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#1495 タクト対ウロボロスドラゴン、後編

降臨した俺たちの姿を見てウロボロスドラゴンは凶悪な笑みを浮かべて言葉をぶつけて来た。


『これだよ! 俺様が戦いたかったのは! お前たちは創星龍神じゃないけどな! それでもお前たちは創星龍神と戦い、勝利した! そんなお前たちを俺様が倒せば俺様が世界最強となる! 嬉しくて力のたぎりが止まらねーよ! あの時、神のくそ野郎が勝負の邪魔をしてきたせいで俺様は世界最強になりそこねた! それを今日ここで俺様は果たす!』


あの時というのはマザードラゴンが言っていたこのゲーム世界で最初にジェネシスドラゴンと契約した召喚師とエデンの神が共闘した時の話だろう。考えてみると二匹が封印されていることからどちらが勝ったかは不透明だ。封印したから勝ちというのは勝ちだが、封印された二匹からすると倒せていないんだから負けてはいないという認識にはなるだろう。


それにしてもマザードラゴンが言った通りになったな。マザードラゴンの話を聞いているから余計にこのドラゴンが俺たちの中で可哀想に思ってしまう。しかしここでウロボロスドラゴンを哀れんでも意味はない。それはウロボロスドラゴンへの侮辱だ。


『ジェネシスドラゴンに変わってお前に本当の強さってものを教えてやるよ』


結局肉体言語で会話を交わした方が言葉で伝えるより良い事がある。暴力はいけない事だけどね。そこら辺の塩梅はめちゃくちゃ難しいんだけど、最強のドラゴン同士だったら全力でぶつかることが正解だろう。


『そこまで言うなら俺様に見せてみろよ! その力をな!』


『言われなくても! 神速!』


『物質化! 神拳!』


『爆心! 紅炎!』


イオンがそういうと俺たちの姿が消えてウロボロスドラゴンの腹に俺たちの拳が炸裂するとウロボロスドラゴンは悶絶し、ウロボロスドラゴンに爆発と炎が襲い掛かった。そんな状況からウロボロスドラゴンは反撃して来るのを選んだ。


『怪力』


俺たちに襲い掛かって来た爪を俺たちは空いている腕で受け止めると力任せて掴んだウロボロスドラゴンの腕を引くとウロボロスドラゴンの腕が引き千切れた。


『な…ぐぉおおおおお!?』


俺たちはそこからウロボロスドラゴンを蹴り飛ばすとドラゴンウイングで連続攻撃を仕掛けるとウロボロスドラゴンが新しい技を出して来た。


『竜技! ウロボロスホーン! 物質化!』


この瞬間に俺たちは未来を見る。そこにはウロボロスドラゴンの体中から変幻自在に動く黒い角が現れて俺たちを串刺しにすると俺たちが消滅する光景が映し出された。そしてその未来は現実となる。


『…無限化』


『これで俺様の勝ち…何!?』


ただし俺たちは消滅なんてしてやらないけどね。俺たちの体を滅多突きした角だったが無限化によって、全ての攻撃は外されていた。


『…驚く事はない。あなたの真似をしただけ』


『猛爆! 灰燼!』


ノワの言う通りこれはウロボロスドラゴンが戦いの中で俺たちに教えてくれた攻撃の躱し方を実演しただけだ。そして俺たちを貫いている角は爆発と共に全てが破壊されると俺たちは両手でウロボロスドラゴンに触れる。


『物質化』


『『『『『『全波動!』』』』』』


ウロボロスドラゴンに触れたことで物質化を付与して逃げ道を塞いだ状態からゼロ距離での全波動をお見舞いした。これを受けたウロボロスドラゴンはエデンの大地に墜落して大爆発に包まれる。


『強化復活! こんなはずはない! なんなんだ!? あいつらの強さは!? 俺様が前回戦ったあいつらより遥かに強いぞ!? っ!?』


ウロボロスドラゴンが引きちぎられた腕を元に戻すと空が明るく照らされる。ウロボロスドラゴンが空を見ると空には数多の属性の球体が浮かんでいた。その圧倒的な強さにウロボロスドラゴンだけじゃなく天使たちまでその光景に脱帽する。


俺たちが腕を振り下ろすと全ての球体がウロボロスドラゴンに向かって落下していく。


『全部…全部呑み込んでやるよ! 暴食!』


ウロボロスドラゴンはこの攻撃を全部食べ尽くす気だ。ウロボロスドラゴンならそう言う事も可能だろう。ただし考えが甘い。俺たちは口を大きく開いているウロボロスドラゴンの背後に現れると頭を掴んで地面に叩きつけた。


『くそったれ! 竜技! ウロボロスホーン!』


『…無限化』


『武装創造!』


『武装射出なの!』


俺たちは無限化で再び攻撃を躱すと俺たちの力に物質化が付与されている巨剣が六つ作り出されるとウロボロスドラゴンに突き刺さる。これでウロボロスドラゴンに逃げ場はない。


