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#1516 夜の聖戦イベント、アクアス防衛戦

ライヒ帝国に現れた魔神ベルゼブブは大量の虫たちと虫の魔神たちを引き連れて、エリクサーラピスに向かっていた。これにはちゃんと訳がある。部下に聞かれたので、ベルゼブブが答える。


「ニュートンという人間は死んでしまったようですが私の最大のライバルがまだ生きているらしいので、もう一度戦うために向かうんですよ。我が恋人アインシュタインの元にね!」


ベルゼブブは前の戦いでアインシュタインさんと世界の法則を変え合うというとんでもないチートバトルを展開した。この勝負は決着がつかなかった。何せ世界の法則を変え合っている最中に仲間が横槍を入れたからね。


ただこの僅かなとんでもバトルはベルゼブブをときめかせるには十分な時間だった。ベルゼブブは魔術を極めているところから技術タイプの魔神だ。基本的に戦闘には興味を持つことが無かった。何せ世界の法則をいじくれるなら人間なんて相手になるはずがないからな。


しかし自分と同じ領域に立っている人間がいるとなると話は別だ。ベルゼブブにとってアインシュタインとの出会いは衝撃的だった。何せサタンですら世界の法則を自由に弄ることは出来ない。魔神の世界でも自分だけに許された力だったのだ。それでもサタンの下にいるというのはサタンが世界の法則を弄っても力で自分を負かす力があるとベルゼブブは判断してサタンの配下となった。


そんなつまらない状況下で自分と同じ領域にいる人間が現れたのだ。ベルゼブブからするとこんな幸せな事はない。そして自分と同じ領域に立っているからこそ競い合いたくなるのは当然の流れだ。


しかしそれならエリクサーラピスに現れたら、いいだけの話となる。ライヒ帝国を出現場所に選んだ理由はちゃんとあった。ベルゼブブは進路上の全ての自然と町や村を破壊して進行していくとお目当ての町を発見する。


「ベルゼブブ様! 水樹が見えました!」


「あれを枯らしますよ!」


「「「「おぉおおおおお~!」」」」


意気込むベルゼブブ軍に神波動とブレスが飛んできた。


「この町には手出しさせません!」


「ホー!」


「「「「シャー!」」」」


「「「ワン!」」」


アクアスを守っているのはミールとコノハ、ディアン、ハーベラスだ。それとシフォンと与一さんたちがここにいた。ベルゼブブの速さは魔神の中でもトップクラスに速い。だからシフォンクラスじゃないとまともに戦闘が成立しないんだよね。そしてもう一人英雄がいる。


「全く…またお主と戦う事になるとはのぅ…年に堪えるわい」


「アインシュタイン!」


「じゃが苦楽を共にした友の最後の頼みじゃ。お主たちはここで止めさせて貰うぞい」


ニュートンさんもアインシュタインさんにメッセージを残していたんだな。そんな彼らに巨大ダンゴムシが高速回転で激突していく。


「禁呪、フォーミュラ・オルタネーション」


次の瞬間、巨大ダンゴムシに幾何学的な魔方陣が展開されて、巨大ダンゴムシの体が膨張して弾け飛んだ。ダンゴムシの体内の水を膨張されて内部から破壊したようだ。


「今日の儂はこの前よりちょいとばかし強いぞい」


「それはそれは大変喜ばしいですね! 禁呪、フォーミュラ・オルタネーション!」


「やらせんよ。禁呪、フォーミュラ・オルタネーション!」


幾何学的な魔方陣がアクアスの町周辺に無数に出現すると何も起きることなく、お互いの魔方陣が消えると新たな魔方陣が展開される。ベルゼブブが世界の法則を操作してアインシュタインさんが元に戻すという攻防だ。


その間に虫の大群がアクアスに迫る。これに対してハーベラスが獄炎を放ち、焼き払うと火山雷も降らせて空を飛んでいる虫たちを落ち堕とす。しかしそれなど数に対処出来ない。しかも虫の魔神たちがハーベラスに戦いを挑んで来た。


この動きに対して虫の魔神たちを獄炎爪と獄炎の牙に加えて、尻尾の蛇で噛みつき、致死毒で虫の魔神たちを倒すと虫の群れに突撃して熱風で周囲の虫を焼き尽くした。しかしこれでもまだ足りていない。


