#1447 創星龍神ジェネシスドラゴン
創星龍神の祭壇にやって来た俺はリリー、イオン、ノワ、ユウェル、アリナ、燎刃を連れて、クエストを実行する。するとインフォで最終確認が表示されて、オッケーボタンを押すといよいよ創星龍神のクエストが開始される。
疾翔龍王の像から黄色、 終焉龍王の像から赤色、 命農龍王の像から緑色、絶海龍王の像から青色、聖輝龍王の像から白、邪冥龍王の像から黒色の光の柱が天に上がっていくとそれぞれの光が創星龍神の参道に落下してくると創星龍神の祭壇が七色の光に発光して宇宙空間のような光の柱が天に上がって行く。どうやらこの光の柱に入るとクエスト開始する流れになるみたいだね。
「「「「「「ほぇ~…」」」」」」
リリーたちは今回のクエストの演出を見て、目を輝かせていた。俺もここまで到達出来た感じがしていい演出だったと思う。
「さて、準備はいいよな?」
「「「「「「もちろん!」」」」」」
「じゃあ、最強のドラゴンの神に会いに行こうか」
俺たちが宇宙の光の柱に入ると転移する。俺たちが転移した場所は宇宙空間だった。ただし空気はあるので、あくまで景色のみのフィールドとみて良さそうだ。
そして俺たちの目の前の宇宙がひび割れるとそこからラーの時に感じた同じ力を感じると共にアポカリプスビーストたちと出会った時以上の圧倒的な気配を感じた。ひび割れた場所から空間がボロボロ砕けていくとそこから力が噴き出して来るといよいよ創星龍神の体と思われる宇宙の体が見えた。
そして空間を宇宙の爪がぶち抜いて、空間が完全崩壊して創星龍神の姿が咆哮をあげて現れた。
創星龍神ジェネシスドラゴン?
? ? ?
創星龍神ジェネシスドラゴンの姿はまず鱗は宇宙のような鱗で角や翼角、爪、膝に隆起した角のような武装が星の輝きを放つ黄金になっていた。そして翼は虹色となっており、創星龍神ジェネシスドラゴンが体に纏っているのが竜気、神気に加えて全ての属性の色を示す光の粒子が創星龍神ジェネシスドラゴンから纏っていた。
見ているだけで理解してしまう。創星龍神ジェネシスドラゴンは間違いなく創造、無限、全属性のこの世界最強の三属性を有している。これが神竜の統べる龍王たちを更に統べるドラゴンたちの頂点にして唯一神か。
創星龍神ジェネシスドラゴンが現れた場所は次元の狭間では無かった。一言で言うなら電脳空間。暗闇の空間に緑色の線が高速で動き回っている世界だった。
そこから創星龍神ジェネシスドラゴンが出て来ると創星龍神ジェネシスドラゴンが目が輝くと空間が修復される。天照大神が使った天叢雲剣で使った国土再生のようだ。それを武器無しで単独で行うのか。
まぁ、これは無理もないな。天照大神は太陽神であって、創造神ではないからな。寧ろ太陽神でありながら武器の力で創造の力を使える天照大神が異常だと言える。
ここで初めて創星龍神ジェネシスドラゴンの声を聞くことが出来た。
『我…世界の原点より生まれし、世界の創造を司るドラゴンなり。我を生み出した存在の眷属よ。よくここまで辿り着いた』
「我を生み出した存在の眷属ってことはあなたは俺たちの世界のことを知っているのか?」
『全ては知らぬ。しかし我を生み出し、我に役割を与えた存在は知っている。そして外の世界から我の世界にお前たちがやって来たことは把握している』
創星龍神ジェネシスドラゴンを初め、創造神は恐らくこのゲームが作られた時に最初に作られたNPCだ。そしてNPCというかAIにはプログラムで命令されて動く。このゲームのAIは自分で考えて成長していくけど、それでも最初はどうしてもプログラムの命令は必要だ。
創星龍神ジェネシスドラゴンの話から考えるとこの最初の命令はプログラムではなく、ゲームの運営が創造した創星龍神ジェネシスドラゴンに直接言葉で命令したんだろう。
そして創星龍神ジェネシスドラゴンが現れた場所は恐らくこの世界を構築しているデータの流れが見れる場所なんだと思う。まさに創造神が生まれる場所として相応しい場所に思えた。
「あなたはどこまで知っているんですか?」
