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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
創星龍神とルシファー大戦
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#1464 ルシファーの城、後編

俺たちが進むと同時にみんなが戦闘開始してくれたので、俺たちは無事に二階に辿り着いたが階段が無く、通路を進むことになる。となると当然悪魔や堕天使、レギオンたちの妨害に会う。


しかしそれをプレイヤーたちが次々向かい撃ってくれて俺たちを先に進ませてくれる。そして奥に進むとまた階段がある大広間に出る。ただ構造が違っており、階段が左右にあるタイプで三階に最奥にはパイプオルガンが設置してあった。それだけでミカエルたちには次の敵が誰か分かったようだ。


「敵の姿が無いな」


「味方を配置する必要が無いのと味方がいると味方に被害を出してしまうから配置するわけにはいかないんだよ…早く現れたら、どうかな? ムルムル!」


ガブリエルがそう叫ぶと天井からトランペットを持った堕天使がゾンビの巨大ハゲワシに騎乗している赤が基準の公爵姿のゾンビとゾンビのグリフォンに騎乗している青が基準の公爵姿のゾンビが現れた。武器はグリフォン乗りが槍でハゲワシ乗りが剣だ。


ムルムルLv74

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


ムルムルもゴエティアに登場する堕天使だ。天使のくらいでは座天使となっているが地獄の辞典では音楽の魔神として登場している。


「お久しぶりですね。ガブリエル様」


「挨拶に来たわけじゃないことぐらいわかっているよね?」


「そうですね。屍召喚!」


ムルムルが指を鳴らすと大広間に次々ゾンビが現れた。レギオンの代わりがゾンビになった感じだな。しかもこのゾンビたちも悪趣味だった。全員が天使だったのだ。それを見て、ミカエルたちは怒りを露わにする中、ガブリエルが言う。


「…あなたたちが堕天したあの戦いの時に犠牲になった天使たちだね?」


「えぇ。その通りです。今では私の演奏会のファンになって貰っていますよ」


「それはそれは可哀想に…いくらゾンビとなったことで音楽が分からなくなったと言ってもあなたの音楽をずっと聴き続けなければいけないなんて…そんなに天使が憎いのかな?」


ガブリエルの返しにムルムルの顔が怒りに変わる。


「私が天使が憎いかですって? 御冗談でしょう。私は自ら進んでルシファー様について行くことを決めました。あなたたちに堕天使にされた天使たちとは違いますよ。そしてその言い方だと私が彼女たちに苦痛を与えているように聞こえますね?」


「そう言っているんだよ! どれだけ下手だったと思っているの!」


「あなたに言われたくはないですね!」


トランペット使いとして譲れない物があ互いにあるらしい。これはもうガブリエルが戦う流れだな。一応ウリエルに聞くと二人共トランペットの演奏で教会の大切なステンドグラスを割ったことがあるらしい。天使としてそれはダメだろ。もちろんこれはこのゲームオリジナルの話だね。


「じゃあ、ここで白黒つけてあげるよ!」


「望むところですよ!」


「皆さん! 耳を急いで防いでください!」


「「爆轟!」」


二人が思いっきり、息を吸い込んで自分のトランペットを思いっきり吹くととんでもない爆音が発生し、あの爆音がぶつかり合って、ど真ん中にいたゾンビ天使たちが吹っ飛ばされる。なんて不憫なゾンビ天使たちなんだ。


俺たちはウリエルの警告のお陰で難を逃れたがミカエルから先に進む為には音を遮断しないといけないと言われる。それを聞いたみんなは最初に言っていた言葉を理解する。


確かに音に反応するゾンビはいるけど、そのゾンビたちが音で死ぬことは恐らくない。耳を失っても動いているのがゾンビだからね。きっと音に反応しなくなって終わりだ。


だからゾンビの味方なら問題はなく、他の味方がいたら音で大被害が出てしまうって意味だったんだろう。さて、こうなるとここを抜ける方法がない。


「耳を塞いでいたら、抜けれると思いますか?」


「「無理ですね」」


ミカエルとウリエルが断言する。まぁ、それで抜けれるなら苦労はしなよな。すると風使いの騎士プレイヤーと風属性の禁呪魔法使いの人が解決策を掲示してくれた。


「真空スキルを使うのはどうですか?」


「音をシャットアウト出来ると思いますが」


「「「「お願いします」」」」


俺たちだけでなく、ミカエルとウリエルまでお願いしているよ。どれだけ酷い演奏バトルになるんだよ。そんなわけで俺たちは真空状態で階段を目指すとゾンビ天使たちが妨害に動いて来た。その動きに対して反応が早かったのは満月さんだ。


