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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
創星龍神とルシファー大戦
1602/1718

#1429 最も美しい邪竜

俺たちは普通の夜の山を登っていくと優牙が月を見ると唸り出した。俺たちが一斉に月を見ると月を中心に水の波紋のようなものが発生するとそれが発生した空間から新たな邪竜が現れた。


その邪竜は銀と紫の鱗を持つドラゴンでタイプ的には二足歩行のドラゴンで鱗はどちらかというとサーペントタイプの鱗のように見える。身体から輝きを放ちながら空を飛ぶ姿は邪竜とは思えない神秘的で美しいと言えた。そんな邪竜を識別する。


月光邪竜ムーンライトドラゴンLv83

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


月の邪竜か。この世界の月はシャルルマーニュ伝説などから月は人の心を歪ませる設定になっている。それ故に月の竜は邪竜の設定になっているだろう。タイプ的には恐らくスピードタイプだな。


「ギー!」


ここで動いたのはなんと叢雲だった。自ら動くとは珍しいが優牙は先程の戦闘で疲労が凄まじい。月輝夜はスピードタイプとは相性が悪い。となると俺たちか叢雲が相手をすることになる訳だが、叢雲自身が望んだのならその判断を信じてみよう。


叢雲は最初に空間による攻撃を試みたが全て残像を展開されて、躱されるとムーンライトドラゴンはなんと以外にも接近戦を仕掛けて来た。叢雲は爪による攻撃を同じく爪で受け止めるとそのままパワーで勝っていく。しかしそれはムーンライトドラゴンもそれを承知で仕掛けていた。


「クー!」


「ギー!?」


ムーンライトドラゴンがドラゴンの身体が紫色の閃光を放つと叢雲は目を潰されてしまった。その一瞬の隙をついてムーンライトドラゴンはドラゴンウイングを展開すると連続で叢雲に攻撃を当てる。対する叢雲はカウンターを狙おうとしたがあさっての方向に爪を振るってしまい、その結果ドラゴンウイングを受け続けてしまう。


「どうしたんじゃ!? 叢雲!」


「…姿が見えてない?」


「いいや。これは混乱の状態異常だな」


俺が叢雲のステータスを確認すると珍しい混乱の状態異常になっていた。混乱の状態異常は暴走の状態異常に非常に似ている。暴走は自分の判断で動くことが出来ず、見境なく敵味方を攻撃してしまう状態異常だ。それに対して混乱の状態異常は自分の判断で動く事は出来る。ただし自分が見えている光景が違う映像になってしまう状態異常だ。


これにより敵に攻撃したつもりが味方に攻撃してしまったり、敵を攻撃したはずなのに実際は全く関係がないところを攻撃してしまったりする。非常に厄介な状態異常となっている。


叢雲はひとまず斥力場で時間を作り出そうとしたがそんなのお構いなしにムーンライトドラゴンは攻撃を当てて来た。このレベルになると物理無効は持っているよな。


ただ叢雲もここで自分に何が起きているのか認識したようだ。叢雲は目を瞑るとムーンライトドラゴンのドラゴンウイングを噛みついて止めた。混乱の状態異常で発生するのか視界の異常だけだ。音や風の流れまでは誤魔化せない弱点がある。


翼に噛みついた叢雲は力任せに振り回してから投げ飛ばすと更に王撃で地面に叩きつけた。そして叢雲はムーンライトドラゴンを踏みつぶそうとしたがここはムーンライトドラゴンも翼を羽ばたかせて回避した。


これらの攻撃を自分の目を信じず自分が今までしてきた戦闘経験を信じたからこそ混乱の状態異常でムーンライトドラゴンの位置を正確に捉えたのは偉いな。


そして叢雲はここで追撃を諦めて混乱の状態異常を治すことを優先した。流石に視界情報が嘘である状態で逃げ回るムーンライトドラゴンを追い詰めることは出来ない。


叢雲は混乱の状態異常を自然回復で治すと飛び回るムーンライトドラゴンに拡散光線で攻撃する。ムーンライトドラゴンは身体を回転させながら拡散光線の攻撃を回避した。そして反撃の拡散光線が放たれるが叢雲は飛んで回避する。


そこからまた夜空で両者が接近戦をし、お互いに弾けて距離が開くと遠距離攻撃の撃ち合いとなった。遠距離での撃ち合いはムーンライトドラゴンに軍配が上がった。流石はスピードタイプのドラゴンだ。回避能力が高いわ。


