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#1478 サタン攻略会議

六周年記念の連続更新一話目です。23時にもう一話更新を行います。


この34章が最終章になる予定で最終章が終わるとエピローグを書く予定です。今年中に終わらすつもりで更新していきますので、最後まで『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』をよろしくお願いいたします。

今日は土曜日。しかし冬休みに入っているので、あまり休みの自覚がない土曜日である。そんな日だが、俺は美味しさそうな味噌汁の匂いを感じて目が醒めた。


下に降りるとリビングで佳代姉が朝ご飯を作ってくれていた。


「おはよう。せい君」


「おはよう。佳代姉。なんかせい君と呼ばれるの久々な気がするな」


「ゲームだとタクト君とかだもんね。正直時々間違えそうになるよ」


「わかるわ~」


そんな会話をして、佳代姉に妹たちを起こして来るように言われたが、声を掛けても返事はない。不思議に思っているとここで佳代姉がやってきて強制バトンタッチが発動して、佳代姉が二人が寝ている部屋を開ける。


「「あ…」」


「嫌な予感がしたかと思ったら…二人共! 何をしているのかな? いつもそんな服を着崩れさせていないでしょう!」


こうして近衛家名物姉妹喧嘩が発生し、俺は味噌汁の美味さを味わうのだった。


朝食をみんなで食べ終えて食器を洗い終わってから洗濯などの家事を済ませてひと段落すると佳代姉から聞かれる。


「今日のゲームの予定はどうするつもりなのかな? 天使たちとの会議には参加するよね?」


「うん。サタンとの決戦に向けての大事な会議だからね。今日の予定はやり残したクエストの消化作業とみんなのスキル上げとかがメインになるかな? 一応ゲームに詳しい佳代姉たちからこれからのゲームの流れの見解を聞いておきたいかな」


「そうだね…普通の流れなら今日のお昼にアポカリプスビーストとウロボロスドラゴンの解放イベントの告知。夜に解放されてそのまま戦闘。明日からサタンの聖戦イベント開始でイベント最終日にサタンとの決戦っていう流れになるかな~」


「「うんうん」」


佳代姉の大体の流れの予想に理恋と未希も同意を示した。しかし佳代姉たちはイベント期間の長さが気になっていた。俺は逆に短いと思っていたのだが、俺たちは土曜日にサタンの城の攻略に動いたとして流石に全軍で押し寄せたら、土曜日を全て使えば恐らく攻略可能だ。そうなると丸一日空くことになる。


ゲームの運営から考えてもイベント期間前にイベント終了するのはよろしくはない。そしてこのゲームの運営がそんなことを許してくれるとも佳代姉たちは思っていなかった。それを聞くと確かに何かを仕掛けてくることは明白だと思えた。そこら辺を加味して天使たちとのサタン会議に挑むとしよう。


そんなわけでみんなでゲームにログインすると俺の体中はリリーたちに蹴られていた。寝相が悪すぎると思っていると昨日はシルフィと寝ていたことを思い出した。そして状況を確認するとシルフィの姿が無かった。


起こしたリリーたちに確認するとシルフィたちは昨日ルシファーの領地で解放した奴隷たちや兵士、市民たちの対応で大忙しらしい。そんなわけでリリーたちが俺の起こし役となった訳だが、なぜか一緒に寝ることになったそうだ。


理由は言っていないが日に日に俺たちの別れの日は近付いてきている。それをリリーたちも実感してきており、甘えたいんだろう。俺は起こしてくれたことの感謝だけ伝えることにした。流石にそこに触れるようなことはしない。


そして今日はなんと朝食はリリーたちが作ってくれたものを食べる事になった。なんというかリリーたちも色々考えているんだなって思っちゃうね。ただ料理スキルも経験もないリビナたちの謎の料理とそれとセットでセチアの薬が置かれていることに恐怖しか感じなかった。


無事に倒れた俺は看病してくれていたイオンにみんながいないことを聞くと生産作業をしてくれているそうだ。もう日課だからな。俺の指示が無くても大丈夫か。ここで一つ大切なことを聞けた。


「ユウェルのことですけど、一応昨日の夜はゆっくり寝ていました。朝早くに鍛冶場に行ってましたけど、とりあえず大丈夫だと思います」


「そっか。よかったよ」


話を聞く感じだと六時間以上は寝てくれたみたいだな。今までの積み重ねがあるけど、一先ず大丈夫そうだ。みんなの状況確認をするとまだ色々準備や生産作業に時間が掛かるらしい。これで聞けただけで昨日はみんなちゃんと休息を取ってくれたということがわかる。