『逆鱗! オォオオオオオ!』


ここは力で強引に俺たちをどかして、自分を固定している武器を力で抜くとその場から逃げ出す判断した。しかし巨体とスピードの遅さが影響して俺たちの攻撃の余波は受けてしまう。そして俺たちというと光化でちゃんと攻撃を躱しており、元の姿に戻り空からウロボロスドラゴンを見ていた。


『俺様を…見下しているんじゃねーぞ! この野郎!』


ウロボロスドラゴンが俺たちに襲い掛かって来るがウロボロスドラゴンは接近戦で俺たちにボコボコにされてしまう。このゲームあるあるだが力が強すぎると戦闘技術や戦略が弱い傾向が強いな。ましてやこのウロボロスドラゴンは生まれた瞬間から最強だった。それで戦闘技術を磨けというのは無理があるか。


『この俺様が…こんな一方的に…ふざけんじゃねー! 暗黒渦!』


『…暗黒渦。…無駄。あなたじゃ、ノワたちに勝てない』


『なんだと! 貴様!』


ウロボロスドラゴンと再び殴り合いになり、俺たちがまた勝ってウロボロスドラゴンをぶっ飛ばすとウロボロスドラゴンはドラゴンブレスや無波動、黒雷、死針を放って俺たちに攻撃して来るが通用しない。


『…ノワはにぃたちに教えて貰った。無限属性を持っていても一つの力には限界がある。一つの力より二つの力が合わさった方がずっと強いに決まってる。それが分からないあなたには負ける気がしない』


『黙れ…黙れ黙れ黙れーーー! 愛だの友情だの協力だのくそくらえだ! 俺様もよーく知っているぜ? 人間はもちろん生物全ては裏切る心を持っているんだよ! てめぇらもいつかそれを知る日が必ずやってくるはずだ!』


『確かにいつかその日がリリーたちにも来るかもしれない』


『でも、きっと私たちはそれを知っても今のままでいられますよ。今の私たちが一番好きな私たちですから』


リリーたちは本当に心理的にも大きく成長したな。もしかしたらメンタルだと俺を超えているかもしれない。それほどリリーとイオンが言った言葉は想像以上に重い言葉だと感じられた。というかリリーたちが俺のことを信じてくれればくれるほど、俺の約束へのプレッシャーが凄い事になっているんだよな。


『そんなこと知るかよ! 竜魔法』


『…魔法破壊。…魔法なんて使わせない』


『なら見せてやるよ! 俺様の力をな! 傲慢門! 憤怒! 強欲門! 怠惰! 嫉妬門! 色欲!』


ウロボロスドラゴンは七つの大罪スキルの全てを使って来た。しかしその全ての攻撃が俺たちには通用しなかった。


『無駄です。あなたもよく知っているはずですよ? 無限属性の相手には七つの大罪スキルは通用しないことは』


基本的に七つの大罪は相手を狙うスキルだ。無限化でいるかいないか分からない相手ではスキルは狙えない。


『いちいちうるせーんだよ! ドラゴンフォース!』


『ドラゴンフォース!』


『おぉおおおおお! ぐ!? が!? くそったれ! ぐあぁあああああ!?』


お互いにドラゴンフォースをはつどうしたことで力の差は埋めることが出来ず、当然その状態で殴り合いになれば俺たちがウロボロスドラゴンを圧倒する展開となった。


『ふざけるな…こんなことはありえねー…俺様は最強の存在…負けるなんてありえねーだろうが!』


『そんなことはない!』


リリーが渾身の拳をウロボロスドラゴンに放った。そしてリリーは続ける。


『最強の存在でも負けることはあるよ! リリーたちだって、一杯負けて今ここに立っている! だから断言するよ! リリーたちだっていつか負ける日が来る! でも、負けたらまた強くなりたいと思って頑張るんだよ!』


『あなたも封印されて思ったはずです。次は負けないと。次こそは勝ってみせると思ったはずです。だからこそあなたは私たちと全力で楽しそうに戦ったのではないですか?』


『ぺ…俺様が楽しそうだと? ふざけるのも大概にしろよ』


気付いてないんだな…俺たちと殴り合っている時にウロボロスドラゴンは狂気の笑顔を浮かべていたが俺たちには全力で戦える相手と真っ向からの殴り合いという勝負を楽しんでいるように見えた。ほとんど殴られた経験なんてしてこなかったはずだからな。


『オォオオオオオ! 虚無星(きょむせい)


