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#1513 午後の聖戦イベント、ユグドラシル防衛戦

桜花で戦いが始まった同時刻、サタンと会話したオーディンたちがいるユグドラシルにも悪魔化した巨人たちと悪魔の軍勢が迫っていた。対するのはワルキューレやヴァルキリー、エインヘリヤルたちを中心にした部隊とユグドラシルの下にはエルフたちが展開している。


俺の召喚獣からここに配置されたのはもちろんセチアとルーナ、スピカとリースのダブルコンビだ。ミールはアクアスを守っているのでここには参加していない。


しかしユグドラシルに敵が現れたということはウィザードオーブにも敵の進軍があることを意味している。そのウィザードオーブの防衛にはチェスとルミの雪コンビが参加している形を取った。


早速ウィザードオーブからチェスやエクスマキナのバトルシップ、街の防衛に参加している中級の魔法使いたちによる遠距離攻撃が開始されて、同じくユグドライるからもエルフたちによる弓と魔法による遠距離攻撃が開始された。


これにより次々巨人たちが撃破されていくが動きが止まる様子はない。押し寄せてくる様子もなく、ただ棒立ちのまま迫って来る。それはそれで恐ろしい攻撃だ。


「何か狙っていますね…ルーナ。あの巨人たちを早めに対処しましょう。嫌な予感がします」


「わかりました。セチアお姉ちゃん」


「大精霊召喚! エリュシオン! エリュシオン様! 空にいる敵を一掃してください!」


『承知した。星波動!』


エリュシオンの特大の星波動が放たれ、空の悪魔化した巨人たちが消し飛ぶがやはりただ無言でこちらに迫って来る。


「星座魔法! アルゴ!」


「精霊魔法! スターアーチ! スターレイヤー!」


確実に敵を消し飛ばしていくが敵はただ進んで来るだけだ。セチアたちの中で嫌な予感が増幅し続けている中、ルミから緊急の念話が来た。


『…大変。あいつらの狙いは自爆。占い師の未来予知で見た未来だから間違いないと思う』


「巨人にそんな能力はないはずですよね? セチアお姉ちゃん」


「種類によるとは思いますけど、ほぼ間違いなく悪魔たちの仕業ですね。巨人の体内に爆弾を仕込んだというところでしょうか?」


巨人の体内に仕込むほどの爆弾だ。当然それなりに大きな爆弾だろう。


「とにかくそんなことはさせる訳には行きませんね! ゾディアック!」


「はい! スヴェールトアルフ!」


セチアたちは休みなく魔法を撃ち続けることで防衛に成功している。精霊管をユグドラシルに接続して無限に等しい魔力供給を得ているからこそ出来る大魔法の連発は非常に強力だ。ウィザードオーブはそうはいかないがエクスマキナのバトルシップがやはり強力だった。


しかしこれで終わるような戦いじゃない。いよいよ敵が本気を出して来た。出現したのはアバドンと悪魔化したムスペル、更にガルムたちまで悪魔化している部隊が出現した。機動力が高いガルムたちは遠距離戦が得意なエルフや魔法使いたちにとっては非常に厄介な敵だ。


そしてアバドンたちは早速バッタたちを召喚してエルフの森とユグドラシルを狙って来た。そしてムスペルたちは大魔法を連発で喰らっても耐える耐久性を持っている。これら全てに対処しないといけない。


『ルーナ。バッタの処理とガルムたちをお願いします。ムスペルはこっちが引き受けます。リースとスピカは私と一緒にムスペルの対処をしましょう』


『…チェスさん、バッタは全部ルミが凍らせる。…ムスペルをお願い出来る? …ガルムの対処は任せて』


『グォ!』


まずルーナとルミが押し寄せるバッタの群れに対処する。


「ツイスター! ラーヴァフロー! 融合魔法! ラーヴァツイスター! 風の妖精さんたち! お願いします!」


『『『『気流操作!』』』』


ルーナが溶岩の巨大な竜巻を出現されると風の妖精たちが気流を操り、バッタたちを強制的にラーヴァツイスターに巻き込ませることで一掃する。


「…暴風雪!」


ルミは暴風雪を発生されてバッタの群れを後退させながら凍らせることに成功した。そして二人は迫ってきているガルムたちの対処に動いた。


ウィザードオーブのほうはガルムたちはそこまでの脅威にはならなかったがエルフの森が燃やされて困るのはエルフたちだ。初手でダイダルウェーブを発動されたエルフたちだったがあっさり悪魔の羽で逃げられてしまう。


どうやらガルムたちには理性があるらしい。そしてガルムたちはエルフの戦士たちや妖精たちに倒されながらも次々エルフの森に入り、木を燃やしだした。


「貴様ら!」


「我々よりも森の木を狙うか! ふざけるな!」


攻撃されても炎ブレスを木に向けて放つガルムたちにエルフたちは怒り心頭だ。以前戦闘ではここまで徹底はしていなかった。そもそもわざわざ木を狙わなくても森で戦闘していれば木は燃えるものだ。それなら普通に敵と対戦した方が良い。しかし今回のガルムたちにはそう言う思考はないらしい。ただ森を燃やすことだけ考えている悲しい獣って感じだ。


そんなガルムたちを一生懸命追って倒しているとムスペルとアバドンたちがやって来る。しかしそんな彼らの前に木の巨人たちが一斉に現れ、その巨人たちの肩に乗っているセチアがケーリュケイオンを構えて言う。


