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#1509 午後の聖戦イベント、アトランティス防衛戦後半

アトランティスの間近に迫ったサタン軍だったがここで一人のダイヤモンドの角を持つ水のドラゴニュートがセイレーンたちに襲い掛かった。彼女とは俺たちも面識がある。何故かアトランティスにいたドラゴン。ヴイーヴルだ。


彼女を見たマーマンたちが叫ぶ。


「貴様! 何故ドラゴンがポセイドンの味方をしている! お前たちもポセイドンから海を追い出されたではないか!」


「…確かにそれはそう。でもわたしは安全で平穏な生活を望む。その為なら神の味方にでもなる。あなたたちには理解出来ないと思う。毎日人間に命を狙われ続ける苦しみや恐怖がどれほどのものかなんてね…」


これがヴイーヴルがポセイドンの味方をしている理由だった。ヴイーヴルは伝説ではヴイーヴルが持つダイヤモンドを盗めたら世界一の権力者になれるとされている。それ故に人間たちから命を狙われるのは必然だ。


そこでこのゲームのヴイーヴルはポセイドンの味方になることで人間たちが手出し出来なくさせつつ安住の地をゲットした流れになるっぽい。これは俺も聖域の島で散々経験値や素材が美味しいモンスターを狩りまくっているからな。彼女からは非難される側の人間だ。もちろんどれだけ報酬が美味しくても彼女に手出しをするつもりはないけどね。


そしてマーマンたちの立場はポセイドンによって自分たちの住処を失ったことがアトランティス侵攻の理由みたいだがヴイーヴルみたいにずっと命を狙われ続けたわけじゃない。この場においてヴイーヴルの苦しみを理解出来るのは彼女しか恐らくいないだろう。


「ふん! 神に尻尾を振るドラゴンの気持ちなど知りたくもないわ! 敵であるなら治すのみ!」


マーマンたちが一斉にヴイーヴルに襲い掛かる。しかし伝説に名を残すドラゴンはみんな強い。


「…金剛装甲。金剛拳!」


ヴイーヴルは両手をダイヤモンドに変化されるとマーマンたちの武器を腕で受け止めて、弾き返すとダイヤモンドの拳がマーマンたちの腹に練り込み、ぶっ飛ばされた。防御力が高い上に水属性故か速さもある。筋力も申し分なさそう。これは強いな。


そんなヴイーヴルが次々マーマンたちを倒しているとここで怪物たちがヴイーヴルに挑む。ドラゴンブレスや拡散光線、地核などで攻撃するヴイーヴルだが、怪物たちを倒すには火力が足りないようだ。


どう倒すかヴイーヴルが思考しているとここでヴイーヴルの両手が鎖で縛られてしまった。空虚で姿を消したマーマンたちによる奇襲だ。


「今だ!」


「こいつを噛み砕いちまえ! モササウルス!」


凶悪なモササウルスの噛みつきがヴイーヴルに迫る。そんな危機的な状況でもヴイーヴルは冷静だった。


「…しょうがない。あなたたちにわたしの本当の姿を見せてあげる。竜化!」


ヴイーヴルから眩い閃光が放たれるとヴイーヴルの体が竜の姿となり、拘束していた鎖は引きちぎられるとドラゴンの姿になったヴイーヴルはドラゴンダイブでモササウルスの口に飛び込むと身体を回転されるとなんとモササウルスの体をぶち抜いた。


「な、何!?」


「なんだ!? あのドラゴンは!?」


現れたのはヴイーヴルの姿を一言で言うならダイヤモンドドラゴンと言うべきだな。基本は四足歩行の西洋タイプのドラゴンで全身の鱗がダイヤモンドとなっているドラゴンだった。ただ竜化したヴイーヴルはガーネットの瞳を持っている。


これには召喚師たちも驚く。ダイヤモンドドラゴンが存在するとしたらこのゲームでは間違いなく土属性のドラゴンとなる。それなのに海を高速で泳ぎ回るとなると脅威でしかないだろう。そしてダイヤモンドドラゴンの能力が判明する。


『金剛投擲! 拡散光線! 乱反射! 変光!』


金剛投擲は水晶投擲の上位互換スキルだった。尖ったダイヤモンドが無数に飛んでいき、敵を次々貫いて爆発する。水晶よりずっと貫通力が高く、爆発も大きい。これをヴイーヴルは全身から飛ばすことで全方位の敵を攻撃している。これは強い。


更にダイヤモンドの鱗全体から光線を放ち、反射や変光で光線を自在に操って見せた。これを見たマーマンたちは遠距離戦は無理と判断して怪獣たちが接近戦を挑むが怪獣たちは返り討ちにある。


