#1438 邪冥龍王ディサピアードラゴン戦、後編
最初に仕掛けて来たのはヴォイドゴッドドラゴンのほうだった。全てのドラゴンの首の口から閃光が放たれる。
『冥ブレス! ドラゴンブレス! 超集束!』
『生体創造! オリハルコンゴーレム! 反射装甲!』
ヴォイドゴッドドラゴンの全ての首からとんでもない威力のドラゴンブレスが放たれたが俺たちの体がオリハルコンに変化すると攻撃を跳ね返してヴォイドゴッドドラゴンの全ての首が逆に消し飛ぶ。
しかしその結果、ヴォイドゴッドドラゴンの呪滅系の全てのスキルが俺たちに発動する。その中には道連れスキルも含まれていた。しかし真の力に覚醒したノワにもはや呪い系統のスキルは通用しない。
『…呪滅吸収』
俺たちに発生した呪滅系統のスキルが俺たちの体に吸収される。それを見たヴォイドゴッドドラゴンは強化復活で自分たちの首を元に戻す選択した。それはつまり攻撃のターンがこちらに変化したことを意味している。
『生体創造! 来い! 龍王たちよ!』
DNAの構造をした触手が俺たちがここまで戦って来た龍王たちの首に変化する。
『…ドラゴンブレス!』
『…虚無壁! ぬぅううう! まさか儂に儂以外の全ての龍王たちをぶつけて来るとはな!』
『生体創造! フェンリルの爪! おらぁあああ!』
『ぬん!』
俺たちは接近して爪同士がぶつかり合う。競り合っているぐらいじゃ、今の俺たちは止められないぜ?
『生体創造! スルト! 怪力!』
『ぬぅうううん! 即死毒!』
腕をスルトに変化されるとスルトが持つ怪力スキルを使用して、ごり押しすると流石にヴォイドゴッドドラゴンは力負けして、俺たちと距離を取ると大量の毒を吐いて来て、俺たちはこれを飛んで回避すると空から攻撃する。
それを見たヴォイドゴッドドラゴンも応戦してきたが手数でこちらが上回った。
『闇創造! 闇竜!』
俺たちの周囲にある闇から黒いドラゴンが現れて俺たちに噛みつこうとしてきた。
『生体創造! ラードーン!』
DNAの触手の先がラードーンの首全てに変化すると全ての闇竜にラードーンの首が噛みつき、消滅させる。俺たちの攻略法にヴォイドゴッドドラゴンはもう気が付いているな。毒を躱している時点でバレバレではあるか。しかし簡単に毒を喰らうような存在ではないことは証明されている。
『ははははは! 化け物め! こんな化け物と戦ったことがある存在はこの世界で儂だけかもしれんな!』
それは恐らく間違いないだろう。創造の力は経験次第でどれだけも強くなる。逆に経験がないと弱くなる性質を持っている。俺たちがここまでの化け物になったのは俺たちが今まで戦って来た敵が世界屈指の強敵ばかりだったからだ。
各神話の創造神がどれほどの力を持っているかは俺は知らないけど、恐らく能力の範囲内は自分の神話に固定される。つまり俺たちのように神話とか関係なく創造の力は使えないものと考える。そこを考えると確かにここまでの化け物と初対戦となるのはヴォイドゴッドドラゴンなのかも知れない。
因みにこの化け物じみた生体創造スキルはジャバウォックの超覚醒で確認されているスキルだったりする。このゲームのジャバウォックはキマイラの性質を持ちつつ、幻想という創造の世界を持っている怪物だからこそこのスキルを持つことが許されている。
しかしそんなジャバウォックでも俺たちのような化け物には残念ながら単体では不可能だ。その理由がまず生体創造には創造した存在に応じた消費魔力がある。ラスボスクラスの敵を創造するのは本来なら魔力が全く足りない程だ。
俺たちはその不可能をノワの無限魔力でクリアしている。逆に言うと無限属性と創造属性を両方持つ存在はこれだけの力が発揮できることを許されていると言える。
『ドラゴンフォース! 闇転移!』
ヴォイドゴッドドラゴンがドラゴンフォースを発動されると闇転移で俺たちに襲い掛かって来たがしかしヴォイドゴッドドラゴンの毒の爪を金剛爪で受け止めると続くドラゴンの首の攻撃も各龍王が撃退する。そしてそのまま接近戦に突中する。
激しい爪のぶつかり合いと両者の首までお互いに噛み合いとなった。そしてここでヴォイドゴッドドラゴンの能力で消失スキルの能力が判明した。それは部位破損になった物を永遠に消し去るスキルだった。これにより俺たちの触手が噛み砕かれると強化復活だろうと創造の力を持ってしても治すことが不可能となった。
