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#151 古の湖防衛戦

夕方、俺はルインさんと共に攻略組の人たちと挨拶する。お供はイオンだ。


まずは重戦士パーティーのリーダーが挨拶してくれる。


「そちらの彼とは初見だな。クラン『月の盾』のリーダー、満月まんげつだ。メンバーの三日月みかづき有明ありあけ下弦かげん十六夜いざよい新月しんげつだ。全員月の名前を名乗っている。よろしく頼む」


「ども。ソロですけど、クラン『リープリング』のリーダーをしているタクトです。この子は俺の召喚獣でドラゴニュートのイオンです」


「はは。親切にありがとう。君のことは知っているよ。噂の幼女サモナーだからね」


リリーが進化したんだからそのあだ名は無しだと言いたい!


「次は私たちですね。弓術師のクラン『三矢のおしえ』のリーダー、与一よいちです。メンバーの六角ろっかく正成まさなり小笠原おがさわら立花たちばな花房はなぶさです。よろしくお願いします」


「凄いメンバーですね」


どれも有名人だ。


「弓の名手の名前とわかりますか…まぁ、彼らには到底叶いませんが、それなりの戦力になると思います」


「まぁ、与一さんと愉快な仲間たちと思ってください」


「こら!」


「そもそもクランの名前なら毛利もうりを名乗るのが普通じゃないですか」


あ、それは俺も思った。


「名乗ったら、あなたたちは小五郎のおっちゃんと呼ぶでしょう!」


『ちっ』


普通に那須与一なすのよいちが好きなだけだと思ったが、色々な事情があるんだな。


他にもまだクラン名をつけていない職業がバラバラの5パーティーが仲間になった。その中には火影たちとアーレイがいないから実際は合計9パーティー53人がこちら側についたことになる。


「早速ですまないが耐久値の回復と食料を頼めるか?」


「あぁ。任せてくれ」


「料理は向こうで炊き出ししているわ。時間も惜しいからご飯を食べながら話しましょうか」


話によるとどうやら『月の盾』と『三矢の訓』は夜のベースエリアの防衛で大活躍していたクランだったらしい。


彼らがいなければもっと早くベースエリアが落ちていたそうだ。防衛をしていたから当然ルインさんたちと接点があり、ルインさんが信頼していいと判断したわけだ。


俺は彼らと同じサーバーだったことに感謝しないとな。夜、眠れたのは彼らのお陰なわけだ。


「向こうの様子はどうだったのかしら?」


「防衛出来なかった我々を責めていたよ」


「武器はボロボロ、食料はない。それで守れるはずがないことは歴史が証明しているだろうにね」


確かに防戦戦でそれは致命的なことは歴史が証明しているな。


そして彼らに例の壁画の情報や石版のことを公開した。


「そんなヒントまで手に入れていたか…これは完敗だな」


「その遺跡は我々も発見したんですけどね…アンデッドに弓では無理ゲーでした」


あー…確かにそれは詰んでるよな。せめて神聖属性の弓矢が必須となるだろう。


そして現在決まっている作戦を伝えると彼らは喜んで参加を表明してくれた。


「向こうと違って、作戦がしっかりしているからな」


「参加しないなんて言えませんよ。今まで失ったポイントを取り返さないといけませんからね」


俺は向こうがどんな無茶な作戦を考えているのか知りたくなった。きっと参考にしたら、ダメな作戦なんだろうな。


俺は夕飯のためにログアウト。しっかり夕飯を食べ、お風呂に入りゲームにログインする。


「タクト君たちも揃ったわね。タクト君とトリスタンの予想通り、モンスターの大軍がこの拠点に向かっていることが火影の連絡で判明したわ。私たちはこれを迎撃するわよ」


「具体的なプランがあるんですね?」


与一さんが聞いてくる。


「もちろんよ。タクト君、説明お願いできるかしら?」


「はい。作戦は単純です。モンスターたちをベースエリアギリギリまで引きつけて、大規模技でモンスターたちに致命傷を与えて、全員で包囲殲滅します」


「その大規模技というのはなんですか?」


隠し玉だが話すしかないな。


「イオンの切り札である擬似竜化スキルで使えるドラゴンウェーブを使用します。この技は発生させた波で敵を押し流すというもので多数の敵を全滅させるほどの威力はありませんが、多数の敵に致命傷を与えることが出来ます」


