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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ドラゴニックマウンテン
1519/1718

#1423 ワームの洞窟

俺たちは土のドラゴニュートの村長の言う通りに道を進むとその道は想像より厳しいものだった。隆起した岩で道が狭くなっていたり、天井が狭くなり匍匐前進(ほふくぜんしん)でしか通れなかったりした。


しかし指示通りに進んでいくと大きな洞窟に出た。これだけの大きさなら黒鉄とストラを召喚しても良さそうだ。ストラは窮屈だと思っていたが召喚すると上半身を地面に潜り、三つの首だけ顔を出した。なるほど…これならストラは洞窟でも問題は無さそうだな。ここで俺は後ろを振り返る。


「後ろの道がたぶん普通にこの洞窟に入る道だな」


洞窟の入り口だと思える場所が遠目に確認出来た。するとリビナが土のドラゴニュートが作った洞窟の感想を言う。


「よく作られているね。真っ直ぐ来た人からすると普通の壁にしか見えないよ」


「確かにこっちから来た人からするとここに隙間があることは気付けないだろうな。後ろを振り返れたら、気付くかもしれないが道も凄かったからな」


「隙間を通ったり、上に上がったと思ったら、下の隙間を通らないと行けなかったり、お陰で汚れっちゃったよ」


「それ全部が侵入を防ぐためだからしょうがないだろう。それだけ土のドラゴニュートの村は重要ってことだな」


もっと細かいことを言うと土のドラゴニュートの村の入り口が正規ルートの洞窟の入り口から近すぎる。こんな近くに隠し道があるなんて普通は思わない。ここら辺はゲームの知識を逆手になっているところだな。


改めて土のドラゴニュートの村の凄さを再認識したところで洞窟攻略を進めていくと洞窟の美しさに心が惹かれる。


「まぐまぐまぐ…タク、この洞窟最高だぞ」


「マナクリスタルの宝庫だな。そのおかけげで明るいし、正直助かる」


土のドラゴニュートがここを住処にしている理由が物凄く分かる。他にも採掘ポイントが沢山あり、銀鉱石や金鉱石、ダイヤモンドなどが採掘出来た。鉱物資源が多種多様で豊富な洞窟だ。これなら鍛冶も(はかど)るだろうな。


しかしここはドラゴニックマウンテンの洞窟だ。当然難易度も高い。


「タク! 敵が来る!」


「どこからだ!」


「わからない! 洞窟全体が揺れてる!」


洞窟の天井から敵が顔を出した。


クォーツワームLv74

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


青白い体を持つワームが現れたと口から水晶を発射して来た。


「黒鉄!」


黒鉄が真正面から受けてくれると水晶投擲の効果で爆発する。この間に虎徹が間合いを詰めて、襲い掛かると土に潜られて逃げしてしまう。


「シャー!」


「シャー!」


「ドラゴンホイール!」


今度は後ろの洞窟の側面からクォーツワームが現れて、水晶を飛ばして来るとストラが撃ち落とす。そしてユウェルが突撃するがまた土に潜られて逃げられてしまう。


「厄介なことになったな」


これじゃあ、完全にもぐら叩きゲームをしている形になっている。しかしそっちがその気なら彼らの土俵で戦うだけだ。


「ユウェル、黒鉄、ストラ。地中戦を挑んでくれ」


「え? でも、それだとタクを守るのが」


確かに盾役がいなくなるのはこの状況だと辛いところはある。


「ボクと虎徹がいるでしょ? それにタクトには考えがあるみたいだよ」


「そういうことだ。ユウェル、油断するなよ? 恐らく相手は地中戦を誘っている。簡単にはいかないぞ」


「わかった! タクたちを信じて、慎重に戦って来るぞ!」


「あぁ。頑張って行って来てくれ」


三人が土の中に潜る。俺たちは俺たちで準備を整えよう。そしてユウェルたちの地中戦が始まる。はっきりいって土の中はワームのホームグランドだ。流石に地中での速さは向こうに分がある。


「速い! それに予想よりずっと多い!」


「シャー!」


「うわぁ!? 金剛装甲! 超装甲!」


クォーツワームは口を開けながら高速回転してユウェルに噛みつく。それをユウェルは身体で止めた。生憎ユウェルが今まで戦って来た敵は基本的にユウェルより足が速い敵ばかりだった。だからこそこの状況での戦闘にユウェルは迷いがない。


