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#1491 解放されし無限竜と黙示録の獣

六時を回ったところで俺はミカエルたちと話すことにした。


「ミカエル様、前回の戦いはどのようにサタンは仕掛けて来たんですか?」


「大規模な転移魔法で一気に軍勢を送り込んで来ましたね。ルシファーたちの反逆の後に現れたので、転移魔法への対処が出来なかったんです」


なるほどね。ルシファーたちの対処に天使たちが大忙しとなり、転移魔法を封じる人員がいなくなったのか。しかしそれは逆に今回のケースだと起こりえない。仮に反逆する天使がここで出たとしても残り時間を考えると明らかに作戦が間に合わないはずだ。


それにサタンが同じ作戦を取って来るとも思えない。ただ正攻法で真っ向勝負を挑んで来るとも思えないんだよな。俺ならこの状況でどう仕掛けるか…天使たちが集結しているから魔導砲のような大規模殲滅攻撃を選びそうだが、守りも硬い天使たちだ。あまり現実的じゃないか?うーん。ここは安パイを取るか。


「俺たちも戦力を一旦分けよう。俺とリリー、イオン、アリナが率いるチームに分かれるか。俺のところはセチア、イクス、ノワ、和狐、ブラン、ユウェル、グレイ、黒鉄、夕凪で遠距離支援を担当する」


「「「「了解!」」」」


「次にリリーの部隊は突撃部隊だ。メンバーは恋火、ファリーダ、燎刃、優牙、ダーレー、狐子、ストラ、月輝夜、ジーク、ハーベラス、スキアーだ。ファリーダ、突撃部隊と言っても何も相手の出方をちゃんと見るように考えて動いてくれ」


「わかったわ」


「なんでリリーには行ってくれないの! タクト!」


言っても突撃しちゃうからストッパーのファリーダにお願いするしかないんだよ。恋火、燎刃も結構ノリノリでリリーと一緒に突撃しちゃうからな。


「イオンの部隊はリリーたちを援護する部隊だ。メンバーはリビナ、リアン、セフォネ、虎徹、チェス、ゲイル、ロコモコ、ぷよ助、伊雪、ミール、ディアン、サフィ、クリュス、蒼穹、リオーネで行こうと思う。接近戦もしつつ遠距離支援も考えないといけないが難しいポジションだが、やれるよな? イオン」


「任せて下さい。いつもやって来ましたから慣れっこですよ」


頼もしい限りだ。


「アリナの部隊はイオンの部隊を支援する部隊だ。メンバーはコノハ、白夜、アラネア、エアリー、ルーナ、ヒクス、スピカ、コーラル、千影、ルミ、叢雲、リースで行く。基本的には相手のかく乱とかを狙って欲しい」


「了解なの。みんなが無茶した時のための逃げ道確保は任せるの」


アリナもよく自分たちの役目を理解してくれていて本当に頼もしい。


「配置はそれぞれ天使たちから離れようか。流石に集まり過ぎているところが怖い」


「「「了解!」」」


みんなが配置について穴の設置も終わると遂に時間を迎えようとしたときだった。イクスが反応する。


「マスター! 暗黒大陸、中央部から巨大な魔力反応を探知しました!」


やはり狙って来るのは大規模な殲滅砲撃か。


『みんな! 距離をもっと取れ! とんでもない遠距離攻撃が来るぞ!』


俺の警告にリリーたちが一斉に動き出す。



一方時間は少し巻き戻り、暗黒大陸の冥界にあるパンデモニウムではサタンによる開戦の演説が行われていた。


「同士諸君! 遂にこの時がやってきた! 我々はこれより全世界に対して宣戦布告する!」


「「「「「おぉおおおおおーーーーー!」」」」」


「思い出せ! 神々が我々に行って来た仕打ちを! 怒ることが悪か? 欲情することが悪なのか? 断じて否だ! その感情は生物として当然の感情である! それなのにそれを神々は悪と定義し、我々を倒すべき敵だと一方的に認定してきた! こんなことが許されるはずがない!」


「「「「「そうだ! そうだ!」」」」」


「この戦いでどちらが正しくどちらが間違いか決しようではないか! パンデモニウムカノン! チャージ開始せよ!」


「パンデモニウムカノン、チャージ開始します」


ここで各世界の冥界で異変が発生し、冥府の神々が反応する。ここはギリシャ神話の冥界タルタロス。ここで異変が発生し、ハデスがやってきた


「何事じゃ。ペルセポネ」


「あなた…冥界に満ちている冥気が急にどこかに流れ出したようです」


「サタンの小童の仕業か…」


ハデスはすぐにサタンの仕業だと分かったが、何を狙っているのかなどは理解出来ていなかった。ペルセポネが聞く。


「対処しますか?」


「いや、放置でよい。サタンの小童が何をしでかすのか興味があるのでな。ゼウスたちが慌てるようなことならば良いのじゃが」


「悪い人…」


一方桜花の冥界の地獄では閻魔大王も異常事態に気が付き、配下の鬼たちに調べさせる。


「閻魔大王様! 大変オニ! また魔神たちによる魔方陣が設置されていたオニ! そこに地獄の冥気が大量に流れていたオニ!」


「すぐに魔方陣を破壊するんじゃ! あんなことがもう起きないように魔方陣の類は徹底的に調べ尽くしたはず…それなのにまた配置されたということは相当な手練れが動いたようじゃな。全く…何をするつもりじゃ。あの小僧」