ダイヤモンドの角を持ち体を回転されて突っ込んで来るヴイーヴルの姿は巨大なダイヤモンドドリルだ。そんなものを恐竜が止めれるはずがない。


「くそ! こいつも無視してアトランティスを落とすぞ!」


「「「「おぉおおお!」」」」


マーマンたちが先に進むと必死にカリュブディスたちが応戦するがついにマーマンたちはアトランティスを射程に捉えた。


「次元震!」


「「「「ぐわぁあああー!?」」」」


マーマンたちがアトランティスの町中に入ろうとした時だった。マーマンたちに次元震が放たれて、仲良くみんな吹っ飛ばされる。


「く…ついに出てきやがったか! ポセイドン!」


アトランティスを守るようにポセイドンとアムピトリーテー、ロデーに加えて人魚と同じで下半身が魚、上半身が細マッチョで青髪のボサボサ頭で髭がちょっとだけあるだらけた青年が現れた。手には法螺貝を持っており、背にはトライデントがある。


「アトランティスの危機じゃ。今日ばかりはちゃんと戦って貰うぞ。トリトン」


「へいへい。分かってますよ。父上様」


やはりトリトンか。トリトンはポセイドンとアムピトリーテーの間に生まれた子供で伝説でも男の人魚として登場する。どうやら親子関係は良くない上にどうしてだらけた性格になっているかは謎だ。しかし参戦すると言うことは強いんだろう。


そしてポセイドンがアトランティスの守りに入ったことでアムピトリーテーたちは各地に散らばる。するとロデーがリアンのところにやって来た。


「やっほー! 応援に答えてくれてありがとね」


「人魚姫様!? どうしてここに!?」


「お父様の命令よ。あなたの傍が一番安全だと判断したんでしょうね」


「ええーっと…それは嬉しいんですけど、もし人魚姫様に何かあれば」


「お父様は怒るでしょうね」


リアンが驚き、顔つきが変わる。ポセイドンがリアンに怒ったら、間違いなく俺が出て来る。そうなると自分のせいで俺とポセイドンとの対決に発展するかもしれない。下手すると地上とアトランティスが滅茶苦茶になる可能性も十分にある。今、サタンを倒した後の世界の命運がリアンに託された。


流石にこの状況になってしまったら、リアンも本気にならざるを追えない。ここで遂にリアンはトリアイナを抜く。そしてロデーの存在に気が付いたセイレーンたちがリアンの場所に集まって来る。


「見つけたわよ。人魚姫様」


「あなたを倒して私たちこそが海の女神に相応しいと証明してあげる!」


「そんな証明欲しいならあげるよ。ただ一つだけ忠告しておいてあげる。人魚姫ってすっごい面倒臭いからね!」


これをシルフィが聞いたら、間違いなく激しく同意するだろう。なんというか王族に生まれた子供たちはみんな自分の地位を嫌がる傾向があるな。まぁ、自由もなくいつも人目を気にしないといけないというのは辛いよな。その代わりに裕福な生活が出来るんだろうけど、どっちを取るかだね。俺は自由派だ。


「私たちの苦しみを知りもしないでよくもそんなことぬけぬけと言ってくれるわね!」


「アムピトリーテーと一緒にあの世に送ってあげるわ!」


「ど、どうして私が怒られるの!?」


フレンドリーさが逆に相手を傷付けることもあるのが人間関係の難しいところだ。そしてセイレーンたちが一斉にロデーに襲い掛かって来る。この僅かな時間にリアンは仲間たちに自分の周囲から離れるように指示を出し、みんながこっそりアトランティスに移動を始めた。これはつまりリアンが大技を使う事を決意したということだ。問題はどう使うかだ。


「次元震!」


「「「「きゃあああああ~!」」」」


「あなたたちの相手は私です!」


「やったわね…キョエエエエエーーー!」


リアンに攻撃されたことが気に入らなかったのか山姥(やまんば)のような形相でセイレーンたちが襲い掛かって来た。しかし怒りに囚われて真っ向から突っ込んで来るのは判断ミスだな。


「海割れ!」


リアンがトリアイナを上に構えて、振り下ろすと海が割れる。この瞬間、海割れに巻き込まれた者は一時的に空中にいる状態となる。しかしセイレーンは飛行することが出来る。


「お馬鹿さん!」


「空ならあたしたちのほうが上よ!」


「それはどうでしょうか? 天変地異!」


セイレーンたちは超巨大なシースパウドに巻き込まれるとサッカーボールサイズの雹が体のあちこちにぶつかり、更には蒼い雷に貫かれる。天候支配でもセイレーンはオーケアニスを上回るが天変地異となると流石に支配出来ない。