「そんな技が使えるんですね…流石は激レアのドラゴニュートと行ったところですか」


与一さんが言うとおり、反則級の技だよな。そこでルインさんにバトンタッチする。


「モンスターの引きつけ役は『月の盾』にお願いしていいかしら?」


「任せてくれ」


「魔法を使える人と弓術師はモンスターが流れてくるこの場所で待機。敵が来たら、魔法と弓矢の波状攻撃で殲滅するわ」


『了解』


「恐らく生き残りが出るわ。その後は通常の防衛戦に移行するわ。モンスターを再び引きつけ、足止めし、挟撃で終わらせるわ」


俺の大量ポイントゲットの作戦に全員が参加を表明してくれる。


「相変わらずえげつない作戦を考えるよね。タクトは」


「モンスターたちに同情しちまうよな」


レッカとケーゴがそういうとリサとミライが言う。


「兄ちゃんの作戦に文句あるの?」


「それなら二人はモンスターの大群に突っ込めばいい」


「「あ、いや。ごめんなさい」」


女の子には弱いな。俺もだが…


「失礼するでござる。敵がもうすぐ来るでござるよ」


火影たちが報告してくれる。


「ありがとう。みんなポジションについて! ラスボス戦の前哨戦よ! ここで大量ポイントを稼ぐわよ!」


『おぉ〜!』


こうして、古の湖の大規模防衛戦が始まった。


敵はボアリーダーを中心に今まで防衛で襲ってきたイベントモンスターたちだ。俺のメンバーはイオン、恋火、リキュール、ダーレー、ルーナだ。


リキュールとダーレーはトリスタンさんと与一さんが使っている。狙われているとしか思えない。


森から光魔法のレーザーが放たれる。作戦の合図だ。


「ルーナ、頼む」


ルーナが踊り、全員にバフが発動する。


「踊るだけで全員にバフか…凄まじいな」


「踊りをやめると効果がなくなるので、戦闘参加は出来ませんけどね」


「では、彼女の分まで頑張るとしよう」


満月さんたちが前に出て、指示を出す。


「総員、挑発スキル発動!」


『おう!』


満月さんたちが一斉に大盾を構え、挑発スキルを発動する。すると広がっていたモンスターたちが満月さんたち目掛けて固まる。予定通りだな。


「イオン、頼む」


「はい! 擬似竜化、発動します!」


イオンが青い光の柱に包まれ、擬似竜化がする。


「おぉ…」


「これが…」


「美しい…」


「め、女神様…」


凄い感想だな…だけど気持ちが分かってしまう俺も同類だな。


イオンがガラスの剣を二本とも地面に突き立てる。


「竜技! ドラゴンウェーブ!」


いつもより大量の水が波となって、モンスターたちを呑み込み、流していく。流石にでかいモンスターは粘ったが一番前にいた奴らはドラゴンウェーブの直撃だ。


流石に地面から足が離れて、流されてしまう。そして前が流されたら、後ろの奴らにぶつかり、後ろの奴らも流されている。


踏ん張られるのを危惧していたがルーナのバフが効いたみたいだな。そしてイオンは擬似竜化が解ける。


流されたモンスターの行き先は地獄だ。


「総員、構え!」


与一さんの号令で弓術師たちが弓を構える。


「アローレイン! 放て!」


『アローレイン!』


俺が知らない武技が使われる。一本の矢が空中で無数の矢となって、モンスターたちに矢の雨が降り注ぐ。まだ終わらない。


「呪文詠唱、完了。いくよ。みんな」


『おぉ! これが俺たちの全力全開!』


レッカ率いる男性魔法使い部隊のフルバーストが降り注ぐ。あの叫び声は謎だ。


「第二波、行くわよ!」


「私たちも何か叫ばない? ルイン姉」


「必要ないわよ! 早く撃って!」


ルインさんたち、生産職の魔法を使える人たちから魔法が放たれる。何かもめていた気がするが、大丈夫かな?


だが、やはりモンスターたちの生き残りがまだたくさんいる。


「いくぞ! お前ら!」


「今です! 全員突撃!」


烈空さん率いる猛獣使い部隊とルーク率いる召喚師部隊が側面から襲いかかる。烈風さんが指揮している理由は雷電さんからの推薦だ。確かに烈風さんはこういうの向いていそうだ。