「英雄技! コメットタックル!」


彗星の輝きを放ちながらゾンビたちに突撃して行った満月にぶつかるとゾンビ天使たちはまるでボーリングのピンのように吹っ飛んでしまう。


「いけ。悪いが君は残ってくれないか? 真空スキルのサポートが欲しい」


「分かりました!」


風属性の禁呪魔法使いとトリスタンさんなどがここでの戦闘に参加を決めて、俺たちが階段を昇るとここでムルムルと一緒にいた公爵ゾンビたちが動いて来た。


「お前さんの相手は俺がしたるわ!」


「あなたの相手は私が引き受けましょう!」


赤の槍使いの公爵ゾンビの相手をレイジさんが引き受けて、風使いの騎士さんが青の剣使いの公爵ゾンビの相手を引く受けてくれた。


「行かせはしない!」


「爆風波!」


ガブリエルがムルムルを止めてくれたお陰で俺たちは三階に上がれて、急いで通路に向かった。そして真空スキルの効果が切れると黒板を爪で引っ掻いてなる音のような酷い音楽が後ろから聞こえて来るのだった。俺は聞こえなくなるまで恋火たちの耳を閉じさせたのは言うまでもない。


そして三階の廊下を走っていると廊下に異変が発生する。そこは獄炎が燃え盛る廊下で体が黒焦げになりながらも燃え続けているゾンビがこちらに向かってくる。


ヘルファイアーゾンビLv60

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


これを識別し、無限叡智を使った俺が言う。


「こいつら、自爆して来るぞ!」


「自爆する前にぶっ飛ばせばいいんでしょ! おりゃー! いぃ!?」


リサが拳を放つとヘルファイアーゾンビの胸を貫通してしまった。そのせいで拳でぶっ飛ばすことが出来なかった。そしてヘルファイアーゾンビが閃光を放つとリサの体を掴んでリサが炎に包まれる。


「お館様!」


「任せろ! おら!」


「ひやぁーーー!?」


俺は千影に呼ばれてみると糸があり、その糸はリサの腰に巻き付いていた。それを認識した俺が糸を引っ張るとリサはとんでもない力で引っ張られるとヘルファイアーゾンビが掴んでいた手が()げて引き寄せることに成功した。そして爆発が発生する。


「こら! リサちゃん! いつも一人で飛び込むのは危ないって言ってるでしょ!」


「だって…私だって、兄ちゃんにいいところ見せたかったんだもん」


リアルで久々にあった影響がここで出てしまったな。俺が頭を撫でるとリサに呪滅コンボが炸裂した。そして目の前のゾンビたちが蘇生する。


「「「「アァアア~!」」」」


ここで俺たちを認識したためか一斉に走り出して襲い掛かって来た。


「ごめんなさい! ごめんなさい! うちの子が本当にごめんなさい!」


メルは保護者だから謝る事しか出来ない。今はそれどころじゃないことぐらい分かっているけど、ここにいるのは攻略ガチ勢の赤の他人のゲーマーたちだ。そんな彼らからしたら利敵行為は決して許されないことをメルが一番理解していたので、とにかく謝ることしか出来なかった。となるとその尻拭いは俺がするしかないな。


「伊雪! 水だ!」


「はい! 海波動! 海流支配!」


伊雪の水が直撃するがその水を受けてもヘルファイアーゾンビたちは燃え続けており、遅くはなかったがこちらとの距離を詰めて来た。


「…水無効を見逃してたか」


「タクトお兄ちゃん!?」


いや、一瞬でスキル一覧を全部把握するのは無理だって。自爆スキルを見つけただけでも褒めて欲しいくらいだ。改めて確認すると水だけでなく氷も効かないらしい。当然炎も通用しない。麻痺は効くが自爆されるので、意味がない。睡眠無効などもある中、有効な一手が見つける。


「石化に耐性が無いな」


「了解。強行! 石化の魔眼!」


マグラスさんのチームメンバーが盾を構えるとその盾はメデューサの首が取り付けられた盾で強行効果で強制的に盾を見させることで石化された。


「お見事」


「おたくが手に入れてくれたチートスキルのお陰さ」


「ちょうど炎が消えた。先に進むぞ」


マグラスさんがそういうとみんなが先に進むと次々ヘルファイアーゾンビが襲い掛かって来たが全部石化されて、スルーすると階段がある大広間に出た。そこもまた火に包まれており、天井はなく、階段は一本で宙に浮いていた。その会談はどうやら玉座に続いているらしい。


玉座の後ろには白い巨塔が見えていた。この感じだと玉座がゴールじゃないな。するとミカエルが前に出て叫ぶ。


「私があなたの炎に気付かないと思っているんですか? さっさと現れたらどうですか? アミー!」


「おー。怖い怖い。そんな怒鳴りなさるって。ミカエルちゅわん」


大広間に炎の円が現れるとそこから真っ赤な短髪にくせ毛が特徴的なイケメンの人間が炎の長槍を持って現れた。識別する。


アミ―Lv80

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


アミ―もやはりゴエティアに登場する堕天使だ。元の天使の位では能天使でゴエティアでは地獄の大総裁になっている。そしてミカエルの様子からかなり因縁があるらしい。どれくらいかというとあのミカエルがいきなり襲い掛かるほどだ。


しかしそのミカエルの槍をアミ―は受け止めていた。レベルが上がっているから気にはなっていたけどこいつはかなり強いな。すると周囲の炎が一気に湧き上がるとデーモンロードが一気に召喚されるとミカエルに襲い掛かった。それを見たミカエルは後ろに下がる判断をするしかなかった。


