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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
創星龍神とルシファー大戦
1634/1718

#1461 ルシファー首都、市街地戦

俺たちの現在の陣形は外では右門から押し寄せて来る敵をグレイたち召喚獣部隊に任せて外を制圧して、逃げ道を確保する形を取った。


市街地に入った正門と左門の部隊は戦力を均等に分けて市街地戦に挑む。目指すのは正門側の部隊は右前の門で左門側の部隊は左前の門を目指す。左門側は状況次第では城から見て真後ろの門を狙う可能性がある感じだ。


そして城からの砲撃を受けながら、俺たちは本格的な市街地戦を開始する。まず俺たちの前に立つ塞がっているのがパラディンロードの騎士たちだ。彼らと堕天使たちが大通りを完全封鎖していた。これを見たランスロットさんとパーシヴァルは何が起きているのか理解する。


「彼らは今までの魔王たちの戦闘で死んだ騎士たちだ。性格には死んだと思っていた騎士たちと言うべきか」


「魔王たちとの戦闘だと死体を回収することのほうが難しい。特にレヴィアタンとの戦闘で海に落ちた者たちの回収などはほぼ不可能で死んだと認識するしかなかったんだ」


「その彼らは実際は魔王軍に回収されて、レギオンが憑依する形で利用されているって感じですか」


「その認識でいいと思う…捕虜をどう使おうが捕まえた者の自由だが、こんなことをされて黙って入れられるほど我々は優しくはないぞ! ルシファー!」


流石のランスロットさんたちパラディンロードの騎士たちはブチ切れだ。何せ彼らはパラディンロードだけでなく、人類のために魔王軍と果敢に戦った英雄たちと言える。それがこんな形で敵の操り人形にされてしまったら、怒るなというほうが無理がある。


「初めて良さそうだね」


「あぁ。始めよう」


「全軍攻撃開始!」


俺の隣にいるメルが号令を出すと一気に大通りを進行していく。


「「「「…英雄波動」」」」


「「「「英雄障壁!」」」」


一列に並んだ騎士たちの盾から一斉に英雄波動が放たれたがこれに対してこちら側の騎士たちも盾を構えて攻撃を止めると城からの砲撃に耐えながら一気に敵軍と激突する。


「…タクトお兄ちゃん」


「お館様、背後の小道に回っている敵がいるであります。数はいないようですがいかがしますか?」


「俺たちはそっちの対処に行こうか。数が少ないってところが気がかりだ。城からの攻撃を受けてくれているみんなが安心して戦えるように動こう」


「「はい!」」


そんなわけで俺たちは小道からこちらを伺っている通常NPCに憑依しているレギオンたちの対応に向かった。するとレギオンたちは一斉に建物の中に消えた。


「お館様」


「逃げ出したと思い込ませたいなら殺気くらい消せよな…いくぞ」


「「「「はい!」」」」


俺たちが小道に入るが仕掛けて来ない。恋火と千影が建物の中に入って建物の制圧に動くとレギオンたちはあっさり奥に引いた。


「どういうつもりなんやろか?」


「小道の中央で仕掛けたいんだろうな…和狐、コノハ、ルーナ、伊雪。後ろを頼むぞ」


新しく編成した時にブランとコノハ、ぷよ助、伊雪をこちら側に合流させた。代わりに正門サイドの市街地戦にはダーレーが向かい、虎徹とミール、リオーネ、ルミ、リースが参加している。


「後ろですか? でも、恋火お姉ちゃんたちがいないことを確認しましたよ?」


「だから警戒が必要なんだよ。小道の中央で仕掛けるメリットは敵を挟み込むことで逃げ道を防げるところだ。そしてレギオンはわざと俺たちに手前の建物を俺たちに確認された。これはそこに敵はいないと安全と思わせる為だと思う」


「つまり敵の狙いは転移ですか?」


「たぶんな。しかも俺たちを挟み込んで勝てるつもりでいる。油断するなよ。ここまで用意周到な敵だ。勝算もなく仕掛けて来るとは思えない」


俺の言葉を聞いたみんなの目付きが本気モードになった。それを確認した俺たちは小道を進んでいく。するとコノハが後ろに反応した。


「ホー!」


やはり転移して来たな。するとレギオンたちが一斉に仕掛けて来る。建物のドアと窓からNPCたちが飛び出し、俺たちを挟み込んで襲い掛かって来た。


「天の披帛! 窓から飛び降りたりしたら、危ないですよ?」


伊雪が窓から飛び降りて来たNPCたちを拘束する。後ろから向かって来るNPCたちを和狐、コノハ、ルーナが見ており、正面は恋火、人化した狐子、ブラン、千影が見ている。この状況で勝てるはずはない。しかし敵は動きを止める様子が無い。つまり何か仕掛けて来る。


