14 杖Lv21 片手剣Lv10 投擲Lv3 高速詠唱Lv13
召喚魔術Lv23 封印魔術Lv3 錬金Lv9 採掘Lv14 伐採Lv15 解体Lv23
鑑定Lv13 識別Lv20 風魔法Lv20 火魔法Lv21 土魔法Lv22 水魔法Lv20
闇魔法Lv20 神聖魔法Lv2 雷魔法Lv21 爆魔法Lv20 木魔法Lv20
氷魔法Lv19 時空魔法Lv19 水泳Lv8 読書Lv8 料理Lv28→Lv30 餌付けLv6
釣りLv14 シンクロLv8