「あなたたちは森には入れさせません」


セチアを確認したアバドンたちは本気の姿になった。これに対してセチアはケーリュケイオンの力を解放する。アバドンたちが止めれる物なら止めてみろと言わんばかりに魔神波動を放れようとしたときだった。


「ブリューナク! 神威解放! 神槍技! ルー・シャナス!」


一体のアバドンが投擲されたブリューナクに貫かれて即死する。流石ウィザードオーブの秘宝にして魔神バロールを一撃で葬った槍だ。


「帰還! スピカさん! 超連携!」


「ヒヒーン!」


ブリューナクを手元に戻したリースはスピカと超連携して敵の陣形の真ん中のアバドンを貫いた。そしてリースは手綱を引き、スピカは敵陣のど真ん中で急停止する。そしてリースが緑の光を放ち、スピカが身体から稲妻を発生される。


「エインノヴァ!」


「ヒヒーン!」


リースのエインノヴァとスピカの電弧放電と電磁支配が放たれ、アバドンたちが吹き飛んで痺れながら倒れるアバドンたちにリースが宣言する。


「あなたたちの相手はリースたちだけで充分です。魔神を必中必殺で倒すブリューナクの威力。その身にたっぷり刻んであげます!」


「ヒヒーン!」


リースとスピカは午前の戦いでもアバドン相手に無双していた。武器の相性もあるがリースとスピカは最終の成長を終えて、自分たちの強さに迷いが無くなったな。そんな頼もしい二人の姿を見たセチアが笑う。


「ふふ…リースは成長しましたね。さて、リースたちにアバドンは取れてしまったので、こうなると私の相手はあなたたちですね? エルフの森は燃やさせませんので、覚悟してください」


この後はリースとスピカが本気となったアバドンたちを一方的に倒す展開となった。アバドンたちにもスキルが当たればリースとスピカに勝てるチャンスはある。しかしアバドンたちじゃあ、スピカの機動力に対処出来なかった。


腕の多さで次々波動技を放つが全て躱され、完全に逃げ道を塞いでも次元転移と脱出スキルで逃げられる。なんとか接近戦を挑めるチャンスはあったがリースのファフナーバックラーがアドバンの攻撃を受け流してスピカが角で突撃して、感電されるとリースはブリューナクでアドバンの顔を貫いた。


本当にリースとスピカはいいコンビになった。お互いが自分が出せる全力を出して生き生きしているのが分かる。その二人の相手をさせられるアバドンたちはご愁傷様だ。リースとスピカがアバドンを抑え込んだので、ワルキューレやヴァルキリー、エインヘリヤルたちは悪魔化した巨人たちの対処に動く事が出来た。


そしてセチアもケーリュケイオンの力で魔力が無限になったことでフォレストガーディアンたちを次々作り出して、ムスペルたちを抑え込んだ上で魔導書から上位魔法を連発して倒しているとガルムの対処を終えたリースとエルフたちが援軍としてやってきて、見事に倒しきった。ガルムたちだけじゃあ、ダイダルウェーブでたっぷり水を浴びた木を燃やすのは厳しかったみたいだ。しかもレインや天候支配で雨を降らされたら、流石に無理だったな。


一方、ルミとチェスのほうはルミの雪だるまさんとチェスがムスペルとアバドンたちを抑え込んだ。やはり武器を得たチェスが非常に強い。鎖で相手を捕まえて引き寄せると斧で首を飛ばして蹴り飛ばしたり、盾で殴り、怯んだムスペルをグランドスマッシュで一刀両断した。


相手からすると前線で巨人たちを抑え込んでいるのはチェスだけだったので、チェスさえ倒せば一気に崩れると思ったのか分からないがムスペルたちはチェスの腕や体に抱きつき、自爆をしてきた。これに対してチェスは魔氷装甲で自爆のダメージを大幅に軽減した。熱や魔法に魔氷装甲は強いからね。


それでも連続で自爆されたら、厳しいがチェスが傷付くとウィザードオーブの魔法使いたちが回復魔法で支えてくれた。一体に回復を集中できればヒーラーは楽だよな。寧ろ敵軍を一体で押され込むチェスが異常と言える。


そしてルミがアバドンたちと対戦する。結果はルミの無双だ。これは季節がルミの味方した。ルミがスキルを使わなくても今日の天気は雪でホワイトクリスマスとなっていた。


この結果、雪に何も対処しなかったアバドンたちはルミに振り回されることになった。何せ雪の上を歩いたら、プレゼントスキルによる爆発があり、更に雪に隠れたルミの奇襲もある。


流石に地面の雪を警戒すると猛吹雪が発生して、今度は一方的に空でも奇襲される。流石に砂嵐や熱風で対処してきたがすると真上から巨大な雪だるまが落ちて来た。怒ってスキルを連発するがルミにスキルを使ったのが間違いだ。バトルシップから砲撃がアバドンたちに炸裂するとウィザードオーブの魔法使いたちによる一斉魔法が降り注ぎ、更にはウィザードオーブから魔導砲も使用された。


これを受けて改めてウィザードオーブを攻撃しようとしたがその判断が遅すぎた。生命力が残り少ないアドバンをルミが次々暗殺して勝負あった。こうしてウィザードオーブとユグドラシルの防衛は成功するのだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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