表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
創星龍神とルシファー大戦
1591/1718

#1418 竜の墓場の邪竜

俺たちの背後で荒野の大地が大きく盛り上がると地面から竜の血肉に紫色の血を流している巨大なドラゴンゾンビが現れた。


屍邪竜イビルドラゴンゾンビLv80

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


纏っている大量の魔素に赤い目、更に他のドラゴンゾンビと決定的に違っているのは腕の数だ。身体中から爪が出ている。まるでドラゴンゾンビをたくさん吸収して取り込んでいるドラゴンのようだ。そして圧倒的な殺気をこちらというかノワと叢雲に向かている。それを感じてノワと叢雲も不快感を表すにする。


「ギー…」


「…あなたたちを倒したのはノワたちじゃないし、あなたたちが倒されたのはあなたたちが弱いから。…自分の未熟さからの結果をノワたちに押し付けて来るのは凄い迷惑」


どうやら死んでしまった恨みや妬みを二人にぶつけているらしい。これはノワの意見に同意だな。俺たちがこの山で戦って来たドラゴンたちは消えて行った。それは戦いに満足し、例え負けたとしてもそこに未練が無かったからだろう。そこにドラゴンという生物の本質がある気がする。それが捻じ曲がり、戦いに未練とかを残してしまうとドラゴンゾンビのように死して尚この世に彷徨う存在になってしまうんだろう。


ノワと叢雲がイビルドラゴンゾンビと睨み合っているとその横で巨大な骨が地面から次々生えて来るとその骨が俺たちを貫こうと動いて来たので、俺たちは回避すると地面から巨大な骸骨の邪竜が姿を見えた。


骸骨邪竜スカルイビルドラゴンLv80

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


こいつはスカルドラゴンの多頭竜だった。そのスカルイビルドラゴンの全ての目から死滅光線が放たれて、俺たちは回避するとノワが言う。


「…こっちのドラゴンのほうがいいけど、ノワたちはイビルドラゴンゾンビの相手をさせてほしい。…流石にむかついた」


「ギー!」


ノワがここまでイライラするのは珍しい。余程気に喰わないことを言われたみたいだな。


「となると妾の相手はこの骨」


「…違う。セフォネの相手はあっち」


ノワがそういうと俺たちの進行方向の地面から大量の魔素が噴き出すと地面に吹き飛ぶ、巨大な穴から邪竜の上位存在が姿を見せた。


不死魔竜イモータルデモンドラゴンLv83

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


こいつは四足歩行のドラゴンで決定的に違うのは血肉や骨ではなく、こいつだけは紫色の鱗にワインレッドの翼を持つ立派なドラゴンだった。胸には赤い宝石のようなものがあり、目は紫色で角は頭に一本と左右に二本あるドラゴンだ。


マザードラゴンたちよりは弱いだろうが実力的にはそこまで差は無さそうだな。殺気が圧倒的にこちらの方があるので戦闘は厳しいものになりそうだ。


「不死のドラゴンなら妾が適任じゃろうがタクトは貸して貰うぞ」


「…えー」


「そこで駄々こねるでないわ!」


必然的にスカルイビルドラゴンの相手は優牙と月輝夜となった。最初に戦闘になったのは既に攻撃を受けている事からこの二人のスカルイビルドラゴンが戦闘開始する。


「グォオオオオオ!」


最初に月輝夜が酒呑童子の金砕棒で次々骨の竜を粉砕していく。やはり骨の敵には昔から鈍器が相性抜群と決まっている。しかしこのゲームだとそんな簡単にはいかない。粉砕された骨が空中で骨に戻るとその骨が月輝夜の背中に襲い掛かり、突き刺さった。


「グォ!? グォオオオオオ!?」


更に電弧放電で攻撃を続けると地面から骨の竜が現れて次々月輝夜に噛みついて来た。そして月輝夜の目の前に骨の多頭竜が現れると火山弾と死滅光線を月輝夜に浴びせて来るとこれに対して月輝夜は逃げることが出来ないので力任せに自分の腕に噛みついている骨のドラゴンに火山弾をぶつけることで回避したが死滅光線は浴びてしまう。


普通に強いし、やはりちゃんと考えて動いている。そしてここでスカルイビルドラゴンが叫ぶと身体の骨が月輝夜に向かって連射される。それらの骨は赤いオーラを纏っており、月輝夜も危険を感じたが動けない。必死に足のドラゴンたちを自由になった腕で破壊するが間に合わない。


「ガウ!」


ここで優牙が金剛装甲を発動されて身体で骨を弾いた。流石に金剛装甲と骨が相手では攻撃は通らないか。恐らくはスカルイビルドラゴンのオリジナルの竜技だった。即死かそれに類する攻撃だったと思われる。


