#1452 リリーたちの最後の成長とルシファー攻略会議
帰って来た俺たちを待っていたのはシルフィと獣魔ギルドの人たちだった。
「「「「ドラゴニックマウンテン、制覇おめでとうございます!」」」」
「ありがとうございます。残していたみんなの成長で分かった感じですか?」
「そりゃあ、いきなりあんなとんでもない力が複数この家から発生したら、誰でも驚くわよ」
「事前に国民にタクトたちがドラゴニックマウンテンに挑戦していることを伝えておいて正解でした。暗い気持ちになっていたのにみんなが一気にお祭りモードですよ」
シルフィ?国民にそんなことを伝えていたの?聞いてませんよ?それって失敗した時に俺たちはかなりのダメージを受ける事になるんですけど?あぁ…でもいきなりこんなとんでもない力が国内で発生したら、敵襲とかと思われてパニックになる可能性もあるから結果オーライって事になるのかな?
「ふふ。タクトたちが創星竜になった時からドラゴニックマウンテンの制覇は確信してましたから問題ないですよ」
「確信って…何度も死にそうな目に会ったんだけど?」
「それぐらいは挑んだことがある人ならみんな知ってますよ。それをタクトたちなら乗り越えられると確信していたという話です」
べた褒めですよ。しかもみんな頷いているし…まぁ、それだけのことをやってのけたということだろう。さて、今日はログアウトしてから夜にはルシファーとの決戦が待っている。その前にリリーたちと成長とステータスの操作をしよう。まずはリリーたちの成長です。
『リリーが粒子分解、多重結界、全譲渡、星核を取得しました』
『リリーの天鎖が神鎖に進化しました』
『リリーの天雨が神雨に進化しました』
『リリーの守護結界が遮断結果に進化しました』
『リリーの星渦が銀河に進化しました』
『リリーの光圧操作が光圧支配に進化しました』
『リリーの領域操作が領域支配に進化しました』
『リリーは最後の成長を終えました。以後はレベルアップのみとなります』
『イオンが物質化、星核を取得しました』
『イオンの時空操作が時空支配に進化しました』
『イオンの領域操作が領域支配に進化しました』
『イオンの水圧操作が水圧支配に進化しました』
『イオンの渦潮が大渦潮に進化しました』
『イオンの聖水が神水に進化しました』
『イオンの瀑布が大瀑布に進化しました』
『イオンの海ブレスが大海ブレスに進化しました』
『イオンは最後の成長を終えました。以後はレベルアップのみとなります』
『ノワが封印の魔眼、吸収の魔眼、弱化毒、拡散光線、星ブレスを取得しました』
『ノワの飛翔が高飛翔に進化しました』
『ノワの譲渡が全譲渡に進化しました』
『ノワの重力操作が重力支配に進化しました』
『ノワの領域操作が領域支配に進化しました』
『ノワの刑罰が冥撃に進化しました』
『ノワは最後の成長を終えました。以後はレベルアップのみとなります』
やはりリリーたちも成長の上限を迎えたね。そして俺のステータスポイントは俊敏性に振って、残りスキルポイントは686ptとなった。ここで一度ログアウトする。そして夕飯の準備をしていると佳代姉たちが来た。
「友達がまだゲームしているけど、どうぞ」
「「「お邪魔しま~す」」」
佳代姉たちにゲームで起きたことを説明しているとログアウトして来た海斗たちが来て、ここで海斗からお願いされる。
「勝手なお願いなんだけどよ。ベリアルの相手を俺とサラにやらせてくれないか?」
「俺の狙いはルシファーだから良いんだけど、勝てる算段はあるのか?」
「それは…」
ある訳ないよな。そんなすぐに強くなるはずがない。俺は格段に強くなったけどね。
「ないなら俺から一つ提案がある」
俺は海斗に提案を話す。
「俺としてはありがたいけど、それでお前はというか…リリーちゃんたちはそれでいいのか?」
「まぁ、ベリアルと戦う前に暴れるだろうし、そこは俺が説得するよ。ただ問題はベリアルの動きなんだよな」
「ん? ベリアルの領地にいるんじゃないのか? だから先にベリアルとアガリアレプトの領地を攻める話になっていると思ったんだが」
「それなんだけど、よく考えるとルシファーの領地を俺が攻める事が分かっている状況でベリアルは領地にいるとは思えないんだよな。領地なんて捨てて俺との勝負に固執して来そうな気がしている」
俺の考えにみんなが納得を示す。でも、自分の領地を本当に捨てるような動きをするのかあり得るのだろうかという意見も佳代姉から出た。まぁ、普通はあり得ないけど、そのあり得ない動きでこちらを混乱させるのがベリアルなんだよな。
とにかく俺はみんなを見送り、佳代姉たちとご飯を食べるとゲームにログインして、作戦会議に参加すると先にベリアルとアガリアレプトの領地に攻め込む案は可決された。問題はやはりベリアルの動きだ。これで戦力をどうするべきか話しがこじれた。
その原因の一つがルキフグスの存在だ。ルキフグスが領地にいるようにベリアルに命じればベリアルは領地にいるという意見が多い。ベリアルだけなら領地無視してルシファー領域に現れるという意見が多いんだけどねな。
「リープリングのギルドマスターはどう考えている?」
「俺はルキフグスの命令があったとしてもルシファー領域に現れる可能性も高いと思っているので、ルシファー領域の攻略に戦力を集めたほうがいいと思います。ただベリアルの領地もベリアルがいなくても戦力は配置されていると思うので、そこをどうするかって感じです」
「現状、我々の中で最大戦力は間違いなくリープリングのギルドマスターだ。彼の指揮はこれまで一定の戦果を挙げている。今回も任せていいと私は思うが?」
みんなが帝さんの意見に賛成して作戦が決定し、戦力配置が決まった。ルシファー領域には俺を中心にした魔王討伐同盟の主戦力に加えて、ミカエルを中心にした天使の大部隊が参加してくれた。ルシファーは彼女たちの身内だ。流石に黙っているわけにはいかないよな。
ベリアルの領地には獣魔ギルドとフリーティア軍が攻略に参加する。この軍を指揮するのはシフォンが名乗りを上げた。それに加えて召喚師部隊がルシファー領域を担当する。
俺やアーレイたちがルシファー領域に集中できるようにというシフォンの配慮は本当に助かる。そしてアガリアレプトには襲撃を受けた残りの部隊が参加表明した。やり返さないと気が収まらないらしい。ここには月読と契約した侍ちゃんをリーダーにフリーティア以外の国の部隊が配置された。今日は鉄心さんが参加出来ないとのことでこういう配置となった。
そして細かい作戦を詰めると早速ベリアルとアガリアレプトの領域に対して侵攻作戦が開始された。俺たちはルシファーの領地内で待機しているとそれぞれの領地で敵の抵抗はあるものの順調に敵の町を落としていく報告を受けていくと敵の本拠地と思われる城が発見した報告が最初にベリアルの領地から来る。
ベリアル側のほうが敵の抵抗は少ないみたいだ。これが罠かどうかだな。ベリアルなら恐らく俺たちがここにいることは察している可能性が高い。それなのに動かないのは不思議だな。俺たちがまた強くなって、それにビビるような悪魔じゃない。寧ろ嬉々として向かって来るタイプだ。
「そろそろ行きましょうか」
「だな。号令を頼む」
「はい。これより俺たちはルシファーの領地の攻略を開始する! 全軍! 進軍開始!」
「「「「おぉ~!」」」」
こうして俺たちのルシファー領域の侵攻作戦が開始された。




