#1472 アミ―戦
カリストとなったチェスがアロマのところに行き、左手の薬指だけ見せるとアミーに向かっていく。突如飛来した氷戦斧と弓矢の攻撃にアミーが引くと、カリストは投げた氷戦斧を操って手にキャッチするとアミーに襲い掛かった。
「動物の守護神か!」
アミーとカリストが激突している間にアロマは堕天使ちゃんを引かせて、マリッジバーストを発動させる。流石にカリストが言いたいことは理解できるよな。
そしてアミーとカリストの勝負は、接近戦では氷戦斧の二刀流であるカリストに分があったがアミーに氷属性の攻撃は通用しなかった。炎属性の強力であることもそうだが、寒無効を持っているらしい。
ただ氷属性のスキルが通用しなくてもカリストには星矢と星雨がある。正確無比でありながらわざと外して必中スキルで弓矢を自在に操るカリストの動きにアミーは対処しようとするが、ミカエルに邪魔される。
ここに更に堕天使となったアロマも参戦して三対一の構図となった。流石にこれにはアミーも文句を言う。
「ちょいちょいちょ! 待てって! 俺っち一人相手に三対一って流石に反則っしょ!」
「これは戦争ですよ! そもそもさっきまで数で有利に立とうとしたあなたたちに数のことでとやかく言われなくはないですね!」
「チッ! ルシファーから聞いてはいたが、あの召喚師の召喚獣。規格外には程があるだろ!」
メルたちももちろん数の不利をひっくり返せるほど強くはなっているけど、この戦場では俺の召喚獣たちが目立っている。大きい者同士の対決で圧倒的な力量差があるならそりゃあ、目立つよね。
「武装創造! 武装投擲!」
ここでアミーは周囲に無数の炎の槍を作り出すと三人に対して投げつけて来た。これに対して炎の槍を弾きながら二人は距離を詰めて、カリストは遠距離で攻撃を躱す判断をした。
「「はぁあああああ!」」
「堕天使技! ハンニスカル!」
ミカエルとアロマ、カリストの周囲に炎の骸骨が無数に出現すると大爆発する。その爆煙の中にはピンクの煙が混ざっていた。
「この程度で! う!?」
「ミカエル様!? これは堕落スキルの煙!?」
ミカエルの天使の輪っかが黒く点滅する。そんな状態でミカエルはアロマに言う。
「私に構っていてはいけません! あなたの召喚獣の心がまだ天使だと言うなら今やるべきことはなんですか!」
「っ! すみません! テンペストペネトレイター!」
「絶対防御!」
「ッ!?」
アロマが槍を放つとフォールンセラフィムに絶対防御でガードされてしまう。煙による目くらましを利用して身代わりスキルで入れ替わったな。
「へへ…これで…ッ!?」
「アークトゥルス・ストリーム!」
爆煙を切り裂いて切り札を使おうとしたアミーに星矢が飛来する。カリストは爆発が発生する前に距離を取ってアミーの動きをしっかり神瞳と千里眼で捉えていた。突撃する二人をしっかりサポートするために一緒に突撃せずに狙撃による支援を徹したカリストが偉かった。
お陰でアミーは切り札を使おうとしていたことで反応が遅れて、カリストの神技が炸裂する。
カリストが作り出す小さな銀河にアミーは包まれて、星の光によってダメージを負う。ただミカエルとアロマがこの攻撃に合わせたいが、フォールンセラフィムが意地でも二人の足止めをする。この結果、アミーは脱出することに成功したがカリストの足止めは無駄にはならない。
逃げた先のアミーの目の前にメルとリサが現れた。
「ちゃんとボス戦に参加しないと私の保護者としての立場が無いんだよ! 神波動!」
「いっけぇえええ! 太極波動!」
「くぅううううう!」
二人の波動を受けて、アミーは身代わりスキルで入れ買ったフォールンセラフィムごとぶっ飛ばされて、カリストのところに来てしまう。これを見たカリストは氷戦斧に武器を持ち変え、アミーも態勢を整えると紫の炎の槍を作り出した。
「堕天使技! アウナスペネトレイター!」
カリストに攻撃が迫った瞬間、カリストに放たれた攻撃は絶対防御で防がれる。勝負あったな。
「な!?」
『ふ! グランアックス!』
カリストは炎の槍を氷戦斧で上に弾き飛ばすとグランアックスがアミーに炸裂する。アミーの後ろからはアロマがもう迫っている。
「神威解放!」
アロマから漆黒のオーラが放たれるとアロマの背後に黒衣の女神が現れた。これを見たアミーは猛烈な嫌な予感に襲われる。
「いぃ!? なんかやばい!? アウナスペネトレイター!」
「神技! ペルセポネヒェリ!」
アウナスペネトレイターがアロマに向かって放たれる。それに対してアロマは暗黒の霧に包まれた右手を伸ばす。その結果、アロマの右手が槍に貫かれる。
「くぅ…はぁあああああ!」
アロマはそのまま手を押し込んでアミーの体に触れる。これで技の効果が発動する。まさか手を貫かれた状態で触れに来るとは思っていなかったみたいだ。これはアロマの覚悟を甘く見たアミーの落ち度だな。
アロマが契約した神の名はペルセポネ。ギリシャ神話に登場する女神でありハーデスの妻として知られている女神だ。その恐るべき力をアロマが見せる。アロマの右手に触れられたアミーが暗黒の霧に包まれると暗黒の霧がアロマの中に戻り、消滅する。
「な、何が起きて…ん!?」
アミーは翼を動かすことが出来なくなると落下していく。
「これはスキルの封印!? いや、違う! 俺っちから力が無くなっている!? まさかその女神の力は!?」
「はい。触れた者のスキル全てを一時的に強奪します。これで勝負ありです」
おぉ…怖い技だな。ペルセポネは神話では最初は心優しい女神として描かれているのだが、ハデスの妻になってからは結構恋の話が多い女神となり、ハデスに対して強い嫉妬心を見せるようになる。
なんというかペルセポネの手からは逃がさないという決意が感じられた。男からすると捕まりたくはない手だな。そしてメルに回復して貰ったミカエルがアミーに渾身の一撃を放つ。
「終わりです! アミ―! 今から私たち天使の贖罪となる一撃を放ちましょう!! 聖槍技! アトーンメントロンギヌス!」
ミカエルが黄金の閃光を取って、アミーを貫くとアミーは黄金の炎に包まれる。スキルがない彼にはもう助かる道はない。
「へへ。こんな程度で天使の罪が終わるものかよ! お前たちが一番知っているはずっしょ? 罪は永遠に消える事はない! だから俺っちたち堕天使が生まれたんだからさ! ははははは! あはははは!」
アミーの最後は大笑いを残して焼失するのだった。そのアミーの様子をミカエルは悲痛な顔で見ているとみんなが声を掛けようとしたが、圧倒的な魔素が発生して意識がそっちに向くのだった。