そして優牙はそのまま骨の多頭竜に突撃すると骨の多頭竜は冥ブレスを受けながら突撃してそのまま体当たりで骨を粉砕する。レベルの差が完全に出ているな。そんな優牙に地面と吹き飛ばして宙を舞った骨たちが優牙に向かって突撃するが金剛装甲で全て弾いてしまっている。


優牙に噛みつこうと地面から現れた骨の竜の攻撃を優牙は足をあげて回避するとそのまま踏みつぶしてしまう。その結果、スカルイビルドラゴンは一旦骨の全てを集めて元の姿に戻ることにした。その結果、骨の全てが地面に潜っていく。


安全な地面で元に戻る判断は素晴らしいね。ただ優牙はもうスカルイビルドラゴンの倒し方に気が付いている。完全復活したスカルイビルドラゴンが地面から現れて、一斉に息を吸い込んだ瞬間に月輝夜の酒呑童子の金砕棒の覇撃が直撃して、スカルイビルドラゴンは一撃で粉々になる。


そして優牙が口を開くと飛び散った骨が暴食スキルの効果で吸引されていく。復活に必要な骨が無くなればそりゃあ、もう詰みだ。月輝夜相手にワンチャンあるだけ強者だったが優牙は強すぎだったね。


次にノワと叢雲がイビルドラゴンゾンビと戦闘する。


「ギャオオオオ!」


「…ドラゴンブレス!」


「ギー!」


ドラゴンブレスの撃ち合いになると二人のドラゴンブレスが押し勝ち、イビルドラゴンゾンビが吹き飛ぶが肉片が膨張して身体がすぐに復活にする。そして二人が飛んでいる空を見ると息を吸い込み、腐蝕ブレスを放ってきた。


これを見た二人はあっさり回避するとイビルドラゴンゾンビの体から生えていたドラゴンの手が一斉に伸びて二人に襲い掛かって来た。


「…汚い手は拒否。斥力場」


「ギー!」


二人は逃げるが無限に伸び続ける上に伸びた腕からも新たな手が生えて来るので、対処することにした。叢雲が口から獄炎を吐くと伸びた腕が炎上してそのまま本体も燃えた。発狂しながらここで酸性雨を降らせて、火を消化する。一方でノワと叢雲は虚無壁を上に展開して傘にしていた。


「…本当に迷惑。迷惑以外の何物でもない」


「ギー」


「…ん。早く終わらす。ガードお願い」


「ギー!」


ノワがドラゴニックカースミストの詠唱を始めるとイビルドラゴンゾンビの腹が膨らむ。そして巨大な肉片の弾が放たれる。叢雲はノワを守らないといけないので、虚無壁を展開したが虚無壁にぶつかった瞬間に巨大な肉片の弾は爆発し、とんでもない死臭が二人を襲った。


スキル名は死臭弾。魔王ベルゼブブの攻略戦でみんなが浴びたスキルの一つだ。


「…臭い!」


「ギー!?」


「ガッガッガ!」


二人が悶える姿をみてイビルドラゴンゾンビは腹を抱えて笑う。これを見た二人からキレる音が聞こえた。


「…竜魔法! ドラゴニックカースミスト!」


「グォ? ガー!」


ドラゴニックカースミストをイビルドラゴンゾンビは真っ向から受けると呪いが付与されるどころかむしろ霧を吸い込み、強化されてしまう。流石にこのレベルのドラゴンになると呪いで不死スキルの無効化は許してくれないらしい。


「…しょうがない。あなたにはもったいないけど、ノワの服に臭い匂いを付けた罪は重い。逆鱗」


ノワがルーンノワールを抜くと逆鱗を使い、突撃すると次々イビルドラゴンゾンビを切り裂く。そしてイビルドラゴンゾンビはルーンノワールの破魔と耐性無効の効果でダイレクトにダメージを受けた。この時のノワの動きは俊敏そのものだった。いつもののんびり斬っている姿はない。最初からこういう動きが出来るなら最初からして欲しいものだが、そう望んでも疲れるから動きたくないというのがノワなんだよな。


それ故にノワを本気にされたイビルドラゴンゾンビは詰んでいる。スキルを全て封印されて最後は叢雲が逆鱗を発動されて、両手を掲げる程の巨大な黒星を投げつけて、消し飛んで終わった。


「…疲れた。それに臭い…最悪」


「ギー…」


「…凄く失礼。臭いのは叢雲も同じ。ノワに近付かないで」


「ギー!」


二人がお互いに臭いと言い合っている。二人の友情に亀裂を入れただけイビルドラゴンゾンビは強者だったのかも知れない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