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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
空天狐戦と創星龍神の試練
1546/1718

#1377 氷瀑竜と瀑布竜

まずは氷瀑の上から分厚そうな氷の鱗を持つ西洋のドラゴンが現れた。


氷瀑竜アイスウォールドラゴンLv83

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


グレートネイチャードラゴンより弱いが他のネームドより強いな。そしてもう一体は氷瀑の下、氷をぶち破って現れた。


瀑布竜ラージウォーターウォールドラゴンLv83

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


こっちはサーペントタイプで身体は白色だ。


「シャー!」


「ギャオオオー!」


「キャッスルランパード!」


いきなりラージウォーターウォールドラゴンが大海ブレス、アイスウォールドラゴンは極寒ブレスを使って来た。これをクリュスがしっかりガードしてきたがアイスウォールドラゴンが氷山を二つ作り出すとこっちに投げて来るとそれと同時に襲い掛かって来た。かなり攻撃的なドラゴンだな。


「「「「シャー!」」」」


「舐めないでください! グランドサザンクロス!」


「テンペストペネトレイター」


氷山はディアンがドラゴンブレスで破壊するとイオンとリアンが迎え撃つ。するとグランドサザンクロスが弾かれ、テンペストペネトレイターは炸裂したが刺さっていない。


「「硬い!? ッ!?」」


「ギャオオオ―!」


ここでイオンとリアンが爆発する。氷爆スキルだ。二人が吹っ飛ばされたことでルミが変わるように攻撃に出ると上に飛んで躱すとラージウォーターウォールドラゴンのドラゴンブレスがルミに来る。


「躱しなさない! ルミ!」


ルミが背後にイオンとリアン、それに俺たちがいることで回避を躊躇したがクリュスの一言で攻撃を回避するとドラゴンブレスはしっかりクリュスが受け止めた。それで安心するルミだが、ルミも上に回避したことでアイスウォールドラゴンはドラゴンクローでルミに襲い掛かって来た。


ルミの氷の鎌で迎え撃つが一撃で破壊されてしまう。しかしルミはすぐさま次の氷の鎌を作り出すと連続で来たドラゴンクローに合わせてなんとか攻撃を防いだが次に来たドラゴンテイルでぶっ飛ばされる。


更にアイスウォールドラゴンはここで水爆スキルを発動されて来た。狙いはルミだ。俺たちはルミの守りに入ろうとしたがそれを許してくれる相手じゃないかった。


「シャーーーーー!」


ラージウォーターウォールドラゴンが叫ぶと俺たちに爆轟が発動し、全員が吹っ飛ばされる。そしてルミには水爆が放たれる。


「大丈夫かい?」


「は…はい…」


「良かった」


俺はなんとかドラゴニュートの少女を守ることに成功はしていた。この子だけは倒させるわけにはいかない。俺がそう思っているとラージウォーターウォールドラゴンが再び叫ぶと俺たちの頭上から滝が落ちて来た。


「ごめん!」


俺は少女を抱きかかえて、お姫様抱っこ状態でその場を離脱する。するとそれを見たアイスウォールドラゴンが俺に狙いを定めて来た。同じ山に住んでいて、尚且つ相手が子供でも容赦なしか。


俺はアイスウォールドラゴンの爪からの連続攻撃に尻尾の攻撃も紙一重で回避する。そして少女を片腕で抱き、片腕を自由にすると拳を叩き込む。


「遅すぎるぜ? 大気震!」


俺はアイスウォールドラゴンをぶっ飛ばす。神々との戦いや風のドラゴンたちとの戦闘に比べると攻撃速度はだいぶ遅い。この間にラージウォーターウォールドラゴンにディアンとクリュスがブレスを決めており、イオンとリアンもラージウォーターウォールドラゴンに接近を試みていた。


「シャー!」


ここでラージウォーターウォールドラゴンの口から白い雲が発生し、周囲を雲海で見えなくさせて来た。そして急に視界を奪われたイオンとリアンはラージウォーターウォールドラゴンのドラゴンテイルでぶっ飛ばされる。


俺はこの状況は危険と考えてみんなと合流しようとしたが空から警告が来る。


「神障壁!」


空から無数の氷柱が降って来た。雲海で視界を奪ったところにこれかよ。しかもこの氷柱が透過スキルで神障壁を抜けて来た。これを見た俺は身体でドラゴニュートの少女を守った。


