#158 二翼の竜とアスタロト誘導戦
稲光を当てられたアスタロトたちは俺を狙い、動き出す。それに対して俺はリリーとイオンに筏を引いてもらい、浮島に逃げる。
アスタロトたちが古の湖のベースエリアに入るとアスタロトドラゴンが息を吸い込む。
「ルーナ!」
ルーナの幻術でドラゴンブレスを外す。あっぶね~。
アスタロトが指をこちらに向ける。やば!
「イオンちゃん! タクトをお願い!」
「任せてください!」
「タクト!」
「あぁ! リリー、竜化だ!」
「うん! いっくよ~! 竜化!」
リリーから純白の輝きを放たれ、特大の光の柱が天に昇る。
アスタロトの閃光が放たれるが、俺たちに当たることはなかった。俺たちを守るように純白の西洋タイプのドラゴンが降臨した。ステータスを確認する。
名前 リリー ドラゴニュート・クーラLv1→ライトドラゴンLv1
生命力 60→90
魔力 42→72
筋力 105→135
防御力 42→72
俊敏性 39→69
器用値 35→65
スキル
光拳Lv6→光爪Lv6 飛行Lv4→竜翼Lv4 竜爪Lv1 竜牙Lv1 竜鱗Lv1
連撃Lv1 錬気Lv10→光気Lv10 光魔法Lv1→竜魔法Lv1 光波動Lv2 竜技Lv4
ブレスLv1 聖竜の加護Lv1
なんじゃこりゃ。いや、ドラゴンになるからぶっ飛んでいるとは思ったが…
俺が呆気に取られていると純白のドラゴンがアスタロトに突っ込む。あぁ、あのドラゴン。間違いなくリリーだな。
突っ込むリリーにアスタロトは無数の光線を浴びせるが、リリーの光のオーラがアスタロトの攻撃を無効化する。
マ、マジで?
リリーがアスタロトを光る爪で切り裂こうとするとアスタロトドラゴンがリリーの爪を爪で止める。
互いにせめぎ合い、お互いぶっ飛ぶ。互いにぶっ飛んだ勢いを利用して、さらに爪を振りかぶり激突する。
す、すげー。俺がそう思っているとイオンが声をかけてくる。
「タクトさん、浮島に到着しましたよ」
あ、セチアたちも既に筏を降りている。
「では、私も行きますね」
「あぁ。リリーを助けてやってくれ」
「はい! 竜化!」
イオンから蒼い閃光が放たれ、特大の蒼い光の柱が天に昇る。
そして蒼い光の柱から現れたのは美しい蛇タイプのドラゴンだった。
名前 イオン ドラゴニュート・エンベロープLv1→アクアドラゴンLv1
生命力 60→90
魔力 82→112
筋力 53→83
防御力 32→62
俊敏性 104→134
器用値 85→115
スキル
竜爪Lv1 竜牙Lv1 竜鱗Lv1 投擲操作Lv6→水流操作Lv6 飛行Lv4→竜翼Lv4 遊泳行動Lv10
氷刃Lv11→氷爪Lv11 連撃Lv1 放電Lv1 水魔法Lv1→竜魔法Lv1 氷魔法Lv1
蒼波動Lv1 竜技Lv4 ブレスLv1 海竜の加護Lv1
ステータス100超えが三つあるんですけど…なんじゃこりゃ、パート2。
ドラゴンとなったイオンは水中に潜り、アスタロトたちに接近する。
アスタロトドラゴンと何度も撃ち合ったリリーはアスタロトドラゴンの力を認識した。
『このドラゴン…リリーより強い!』
だけどリリーは引かない。
『みんな頑張った! だからリリーも頑張る!』
アスタロトドラゴンが黒鉄を倒した強烈な尻尾の一撃を放ってくる。
『これが剣なら…下からはねあげる!』
リリーはアスタロトドラゴンの尻尾を爪で弾き飛ばす。そして硬直したアスタロトドラゴンの尻尾を掴み、翼を羽ばたかせて勢いよく投げ飛ばす!