ここでムーンライトドラゴンは再び接近戦を挑んで来ると叢雲に再び紫色の光を浴びせようとした。だが、叢雲は翼で光を遮断する。流石に同じ手は喰らわらない。だが翼でガードしたことでムーンライトドラゴンからしたら叢雲は隙だらけだ。ムーンライトドラゴンの爪が叢雲の翼に振るわれようとした瞬間、ムーンライトドラゴンは攻撃を止めて距離を取る。


あのまま攻撃していたら、叢雲の空間に捕まっていたな。叢雲も翼でガードしたら攻撃して来ることは予測しており、そこに罠を張っていたが危険感知能力とスピードの高さで逃げられてしまったな。だが、それなら叢雲は拡散光線で追撃する。


これに対してムーンライトドラゴンは逃げる体勢になっていないことから反射装甲での光線の反射で対抗して来た。これを叢雲は受けてしまう。叢雲は防御手段が少ないからな。それを見たムーンライトドラゴンは腕から魔素刃を展開して叢雲に襲い掛かる。


空間に捕まることは怖いが自分なら逃げられると自信があるみたいだな。しかしここで叢雲が仕掛けた。


「ギー!」


雲海が展開されてムーンライトドラゴンの視界が奪われた。それでも自分のスピードを活かして叢雲に攻撃すると、なんと攻撃が叢雲の胸に突き刺さる。誘い込んだな。


攻撃が突き刺さった叢雲はムーンライトドラゴンを両腕で捕まえると至近距離から弱化毒と神魔毒を浴びせ、更に怨念と疫災まで発動する。捕まってしまったムーンライトドラゴンに逃げる手段がない。


「クー!」


ムーンライトドラゴンは慌てて叢雲を貫いた片腕を抜いて至近距離から星ブレスを放ち叢雲の腕を狙って斬撃を放つが、目的を達成した叢雲は星ブレスを受けたと同時に手を離しており、距離を取ることに成功していた。


この結果、ムーンライトドラゴンは一旦月光による回復に専念しようと考えていたがまだ叢雲の仕掛けは終わっていない。ムーンライトドラゴンは雲海のせいで月光による回復が発動していないと思っているようだが、事実は違う。


ムーンライトドラゴンが雲海を翼で吹き飛ばすと月は黒雲に隠されており、自分の体には黒い雨が降り注いでいた。自分が雲の中にいると雨が当たっていることに気付き辛いものだ。


ムーンライトドラゴンは黒雨を天候支配で吹き飛ばして月光のよる回復と神聖魔法による状態異常の回復を使用としたがここで叢雲がムーンライトドラゴンを襲撃する。ムーンライトドラゴンはここは逃げの選択をしたが弱化毒の影響がスピードに諸に受けており、叢雲の魔素刃の攻撃を受けるのに精一杯な状況に追い込まれた。


しかしここでムーンライトドラゴンが最も得意としているスキルが発動される。それが月食。月が月食になり、月の光を浴びると暴走の状態異常になる。本来なら叢雲には通用しないスキルだが、そこは月の邪竜たるムーンライトドラゴン。しっかり対策がされており、叢雲は暴走状態となった。


だが、これだと叢雲の最初の標的は目の前にいる自分になる。当然のように叢雲はムーンライトドラゴンに襲い掛かったがムーンライトドラゴンへの攻撃は空を来るとムーンライトドラゴンの姿が歪んで消えた。


夢幻スキルだな。そして本人は次元転移で逃げたことを確認した。抜け目がない奴だ。こうなると狙う相手がいない暴走状態の叢雲の標的は俺たちに向かってしまう。


「ギー!」


「叢雲ー!? 何やっておるんじゃー!?」


「…いつもぐーたらしているからこういうことになる」


「ノワにだけは言われたくない言葉だろうな」


俺はそういいながらインベントリから謎のポーションを一杯取り出した。召喚獣たちが暴走した時のための対策をちゃんとしてありますとも。こういう機会でもない限り使い道が無くて困っていたんだよね。その怪しい瓶についてノワが聞いて来る。


