#1396 名持の三星竜
俺たちの前に現れたドラゴンを一体ずつ識別していく。まずは俺たちから見て左側に現れたドラゴンは足がない代わりに下半身が巨大な尻尾になっているクリュスと同じタイプのドラゴンで胸にクリスタルの星があり、その周囲には隕石サイズの星が多数浮いているドラゴンだ。
星光竜スターライトドラゴンLv80
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
次に真ん中、空間の歪から現れたのは全身がガラスで作られたドラゴン。姿形は西洋タイプのドラゴンだがドラゴンの鱗もなく、かなり諸そうに見えるドラゴンだ。
明鏡星竜ミラースタードラゴンLv80
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
最後に右技のドラゴンは天の羽衣と天の披帛を装備している全身が黄色の西洋タイプのドラゴンだ。
治癒星竜ヒーリングスタードラゴンLv80
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
各自の名前や装備、姿からなんとかなく戦闘の予想が付く。恐らくスターライトドラゴンは周囲に展開している星から光線を放ってくる遠距離支援タイプのドラゴンだろう。
ミラースタードラゴンはこのゲームの鏡の性質上、攻撃を反射することに特化したカウンター防御タイプのドラゴンだと予想される。
最後のヒーリングスタードラゴンは名前の通り回復特化なのは確実と見ていい。簡単にまとめるとミラースタードラゴンは攻撃、ミラースタードラゴンは防御、ヒーリングスタードラゴンは回復って感じだろうな。
チーム構成としては非常にバランスが良さそう。しかも防御や回復役といっても普通に誰でも強い攻撃してくるのがこのゲームだ。とにかく相手の出方を見るところからだな。名持のドラゴンなら特殊な攻撃をしてきてもおかしくはない。特に空間の歪から現れたミラースタードラゴンには注意したいところだ。
『人間がここまでこれたのはいつ振りかな?』
『知るか。さっさと倒すぞ。俺は忙しいんだよ』
『私にはそうは思えませんが…まぁ、あなたたちが先に進むと言うなら戦いは避けられません。どうしますか?』
「もちろん先に進ませてもらいます」
俺がそういうとみんなが戦闘モードに入る。
『そうか。なら早速死ね。格納! 光速激突!』
ミラースタードラゴンは自分の体から巨大な鏡を複数展開すると俺たちに向かって投げつけて来た。俺たちが回避すると落下の衝撃で土煙が発生し、鏡が地面に練り込んでいる。鏡を攻撃手段に使って来るのか。
『念動力! 行ってください! 日光!』
俺たちが回避した先にスターライトドラゴンの星が回り込むと俺たちを撃ち抜くように日光スキルが放たれる。これもみんなが回避するがミラースタードラゴンが仕掛けて来た。
『空間歪曲! 全反射!』
空間歪曲から新たな鏡が次々現れると日光を次々反射すると最終的にリリーに日光が集まり、全てをリリーは回避出来ず、足と手が撃ち抜かれる。翼を手で守った判断は良かったな。
「スピカさん!」
「ヒヒーン!」
ここでリースとスピカがミラースタードラゴンに突撃する。それを見たミラースタードラゴンは自分の体からたくさんの鏡を何枚も重ねて展開するとスピカの角は次々鏡をぶち抜いて行く。そして最後の鏡まで破壊した。
「はぁあああああ!」
『まさか俺にそんな突撃が決まるなんて考えてねーよな?』
リースとスピカは上から降り注いだ鏡が直撃する。鏡の長い壁で完全に視界を失っていたな。だがリースとスピカの後ろからブランも続いていた。
「はぁあああああ!」
『空間歪曲』
「う!?」
『そう簡単に攻撃を決めさせはしませんよ』