召喚獣とテイムモンスターたちで乱戦になるがモンスターたちの狙いはあくまで、こっちだ。


生き残りがこちらに突撃してくる。


「総員、構え」


俺たちの後方でトリスタンたち、アローレインがまだ使えない弓術師たちが構える。


俺と恋火の魔法も完成。


「ボトムレススワンプ!」

「トリッドヘル!」


泥沼と灼熱地獄のコンボだ。泥沼に落ちたボアリーダーを焼き殺す手筈だったが、普通に泳ぐ。猪が泳げるのこっちでも同じなんだな…だが移動速度は落ちた。


「トライデントアロー、放て!」


『トライデントアロー!』


泳ぐボアに矢が刺さる。ご迷惑おかけしました。


「後ろの敵は全滅させたって連絡来たよ。挟撃に向かうってさ」


「了解。防御任せちゃって本当に大丈夫ですか?」


メルから報告を受け、満月さんに確認を取る。


「任せてくれ。君たちは手筈通りに」


「任せてください」


「頼む。全員構え!」


『おう!』


満月さんたちが大盾を持ち上げ構える。


「行くぞ! 突貫!」


『シールドタックル!!』


満月さんたちは盾を構えたまま、突っ込んでくるボアリーダーに体当たりする。するとボアリーダーが弾き飛ばされた。


上手いな…流石今までベースエリアを守ってきた人たちだ。ボアリーダーの突進に対して、下から上に弾いて、ボアリーダーを上手く弾き飛ばした。何よりパーティーメンバーの息の合いようが凄かった。


「今だ!」


「みんな、行くよ! 疾風突き!」


メルたち、片手剣持ちが弾かれたボアリーダーに殺到して、硬直時間の延長に成功する。


そこに接近戦闘が得意な職が群がる。


与一さんがダーレーに乗り、最初に合流する。トリスタンさんと共にモンスターの周囲を回りながら、矢を撃ちまくる。リキュールとダーレーと息ぴったりだね…悲しくなってくる。


他のプレイヤーも参加して、モンスターたちの挟撃が完成する。


俺は回復役に回り、みんなをサポートするがミライの偉大さを痛感した。最後はミライの指示で従うしかないダメっぷりだった。


俺がサポート出来るのは6人が限界みたいだ。


「勝鬨を上げろ!」


「俺たちの完全勝利だ!」


『おぉ~!』


最後、俺は情けないことになったが俺たちは大勝利を納めたのだった。そしてレベルアップが来て、インフォが流れる。


『光魔法のレベルが30に到達しました。光魔法【リフレッシュ】【フラッシュバン】』

『光魔法のレベルが30に到達しました。神聖魔法が取得可能になりました』


よし!すぐに取得したいがその前にすることがあるみたいです。


『イオンのレベルが30に到達しました。特殊イベント『海竜の試練』が発生しました』


イオンから青い輝きが放たれ、俺を包み込んだ。


名前 タクト 中級召喚師Lv10


生命力 44

魔力  88

筋力  31

防御力 22

俊敏性 28

器用値 63


スキル


格闘Lv7 蹴り技Lv14 杖Lv20 片手剣Lv10 投擲Lv3 高速詠唱Lv10→Lv11 

召喚魔術Lv21 封印魔術Lv3 錬金Lv9 採掘Lv14 伐採Lv15 解体Lv23 

鑑定Lv13 識別Lv18 風魔法Lv20 火魔法Lv21 土魔法Lv21→Lv22 水魔法Lv20 

闇魔法Lv20 光魔法Lv29→Lv30 雷魔法Lv20 爆魔法Lv19 木魔法Lv18 氷魔法Lv17 

時空魔法Lv18 水泳Lv8 読書Lv8 料理Lv26 餌付けLv6 釣りLv14 シンクロLv5


名前 イオン ドラゴニュートLv29→Lv30


生命力 40

魔力  60→62

筋力  32→33

防御力 22

俊敏性 82→84

器用値 68→70


スキル


二刀流Lv23 投擲Lv6 水中行動Lv10 水刃Lv11 擬似竜化Lv4→Lv5


名前 恋火 セリアンビーストLv24→Lv25


生命力 52

魔力  50→52

筋力  52

防御力 31→32

俊敏性 58→60

器用値 44→45


スキル


刀Lv10 二刀流Lv1 炎魔法Lv5→Lv6 狐火Lv9 気配察知Lv11 危険察知Lv9 

妖術Lv1 血醒Lv4


名前 リキュール 一角馬Lv5→Lv7


生命力 26→28

魔力  2

筋力  27→29

防御力 18

俊敏性 43→47

器用値 35→36


スキル


角撃Lv7 蹴り技Lv3 突進Lv7 乗馬Lv15→Lv16 疾走Lv9→Lv10


名前 ダーレー サラブレットLv5→Lv7


生命力 23→24

魔力  2

筋力  17→18

防御力 15

俊敏性 53→57

器用値 37→38


スキル


蹴り技Lv3 突進Lv5 乗馬Lv16→Lv17 疾走Lv8 騎手強化Lv9→Lv10


名前 ルーナ フェアリーLv6→Lv8


生命力 25→26

魔力  45→49

筋力  16→17

防御力 20→21

俊敏性 40→44

器用値 30→32


スキル


飛行Lv7→Lv8 竪琴Lv1 舞踊Lv4→Lv6 魅了鱗粉Lv3 風魔法Lv3 木魔法Lv3 幻術Lv1

合計9パーティー53人なのは火影のパーティーが5人だからです。



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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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