「やれやれ。そんなに俺っちを殺したいかい? ミカエルちゅわん」


「その言い方をやめなさい! あなたを殺したいと思うのは天使長として当然の事でしょう! あなたとルシファーのせいでどれだけの天使が堕天したと思っているんですか!」


「当時いた天使の三分の一だっけ? 大昔の話すぎて忘れちまったな! ははははは!」


天使の三分の一が堕天した神話はルシファーの話だが、このゲームではアミ―も関与した設定らしい。これはアミ―が敵陣営に疑いの種を撒く伝説があり、裏切りも司っているからこういう話にしたんだろうな。


このせいでルシファー一人の仕業じゃないからルシファーのカリスマ性は少し薄れる代わりにルシファーから計画性の高さを俺は感じた。


「笑うな! お前たちだけは絶対に許さない!」


「へぇ~。ならどうするよ? ミカエル様。俺っちと戦っていたら、ルシファー様とは戦えないぜ? それとも親友同士と戦わせないためにウリエル様と俺っちを戦わせるかい? 俺っちを許せないのに?」


「貴様!」


「ミカエル様! ルシファーの相手は私に任せてくれませんか?」


ウリエルの顔をミカエルが見る。するとミカエルは決断出来ない顔をした。これはウリエルがルシファーと戦えないと考えているな。ここは手助けするか。


「ミカエル様。ルシファーとは俺とブランも戦いますから許可してくれませんか?」


「私からもお願いします! ミカエル様」


「…はぁ。あなたたちがそういうなら信じるしかありませんね」


「ありがとうございます! ミカエル様!」


そしてプレイヤー側でもここで戦うプレイヤーを決めるとメルが立候補する。


「ここは私たちが引き受けます!」


「えぇ…ルシファーと戦」


「リサちゃん?」


「ひゃい!? ここで戦います!」


先程の落ち度があったからここはメルとしては引き受けたい所だろう。当然メルのパーティーが参加表明した。これを聞いていたアミ―が言う。


「俺っちはどうでもいいぜ? 好きにここを抜けて来な」


そう言われて俺たちが先に進んでいくとアミ―が俺を狙って来たがそれを分かっていたミカエルが襲い掛かった。


「あなたの手はもう分かってますよ!」


「そうだろうな!」


こうして俺たちは階段を昇って、玉座に辿り着いた。そして玉座には三つ首の堕天使がいた。首は右が牡牛、真ん中が王冠を被っている人間の男で左が牡羊となっている。それを見たウリエルが言う。


「バラム!」


俺も識別しよう。


バラムLv82

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


バラムもやはりゴエティアに登場する堕天使で天使の時の位は主天使でかなり力が強かった天使だった。そして堕天後は王となっている。姿から見ても間違いなく強い。そんな王の前に立つのはマグラスさんだ。


「俺たちがこいつの相手を引き受ける」


「お願いします」


「…そう簡単にルシファー様のところに辿り着けると思うか?」


バラムが手に持っている王杖を地面に叩くと玉座の周囲に堕天使と悪魔の大部隊に加えて巨大な真っ赤な熊が出現した。熊を識別する。


バラムベアーLv78

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


これを見た与一さんが言う。


「流石にこの数は残りのプレイヤー全員戦うほうがいいですね」


「というか戦力足りるか?」


「そこは召喚師の腕の見せ所でしょう。そうですよね? ギルマス」


「えぇ…来い! チェス! 月輝夜! ジーク! 叢雲! 」


俺は城に入る前に召喚石に戻していたチェスと月輝夜、ジーク、叢雲をここに召喚した。この四体はまだ切り札を残しているし、ジークと叢雲はシルフィが外にいるから問題はない。チェスは元々バラムの登場を予想していたので、熊対策として選んでいた。


月輝夜はドラゴニックマウンテンの事があったからね。ここに更に暴れさせてあげたい。そして戦力は更に投入する。


「アラネア、ダーレー、狐子も頼めるか?」


「畏まりました」


「おう。ここなら全力で戦えそうだ」


「そうね。腕がなるわ」


みんなやる気満々だ。俺たちの準備が完了したからかマグラスさんが突然バラムに襲い掛かったが王杖で止められる。


「…部位獣化!」


「く!」


バラムの左手が鷹の爪に変化する。この攻撃に対してマグラスさんが下がるとバラムの尻尾の蛇がマグラスさんを見ると目から石化光線が放たれた。これをマグラスさんのパーティーメンバーである重装歩兵さんがガードした。


「いこう!」


「「「「はい!」」」」


「…行かせるな!」


「ギルマスの援護をしますよ!」


俺たちが動いたと同時に周囲の部隊が一斉に動いて大激突をする中、俺たちは白い巨塔に辿り着いたがここで問題が発生する。俺に表示されたインフォがこちら。


『城の階層全てにある起動レバーを動かさないと扉を開けることは出来ません』


あぁ…確かに移動して来た通路に扉がいくつもあったし、一階の大広間や二階の大広間の階段の奧にも扉があったよ。城の構造からみて、奥に通路があるのは確定的だな。俺はみんなに通信を送り、みんなが装置を動かしてくれるのを持つことになるのだった。

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