ブランがヒーリングスタードラゴンの天の披帛に足を縛られるとそのまま地面に叩きつけられた。
『強化復活! こいつで終わりだ。光速激突!』
『おまけです。日輪!』
ミラースタードラゴンがスピカに壊された鏡を更に分厚い鏡に強化すると一斉に倒されている三人に降り注がせるとヒーリングスタードラゴンは空から日輪の巨大レーザーで三人を狙った。
「ガーティアンエンジェル!」
「大気壁!」
「ヒ…ヒヒーン!」
飛んできた鏡にはリースとスピカが大気壁をぶつけて勢いを殺すとブランが展開したガーティアンエンジェルで全て受けきった。
『へぇ…この攻撃を止めるか。俺の鏡もぶち抜いて来やがったし、中々やるじゃねーか』
『流石ここまでやって来ただけはあるということですね。ふふ』
一方で俺とグレイ、リリーはスターライトドラゴンと戦闘中。リリーは動きが速い星を落とすのは不得手なのでリリーがスターライトドラゴン本体狙いで俺とグレイが星の迎撃に向かった。
しかしこの星も破壊しても強化復活で元通りにされてしまう。しかも破壊を狙っている星を他の星が援護する形で日光を撃って来るのは非常にうざったい。
俺のほうはそんな感じだが、リリーの方はいい勝負をしていた。
「『ドラゴンクロー!』」
お互いのドラゴンクローが何度もぶつかり合うと小回りが利く分、リリーが前に出た。
『ドラゴンテイル!』
「わ!? っ!?」
スターライトドラゴンの通常のドラゴンよりも長いドラゴンテイルがリリーに決まるとスターライトドラゴンは拳を構える。
『星震!』
「きゃ!? まだまだ! ふぇ!? この! 邪魔だよ!」
『閃光!』
星震で吹っ飛ばされたリリーが態勢を整えて飛び出そうとすると目の前に星が現れる。それを攻撃しようとしたリリーだったが星が急に閃光を放ち、暗闇の状態異常にさせられた。俺は星の対処をしていた俺とグレイも同じだ。
『超集束! っ!?』
「ワオーン!」
星の光を集めてようとしたスターライトドラゴンだったがここで目を瞑った状態でスターライトドラゴンに一直線に向かって来ている俺たちを補足した。既に俺はありったけのスキルを使って、居合抜きの態勢を取っている。
「居合抜き!」
スターライトドラゴンを横に一刀両断する雷光刃が放たれたが俺に手ごたえはない。蜃気楼で躱された。
「上だ! グレイ!」
「ガウ!」
『今のはヒヤッとしましたよ! 星雨!』
周囲に展開されている星とスターライトドラゴンの翼から星雨が放たれる。ここでグレイは和魂を発動されて俺と自分の暗闇の状態異常を治すと口を開けて、星雨を全て餓狼と魔力吸収、粒子分解で食べ尽くした。リリーは自分で暗闇の状態異常を直して俺たちと合流する。
『僕とその狼は結構相性が悪そうだね…それに僕にパワー負けしないドラゴニュートに僕の光線の雨をその武器で斬り裂き、見えていないのに僕の位置を読む召喚師。ここまでこれた人間だからある程度は覚悟していたけど、四体の龍王を超えて来ただけはあるね。楽しくなってきた!』
なんというかこの三体、最初は嫌々な感じがしたが今ではうきうきしているな。なんというか俺たちの強さを認識して態度を変えた。強者と戦える喜びを感じるのはドラゴンらしいところではあるが最初のだるさはドラゴンらしくない感じがする。
「リース、スピカさん。ミラースタードラゴンを頼めますか? あのドラゴンは時空属性も持っていそうなので私では対処出来ない可能性が高いです」
「わかりました。スピカさん、よろしくお願いします」
「ヒヒーン!」
ここから自然と戦いの形は俺とグレイ、リリーでスターライトドラゴン。リースとスピカでミラースタードラゴン。ブランとヒーリングスタードラゴンという形となる。そしてそれぞれの戦いはここから激化していくのだった。