『どうした! その程度の力ではないだろう!』
俺たちは撃退手段が少なくなったことで俺たちの体に対するヴォイドゴッドドラゴンの噛みつきが炸裂してしまう。
『かかったのぅ…出血毒!』
『ぬぐ!?』
ヴォイドゴッドドラゴンの身体中から血が噴き出す。噛みついたことで俺たちの血をヴォイドゴッドドラゴンに流し込んだのだ。そしてヴォイドゴッドドラゴンの血が俺たちの口に集まり、ヴォイドゴッドドラゴンの力を吸収する。
『怪力! おらぁあああ! ノワ!』
『…消失!』
『ぬぅ! 凶星!』
『ドラゴンダイブ!』
俺たちはヴォイドゴッドドラゴンの爪を力で弾き飛ばすと吸収した消失の力を乗せた爪を放ったが翼を羽ばたかれて距離を取られるととんでもない速さで凶星が作られた。これに対して俺たちは突撃する。結果は凶星に俺たちが飛び込み、大爆発する結果となったが俺たちを倒しきることが出来ずにヴォイドゴッドドラゴンに突撃が炸裂する。
『セフォネ!』
『任せよ! 武装創造! 現れよ! 不死殺しの武器たちよ!』
そのまま俺たちは地面にヴォイドゴッドドラゴンを叩きつけると俺たちの体中から不死殺しの武器が現れて、ヴォイドゴッドドラゴンを串刺しにした。流石に顔から翼、手足を串刺しにされて、自らの消失スキルまで受けたら、終わりだろうがノワはもう油断しない。
『…影封陣! …もう逃がさない。これで終わりにする! ドラゴンノヴァ!』
『ふ』
ヴォイドゴッドドラゴンの武器に貫かれながらも笑みを浮かべるとドラゴンノヴァが炸裂した。その結果、ヴォイドゴッドドラゴンはディサピアードラゴンの姿に戻ると身体が消滅していく。
『見事だ。お前たちのそのドラゴンの姿こそこの山頂に見合う者はいないだろう…そして召喚師よ。よくぞ儂ら龍王を全て倒した。ここに儂ら全てが認めよう。お前は…いやお前たちは儂らの神に挑む資格があるとな!』
ディサピアードラゴンがそういうとインフォが来ると同時にノワと叢雲が光に包まれる。
『おめでとうございます! 全てのドラゴニックマウンテンの攻略に成功しました。称号『竜の山の攻略者』を獲得しました。これにより創星龍神ジェネシスドラゴンに挑戦する権利を獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント5ptを獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント5ptを獲得しました』
『空間歪曲のレベルが40に到達しました。空間歪曲の最大数が1増加しました』
『ノワの空間歪曲のレベルが30に到達しました。空間歪曲の最大数が1増加しました』
称号『竜の山の攻略者』:難易度SSSSS
効果:ドラゴンの全ステータス+300、創星龍神ジェネシスドラゴンに挑戦することが可能
ドラゴニックマウンテンを攻略した者に与えられる称号。
うわー…月輝夜のレベルアップどころかスキルのレベルアップもないのは容赦がないな。経験値の中にスキルの経験値は除外してくれるかも知れないと淡い期待していたけど、流石にこの難易度のクエストだと甘さはないらしい。
ドラゴンの強化にはリリーたちだけでなく、ダーレーやディアン、クリュス、スキアーなどドラゴンなのか蛇なのか微妙なところの存在まで強化が発生している。これは嬉しいところだね。ただ流石に夕凪は尻尾が蛇なだけじゃ強化は貰えなかった。悲しいけど、蒼穹が貰えているから我慢してほしい。というかこの強化で四神のパワーバランスが一気に崩れた気がするけど、ステータスだけだしまぁいいか。
俺が月輝夜のレベル上げを決意しているとディサピアードラゴンが創星龍神ジェネシスドラゴンに挑戦する方法を最後に教えてくれる。
『創星龍神ジェネシスドラゴンに挑むための場所はドラゴニックマウンテンの中心にある創星龍神の祭壇だ。ほれ。見るがいい』
ディサピアードラゴンが指を指した方向を見ると光の柱が出現していた。
『あそこにある創星龍神の像に資格があるものが触れれば道が示されるはずだ。一度帰るならあそこに行ってから帰るとよいぞ』
『…ありがとう。邪冥龍王様』
『ふ。本当にこの試練で良い方向に成長したようじゃな。しかし創星龍神様は甘い相手ではない。覚悟して挑むことじゃ』
『…はい』
これでディサピアードラゴンは消滅してしまうのだった。その最後をノワはじっと見つめているのだった。