「生憎わたしは硬いんだ! それに…来い! 神籠手ユウェルバスター! お前を倒すパワーもある!」


「シャー!?」


ユウェルが見事なカウンターを決めて、クォーツワームを撃退する。これを知ったクォーツワームは次々襲い掛かって来るがユウェルの守りからのカウンターで全部返り討ちにされる。


これと同じ結果となっているのが黒鉄だ。土を掘るために腕をドリルに超変形させている黒鉄は突撃してきたクォーツワームを腕を元に戻して捕まえるとパイルバンカーでクォーツワームを砕いた。


他にもドイルで敵の噛みつきと激突すると逆に水晶の牙を破壊して見せた。金属と水晶では硬さのレベルが違う上に黒鉄の体は最強の金属であるオリハルコンだ。勝てる見込みはない。


逆に彼らが勝てる見込みがあるのはストラだ。金剛装甲で硬くしてもストラ自信の防御力はそこまで高くない。結果としてクォーツワームの噛みつき攻撃のダメージを受けている。これに対してストラは噛みつき返して撃退しているがこれを知ったクォーツワームは狙いをストラに絞って来た。


無数のクォーツワームに襲われたストラは倒させるが不死身スキルが発動する。流石にワームに不死身の怪物は倒せるスキルはない。しかしクォーツワームたちは馬鹿では無かった。


ユウェルたちを襲い続けることで俺たちを分断して、地中にいる自分たちを狙えない俺たちに狙いを絞って来た。


「来るぞ」


「ガウ!」


「準備万端だよ! タクト」


俺と虎徹が自分たちの真下の地面が砕けたタイミングで動いて、クォーツワームの噛みつき攻撃を躱す。俺たちが移動する度に下からだけでなく天井や側面の壁から次々クォーツワームは現れるが俺たちは全部回避する。


そして洞窟の中に現れたのが彼らのミスだ。洞窟の中はリビナが苗木スキルで茨の木が生えており、現れたクォーツワームを自動攻撃で攻撃する。その隙を俺と虎徹は見逃さない。次々クォーツワームを一刀両断していく。


「シャー!」


「おっと。どこに逃げるのかな? 逃がさないよ」


洞窟の中央の空を飛んでいたリビナが鞭の白蛇が逃げようとしたクォーツワームを拘束すると茨の木がタコ殴りすると最後は消滅弾で消し飛ばした。これで取り敢えず戦闘終了だ。


「数は多いがこれならなんとかなるな」


俺はそう思っていたがそこまで甘い洞窟では無かった。歩いていた俺たちの前に俺たちが知っているワームが現れると手足の空間が歪む。次元歪曲だ。


「時空切断! あっぶね…」


現れたのはウィザードオーブと戦争している時に出会ったディメンションイーターだ。レベルはクォーツワームと同じで以前戦った奴より強いことが分かる。何せ彼らが展開しているのは空間装甲ではなく時空断層にレベルアップしている。それが正面と背後に六体現れた。


「やるぞ。黒鉄、虎徹。こいつらには時空切断でまず時空断層を突破しないと始まらない。攻撃のタイミングは時空断層を突破したときだ」


「わかっているぞ!」


「攻撃は任せて」


「「「シャー!」」」


黒鉄は正面、俺と虎徹が背後のディメンションイーターに襲い掛かると暴食スキルを発動させてきた。この辺りは変わらないな。


「生憎簡単に吸い込まれるレベルじゃ、もうなんだよ!」


「ガウ!」


俺と虎徹はまずすれ違い様に斬り裂くと同時にディメンションイーターの背後を取った。そして連続で斬って、時空断層を破壊しようとすると今度は次元圧縮が使われて、一度距離を取って躱すと完全に時空断層を破壊した。


するとディメンションイーターは息を吸い込むと時空ブレスをユウェルたちに放ってきた。


「二人とも! わたしの後ろに! ストラ!?」


「「シャー!」」


一つの首がリビナとユウェルを守り、もう一つの首が中央の首を守るように動いて、時空ブレスが直撃するとストラの首がねじ切れてしまう。あれをユウェルが受けていたら、ユウェルは恐らく無事では無かったと直感で思った。だからこそストラは自分の首で守ったのだ。恐らくどのブレスでも相殺できるブレスでは無かったんだと思う。