そんなわけで先に天使たちとの会議の時間となったので、魔王討伐同盟の本拠地に向かうとみんなも集まって来ていた。そこで鉄心さんたちと出会った。


「やぁ。タクト君。ルシファー攻略お疲れ様。昨日は参加出来ずすまなかったね」


「仕方ありませんよ。リアル優先するのは当然だと思います」


「そう言って貰えると助かるよ…うむ」


「どうかしましたか?」


鉄心さんが俺を見て何か考え込む動作をしたので俺が質問すると鉄心さんが鋭い事を言う。


「創星龍神の力にも驚いたが、なんというかタクト君の気持ちが晴れ晴れしているように感じたものでね。何か良い事でもあったのかな?」


「そうですね。個人的なことですけど、とてもいいことがありました」


「そうか。それは良かった。泣いても笑っても残すは後三日だ。共にこのゲーム攻略のために頑張っていこうじゃないか」


「はい!」


そして俺たちは会議室に集結するとサタンの攻略会議が始まった。まずはミカエルがルシファー討伐の件でお礼を言うとこれからのことを話出す。


「まず皆さんサタンからの宣戦布告で本日アポカリプスビーストとウロボロスドラゴンが解放するということを覚えていますか?」


みんなが頷いた。アーレイなど一部の人は忘れていたけど、昨日祝勝会の時に話があったので、今の段階ではみんな覚えているだろう。ここでミカエルは自分たちの見解を示す。


「サタンがどうやってあの二匹を解放するつもりなのか分かりませんが一つだけ確かなことがあります。アポカリプスビーストがどう動くかはわかりませんがウロボロスドラゴンはフリーティアを狙うでしょう」


「俺がいるからですね?」


「その通りです」


これはもうジェネシスドラゴンから予告されている事でもある。ただわざわざ狙われると分かっていてフリーティアを戦場にするわけにもいかない。しかし他の場所と言っても俺たちとウロボロスドラゴンとの激突はぶっちゃけどこの場所でもごめんだろう。なのでミカエルから提案を受けた。


「我らが主よりエデンの園で戦う許可がおりました。目の前に狙っている敵がいるならわざわざフリーティアを狙う意味はないでしょう」


「確かにそれはそうですが地上を狙う可能性がゼロとも言えないんですよね」


「それはそうですね。ウロボロスドラゴンの性悪は我々もよく知っていることです。サタンも全軍でエデンに攻め込んでアポカリプスビーストとウロボロスドラゴンの解放をして来るとも思えませんし、戦力を集めるのは危険でしょう」


というわけで狙われている俺たちと攻略上位の一部の人たちはエデンの園で待機して、他のみんなは戦場が確定してから集結する流れとなった。まぁ、最優先は国の防衛だからこれはしょうがないだろう。ここでサバ缶が重要なことを聞いた。


「アポカリプスビーストとウロボロスドラゴンが解放される時間に心当たりはありますか?」


「正確にはわかりませんが以前アポカリプスビーストがエデンに襲撃した時間が十八時六分六秒でした。アポカリプスビーストの腹に三つの六という数字があることから今回もこの時間に解放される可能性は高いと私たちは考えています」


これは黙示録の獣の伝説に出て来る獣の数字だ。六という数字に合わせるなら六時もあるし十六時もあるが朝の六時はもう過ぎているし、ここは時計に合わせて来るということだろう。ということは時間帯的に早めにログアウトして夕飯を食べないといけないな。


そしてミカエルから会議の時間が取れるか分からないからという流れでサタンの領地の話になった。


「まずサタンがいる場所は暗黒大陸の冥界です。暗黒大陸の冥界に行くには暗黒大陸の中心部にあるデモンズゲートからしか行くことが出来ません。そしてデモンズゲートをくぐると目の前にサタンの城パンデモニウムがあるはずです」


「ちょっと待ってください。デモンズゲートの鍵はまだ誰も手に入れていないと思いますが」


「そうでしょうね。ですからデモンズゲートの鍵を手に入れる必要があります。暗黒大陸の中心部にある都にいるルキフグスが恐らく所持しているはずです」


なるほど。ここでルキフグス攻略を強制してくるわけね。これで時間的に余裕があると追われていた攻略が結構時間的な余裕が無くなって来たな。それでもまだまだ余裕があると思われていたがここで暗黒大陸の攻略情報を聞き、あまり余裕がないことが判明した。


しかし上位の攻略組が動く程かと聞かれると残っている魔王たちのレベルを考えるとそこまでの話じゃない。中堅の攻略組のみんなから任せて欲しいとお願いもされたので、俺たちはサタン戦に向けて更なるレベルアップを目指すこととなった。


これで会議は終了。今日の予定はこれで夕方から夜の予定はもう決まった。それまでの時間は自由時間だ。この時間でみんなとレベルアップとやり残したことを消化していこう。まずはレベルアップからだね。そんなわけで俺はホームに帰るのだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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