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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
創星龍神とルシファー大戦
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#1473 堕天使と人間のバラム

三階の下でみんなが戦闘開始をしている頃、上の玉座でもマグラスさんたちとバラムたちとの戦闘が開始された。正直マグラスさんたちなら接近戦からスタートしているので、かなり有利な戦闘が出来ると思ったがそんな甘い相手では無かった。


みんなを苦しめた技がこれだ。


「魔王技。バラムフォーチューン。お前たちの下で大爆発が発生するぞ」


バラムがそういうとみんながいる真下で大爆発が発生した。


「お前たちは雷に落ちて感電する。お前たちの横から巨大な岩が光速で飛んで来る」


バラムが言ったこと全てが現実に反映されて、みんなを苦しめた。これがバラムフォーチューンの力。占った結果を全て現実に反映させる技だった。これも厄介なところは雷に落ちて感電するとバラムが言ったので、通常の雷なのに防御スキルで防ぐことが出来ないと言う結果になるということだ。


「流石魔王クラス。簡単には倒させてはくれないか! おぉおおお!」


「お前の攻撃は外れる」


「ッ!?」


「王撃!」


マグラスさんの攻撃が外されて、その結果バラムの杖から放たれた王撃で吹っ飛ばされる。ちゃんとガードを間に合わせていたところは流石だね。その後も戦闘を続けるがこの技の攻略法が見つからない。マグラスさんのチームメンバーも槍投げからの必中スキルを使用するなどしたが、これには左右の顔にある目が光ると槍が空間に捕まり捩じられるのを見て、槍を回収することなった。


連携して攻撃を仕掛けたりもしたが、ここでもバラムの左右の顔の目から放射熱線と口から冥ブレスが放たれたことで攻撃の糸口が見つからない。


「どうする? マグラス?」


「キーになるのは中央の顔だな。あの顔しか恐らく言葉を話せない。あの口させなんとか出来ればバラムフォーチューンは封じることが出来るはずなんだが」


「難しいがやってみるか」


マグラスさんたちが突撃する。


「お前たちは吹き飛んで背後の城の壁に激突する」


「「「「どわ!?」」」」


問答無用で吹き飛ばされて距離を詰める事すら許してくれない。これが斥力や衝撃、風などの吹き飛ぶ要因があるならマグラスさんたちは無効化出来るんだけど、理由不明で吹き飛ばされているから対処が出来ないらしい。これはとんでもない魔王技があったものだ。


「どうしろって言うんだよ。このチート技…こんなの全員死ねと言ったら終わりじゃねーか」


「それをしないということはそこは即死無効で防げるってことでしょうね。どうしますか? ギルマス」


「悔しいが俺たちだけでは数が足りんな…今はとにかくあいつが他の仲間に手を出させないように動いて時間を稼ぐぞ」


「「「「了解!」」」」


こうしてマグラスさんたちは味方の援軍を待つ戦闘となった。バラムの理不尽な攻撃に耐え続けるマグラスさんたちは間違いなく強者だ。そしてメルたちが動いたタイミングと同じ頃、一階と二階の味方が三階に上がって来た。


そしてマグラスさんがすぐさま自分のところに援護を頼むと、一階と二階のみんなは雑魚処理とマグラスさんたちへの加勢に動いた。


「お前たちは動きが止まる」


ブルーフリーダムのみんなとアーレイたちや英雄たちに加えて、ガブリエルとラファエルまで空中で動きが止まってしまう。


「魔神撃! 大噴火! 大雷轟!」


みんなに魔神撃が炸裂するとみんなが落下した地面が噴火し、空から無数の雷がみんなに落ちた。


「き、効いた…」


「マグラスさんが苦戦していたから強いとは思っていたけど…今のはなんですか?」


「奴は言った言葉を現実に反映する技を使って来るんだ」


「「「「何? そのチート技」」」」


この場にいるみんながずっとこいつと戦っていたマグラスさんたちを称賛していると、ここでダーレーが動いた。


「ふん。お前も吹き飛べ」


「く…おらぁ!」


ダーレーは吹き飛びながら方天画戟を投げつけた。


「お前の攻撃は外れる」


バラムがそういうと方天画戟はバラムの横を通り過ぎてしまった。するとダーレーは念動力を使って、外れた方天画戟を回転されて、背後からバラムを狙うが時空断層に阻まれた。そしてダーレーは方天画戟を手元に戻す。


「ダメか…」


ダーレーの攻めのようにマグラスさんたちもバラムの口が追い付かなくなる攻撃をすれば攻撃は通ると思っていたのだが、足りなくなった言葉はスキルでフォローされてしまっていた。


