#1496 アポカリプスビースト戦、前半
今後の更新スケジュールについて報告いたします。まず明日のクリスマスイブに折角なので更新することにしました。時間はいつもと同じで23時です。
そこから更新のお休みをいただきまして、29日、30日、31日に連続更新をして最低でも来年の1月3日までに最終話を迎える形でいこうと思います。最後まで読者の皆様に楽しんで貰えるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。
俺たちがウロボロスドラゴンと戦闘を開始した頃、他のメンバーもアポカリプスビーストとの対戦を始めていた。
「サウザンドレイン! 宝石解放!」
「荷電粒子砲、発射します!」
「魔神波動!」
「グォオオオオ!」
セチアが宝石が使われている弓矢をサウザンドレインで放つとアポカリプスビーストとアポカリプスビーストから生み出された獣たちに弓矢が刺さり、宝石解放で起爆する。そこにイクスの荷電粒子砲とリビナの魔神波動とチェスのグランアックスと星矢が襲い掛かった。
この攻撃から逃れていた獣たちがアポカリプスビーストに攻撃が決まったせいかセチアとイクスを狙って動き出した。
「千本鳥居!」
ここで獣たちとアポカリプスビーストに空から鳥居が落下して来て地面に拘束すると動けない獣たちに恋火、グレイ、ゲイル、白虎、優牙、アラネア、狐子、ヒクス、ディアン、月輝夜、クリュス、ハーベラス、リオーネ、ルミ、夕凪、スキアーが仕留めて動いた。
「キュー! キュ!?」
「ギー!」
「聖剣解放!」
「グングニル! 神波動!」
そして一気に護衛の獣たちが減ったので、ここでジークがドラゴンダイブで仕掛けた。しかしジークのドラゴンダイブはアポカリプスビーストにぶつかったが逆に吹っ飛ぶ結果となる。しかもジークの半減がアポカリプスビーストに発動しなかった。状態異常無効だな。
アポカリプスビーストに接近したことでジークが危なそうな状況となったがここで叢雲とスキアのブレスとルーナの聖剣解放、ミールのグングニルから神波動が放たれてジークが距離を取る時間を作った。
次に接近したのはコーラルでアポカリプスビーストの周囲を飛び回り、焼尽をばら撒くとアポカリプスビーストの体全体が爆発に包まれる。そしてアポカリプスビーストの上からロコモコ、エアリー、蒼穹の雷が降り注いだ。
「超連携! 行きますよ! サフィさん! スプラッシュバブルボム!」
「ボエー!」
「オリジンストリームなのじゃ!」
「シャイターン・アイン!」
今度はサフィのドラゴンブレスの周囲を無数の爆発するシャボン玉が螺旋を描くリアンとサフィの超連携の技がアポカリプスビーストに決まり、大爆発するとセフォネのオリジンストリームとファリーダのシャイターン・アイン、黒鉄の両手から放たれた神波動と胸から放たれた荷電砲と全身から放たれたミサイルがアポカリプスビーストに決まる。
「ダメージは通っているようだけど」
「これだけの高火力技を使ってあれだけのダメージなのは流石にげんなりしてしまうのじゃ」
「神撃! 獣を倒す役とアポカリプスビーストに攻撃をする役を分けたほうがいいですね」
「それなら武器持ちのあたしたちは火力を出すのは不向きなので、獣退治に回ります。グレイさんたちも悪いですけど、お願いします」
「ガウ! ワオーン!」
ブランと恋火の提案とグレイの指示でみんながそれぞれ動き出した。するとここでアポカリプスビーストから生み出される獣のレベルが召喚獣で言う所の第四進化レベルまで上がって来た。すると天使たちが実力というより物量に押される。
「リターンオーシャン! 倒しても倒してもキリがないですね…コノハさん!?」
リアンがリターンオーシャンでアポカリプスビーストが生み出した獣を一気に消滅されるがまた次々アポカリプスビーストから獣が生み出される。するとここでアポカリプスビーストから無数の鳥が生み出されて一斉に俺から禁呪を貰ったコノハに襲い掛かって来た。しかしコノハは詠唱を止めない。
「ピィ―!」
「木の葉斬り!」
「雪月花!」
コーラルが鳥の群れに突っ込むと紅炎と猛爆で一気に鳥の群れを蹴散らす。そして残りを千影と恋火が撃退しようとしたが一部が抜かれてしまう。しかしその一部は地面から伸びて来たぷよ助の体に捕まり、コノハを守ることに成功した。