「…にぃ? その瓶は何?」


「セチアが失敗した薬」


これを聞いた瞬間、全員の顔が真っ青になり、暴走状態の叢雲に同情の念を送った。


「ギー!」


「ほい! ストライク」


「ごくん」


叢雲が口を開けたところにポーションが入った。本人は口を閉じたかっただろうが自分の意志が反映されないのが暴走の状態異常だ。逃れる手段が無かった。


そんな暴走の叢雲の動きが止まると顔色が真っ青になり自分の首を抑えると、地面に墜落して悶え苦しみながら俺たちの方に手を伸ばしたところで気絶した。


「む、叢雲? 生きておるか?」


「…まぁ、これは暴走状態になった叢雲の自業自得。でも、ノワには飲ませないでほしい」


ちゃっかり予防線を引くのがノワだよな。


「そこはまぁ、暴走の状態異常になるかどうかだな」


「ノワよ。セチアはどれだけ失敗した薬を作っておるのじゃ?」


「…わからない。時間があればにぃのために薬を作っているからかなりの数があると思う」


ノワの言葉に全員が恐怖に包まれる。俺としては失敗したポーションの数がどんどん増えている理由が判明したよ。普通のポーションを作って欲しいがセチアは新しい薬の開発を諦めるようなタイプじゃない。結構セチアは研究者向きなんだよね。後はエルフのエルサリオンから受けた影響が強いんだろう。というわけで叢雲にはエルサリオンを恨んでほしい。


俺が気絶を治すポーションとドラゴンフルーツのジュースを叢雲に与えているとノワが声を掛けて来た。


「…思ったんだけど、全てのドラゴンにこのポーションを使えば楽に勝てると思う」


全員が頷くが俺は批判的だ。


「飲んでくれるなら効果はありそうだけど、こんな怪しいポーションは普通飲んでくれないだろうな。後、土属性と毒とアンデッドのドラゴンには効く気がしない」


「…それもそうかも?」


「毒のドラゴンがセチアのポーションの力を手に入れて、口から吐いて来そうだよな」


「もしそれがそうなったら、妾たちの天敵のドラゴンが誕生したことになるぞ」


そんな話をしていると叢雲が目を醒ました。美味しい飲み物は本当に偉大だよ。


「ギ…ギー?」


何が起きたのか認識出来ていないな。ここでノワが容赦ない言葉を叢雲に言う。


「…月食で暴走状態になった。まだまだ未熟」


「ギ…ギ~?」


嘘は言っていないな。薬の事を言わないのはノワの優しさかな。ただ叢雲は俺たちに疑念の視線を送って来る。恐らく口の中にまだ変な味が残っているのだろう。セチアの薬はそれだけ強力なのだ。とにかく俺は現状を説明すると叢雲の顔が戦闘モードに切り替わる。


そして回復を済ましたムーンライトドラゴンが次元転移をして帰って来た。次の瞬間、ムーンライトドラゴンは空間に捕まると翼と腕が捩じ切れる。叢雲は完全に次元転移から現れるところを待ち伏せしていた。空間勝負で負けるわけにはいかないよな。


ムーンライトドラゴンから予期せぬ事態だった。何せ暴走状態がこんなに早く解除されるとは思っていなかったし、何より彼の計画では俺たちと叢雲が戦闘している予定だったのだったはずだ。それを計算して次元転移で戻ってきたら、誰も怪我しておらず、叢雲に襲撃されたのだから何が起きたのか理解出来ないだろうな。


必死になんとかしようとしたが叢雲が真上から踏みつけ、そのまま地面に叩きつけた。重力支配の効果も相まってとんでもないダメージだ。


「ク!? ク、クー!」


「ギー…ギー!」


ムーンライトドラゴンは紫色の光を放ってなんとかしようとするがもう攻撃手段がほとんどないし、混乱状態になっても踏みつけていれば逃すはずがない。それでもドラゴンブレスなどでムーンライトドラゴンは攻撃してきたが叢雲は攻撃を躱しながら獄炎で焼き、爪でムーンライトドラゴンをズタボロにした。


「…八つ当たりしている」


「まぁ、あんな目にあったら誰かに当たりたくなると思うぞ? 本人に自覚はないみたいじゃが何か恐ろしい目に会った事だけは分かっておるみたいじゃしの」


暴れ回っている叢雲を見ると確かにそう思ってしまう俺でした。するとここで俺は山の上から殺気を感じた。


「…にぃ」


「あぁ…もう山頂が近い。ここからはみんな、切り札を使う事に躊躇しないでくれ。どうやらやばい奴が上でお待ちかねみただ」


俺がそういうとみんなが山頂をみて、得体が知れない殺気に向かって歩き出すのだった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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