ここで壁からNPCたちが俺を狙って来た。影転移か。確かに建物に囲まれているこの場所は影になっている。影転移を使える暗殺者なら最高の場所だろうな。


しかし俺にナイフが届く事は無かった。彼らのナイフは俺の足元にいたぷよ助がガードすると奇襲したNPCをぷよ助が自分の体で拘束した。消化するかどうかはぷよ助が決める事だ。拘束だけしようと思えばちゃんとすることができる。


相手が即死効果があるナイフを持っている時点で暗殺狙いなのはバレバレだった。だから俺も対策くらいは用意させて貰った。ここで殺されて、ルシファーと戦わずに終わるのはごめんだからね。


この状況を認識した捕まったレギオンたちは憑依を解いて、外に飛び出した。伊雪が捕まえたレギオンたちは屋上にいき、暗殺に来たレギオンたちは俺たちの前後に二体ずつ挟む形で現れた。この状況でまだ戦闘を続けるのか。何を考えているんだ?


俺が警戒していると遂にレギオンが自分の能力を使用する。レギオンたちの目が紫に光るとレギオンたちの姿が変化すると黒い俺の姿になった。そして神気、英気、竜気のスキルを発動する。悪霊がこんなスキルをつかうことはあり得ない。つまりこれは俺のスキルだ。その瞬間、レギオンたちが戦闘続行した意味を認識する。


こいつらの能力は敵のコピー能力だ。俺のスキルとステータスまで完全コピー出来るなら戦闘続行の判断をしてもおかしくはない。


そして俺となったレギオンたちが姿を消すとみんなに襲い掛かった。俺となったレギオンたちの一撃を止めた恋火、ブラン、和狐、コノハだったがパワーで負けて大きく後ろに下げられた。


自分たちの強さを認識したレギオンたちはここぞとばかりにみんなに襲い掛かった。俺は正面は大丈夫だと判断して後ろの対応に向かう。俺が前に出て来たのを見て、レギオンたちは腰の旭光近衛を同時に抜く。武器までコピーできるのは凄いな。


それに対して俺は旭光近衛の鞘を持つと横に振られた二本の旭光近衛を鞘で上に打ち上げた。そして俺はここで旭光近衛を抜き、レギオン二体を斬り裂くと破魔の効果が発動してレギオンたちは消滅する。


「俺たちはいくつもの苦難を乗り越えて、今の強さを獲得した。なんの苦労もしていない奴らに負ける程、俺たちは弱くないぜ?」


俺の言葉を証明するように恋火は旭光近衛で斬りかかって来たレギオンに対して俺が得意な巻技で旭光近衛を上に打ち上げるとレギオンを斬り裂いて、倒して見せた。もう一人は千影に斬撃を放ったが千影はスライディングで斬撃を躱しながら足払いを使用してレギオンを倒すと原初海竜の太刀で串刺しにして倒した。


「動くの禁じます。大祓!」


ここで和狐の大祓が炸裂する。言霊で動きを封じたので、逃げ場が無かった。これでNPCたちが解放されて、コノハが瞬時に転移させた。これで俺たちの戦闘のしにくさは排除出来た。しかしレギオンたちは引かず、目を光らせて来た。


次の瞬間、俺と恋火、千影の姿が消える。俺たちは左右の建物を蹴りながら不規則に動いて、レギオンたちの視界に入ることを封じながら距離を詰めるとレギオンたちを一気に斬り伏せた。


「ステータスやスキルを真似されるのは恐ろしいけど、技量は全くないな」


「タクトお兄ちゃんと戦う事になるだけであたしたちは冷や汗ものですよ」


「恋火お姉ちゃんに全面同意するであります」


「そういっておいてちゃんと勝ってるじゃないか」


しかし彼らの能力がこれだけとは思えないと考えると通信が来た。


『おい! タクト! こいつら、お前に姿を変えたぞ!』


『こっちもレギオンたちがタクト君に姿を変えたんですけど!?』


アーレイとメルの報告を聞いて、頭を抱える。どうやらレギオンは一人がコピーしたら、他のレギオンもコピーしたことになるらしい。スキルの名前を予想するなら共有スキルって感じだな。


ここで俺は自分の対策を指示する。俺の攻撃で警戒するべきは旭光近衛の全力攻撃と禁呪、武器によっては召喚も脅威となる。しかしこれらには弱点は存在している。そしてそれが出来るプレイヤーがこちらには揃っているから問題ない。


実際に俺の指示を聞いた部隊は俺の指示通りに忍者や暗殺者たちが影から現れて、綺麗に暗殺を決めていた。絶対防御で守れてもしっかり短刀の二刀流で確実に暗殺を決める。すると今度は彼らをコピーしたレギオンが俺の暗殺を狙って来たがコノハが察知して、俺の影から現れた暗殺者は蹴り飛ばし、壁から狙って来た暗殺者に対して、ぷよ助がしっかり短刀をガードして捕まえるとそのまま食べてしまった。