ウロボロスドラゴンは巨大な紫色の星を作り出した。無限属性の星系統のスキルか。


『こいつに少しでも触れれば終わりだぜ? どうするよ!』


これに対抗するにはこれしかない。


『格納。創星近衛。龍神解放!』


龍神刀創星近衛(龍神解放):レア度10 刀 品質S+

重さ:100 耐久値:なし 攻撃力:33000

効果:龍神技【ドラゴニックリムーバー】、物殺し、武装創造、武装射出、光速激突、次元修復、破魔、灰燼、万物切断、時空切断、魔力切断、真空刃、無限刃、真空、怪風、無限乱刃、無限連撃、原子分解、時間遅延、時間停止、時間加速、時間逆行、領域支配、時空支配、天候支配、気流支配、炎熱支配、大地支配、電磁支配、海流支配、樹海支配、荷重支配、重力支配、引力支配、斥力支配、重力場、斥力場、魔力無限、無限再生、虚無壁、時空断層、次元転移、超集束、ガンマ線、拡散光線、追尾光線、死滅光線、日光、神雨、威圧、後光、衝撃放射、星震、次元震、次元崩壊、流星群、彗星、惑星、銀河、暗黒渦、光閃、光化、無限化、全波動、神波動、無波動、流動、覇撃、王撃、神撃、核撃、地核、水爆、荷電球、自然球、爆氷、重力球、星核、黒星、全吸収、環境無効、防御無効、妨害無効、耐性無効、加護無効、物理無効、超覚醒、神剣解放、不死身、奇跡、天変地異、創生、巨人の加護、破壊の加護、原初の加護、ヘーパイストスの加護、創星龍神の加護

刻印効果:無限のルーン、怪力、不死殺し、決死の一撃

創星龍神の角で作られた鞘に創星龍神の爪と創星龍神の龍神石で作られた刀。その刃はどんな存在に対しても特攻効果を得て、触れたもの全てを消滅されてしまう圧倒的な創造と無限、全属性の力を有している

。更に力を解放すると創星龍神ジェネシスドラゴンの一撃と持ち主に竜の力を目覚めさせることが出来る最強のドラゴンの武器の名に相応しい性能を誇る。


俺たちが構えを取るとジェネシスドラゴンがこの必殺技を使った時と同じような宇宙の輝きが放たれる。


『『『『『『龍神技! ドラゴニックリムーバー!』』』』』』


広大な宇宙の輝きを放つ攻撃と全てを無にする星が激突すると虚無星がひび割れて大爆発する。しかし俺たちの攻撃は届いていない。この攻撃の結果は互角だった。


『凶星! こいつで死にやがれ!』


ウロボロスドラゴンのほうが動き出すのが速くアンラ・マンユが以前作った同規模の凶星を作り出して来た。


『イオン?』


『準備出来ました。いつでも大丈夫です』


『よし。いくか』


俺たちはウロボロスドラゴンの下に回り、ドラゴンダイブで突っ込むとウロボロスドラゴンと共に凶星の中に突っ込み、大爆発した。


『時間逆行。発動します』


『馬鹿め。これでお前らも…何!?』


そこには凶星に飛び込む前の俺たちの姿があった。本当にこのスキル、使うのは難しいけど決まると精神的ショックが凄いよな。


『武装創造なの!』


『神鎖!』


『冥府鎖!』


『グレイプニル!』


ボロボロのウロボロスドラゴンに物質化と回復無効、不死殺しが付与された剣が降り注ぎ、鎖とグレイプニルがウロボロスドラゴンの動きを封じた。勝負ありだ。俺たちは創星龍神の魔方陣を展開する。


『この魔法でお前を永遠の孤独から解放してやる』


『…あなたは無限の存在。きっとまたいつかこの世界に復活する』


『その時はまたリリーたちが戦ってあげるね』


『『『『『私たちがあなたを一人ぼっちにはしないから今は安らかに眠って』』』』』


『竜魔法! メモリーズロスト!』


俺たちがなったようにウロボロスドラゴンの体が光となって消えて行く。そんな状況でウロボロスドラゴンは返事を返してくれる。


『言ったな? お前たちが言うように俺様は無限だ。消滅してもゼロにはならない。必ずこの世界に再び現れてお前たちをボコボコにしてやるから怯えながら待っているんだな!』


そう言うとウロボロスドラゴンは消滅した。ここでインフォが来る。


『おめでとうございます! 無限竜ウロボロスドラゴンの討伐に成功しました』


これで俺たちの勝ちは確定したことになる。すると俺たちにだけ創星龍神の声が聞こえて来る。


『よくやってくれた。感謝する。あいつも友が出来て少しは変わるだろう』


『んん~。どうかな?』


『…あまり変化はしなさそう。…でも孤独の心配だけはしなくていい』


『それでいい。これで我らの約束は守られた。改めて我が力、思う存分使うがいい』


そういうとジェネシスドラゴンの声が消えた。これでウロボロスドラゴンの使役で落された蛇たちが消えて、精神誘導を受けた人たちは元に戻る。それでも彼らがした罪が消える事はない。流石に命は助からないだろう。


さて、残すはアポカリプスビーストだ。こいつを倒してまずは今日の戦いを終わらせるとしよう。

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