『我はこの世界のことについては全てを知っている。サタンとお前たち外の人間がこの世界を終わらそうとしていることも含めて全てな。もちろんお前が我が眷属に話したこともお前たちが何を考えているかも全て把握している』
創造神であり、リリーたちと関わりがあるなら知られているのは当然か。逆に言うと創星龍神ジェネシスドラゴンはリリーたちを見ていたことになる。嬉しくもあり、逆に能力の把握がもろばれなのは怖いところだな。
こちらは創星龍神ジェネシスドラゴンの能力は知らず、向こうだけ一方的に知っている状況は相当な不利を背負っている。
「そうなんですね…では、あなたは全てを知った上でどう考えているんですか?」
『何も考えておらん。この世界が無くなるならそれでよし。この世界が続くと言うなら我は与えられたことを続けるのみよ』
それはとても冷酷な答えだった。それを聞いたリリーたちの顔が失望に染まり、創星龍神ジェネシスドラゴンを睨み付けるほどにリリーたちにとってはショックな言葉だった。
「あなたはそれでいいんですか? 自分が創造した眷属が消えて無くなることになるんですよ?」
『それが我が創造した世界の答えならそれを受け入れるのみ。我に眷属に対しての愛着はない。ただ言われるがままに創造した存在に愛着が芽生えると思うか? 誰もいない我が故郷にずっといる我にお前たちのような心が芽生えるはずはない』
創星龍神ジェネシスドラゴンにとって、眷属の創造は恐らく工場で大量の玩具を作るのと同じ感覚みたいだ。確かに作製には関わったけど、自分がその玩具で遊ぶわけではない。そんな商品に愛を持つことが出来るかと創星龍神ジェネシスドラゴンは言っている気がした。
確かにその言い分には説得力があった。しかし俺はその言葉を聞いて言いたい。
「確かにあなたはずっと一人だったのかもしれない。でも、あなたはリリーたちのことを知っていた。龍王たちや他のドラゴンたちのことをずっと見てきたはずだ。だからあなたは創造しただけで終わっていない。それなら愛着を芽生える事もあると俺は思います」
『なるほど。その言い分は正しい。愛着かどうかはわからぬが期待はしていた。退屈な我に挑む者が現れて我を退屈の牢獄から救ってくれる者が現れないかとな。結局現れたのは一人とお前たちのみであった』
創星龍神ジェネシスドラゴンは神竜たちはいるにしても位置的には唯一神のような立ち位置にいる。それ故に孤独な神となってしまったわけだな。そのことを考えると創星龍神ジェネシスドラゴンはキリスト教の神と似ている動きをしているな。最初に自分が創造した存在に役割を与えて、見守る立ち位置となった。
キリスト教の神は人間がルールを破ると罰を与えたり、結構介入したところが創星龍神ジェネシスドラゴンとの決定的な違いかもしれない。創星龍神ジェネシスドラゴンの場合はほぼ放置で自分のレベルに到達する存在をただ待ち続けるのみ。それがある意味では最高の楽であり、退屈と言う究極の苦痛でもあったはずだ。
創星龍神ジェネシスドラゴンはドラゴンだ。退屈と言う苦痛の方が勝っているだろう。そしてそれがずっと続いたことでいつしか世界に対して期待をしなくなってしまった。だからこの世界が終わっても別にいいという結論に至ったんだろうな。
それなら俺が…いや、俺たちが創星龍神ジェネシスドラゴンにしてあげることはひとつのみ。ここで戦って、自分が創造した世界がどれだけ素晴らしい世界か教えてあげることにしよう。
「そうでしたか…遅くなってしまいすみませんでした。でも、これで今のあなたは孤独ではありません。俺たちがここにいます。俺たちがあなたに出来る事はあなたと遊ぶことだけです。俺たちが教えてあげます。あなたが創造した世界はどれだけ面白くワクワクするかどうかを」
『面白い答えだな。いいだろう。お前たちが我に教えると言うなら教えて見せるがいい! 命令に従い、もしお前たちが我に勝てたなら契約を結んでやろう!』
「いくぞ! みんな! マリッジバースト!」
「「「「「「マリッジバースト!」」」」」」
俺たちはシルフィとの戦いで見せたマリッジバーストを発動されると武器を構える。いよいよ俺たちと創星龍神ジェネシスドラゴンとの戦いが始まろうとしていた。