ここで虫たちに魔法のフルバーストが襲い掛かり、一気に消し飛んだ。やったのはコノハだ。それでも虫たちの侵攻は止まらない。特に巨大な虫たちはコノハの魔法でも一撃で葬るのは厳しい。火力を集中すれば行けるだろうがそれをすると虫がアクアスに到達してしまう。なのでコノハの最優先事項はより多くの虫を消し去ることだ。


逆に言うと巨大な虫と虫の魔神たちの相手はハーベラスとディアンの仕事となっていた。そのディアンの尻尾が滝から現れると巨大な虫たちの体を貫いて、神魔毒ブレスを浴びせて倒した。そしてディアンのブレス攻撃が開始されるとハーベラスは下がり、餓狼スキルで虫の数を一気に減らしていく。


すると虫の魔神たちがハーベラスを狙って来るとそれが分かっているハーベラスは尻尾の蛇で返り討ちにしているとここでハーベラスの尻尾の蛇が斬り落とされて、ハーベラスの体中が斬り刻まれた。


「お前の相手は俺様がしてやるっしょ! シャウ!」


ハーベラスを斬ったのはカマキリの魔神だった。両手が鎌になっており、これで二刀流スキルと多乱刃、神鎌鼬でハーベラスを斬り刻んだようだ。なんというか戦隊もので出て来そうな怪人だな。流石にこれにはハーベラスも対処せざるを得ない。


そして魔法で敵を消し飛ばしていたコノハにも魔神の魔法が飛んできた。回避したコノハだったがここで背後に空間転移で敵が仕掛けて来た。コノハに茨の鞭による攻撃が来たがコノハは鞭の範囲外に下がって躱した。


コノハに攻撃して来たのは背中に蝶の羽を持つ長身優男の魔神だった。


「あたしの名前は魔神パピヨン。あたしの攻撃を躱すなんてやるじゃな~い? あなたが相手なら楽しめそうね~」


コノハがオカマの気配を感じて凄く嫌な顔をしていると媚毒鱗粉が使用されて、コノハは距離を取ると槍から溶波動を放った。しかしこれはあっさり合わされてしまう。こいつも強い魔神だな。ディアンは巨大な虫たちの対処で動けない。つまり大量の虫たちが一気にアクアスに迫る。


「どうしたっしょ! こんなんじゃ町なんて守れるわけ無いっしょ!」


「ふふふ。終わりね」


カマキリと蝶の魔神がそういうとハーベラスとコノハは笑みで返す。この瞬間、魔神たちは策略にハマったことを理解したがもう遅い。ミールの花蜜に誘われて虫たちは止める事は出来ない。


「津波!」


『ダイダルウェーブ』


虫たちが巨大な津波に呑み込まれていく。残念ながらベルゼブブの配下の虫で水中適正がある虫は少ない。水生昆虫自体が少ないからこればっかりはしょうがないだろう。


流石に魔神たちは回避した。そして押し寄せた津波を見ながらベルゼブブが言う。


「これは大胆なことをしますね…しかしあれではどちらが環境を破壊しているか分かりませんね」


「ふ…お主の目は節穴か? 津波が流れて行った先はお前たちが破壊し尽くした場所じゃ。もちろんライヒ帝国にはいかないように海流支配で調整するじゃろ。あまりタクトの召喚獣を舐めない方がいいぞい? 召喚獣は召喚師を見て育つものじゃ。彼女たちの頭の中にはタクトとの戦闘で得て来た作戦立案能力と作戦実行能力がある。儂に構っていてよいのかの?」


「いいんですよ。私の狙いはあなただけです!」


ベルゼブブとアインシュタインの戦闘が続く中、津波でまず小型の虫たちは全滅させた。残りは虫の魔神と津波で流さなかった巨大な虫たちだ。


「やってくれたわね! あんたたち! もう許さないわよ! 魔神化!」


「ぼっこぼこにしてやるっしょ! 魔神化!」


魔神たちが本気となり、コノハとハーベラスは応戦する。その結果、他の虫の魔神たちがアクアスに向かってしまうがミールが立ち塞がった。しかし魔神たちの狙いは水樹だ。


「水樹と町を狙え!」


「これで俺たちの勝ちだ!」


「オーディン様、ユグドラシルと共に中央大陸の自然を守っている偉大な水樹を守るためにお力をお貸しください。神槍グングニル! 神槍解放! 神威解放!」


「「「「は?」」」」


アクアスからとんでもない神の気が放出されたことで魔神たちの動きが止まる。というか次の瞬間、じぶ自分たちは死ぬと本能で理解して、動きが止まってしまったと言うべきだな。


