#1372 燎刃の龍王刀とイオンの無限の剣
俺たちが帰って来るとみんながやって来る。
「試練達成したみたいだね! 二人共!」
「おめでとうございます」
「え?」
「うちらは何も言ってまへんけど」
リリーたちが顔を見合わせると笑顔で断言する。
「言われなくてもわかるよ~」
「そうですよ。そんなタクトさんにべったりくっついておいて何を言っているんですか?」
「試練に失敗していたら、絶対にそんな風にはなりませんよ。お二人の性格から考えて」
何も言い返せない二人でした。顔を真っ赤にしつつ一応結果報告をしているとユウェルがやって来た。
「タク! 燎刃の大太刀とイオンの剣が完成したぞ!」
「え…もう完成したのか?」
一度同じ系統の武器を使ったとしても流石に完成が早すぎる。これが鍛冶書の効果か。そしてイオンの剣も早いな。するとヘーパイストスが言う。
「師匠が弟子に負けるわけには行きませんからね。急いで完成させました」
「流石にウロボロス結晶はわたしの手に余るからな! 師匠とセチアに滅茶苦茶お願いして完成させたぞ!」
ユウェルが迷惑をかけて本当にごめんなさい。二本の武器を見せて貰う。まずは 燎刃の大太刀を見せて貰うと黒い刃に赤いドラゴンのような波紋が描かれていた。手に持つ前からとんでもない力を発している。
「終焉龍王の龍神石とウロボロス結晶を合わせた武器か…」
俺が手に持つと大太刀から脈打つような感覚を感じるがそこから先は力が落ち着いていく。
「流石ですね。タクトさん」
「いや、俺が先にウロボロスリープリングに触れていたから何も無かったよ」
「それならよかったぞ! タク! 名前を付けてくれ」
俺は大太刀を掲げてみる。この武器は世界の破滅させるほどの力を持っていることは明らかだ。だからこそ俺はこの名前を付けたい。
「緋桜…なんてどうだ?」
「おぉ! なんかいい名前だぞ! どうだ? 燎刃!」
「いいと思いますけど、なんといいますか…綺麗すぎる気が」
「その評価で正しいよ。あれはあえてそういう名前を選んだんだ。いいか? 燎刃。この武器は世界を破壊する力を持っている。でもな。そんな武器でも俺は悪とは思わない。武器に善悪があるわけじゃなくて使う人に善悪があるんだ。だからこの武器を持つ者にはかなりの責任が発生する。 燎刃ならきっと正しく使えると信じて明るい名前を選んだ。もし何かあった時は武器の名前から光を得て欲しい」
「タクト殿…配慮、ありがとうございます。緋桜、正しく扱って見せます」
燎刃に緋桜を渡す前に鑑定する。
龍王大太刀緋桜:レア度10 大太刀 品質S+
重さ:80 耐久値:なし 攻撃力:12000
効果:神殺し、英雄殺し、大物殺し、灰燼、万物切断、時空切断、魔力切断、怪力、溶断、魔素刃、防御無効、重圧、魔力吸収、魔素吸収、融解、溶接、無限連撃、無限魔力、無限のルーン、爆心、紅炎、虚無壁、溶岩壁、神気、竜気、次元震、魔素支配、炎熱支配、無限乱刃、溶輪、黒雷、火山雷、火砕流、大焦熱、放射熱線、死滅光線、溶波動、無波動、覇撃、王撃、核撃、黒星、大噴火、天変地異、加護破壊、領域破壊、耐性無効、魔素解放、妖刀解放、火龍王解放、魔竜解放、終焉龍王の加護、無限竜の加護
刻印効果:荷重支配、瞬間再生、重力支配
制限時間:5分
青生生魂とウロボロス結晶の合金に終焉龍王アポカリプスドラゴンの力が宿った創造神すら想定していない黒い色の大太刀。 終焉龍王アポカリプスドラゴンとウロボロスドラゴンの力が宿っていることでお互いに力を増し合い世界を終わらせる程の力を持つ武器となった。ただし無限の力は人間には強すぎるために5分経過すると持ち主は死んでしまい、持ち主の精神にも影響を与える可能性があるので、扱いにはかなり慎重にならないといけない。
恐らく俺たちの武器の中で一番の化け物武器が誕生した。流石にこれは神刀解放や神威解放でどうにかなるレベルを超えている。しかもそれがヘーパイストスが少し手伝う程度でほぼユウェルが作製した物でこれだ。鍛冶書は間違いなくユウェルの力となったことを証明しているな。
「タクト!? 皆さん!? 大丈夫ですか!?」
ここでシルフィが慌ててやって来た。俺たちが無事な様子を見て、シルフィはホッとすると事情を話してくれる。
「とんでもない力を感じて慌てて来たんですけど」
「あぁ…たぶん緋桜のせいだな」
「緋桜ですか?」
「あれだよ」
シルフィが緋桜を見て、納得する。
「あれのせいですね…」
「だよなぁ」
ここで俺たちは力を試す事にした。相手は天翔だ。場所は聖域の島で行われる。フリーティアで試すとフリーティアが吹っ飛ぶ可能性が怖かった。それぐらいの恐ろしさを緋桜から感じるんだよね。
「お兄様、絶対に壊さないように使うように!」