「虎徹!」


「ガウ!」


俺たちが超連携を発動させて、二人で連続でディメンションイーターを斬りまくって倒す。防御力がある訳ではないところが救いだが、時空属性の攻撃は本当にヒヤッとすることが多い。


そんなディメンションイーターに黒鉄は真っ向から突撃してドリルの時空切断で時空断層を一瞬で破壊してそのまま貫いて倒していた。俺たちの苦労はなんなのか聞きたくなる。


その後も同じレベルのワームモンスターの襲撃が続いた。次に現れたのはダイヤモンドワーム。身体がダイヤモンドのワーム。こいつらは俺と虎徹では斬れなかった。そんな彼らだが、黒鉄のパイルバンカーとユウェルの神籠手ユウェルバスターで粉砕された。


次に現れたのは紫色のぼよぼよした身体が気持ち悪いパンデミックワーム。洞窟の中で毒霧や厄災スキルを容赦なく使って来た。


「魔王波動!」


「ドラゴンブレス!」


「「「シャー!」」」


リビナの魔王波動とユウェルのドラゴンブレス、ストラの火山弾で消し飛ぶ。弱いと思っているとパンデミックワームが倒された場所が毒沼になっている。天井まで毒沼になっており、毒が垂れている。


「迷惑極まりないな」


「「同感」」


「パーマフロスト」


洞窟全体を凍らせて、状態異常を治して前に進んだ。その後もワームの襲撃が続いたがようやく洞窟の出口が見えた。


「出口が見えたぞ! タク!」


「結構苦労したな」


「あちこちから奇襲を受けたからね…つもりより気にすることが多くて結構大変だったかも」


リビナの言う通りだ。ずっと気を貼っていたから精神的な疲労がかなり蓄積する洞窟だった。そんなワームだらけの洞窟に最後のワームが現れた。それがラーヴァワームだった。お前らは火のドラゴニックマウンテンが住処じゃないかい。俺が心の中でツッコミを入れているとラーヴァワームたちを息を吸い込む。


「ちょっと待て…やばい! 黒鉄! 洞窟全体を塞ぐ壁の形に超変形! 急いでくれ!」


「「「「シャー!」」」」


洞窟全体を覆う量の溶岩が流れて来た。そう来るよな。最悪だ。水中スキルと溶岩の熱に耐えないとこれだけで全滅があり得るぞ。要はあいつらが狙って来たのは洞窟にいる敵に対する水攻めと言っていい。現実なら最悪の作戦だ。水で洞窟の通路が無くなれば洞窟内の酸素が無くなってしまう。その上水の洞窟はプロのダイバーでは命の危険がある危険な場所だ。酸素ボンベがあっても道に迷ったら、限られた酸素というプレッシャーにパニック状態になってしまう人もいるとネットのニュースで見たことがある。


それを溶岩で行うという残虐性。許す訳には行きません。


「「「「シャー…シャ!?」」」」


「わたしたちがこんな作戦でやられると思うか!」


「「「シャー!」」」


ユウェルとストラが地面から逆に奇襲して、ラーヴァワームたちを倒した。そして溶岩が流し込まれた洞窟は黒鉄の腕が洞窟全体を塞ぐことで溶岩の流れを止めていた。俺とストラがシフトチェンジで入れ替わり、俺が神剣エスカトンリープリングの海流支配を使い、溶岩を洞窟の外に流した。


「全く…後処理のことを考えろや。もう大丈夫だぞ。黒鉄。解除してくれ」


「助かったよ。黒鉄。流石最強の盾役だね」


「むぅ…流石に黒鉄が相手だと文句は言えないぞ」


「そんなことはないだろ。ユウェルはもう文句が言える程の盾役になっていると思うぞ。たぶん黒鉄が一番理解しているんじゃないかな?」


以前行った俺たちだけのトーナメント戦をする場合、ユウェルと黒鉄との対戦は是非見て見たいカードの一つだ。かなり激しい戦闘になると思うんだよね。


「タク…」


「おや? またタクトがユウェルを惚れさせたね?」


「そ、そんなことはな…くはないかもしれないぞ」


「あったんじゃん」


リビナのツッコミに顔を真っ赤にするしかないユウェルだった。さて、洞窟を抜けた先はどうなっているかはもう想像が付いている。俺の目に枯れ果てた森と毒沼が広がっている光景が飛び込んで来るのだった。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] ストラ超覚醒使ってない時は25の首で超覚醒使うと100の首になるの3つの首って表記されている
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