「…閻魔、黄泉のほうで冥気が流れていたけど、こっちはどう?」


「月読か。こっちも同じじゃわい。冥界の冥気を使って何をしでかすつもりなんじゃ。あの小僧」


ハデスとは対照的に対処に動く冥界の神など動きは様々だ。これは冥界の神と天界の神の中の悪さを示している結果だな。こうしてパンデモニウムに各冥界の冥気が集まっていく。


「冥気蓄積率、臨界突破。サタン様、魔素と魔力の供給をお願いします」


「分かっている。魔素と魔力を高めるのも久々だ。いくぞ!」


「とんでもない魔素と魔力の量…流石サタン様。魔素蓄積率、魔力蓄積率共に臨界を突破しました!」


「超集束発動。照準をエデンの園にいるウロボロスドラゴンに合わせよ」


「了解。照準、エデンの園に固定完了。いつでも撃てます。サタン様」


サタンが時間を確認するとちょうどいい時間だったので、いよいよサタンは聖戦最後のイベントのトリガーを引く。


「この一撃で神々の手から世界を奪い取る! パンデモニウムカノン! 発射せよ!」


パンデモニウムをぶっ壊してとんでもない漆黒の魔導砲がエデンに向かって放たれるのだった。これに感じ取ったミカエルも指示を出す。


「全軍! ガーディアンエンジェル! 発動せよ!」


「「「「「ガーディアンエンジェル!」」」」」


パンデモニウムカノンに天使たちは真っ向から防ぎに掛かった。そして両者が激突すると流石に天使側が押されていく。しかしミカエルには作戦があった。


「キャッスルランパード! 展開! それと同時にガーディアンエンジェルは引きなさい! 次のガーディアンエンジェル部隊は準備を!」


「「「「「はい!」」」」」


キャッスルランパードで最初にぶつかったガーディアンエンジェル部隊を引かせて、キャッスルランパードが突破されると同時に次のガーディアンエンジェル部隊が入れ変わる。確かにこれを繰り返せばかなり頑強な守りとなるが魔導砲が止まらない。


「イクス!」


「ツインバスターキャノン、発射します!」


「みんなも頼む!」


リリーたちが天使たちを避けて魔導砲に向かって攻撃を行うがびくともしていない。無限の力も加わっているせいで止めれる気がしない。無波動を放っても威力が違い過ぎて話になっていない。絶対防御でガードしても呑み込まれて終わりだ。それほどまでに巨大な砲撃だった。するとウリエルがいち早く判断を下す。


「全軍! この場から退避!」


「何を言い出すのです! ウリエル!」


「あなたこそ何を意地貼っているんですか! 止めれないことは明らかでしょう! ここで撤退しなかったら、天使たちが全滅しますよ!」


「サタンに負けられない気持ちは理解出来るけど、ここはウリエルの判断が正しいよ。ミカエル」


「そうですね。私もそう思います」


流石に四大天使のうち四人が言ったら、ミカエルも冷静になる。


「…そうですね。全軍! 撤退! 時間は私たちが作りますよ!」


「もちろんです」


「やっちゃうよ!」


「えぇ」


名持の天使たちがそれぞれ必殺技がぶつかり合っている間に天使たちが撤退するが完全の彼女たちの撤退が間に合いそうにない。


『イオン!』


「はい! 時間停止! リアン! サフィさん! 回収お願いします!」


「了解です!」


「ボエー!」


イオンが時間を止めている間にリアンとサフィが天使たちに向かっていくと大きな口で食べて回収するとその場から離脱した。そして時間が進んでパンデモニウムカノンはエデンの園の地面を破壊し、貫通するとウロボロスドラゴンに攻撃が炸裂しそのまま天に上がって行き、月にパンデモニウムカノンが炸裂する。その結果、月が爆散する。


「なんて威力だよ…」


「マスター。月があった場所からここに何かが大量に降り注いで来ます」


「なんだって?」


イクスがそういうと空が紫色に染まり、紫色と黒色の粒子が世界中に降り注ぐ。


「…にぃ。これ、冥気と魔素みたいだよ?」


「は? そんなものをばら撒いてなんの意味があるんだ? 魔素は確かに怖い気がするが」


「やられた!」


「考えたわね」


ミカエルとファリーダがいち早くサタンの狙いに気が付く。俺にはファリーダが説明する。


「サタンは地上を冥界にするつもりなのよ」


「ん? そんなことをして何か意味があるのか? 自分たちが強くなるぐらいな気がするが?」


「確かにそれもあるけど、サタンの狙いはそこじゃないわ。まず天界にいる神々は冥界だと弱体化するわ。神に寄るけど最悪全く力が使えない神が出るぐらいよ」


「つまり神召喚とかに影響が出る訳か」


「そういうことね」


更にファリーダは続ける。


「後、魔素も大変よ。特に精霊界の影響は破壊知れないわ」


「そうですね…自然界の影響は私たちにダイレクトに影響が出ますからかなりきついです」


セチアとルーナたちが苦しそうに言うくらいきつい一手みたいだ。


「ギャオオオオーーーーー!」


そしてここで俺たちにとんでもない獣の絶叫が響き渡ると衝撃波で俺たちは吹っ飛ばされる。俺たちがみんな声のほうを見るとアポカリプスビーストが解放されていた。ウロボロスドラゴンが砲撃で封印解除されて、解放されたウロボロスドラゴンがアポカリプスビーストを解放したみたいだ。


こうして遂に無限竜ウロボロスドラゴンと黙示録獣アポカリプスビーストが世界に解き放たれるのだった。

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