神槍グングニル:レア度10 槍 品質S+

重さ:200 耐久値:30000 攻撃力:8800

効果:神槍技【ユース・グングニール】、神技【ウォウドゥン・ドラシル】、全属性アップ(究)、全ステータスアップ(究)、回復アップ(究)、神殺し、魔神殺し、神気、星気、万物破壊、灰燼、魔力切断、時空切断、防御無効、神速、光速激突、神障壁、帰還、必中、巨木壁、魔力吸収、魔素吸収、浄化、粒子分解、瞬間再生、魔力超回復、自然回復、光合成、月光、後光、神雷、天変地異、樹海支配、即死、空振、星震、次元震、全波動、神波動、冥波動、自然波動、神撃、自然球、神域、奇跡、耐性無効、物理無効、加護破壊、巨人の加護、勝利の加護、世界樹の加護、オーディンの加護

主神オーディンが持つウィザードオーブ最強の武器。ドヴェルグが作製した武器の中でも最強の武器と言われている。他を寄せ付けない圧倒的な回復能力を有しており、投げれば必中必殺で手元に戻って来る全属性の神槍。


これがグングニルの完全解放した姿だ。ミールの後ろに現れたオーディンが言う。


『アクアスの水樹のためなら喜んで力を貸そう。木属性最強の槍の力、見せてやるが良い』


「はい! 神槍技! ユース・グングニール!」


ミールが投擲の構えを取って、グングニルを魔神たちに向けて投げた。次の瞬間、魔神たちは光速の槍に心臓を貫かれるとソニックブームで吹き飛びながら光の粒子となって消えた。これがオーディンによるグングニル投擲を再現した技か。速さと即死能力に加えて追尾能力まで持っている。まさに必中必殺の槍だな。


そしてミールの一撃はハーベラスの戦いにも影響した。


「何事っしょ!? あ…ぎゃあああああ~! 熱い! 熱いっしょ! ちょ!? 待つっしょ! 今のは無し…ああああ~!?」


完全によそ見したカマキリの魔神はハーベラスに噛みつかれて、焼死した。しかしコノハと戦っているパピヨンはこの状況でもよそ見しなかった。そのことから完全にカマキリの魔神より格上だな。まぁ、名持ちなんだから当然といえば当然の強さだ。


パピヨンはどうやら鱗粉と幻術が得意なタイプらしい。俺たちで例えるならリビナが一番近いな。そんな彼とコノハとの対決は白熱の空中戦となった。お互いに光線を撃ち合い、コノハは槍と盾でパピヨンは鞭でコノハと激突する。


ここまでお互いに攻撃のヒットはない。コノハの影分身を使った突撃攻撃にも幻術で躱されて、逆に鱗粉攻撃はコノハが浴びないように避けている。お互いの相手を仕留めるビジョンが分かっているような攻防が続いていると次第にパピヨンが厳しくなった。


その理由はコノハの飛行能力だ。流石に蝶の魔神だと飛行能力はそこまで高くないらしい。なのでパピヨンは自分から追いかけるのはやめてカウンター狙いに切り替えた。鱗粉使いにならこの戦い方は正しいがそうなるとコノハは一方的に遠距離攻撃をすることになる。


空間歪曲で鞭でコノハを縛ろうともして来たが空間歪曲を察知した瞬間にコノハは逃げてしまう。魔法で抵抗しようともしたが魔法戦ではコノハのほうが圧倒的に上だ。こうして追い詰められたパピヨンは仕掛けて来る。


「仕方ないわね…華麗なる魔神技! ダーゾン・バラフライ!」


パピヨンの体が無数の光の蝶となってコノハに迫る。この技を見たコノハは動かない。


「おバカさんね! 貰ったわ! は?」


大量の光の蝶の中、姿を消していたパピヨンの心臓にコノハの槍が突き刺さり、パピヨンは燃え上がる。


「どうしてあたしの位置が…」


コノハの魂探知に幻術は通用しない。正確に相手の位置を見抜く。コノハの能力を甘く見たパピヨンの負けだ。


「戦況不利ですか…ならば仕方ありませんね。魔神化!」


パピヨンが倒されたのを見て、ベルゼブブが本気の姿となる。アクアスの空中に現れたのは超巨大な蠅だ。手には骸骨の杖を持ち、周囲には魔導書が漂っている。あれがベルゼブブの本気の姿、暴食魔神ベルゼビュートだ。因みにベルゼブブの状態だと魔術魔神ベルゼブブとなっている。