これを見ていた海割れから逃れたアトランティス側にいた残りのセイレーンたちがリアンとロデーを狙って来る。それをリアンは狙っていた。


「ちょっとすみません」


「ふえ?」


『『テレポーテーション』』


リアンたちがスノーダンスタクトを使ってアトランティス側に転移する。背後に回れたセイレーンたちは向きを変えるがリアンの狙いに気付いていないな。この瞬間、助けに来たセイレーンたちと天変地異に巻き込まれているセイレーンたちはリアンの正面に集まっている。


「トリアイナ! 伝説解放! 行きますよ! エナリオス・クェイク!」


世界を震わせる衝撃波が放たれ、射線上にいた全ての敵が吹っ飛ばされる。セイレーンたちは耐えられずにはじけ飛んだ。


「い、今のは?」


「馬鹿な…今のはポセイドンの必殺技じゃないのか!?」


「はぁ!? なんでそんな技を人魚が使えるんだよ! そんな奴がいるなんて聞いてねーぞ!」


サタンからリアンの情報は聞いてなかったんだね。それはご愁傷様だ。大切な情報を伝えなかったサタンを恨んでほしい。


「気持ちがいい一撃じゃな…今が好機じゃ! 一気に敵を殲滅せよ!」


「「「「はい!」」」」


リアンの一撃で一気に戦場の流れが変わった。人魚たちを苦しめていた妨害音波に呪歌が無くなったことでマーマンたちはもう不意打ちすることが出来なくなった。こうなるとスピードと魔法が有利なマーメイドたちの流れだ。何せ海中には基本的には障害物が無いからね。怪獣たちを盾に魔法から逃げるしかマーマンたちには出来ない。


これで負けを認めるかと思ったが敵の選択は突撃だった。この動きに対してトリトンがマーマンたちに言う。


「おいおい。もう勝負ありだろうが! どうして戦って来るんだよ! 死にたいのか!」


「俺たちはこの戦いに全てを賭けているんだよ! ポセイドンが弱くなることなんて今後また来る保証なんてどこにもない! それならこの戦いに全部賭けるのは当然だろうが!」


「あぁ…そうかよ! ならこっちも手加減しないからな! 激流!」


トリトンが法螺貝を吹くと凄まじい海流にマーマンたちは流される。トリトンの法螺貝はギリシャ全土を襲った大洪水の水を引かせたという伝説がある法螺貝だ。このゲームでは海流関係が得意な楽器武器みたいだね。


そしてマーマンたちの突撃に合わせて生き残っている怪獣たちも突撃を開始する。次々オリハルコンゴーレムたちとヴイーブルに落とされる。しかしまだ数が多くアトランティスに迫る。そんな彼らの前に立ち塞がったのはポセイドンだ。


「巨大化! ぬん! はぁ! ゴッドクラッシャー!」


巨大化したポセイドンはアスピドケロンとモササウルスを掴むとバハムート、メガロドンに向かって投げ飛ばすことでアトランティスの外に飛ばすと拳を叩き込んで海底に押しつぶしてしまう。その後もポセイドンは次々掴んでは投げ飛ばしていく。これで弱体化しているってマジですか。


更にマーマンたちに追い打ちが来る。


「いくよ! 神技! マーメイドプリンセスソング!」


ロデーが歌うと全員の生命力が大幅に回復し、更に全ステータスアップのバフが入る。うーん…この技、先に使っても良かったのではと思ってしまうな。流石にもう戦況は決したな。次々サタン軍は各個撃破されていく。


「宇宙卵!」


「誰か一人でもいい! あれさえ手に入れば!」


「ぐわ!?」


「くっそ…たれ!」


それでも決死の突撃によってマーマンたちはアトランティスの内部に入る所まで行った。だが結局アトランティスの中でアトランティス・ストラティオティスたちに追い詰めれて、全滅した。こうしてサタン軍によるアトランティス侵攻は失敗と言う結果に終わった。


戦闘が終わったところでリアンは一つの疑惑をロデーに話す。


「ポセイドン様…もしかして私にトリアイナを使わせようとしたんじゃ…」


「さ、さぁ? それはどうかな? わ、私じゃちょっとわからないな~」


「目が泳ぎまくってますよ! こんなプレッシャーのかけ方やめて下さい! 心臓に悪すぎます!」


どこまで弱体化しているか分からないが恐らくポセイドンは必殺技を使える状況じゃなかったんだろう。それなら戦況を変える為にリアンを頼るのは当然の流れと言える。最も俺の指示で午後からは解放スキルの使用を許可しているからどっちみちリアンは使う事になっていると思うけどね。とにかくこれでアトランティスでの戦闘は終結した。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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