『やった! あ』
アスタロトドラゴンから脱出したアスタロトが手に宿った漆黒の光剣を振り下ろす。
しかし横から猛烈に回転した水流を纏ったイオンがアスタロトに突進し、アスタロトをぶっ飛ばす。
『イオンちゃん!』
『全く世話が焼けます。一緒に戦いますよ!』
『うん!』
ぶっ飛ばされたアスタロトが起き上がると両手に魔力を溜め、魔弾をイオンに投げつける。
『無駄です!』
イオンが叫ぶと水が立ち上り、魔弾から守る。しかしアスタロトはその隙に距離を詰め、イオンを捕まえようとする。だがイオンは鱗に氷を纏い、アスタロトが触るのを拒否した。
『穢らわしいその手で触らないでください。私を触っていいのはタクトさんだけです!』
イオンが青い電撃を放ち、アスタロトは感電する。
『リリー!』
『うん! ぶっ飛んじゃえ~!』
リリーの光の爪とイオンの氷の爪が同時にアスタロトに振り下ろされる。アスタロトはシールドを張り、それを防ぐが二人の攻撃に耐えられず、アスタロトはアスタロトドラゴンの元にブッ飛ばされる。
『今です!』
イオンは背後に竜が描かれた魔法陣を展開する。
『クワトロシースパウト!』
イオンが魔法を唱えるとアスタロトたちの周囲に水の竜巻が四つ発生し、アスタロトたちを斬り刻みながら飲み込む。四つの水の竜巻は一つの巨大な竜巻となり、アスタロトたちの上空に上げる。
『リリー!』
『うん!』
上空で待機していたリリーは背後に竜が描かれた魔法陣を展開する。
『シューティングスターライト!』
リリーが魔法を唱えるとリリーの背後に64個の光球が作られる。その光球が流星のような光線となり、アスタロトたちに襲いかかり、大爆発。アスタロトたちは湖に落ちる。
『『これで、とどめ!』』
リリーとイオンが息を吸い込む。リリーに純白の光がイオンに蒼い光が口に集まる。
『『ドラゴンブレス!!』』
白と蒼の特大の閃光がアスタロトたちに直撃する。
ドラゴンブレスを撃ったリリーとイオンは元に戻り、湖に落ちる。
「わ、わぷ…イオンちゃん…助けて~」
「わ、私も動け…」
二人が溺れないように必死になっていると島中から紫色のオーラが湖の中に流れる。するとドラゴンブレスの直撃を受けたアスタロトたちは無傷で水上に現れる。二人の竜魔法で受けていたダメージも全く見当たらなかった。
「うそ…」
「そんな…無傷なんて…」
力尽きているリリーたちにアスタロトドラゴンの影が落ちる。
「イオンちゃん…」
「…勝てなかったことは悔しいですが、後はタクトさんたちが決めてくれますよ」
「うん! そうだね!」
アスタロトドラゴンが息を吸い込む。リリーとイオンはそんなアスタロトドラゴンを睨む。
「「次は絶対に負けない!」」
リリーとイオンはアスタロトドラゴンのドラゴンブレスで倒された。
アスタロトは再びアスタロトドラゴンに乗ると浮島から大量の桜の花びらがアスタロトドラゴンに襲いかかる。
セチアのブロッサムストームだ。
再びアスタロトたちは浮島に向かい、俺たちの筏を壊して到着すると森から狐火が放たれる。
アスタロトドラゴンがお返しに火球を放つが狐火を使った恋火は既にその場にいなかった。
そして森から狐火が放たれる。
アスタロトはアスタロトドラゴンと共に浮島の森に進行する。
アスタロトドラゴンは恋火に火球を放ち続けるが血醒を使っている恋火には当たらない。
痺れをきらしたアスタロトはアスタロトドラゴンに合図を出す。するとアスタロトドラゴンは咆哮し、恋火目掛けて突進する。
森を破壊されたが恋火は回避しており、アスタロトドラゴンに肉薄する。
「やぁぁ!! 邪炎! 一閃!」
光る剣に更に邪炎が纏ませ、剣を振り抜く。恋火の最大技だが、アスタロトドラゴンの鱗を傷付けることが出来ず、ガラスの剣が砕けてしまう。
「そんな!? あ」
恋火に向けてアスタロトの手が振り下ろされ、恋火は地面に叩きつけられる。
「っ…まだ…倒れるわけには…」
恋火がまだ戦おうとしたその時。
「レーザー!」
「ブロッサムストーム!」
光線と桜の嵐がアスタロトたちを襲う。
恋火が見ると鉄の扉の前に杖を構えたタクトとセチアがいた。
「任務、完了…です。後は…お願い…します」
恋火が力尽きる。俺とセチアはそれを見届けた。
「みんな立派でしたね…」
「あぁ…さて、最後の悪あがきだ。悪いが付き合ってくれ」
「愛の告白ですか?」
「違う」
「残念です。ではありったけの魔法を撃ち込みます!」
「あぁ! やるぞ!」
俺とセチア、ルーナが交互に魔法を撃ち込む。そんなのお構いなしにアスタロトたちは接近してくる。だがここでアスタロトに異変。こちらに攻撃してこなくなった。こちらの狙いに気づかれたか?
いや、過去の出来事で奴は知っているはずだ。ロボが自分の天敵だと…だがイベント的にクリア方法があるはず…考える…そして思い付いた。
俺は取って置きの魔法の詠唱に入る。
「俺は召喚師だ。だからこそ俺の召喚獣を倒したお前をただで許すわけにはいかないな!」
魔法が完成する。
「お前の僕を倒して得た取って置きの魔法だ! 受けとれ! セイント!」
聖なる光がアスタロトの顔を焼く。アスタロトは予期せぬ攻撃に顔をおおい、絶叫する。だが、やはりダメージはほぼない。だが怒らすのには十分だった。
アスタロトが両手を天に掲げると島中から黒いオーラがアスタロトの頭上に集まり、巨大な玉を作り出した。元○玉か!ふざけんな!オーバーキルにも程があるだろ!
「任務完了ですね。タクトさん、私の後ろに」
「いや、セチアが下がれ」
「え、しかし」
「こういう場面は男が前に出るものだろ?」
「そうなんですか?」
まぁ、セチアは知らないよな。
「俺に守られるのは嫌か?」
「それは…嬉しいですけど…私はタクト様の隣に立ちたいです」
「わかった…覚えておくよ」
俺がそういうと巨大な黒い玉は俺達に直撃し、俺は死に戻った。しかしただ死に戻ったわけじゃない。待ちに待った声が響く。
『敵性の攻撃を感知しました。敵性存在を排除します』
浮島に再びロボが出現し、アスタロト達と敵対する。遂に強者の戦闘が始まる。