そしてコノハのアブソリュートゼロがアポカリプスビーストに発動する。これによりアポカリプスビーストは凍り付く。
「倒した?」
「禁呪一発で倒せる化け物でしたら、私たちは苦労していませんよ」
ミカエルがそういうとアポカリプスビーストの全ての目が赤く光るとアポカリプスビーストの体が真っ赤になると凍った身体が溶けていき、氷は破壊される。そしてこれで怒ったのか本気になったのかは分からないがここでアポカリプスビーストが上に向かって歩き出した。
そしてミカエルたちからアポカリプスビーストの目的が自分たちの神であり、封印した神への復讐を狙っていることがここで判明した。
「大精霊召喚! エリュシオン!」
「式神! 天魔雄神はん! 天逆毎はん! 白蔵主はん! お願いします!」
ここでみんなもアポカリプスビーストの動きを止めるために動く。エリュシオンが特大の精霊波動をお見舞いするとここで初めてアポカリプスビーストの顔のうち、一つがセチアたちのほうを見た。次の瞬間セチアたちは自分たちが消し飛ぶ予感に襲われる。
「式神! がしゃどくろはん! お願いします!」
アポカリプスビーストの目からとんでもない威力の光線が放たれるとがしゃどくろに命中してがしゃどくろは木端微塵になった。
「がしゃどくろはん…」
「案ずるな。がしゃどくろはそんな弱い妖怪ではない」
白蔵主がそういうとまずアポカリプスビーストに道連れが発動する。しかしこれはアポカリプスビーストの灰燼と状態異常無効のせいで消し飛ばされる。そして和狐の周囲に白い灰が集まるとがしゃどくろは蘇生した。
これが召喚主を守ることに特化したがしゃどくろの力だ。不死殺しなどで蘇生を封じない限り、どれだけ倒しても召喚主の近くで蘇生してその体で召喚主を守り、時には召喚主を攻撃しようとした敵を攻撃する。それががしゃどくろという妖怪だった。
ただ今回は防げたがこの攻撃を見たみんなから一気に緊張感が上がった。今まで自ら攻撃に動いて来なかったアポカリプスビーストが攻撃したというのはセチアたちだけでなく、その攻撃はこの場にいる全員に向くと言うことを意味していた。
そして思った通り、アポカリプスビーストの全ての顔が別の敵の方向を向くと光線が放たれた。この攻撃で改めてアポカリプスビーストの強さをみんなは認識することになる。まず狙われた黒鉄は自分の両腕を盾にして反射装甲を展開すると反射が必ず黒鉄の両腕が爆発で破壊されてしまった。
すぐさま黒鉄は両腕を復活されるがこれまでの戦いで一撃で両腕を破壊されたことがない黒鉄にとってはかなり衝撃的なことだ。
更に俺たちの中でも実は最強格なのではないかと思われていたぷよ助も狙われて、光線の一撃で消し飛ばされてしまった。耐性無効と吸収無効でぷよ助の無敵を支えていたスキルが封じられた結果だ。しかしちゃっかり分裂して地面に一部を逃がしていたぷよ助は倒されることは回避した。
しかしこの結果を見たみんながアポカリプスビーストのヤバさを理解するには十分だった。俺たちの中でもぷよ助は属性無効をたくさん持ち、物理攻撃にも強いことからかなりの無敵っぷりを発揮している仲間だ。そのぷよ助が消し飛ばされる攻撃は脅威でしかない。
「あんな攻撃、直撃したらあたしたちなら一発で終わりね」
「必中スキルがないところが救いでしょうか?」
「確かにそれがあったら、詰んでた可能性がある…来るわよ」
ここでアポカリプスビーストの全身から拡散光線が放たれ、更に口からそれぞれ溶ブレスや冥ブレスが放たれた。ブレスで狙われたのはディアンでストラ、クリュス、ジーク、叢雲、スキアーと共にブレスでぶつかると火力で押されていく。このメンバーのブレスでも勝てないのか。
ここで恋火、ブラン、虎徹、ダーレー、千影、天魔雄神、天逆毎がそれぞれ七つの首にある片目を攻撃した。するとアポカリプスビーストのそれぞれの首から悲鳴が発生してブレスが途中解除される。その結果、ブレスの撃ち合いは相殺となり、みんなは難を逃れた。
しかし次はフォローに回った恋火たちがアポカリプスビーストに狙われることになる。アポカリプスビーストのそれぞれの赤く目が光ると恋火たちは恐怖の状態異常になってしまった。
「「恐怖の魔眼!? う!?」」