「分かっているよ」
俺と燎刃がお互いに構えを取るとスキルを発動させる。
「風龍王解放!」
「火龍王解放!」
天翔から巨大な竜巻のドラゴンが現れると緋桜から七つの炎のドラゴンが現れる。そして両者が地面を蹴り、強く踏み込みしてそれぞれの刀を振るう。すると両者のドラゴンが激突すると天にまで上る火竜の火炎旋風が発生した。そしてお互いに距離を取る。
天翔を見ると耐えてはいるが武器の耐久値はかなり削られてしまった。
「やっぱりぶつかったらダメな刀だな。というか緋桜に耐えた天翔を褒めるべきか」
「どちらも自信作だからな! でも作ったわたし自身が驚いている。緋桜の力にも天翔の力にも」
「そうだな…でもこれは性能チェックというか超連携の実験になってしまったな」
「「「へ? あ」」」
ユウェルとアリナと燎刃が俺と同様に空を見ると天まで昇る七つの炎のドラゴンが最初に現れた時より大きくなっていることに気が付いた。以前にも言ったが強すぎる風は火を消すが同等か火の威力が強ければそれは火の威力を更に増す結果となる。今回は火の力が上回った結果から火の威力をあげる結果になったんだろう。
ただ緋桜はウロボロス結晶の力も考えて本当に切り札の武器だ。こうなるとやはり長時間戦える強い武器が欲しい。そんなわけで今回はヘーパイストスにもう一本大太刀を依頼することになった。今度は赤国天竜の竜石を使ったものとなる。恐らく倍化の力が宿るはずだ。緋桜に倍化の力を持つ大太刀の二刀流。筋力で勝てる人がいるんだろうかと疑問に思ってしまう組み合わせだ。我ながらえげつない。
そしてユウェルには自分の命農龍王の龍神石を使った武器を依頼した。武器の種類はユウェルに任せた。ついでにドラゴニックマウンテンで手に入った素材をユウェルと和狐たちに預ける。ユウェルが中心になって防具を作ったほうがいいという判断だ。
次にイオンの武器を確認する。
ウロボロスグレイザー:レア度10 片手剣 品質S+
重さ:50 耐久値:なし 攻撃力:10000
効果:神殺し、英雄殺し、不死殺し、無詠唱、竜気、英気、重圧、無限魔力、無限詠唱、無波動、時空切断、魔力切断、万物切断、虚無壁、次元震、無限乱刃、無限連撃、無限のルーン、奪取、斥力場、重力場、荷重支配、魔素支配、重力支配、精神誘導、無限復活、不死身、魔素化、天候無効、支配無効、耐性無効、物理無効、魔素解放、魔剣解放、魔竜解放、無限竜の加護
制限時間:5分
アダマントとダマスカス鋼の合金にウロボロス結晶を加えて作られた剣。無限属性の剣でウロボロスドラゴンの力が宿っていることで斬った相手の力を奪い取る特殊な能力がある。ただし無限の力は人間には強すぎるために5分経過すると持ち主は死んでしまい、持ち主の精神にも影響を与える可能性があるので、扱いにはかなり慎重にならないといけない。
これはリリーのウロボロスリープリングと変わらない。そして取り敢えずこれでウロボロス結晶を使い果たしたらしい。これはしょうがない。一つだけ言える事はこれから行くドラゴニックマウンテンはだいぶ楽になったはずだ。更に俺自身の強化も行う。
俺が新しく覚える禁呪は土属性魔法と爆発魔法の禁呪であるグラビティ・コプラスとハイパーノヴァ。残念ながら俺ではビックバンは覚えることが出来なかった。これは禁呪魔法使いの特権らしい。それでもハイパーノヴァは十分な威力を誇っている。
そしてグラビティ・コプラスの重力崩壊にはダメージと共に範囲内の敵の動きを封じる効果がある。この二つの禁呪の組み合わせが強い事はサルワ戦で証明済みだ。
そんなわけで取得する。
『禁呪【グラビティ・コプラス】取得しました』
『禁呪を二つ取得しました。これ以上の禁呪の取得には200ptが必要となります』
『禁呪【ハイパーノヴァ】を取得しました』
これで俺の残りスキルポイントは376ptとなった。禁呪の取得ptの上昇は魔法使い職種以外の人が禁呪を取得した場合に発生するらしい。これはもうしょうがない。このままだと俺が禁呪魔法使いの究極系である全属性の禁呪を扱える意味不明な存在になってしまうからね。
とにかくこれで戦闘準備は整った。後は恐らく雪山となる水のドラゴニックマウンテンの対策で一応身体が温まる料理を今日はみんなで作る。
「…」
「リリー? つまみ食いはだめですよ? ノワもです」
イオンの監視の目は日に日に増していくな。料理が完成してお城とギルドに料理の一部を届けた。これからみんなベルゼブブに挑む。俺たちに出来る事はこれくらいだからな。
「それじゃあ、行くか。イオン」
「はい! 行きましょう! タクトさん!」
こうして俺たちは水のドラゴニックマウンテンの攻略に向かうことにした。