更に建物の真上から真上からメルとアーレイがやって来たがアーレイは攻撃する前にコノハの爪によるキックが決まり、建物に押し付けられる。メルは足をアラネアの鋼索に捕まり、壁に叩きつけられた。


建物に挟まれた小道で満足に空が飛べない状況なのにコノハは影潜伏と影転移で左右の建物や地面に潜っては現れ、光閃と星光刃を展開したコノハの翼でアーレイに化けたレギオンをボコボコにした。コノハに負けるアーレイを見てしまい、つい笑ってしまった。本来ならこんなことにはたぶんならないと思うんだけどね。


一方でアラネアはメルに化けたレギオンを電弧放電で感電させると溶断の超鋼線を放つも絶対防御でガードされ、続いて伸ばした魔素刃も剣で防がれるがそれは一つが限界だった。そしてその状況で神魔毒ブレスが放たれて、逃げることが出来ずに終わる。


光属性にガン振りのメルは一度捕まると結構厳しいんだよね。筋力も防御力も中途半端だからね。しかもメルは性格上、パーティーのバランスを見てしまうから俺や他のみんなみたいにステータスのガン振りが出来ていないなのだ。その分、安定性はあるし、光属性故に回復や状態異常には強いから戦闘継続能力は非常に高いって感じだ。


この後はマグラスさんや与一さん、トリスタンさん、火影さん、サラ姫様、ミカエル、ウリエル、リースに変身したレギオンに襲われた。俺たちは全員撃退して小道を抜けて左前の門に続く中央の道に出たが、そこを再び堕天使と悪魔たちが封鎖しており、城からの砲撃もあって本格的に中央の道に出れなくなるのだった。


これはしょうがないな。長い道から見たら、細い道にいる敵は狙い撃ちし放題だ。ここを突破するのはみんなの合流を待つしかない。


一方でみんなのほうは酷い乱戦状況になっていた。レギオンたちが次々変身して影転移で次々味方の部隊の中に紛れ込み、更に堕天使たちが夢幻スキルでプレイヤーたちの姿をレギオンが変身した敵と思わせるように見せる事により、どれが味方でどれがレギオンか分からないように動くことで酷い戦場となった。


その上で堕天使たちと悪魔、城からの攻撃が来るもんだから重装歩兵たちは非常に大変なポジションとなってしまった。何せ攻撃を防いだら、背後から味方だと思っていたレギオンに攻撃されてしまう状況なのだ。


そこの戦場にいない人がいると流石に一発で偽物とわかるんだけどね。そういうのに変身しているレギオンは戦闘能力が高いプレイヤーやNPCに化けてちゃんと真っ向勝負を挑んでいる。


一方虎徹たちもレギオンに苦戦している。一対一なら負ける事はないが自分に変身したレギオンが三体同時で襲い掛かってくるとなると流石に話は変わって来る。特に虎徹は刀を振られるだけで防ぐことに精一杯だ。寧ろ耐えていることが凄いと言える。


こんな状況だが、プレイヤーたちもレギオン対策を取る。


()!」


「?」


「バスターカリバー!」


これはよく見る偽物を見分ける方法だね。阿吽(あうん)の呼吸という言葉から阿と質問されると(うん)と返すと特定のキーワードを決めて偽物を看破する方法だ。流石のレギオンも俺たちが使用している念話にまでは入って来ないところを付いた作戦だ。これにレギオンが気付いてもキーワードを変えればすぐに偽物が分かるので、非常に便利な作戦と言える。


「「「「「スモーキングアロー!」」」」」


ここでトリスタンたちが弓矢を城に向かって放つと矢の先端に付けられた爆弾が爆発し、煙幕が発生した。それを同時に敵部隊に向かって何かが投げ込まれた。それは手榴弾で敵部隊が爆発で吹っ飛ぶと一気にプレイヤーたちが襲い掛かった。


煙幕が消えて、戦場を見た堕天使たちは違和感に気が付く。プレイヤーの数が減っているのだ。


「小道に入ったぞ!」


上位プレイヤーたちが小道に入ると俺の時と同様にレギオンたちは襲い掛かって来たが通常NPCたちを壁ジャンプでガン無視し、変身して来たレギオンたちは実力で排除した。これは俺の状況を認識した上で考えた作戦だ。


俺たちが混乱せずにいられたのは少数でメンバーの把握が簡単で敵に惑わされることが無かったのが大きい。それ故にみんなも小道にいくメンバーを決めて、動くことにしたのだ。こうして市街地戦から中央の城門前の戦場が映るのだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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