恐怖で思うように動けない恋火たちにアポカリプスビーストの初めての爪の攻撃が迫る。その爪は炎を宿しており、溶断と溶接をアポカリプスビーストが使用していることを恋火たちは肌で理解してしまう。
「ガァアアアアア!」
絶体絶命のピンチの状況でアポカリプスビーストの爪に真っ向勝負を挑んだのは拡散光線を多重障壁で受けながら最短で助けに入った優牙だった。両者の爪の激突で爆発が発生したが力の差は歴然で優牙と恋火たちは遥か遠くにぶっ飛ばされてしまった。
「っ~。効きました~。ッ!? 優牙さん!?」
「ガウ…」
優牙の頑丈な毛皮は爪に引き裂かれており、優牙はあまりのダメージに倒れてしまう。それでも生き残っていることが本当に凄いことだ。そして優牙のこの行動があったからこそ恋火たちに恐怖の状態異常を解除する時間が生まれて、アポカリプスビーストの攻撃の威力も大幅に減った。
この優牙の倒れている姿を見た天魔雄神と天逆毎は雷化と逆鱗を発動してアポカリプスビーストに全力攻撃を仕掛けに向かう。それを見た恋火が千影たちに言う。
「優牙さんの回復はあたしがします。虎徹さんたちは行ってください」
「ガウ!」
「承知したであります!」
恋火が回復していると和狐から通信が来る。
『恋火! 無事なん!』
『無事です。お姉ちゃん。でも、優牙さんが瀕死状態で今、回復してます』
『そうなんやね…恋火、状況説明するで。アポカリプスビーストは第五進化の召喚獣レベルのモンスターを生み出し始めた。このままやと物量の呑み込まれてうちらの負けや。もう切り札を全発動して戦うしかあらねん』
『わかりました。あたしも優牙を回復したら、一緒に向かいます』
まだアポカリプスビーストが生み始めた段階ならみんなはモンスターたちを倒せていたが数がどんどん増えていくと流石に対処が間に合わなくなってきた。こちらもこれに対応するために対抗策となる。
「妖精の輪!」
「魔軍!」
「神軍!」
「生物創造!」
「百鬼夜行!」
妖精と炎の妖精、天使の軍団、ティアマトの怪物、妖怪たちがアポカリプスビーストのモンスターたちと激突する。これでだいぶ楽にはなったが数で勝っても結局モンスターの質で一気に消されてしまった。
「フェンリル! フェンリル! ええい! ダメじゃ! 生物創造の速度が違いすぎるのじゃ!」
「グレイさんたちも数に対抗しようとしてますけど、限界が近いですね。今のうちに切り札を使わないと発動する時間さえ貰えなくなったりしませんか?」
「そうね。確実に切り札を使っていきましょう。間違いなくアポカリプスビーストは切り札を発動されたところを狙って来るわよ。それを止めないと詰むわ。全力で止めるわよ!」
こうしてグレイたちが切り札を発動されていくとその度にファリーダが言うようにアポカリプスビーストの攻撃が飛んできた。更に周囲にいるモンスターたちも過剰に反応してきたがこれはみんなが協力して対処しつつ、順番に切り札を発動していき、切り札を発動されたものは次の切り札を発動させる人のフォローに回っていく。
「ガァアアアアア!」
「「「「キャーーーーー!?」」」」
アポカリプスビーストの叫ぶと次元震が発生して切り札発動を妨害された。流石に簡単に切り札発動をされてはくれないんよな。それでも切り札発動は次々成功していき、アポカリプスビーストが生み出すモンスターを次々倒していくが確実にアポカリプスビーストは上に向かっていっており、切り札を使ってもなお増え続けるモンスターたちにみんなの対処が追い付かなくなってきた。
『武装創造!』
『超電磁なの!』
『原子分解!』
『武装射出!』
みんながきつくなってきた時だった。空から無数の剣が降り注ぎモンスターたちを貫くとモンスターは原子となって消滅した。空にはウロボロスドラゴンを倒した俺たちがいて、みんなが一斉に息を吐いて疲れを放出する。
『悪いな…少し手こずった』
『ほんとに遅すぎよ…』
『でも、間に合ってくれて助かりました』
みんなの声から相当やばい状況だったことがわかる。ここまで育ったみんなをここまで追い込むアポカリプスビーストはウロボロスドラゴンと同等かそれ以上の強さを持っていると思ったほうがよさげだな。
『俺たちがモンスターたちを封じ込める。一気にこの化け物を倒すぞ!』
『『『『『おぉー!』』』』』
こうして俺たちは全戦力を持ってアポカリプスビーストに挑むのだった。