そしてここでアミ―が倒された。


「アミ―め。本気を出す前にミカエルと人間たちに敗れたか…俺はそんな間抜けはごめんだ。悪いが本気を出させて貰うぞ」


「「「「させるか!」」」」


「お前たちは俺の顔から目を背けられない。暴走の魔眼!」


「「「「何!?」」」」


みんながバラムの目を強制的に見てしまうと暴走の魔眼の効果がみんなに発動する。その結果、みんなが暴走状態となると近くにいた仲間同士で攻撃をし合ってしまう。


「ははははは! 実に愉快な光景だな! では、終わりにさせて貰おうか! 魔神化!」


バラムがそういうとバラムの武器が魔剣に変化し、身体が一回り大きくなると首を回転させ、頭をこちらに向けるとバラムの頭に新たな顔が誕生する。その顔は髪の毛と肌が褐色に染まっている男の顔だった。髭まで生えて来ると流石にみんな同じ感想を持った。


「「「「人の顔?」」」」


バラムの中央の顔は完全に人間の顔になったのだ。そしてその顔を見たラファエルは驚愕する。


「そんなまさか…バラム…まさかあなた…その人間を取り込んだのですか!?」


バラムは首を回転させて、表の顔をこちらに向けるとバラムは言う。


「そうだ。お前ならこの人間を知っていても不思議ではないか。何せこの人間は天使と神を見た数少ない占い師だった男だからな」


これを聞いたバラムの神話に詳しい人は流石にこの魔神の正体に気が付いた。実はバラムという名前は旧約聖書にも登場している。旧約聖書でのバラムは占い師であり、天使と神をその目で見ている人物だ。


彼の話を纏めると、モーゼが連れて来たイスラエルの人たちを王が恐怖し、呪うように指示される。しかし神様はイスラエルの人たちを祝福しているので、呪うことを禁止した。神様に言われたからには呪うことはバラムには無理だが、王は呪うように執拗に迫って来るという板挟み的なポジションの占い師だ。


バラムは最後まで神を優先して王の元を去るが、その後に起きたのがモーゼをブチギレさせたイスラエル人たちによる淫らな宴と異教の神々を拝むという事件である。イスラエル人たちは自分たちを堕落させた報いとして、ミディアン人という人種を攻める事になる。このミディアン人の中にバラムの名前があるそうだ。そしてモーゼはバラムの策略によって、この事件が引き起こされたと言っているらしい。


残念ながら王の元を去り、事件が発生するまでの間にバラムの身に何が起きたかは謎だ。ただ旧約聖書でも新約聖書でも悪者扱いされている。そして、このゲームにおける人間のバラムの設定が魔神バラムから語られる。


「お前たちはさぞ不思議だっただろう? 自分たちにあれだけ忠義を示した男が裏切るとは思ってなかっただろうからな」


「もしかして君が彼をたぶらかしたのか!」


「誑かした? いいや違うな、ガブリエル。俺がモーゼが連れて来た人間たちを堕落させてやったのさ!」


「「ッ!?」」


天使たちは驚愕する。そして俺たちはこのゲームにおけるバラムの設定をある程度これで把握した。それがバラム本人の口から語られる。


「お前たちも聞いていたはずだ! こいつの悲痛な叫びをな! 自分は神と天使にあれだけ忠義を示したのに故郷は焼かれ、敵味方全員の口から悪いのはバラムだと言われる圧倒的な恐怖! 絶望! どれほどのものかお前たちに理解出来るか? 出来ないだろうな! そしてこいつは神と天使への信仰を失った。それはそうだろう。信仰した結果がこれだったのだからな!」


「お前!」


「なんてことを!」


「くくく…お前たちには感謝しているよ。お陰で俺は今の状態になることが出来た。俺は殺されたこいつに神や天使、人間に復讐したくないかと聞いた。こいつは迷わず、したいと答えたよ。そして俺たちは一つとなり、魔神バラムが誕生した」


バラムフォーチューンは占い師バラムを取り込んだことで獲得した技ってことだね。


「魔素解放! さぁ! 人間のバラムよ! お前の復讐を遂げる最高の舞台が整ったぞ! 共に神を! 天使を! 人間を! 絶滅させようではないか!」


バラムが発生させる圧倒的な魔素と魔力にみんなが押されていると三つの光の柱が発生し、竜化したダーレーと本気の姿になったジークと叢雲が現れた。そしてバラムが発生させた力に対して力で返し、バラムの力を吹き飛ばした。


『お前たちの復讐なんて俺たちには関係ない話だが、俺たちの道を邪魔するなら敵だ。悪いが新しく手に入れた力を試させて貰うぜ?』


「ほう? やれるものならやってみるがいい!」


こうして魔神バラムとの戦闘が始まるのだった。

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