「この魔法、止められますか? 魔神魔法! スタンピード!」


アインシュタインは止めようとしたが魔法破壊を無効化されて、魔神魔法が発動する。するとアクアスに向かって暴走状態の巨大な虫たちが殺到して来る。


「天昇!」


ここでミールが本気の姿になる。流石にこの状況はコノハとディアン、ハーベラスでは止められない。逆に言うと本気のミールなら巨大な虫たちを止められる。


「植物召喚! マンチニール! 樹海支配!」


アクアスの周囲にマンチニールが生える。すると暴走状態の虫たちはマンチニールの死の領域に突撃したことで即死する。しかしマンチニール全てで全包囲をカバーすることは出来なかった。しかし残りの巨大な虫たちは巨大な木が地面から生えて次々串刺しにした。


「なかなかやるな…獄炎!」


「水樹よ!」


ミールが水樹に呼びかけると水樹の木の根から大量の水が放水されて、ベルゼビュートの獄炎を止めた。


「この地は私の領域です。アクアスを滅ぼしたいならまずは私を倒してからにしてもらいましょう」


「いいでしょう! では望み通りしてあげますよ! 融合魔法! ヴォルケーノミーティア!」


空から無数の火山弾が降って来る。ヴォルケーノとミーティアの融合魔法だな。これに対してアクアスから星座魔法が発動される。


「星座魔法! アクエリアス!」


空から大量の水が降って来て、火山弾を消火しつつ押し流した。魔法を使用したのはアクアスの町長リーシャさんだ。非力なイメージがあったけど、彼女なりに近頃の戦況の流れを見て、一生懸命魔法を勉強していたらしい。


「はぁ…はぁ…この町と水樹には手出しさせません!」


「ハーフエルフ如きが…部をわきまえろ! 魔神波動!」


ベルゼビュートの杖から魔神波動が放たれ、周囲の魔導書から魔法のフルバーストが放たれる。これに対してコノハが魔法のフルバーストを放ち、ミールが構えを取る。


「妖精技! リョースストリーム!」


ミールの手から光の奔流が放たれ、魔神波動と激突すると互角に終わる。


「おのれ…鬱陶しい召喚獣どもが…ッ!?」


「よそ見しすぎじゃ」


ここで飛んでいたベルゼビュートが墜落する。アインシュタインさんがベルゼビュートの飛行スキルを書き換えて使え無くしたようだ。


「これで以前のように飛び回ることは出来んのぅ」


みんなが一番苦労したのはベルゼビュートの飛行速度だったからな。しかしまだベルゼビュートは余裕そうだ。スタンピードを再び発動された状態でシフォンと激突する。シフォンはベルゼビュートを身体を斬り刻むがその度に黄色い血液が飛散して腐蝕と悪臭を放つ。


シフォンとしては大変不快だが、なんとかベルゼビュートを倒しきった。しかしこれだと余りにもあっさり倒し過ぎている。


「…どういうことじゃ?」


「まるでわざと負けたような…ッ!?」


「ホー!」


突如巨大な何かが遥か遠くから飛来するとシフォンとアインシュタインに襲い掛かった。それをコノハが絶対防御で止めた。


「よく反応したな」


「「ベルゼビュート!?」」


この瞬間、シフォンは何が起きたのか理解した。飛行を封じられたベルゼビュートはわざと死ぬことを選んだのだ。どうせ死んでもまた蘇るならこの選択は確かにありだろう。


「サタンの塔から蘇生したのか…」


「その通りだ。あの塔を倒さなければ私は無限に蘇り続ける。最も今の君たちにそれをする余裕があるでしょうかね? 魔神魔法! スタンピード!」


「こりゃあ、しんどいわい…」


「一応仲間に連絡しておきます。私たちはとにかくここを守りましょう」


「そうじゃな」


こうしてアクアスの町の防衛戦は大苦戦の状況になるのだった。それでもみんなが戦い続けられるのは俺たちのことを信用しているからに他ならない。


『『『必ず倒すチャンスは来る。こいつを倒す力だけは温存しておかないと』』』


みんなの思いは一つだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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