「お兄ちゃん!?」


「大丈夫だ」


「…雪だるまさん! かまくら!」


ルミの雪だるまさんが俺たちを覆い隠すように現れると俺たちはかまくらに包まれる。そして雪の中からルミが現れた。ルミは放たれた水爆に対して雪だるまさんをぶつけることで爆破範囲から見事に逃げていた。


そして透過スキルですり抜けられるのは一回の攻撃で一回のみ。雪だるまさんをすり抜けてもかまくらと俺の神障壁は突破出来ない。


「…パーパ! 大丈夫?」


「大丈夫だ…防御力も高くなっているからな」


「…許さない」


ルミから殺気が放たれる。そして俺に許可を求めて来た。


「…パーパ。切り札を使わせて。あいつらは絶対に倒すから…お願い」


「いいけど、ルミはそれでいいのか?」


「…うん。ルミは水中戦は無理だから…ここでこいつらを倒すのがルミの役目だと思う」


確かにここから洞窟でドラゴニュートの村が地底湖にあると言うならここからは水中戦が増える流れにはなりそうな気がする。ただ氷の洞窟の可能性もあるからルミの活躍の場がこれで終わるかどうかは分からない。


「…だからお願い」


「分かったよ…その頑固さは誰に似たんだろうな」


「…もちろんパーパ。パーパは大切な人を傷付けられると本気で怒る。だからルミも今、凄く怒っている。神威解放!」


ルミが神威解放を発動させるとスカジが降臨する。


「お前たちを殺してあげる」


「この雲を吹き飛ばすわよ! 暴風壁!」


クリュスが暴風壁で雲海を吹き飛ばす。しかし周囲に二匹のドラゴンはいなくなっていた。そして地鳴りに気が付く。氷柱が降り注ぐ音で落下の衝撃で気付くのが遅れた。


「…雪崩! パーパ! みんなのところに!」


「あぁ! 行くぞ!」


俺はスカジも抱いて一瞬でイオンたちのところに合流する。


「…神技。スリュムキャッスル」


巨大な氷の城が俺たちの前に展開されると氷瀑の上から流れて来た雪崩を止める。ホッとしたのも束の間、竜魔法のクワトロシースパウドが発動し、俺たちの四方から水の竜巻が襲い掛かって来た。


「ずりーな。クリュス!」


「暴風壁!」


俺が魔法の発動した場所をしっかりとらえていた。ラージウォーターウォールドラゴンが隠れていたのは自分が現れた氷瀑の下にある滝壺の水中だ。氷瀑から流れ落ちて来た雪崩から逃げるには最高の場所と言える。


クリュスが暴風壁で守りを固めるとここでアイスウォールドラゴンがドラゴンダイブでスリュムキャッスルに体当たりをして来た。するとスリュムキャッスルの上が破壊される。スリュムキャッスルはスキルには強いが物理攻撃に対してはそこまでの頑丈さは持たない技みたいだな。


「この!」


「イオン、アイスウォールドラゴンの相手はルミがする。ラージウォーターウォールドラゴンをみんなで押さえてくれ。あいつは氷瀑の下にある滝壺に隠れている」


「わかりました! 行きますよ! リアン! ディアン!」


「はい!」


イオンたちが氷瀑に向かうと地面から間欠泉が噴き出してくれるがイオンとリアンはそれを躱し、ディアンは間欠泉を諸ともせずに真っ直ぐ氷瀑に向かう。それを見たアイスウォールドラゴンは旋回して、氷瀑に向かうが目の前に神撃が落ちて助けに向かうことを阻まれた。


「…あなたの相手はルミがする」


「ギャオオオー!」


「…神波動!」


アイスウォールドラゴンが突撃してくれるとルミの神波動が直撃する。以前のスカジでは覚えていなかったスキルだ。あれからルミもだいぶ強くなっている。その成果だ。しかしそれで止まるアイスウォールドラゴンじゃなかった。


「…雪だるまさん。巨大化、荷重支配、重力支配。潰れろ」


巨大な雪だるまさんがアイスウォールドラゴンに落下するとあまりの重さに押しつぶされて地上に落下する。まだまだルミの新スキルは続く。


「…影創造。防御無効。影の棘よ。あいつを貫け」


アイスウォールドラゴンの全身に影の棘が貫いた。


「…神鎖。あいつを拘束せよ」


「ギャオオオ―!」


「…逃げた」


神鎖がアイスウォールドラゴンに襲い掛かるとここで光化が使用されて、アイスウォールドラゴンの姿が消える。そしてルミは上を見るとアイスウォールドラゴンは両翼の氷の翼に光が集まっていく。


「ギャオオオー!」


放たれたのはガンマレイバースト。それを両翼から放つことで威力を倍にしている。


「…反射鏡」


リリーが覚えている光の鏡が展開されるとガンマレイバーストを弾き返した。跳ね返って来たガンマレイバーストをアイスウォールドラゴンは身体で受け止めると反射装甲で逆に跳ね返すがそこにはルミの姿は無かった。


「…時空切断」


ルミのサリエルの鎌がアイスウォールドラゴンに迫る。次の瞬間、周囲に降り注いでいる雪やルミの動きが止まる。時間停止だ。


「ギャオオオー!」


ここでドラゴンフォースと逆鱗を発動させて、ルミにアイスウォールドラゴンは覇撃を放つ。


「タイムフリーズ。悪いな。俺に時間停止は効かないんだよ」


今度は俺が発動させたタイムフリーズでアイスウォールドラゴンの動きが止まる。イオンのお陰で水のドラゴンは時空関係のスキルが使えることはもう知っている。だからちゃんと準備をしていた。そしてクリュスがしっかり時空支配でアイスウォールドラゴンに抵抗を許していなかった。流石に経験の差が出たな。


ここでルミの時間停止が解かれると状況を理解して、俺を見るとアイスウォールドラゴンをルミは斬り刻んだ。


「…全く…世話焼きさんのパーパには困ったもの…あ! …ふふ」


ルミは氷瀑を見ると丁度滝壺からラージウォーターウォールドラゴンが出て来ていた。時間停止でイオンたちをぶっ飛ばすことには成功したがそれ以前にイオンとリアンとの水中戦でラージウォーターウォールドラゴンは大ピンチに追いやられていた。


無理もない。滝壺ならそこまでの深さはないだろう。恐らくラージウォーターウォールドラゴンに少し余裕があるくらいだ。そんな狭い水中戦で足が速く、最強クラスの武器を持つイオンとリアンに攻められたら一溜まりもない。ディアンは足が遅いので、残念ながら滝壺に辿り着きはしなかった。


しかしそのおかげで時間停止が解かれてすぐにラージウォーターウォールドラゴンを補足することが出来て、ドラゴンブレスを放つとラージウォーターウォールドラゴンは霊化で姿を消すとラージウォーターウォールドラゴンが複数現れた。


「夢幻スキルか」


「「「「シャー!」」」」


ラージウォーターウォールドラゴンはドラゴンフォースと逆鱗を発動されて、ディアンに突撃する。


「…氷創造。武装射出」


ルミが空に氷の剣を作り出すとラージウォーターウォールドラゴンたちに氷の剣が降り注いで幻術が消えて、本物だけに氷の剣が刺さった。それでもドラゴンダイブは止められない。


「「「「シャー!」」」」


ディアンのフルバーストのブレス一斉攻撃が炸裂する。


「…終わり。巨大化、荷重支配、重力支配、時空切断」


ボロボロのラージウォーターウォールドラゴンに巨大化したサマエルの鎌が襲い掛かり、真っ二つにされて倒された。


「終わっている!?」


「…ルミもパーパから横槍されたから責めるならパーパを責めて」


まさかの責任転換だ。しかもあのルミからである。やっぱり援護は余計なお世話だったかな?確かにあそこで攻撃を受けても恐らくルミは無事だったし、倒されてもルミの場合は問題ないもんな。


それにしても今回の戦いは成長したルミのスカジの強さを再認識出来たいい機会となった。するとドラゴニュートの少女が抱き着いて来た。


「お兄ちゃんも氷のお姉ちゃんも強かったです! 凄い凄い! あ、そっちのお姉ちゃんたちは弱かったですね」


「私たちも強かったですよ!」


「あの~…イオンお姉様? 私たちは滝壺の中で戦闘していたので、ここからじゃ、たぶん見えていません」


そうなんだよな。滝壺から出てきたラージウォーターウォールドラゴンは傷だらけだったからちゃんと観察すればイオンたちが頑張っていたことは分かるんだが、子供にそれを求めるのは酷だ。


「な…ぐぬぬ~」


リアンの指摘に何も言い返せず悔しそうな声を出すイオンなのでした。その後、俺たちは氷瀑を調べると氷瀑が削られて作られた洞窟の入り口を見つけた。いよいよイオンの故郷に行けると思うと感慨深い。リリーとイオンはずっと俺を支えて来てくれた二人だ。そう考えるとやっぱり二人には故郷に行かせて上げないとずっと思っていた。それがようやく叶うまでもうすぐだ。油断せずに進んで行こう。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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