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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ドラゴニックマウンテン
1511/1718

#1415 終焉龍王アポカリプスドラゴン戦、後編

俺たちとジエンドゴッドドラゴンの膨大の気と魔素が発生すると遂に戦闘が始まった。


「『ドラゴンダイブ!』」


両者が火のドラゴニックマウンテンの頂上で激突する。この時にお互いに重力場が激突したがお互いに物理無効が発動し正面衝突した結果、大爆発が発生する。


「『核撃! 黒星! おぉおおおおお!』」


吹っ飛ばんだ俺たちは両手に核撃と黒星をそれぞれ作り出して、お互いに接近すると再び激突した。これもお互いに吹っ飛ぶことになった。するとジエンドゴッドドラゴンの胸の目が真っ赤に光る。


「破壊光線!」


『神障壁! ッ!?』


紅の光線を放たれると俺たちはそれを神障壁でガードしようとしたが貫通して身体が爆発する。防御無効効果がある爆属性の光線か。もう下手な防御スキルはダメージを負うだけだな。それなら火力で勝負するべきだろう。


『行くぞ! 燎刃! ファリーダ!』


『はい! 炉心暴走!』


『逆鱗!』


「ははははは! 火力で挑んで来るか! それでこそだ! 炉心暴走! 逆鱗!」


近付く者全てを亡き者にしような危険なオーラを放つ俺たちは空で激しい戦闘となる。


『「ドラゴンクロー! ドラゴンテイル! ドラゴンウイング! ドラゴンブレス! ドラゴンノヴァ!」』


ドラゴンクローで殴り合うとドラゴンテイルで激突して、吹っ飛ぶとドラゴンウイングで何度も激突するとお互いに息を吸い込み、ドラゴンブレスが激突すると互角に終わるとお互いに接近して至近距離でドラゴンノヴァが発動する。


「ははははは! いいぞ! もっとだ! もっと俺様を楽しませろ! 強欲門!」


封じたと思っていた強欲門が発動して俺たちに炎の魔剣が降り注いできた。


『主!』


『怯むな! 突っ込め! ファリーダ!』


『灰燼!』


俺たちは降り注ぐ魔剣を灰燼スキルで耐久値を減らすことで消滅させながら接近すると再び激突する。戦いながら俺は先程の強欲門について考えた。恐らく今の姿になったことで七つの首が一つになったことでスキルの再使用が可能になったと予想される。後は俺の推測が外れていており、首を無くしてもスキルを使える可能性だな。


『はっはー! 怠惰門!』


『雷化!』


『スピードで躱すか!』


怠惰門は発動対象を選ぶタイプのスキルであることは把握していた。それなら選択できない速度で動けば封じられる。そして雷となった俺たちは一方的にジエンドゴッドドラゴンを殴るがここでジエンドゴッドドラゴンは詠唱を開始する。


『させるか! ッ!?』


「ふん!」


詠唱をフェイクに使われて、カウンターの拳で俺たちは吹っ飛ばされると周囲の空間が歪む。


「冥府鎖!」


雷化状態だったので、空間から現れた冥府鎖は躱すことが出来た。しかし大噴火の効果で発生した溶岩がドラゴンの姿となって、俺たちに次々襲い掛かってきた。気が付けばフィールドはストラが超覚醒したときのように溶岩のドラゴンの首だからとなっていた。そしてジエンドゴッドドラゴンは詠唱を再開する。


俺たちに二つの選択が迫らわれる。止めるために動くべきか。魔法を敢えて発動させて、ジエンドゴッドドラゴンに強力な一撃をお見舞いするか。


『…受けてたとう』


『わかりました! しかしタクト殿? どんな攻撃をしますか?』


ジエンドゴッドドラゴンが使おうとしている魔法は禁呪クラスの魔法であることは明白だ。ならこちらも禁呪を使わないと対抗することは出来ないだろう。しかし俺は禁呪を使わない決断をした。


『俺たちの全力攻撃で受けて立とう』


『わかりました!』


『力を集めるわよ!』


俺たちの両手にインフィニットエクスカリバーと神剣天羽々斬を出し、能力の全解放をすると同時に口に力を集まる。


『溶ブレス! 冥ブレス! ドラゴンブレス! 超集束!』


『太陽と創造の神を倒した一撃に耐えてみろ!』


『『『インフィニットテンペスター!』』』


「禁呪! メルトダウン!」


俺たちの攻撃がジエンドゴッドドラゴンに直撃する。しかしそれと同時に炎魔法の禁呪であるメルトダウンが発動する。空に真っ赤に輝く球体が作り出されると俺たちの身体が灼熱の熱気で身体が溶岩となり、溶けていく。俺たちだけでなく、溶岩から逃れていた岩まで熱で溶けて、溶岩となった。


メルトダウンは日本語では炉心溶融(ろしんようゆう)という。原子力発電所で事故が起きた時に聞くことがある言葉で核燃料が(ねっ)し過ぎたことで液体となってしまう現状だ。このゲームでは溶ける対象は核燃料ではなく、敵や周囲の物みたいだね。


『ぐわぁあああああ!?』


『『あぁあああああ!?』』


溶岩に包まれたドラゴニックマウンテンに静寂が訪れる。すると溶岩が噴き出し、中からアポカリプスドラゴンが現れた。


「流石に今の攻撃は効いたぞ? 暴食で食べていなかったら、届いていたかも知れんな」


「倒せていないか」


禁呪を発動させてから暴食で俺たちの攻撃を食べることでダメージを軽減したのか。対する俺たちもインフィニットエクスカリバーの不死身の効果で無事だったが竜化どころかマリッジバーストまで切れて、満身創痍な状況だ。


「終わりだ」


『やぁあああ!』


『やらせまへん!』


「キュー!」


まだ獣化状態の恋火と和狐、ジークが襲い掛かった。三人は恋火と和狐が展開した二重の遮断結界でメルトダウンを耐えていた。


「決着がついたドラゴン同士の戦闘に口を出すな!」


三人がアポカリプスドラゴンに返り討ちにある。


「最後だ。お前たちに絶望と圧倒的な力を見せてやろう。傲慢門(ごうまんもん)! おぉおおおおお!」


アポカリプスドラゴンの周囲にドラゴンの霊体が現れるとアポカリプスドラゴンの中に入っていき、周囲の溶岩もアポカリプスドラゴンに吸収されていく。その結果、アポカリプスドラゴンの身体がどんどん巨大化していった。


これが傲慢門の効果か…見た感じだと強化スキルだな。もちろんただの強化とはわけが違う。どれだけ強化されたのか分からないが相当なものだろう。救いがあるとするなら体力と魔力は回復していないところだな。しかもここで更にドラゴンフォースまで使用された。


「この傲慢門の強化は解除することが出来ない。ドラゴンフォースは別だがな。それでもまだ戦うか?」


『もちろんです!』


『タクトはんが生きている限り、うちらが戦いをやめることはありまへん!』


「キュー!」


三人がアポカリプスドラゴンに挑むが一撃で次々ぶっ飛ばされていく。それでも必死に攻撃を続けるが恋火と和狐がドラゴンブレスが直撃して、元に戻り、ジークも噛みつかれて、地面に叩きつけられた。


「終わりか…なかなか楽しめだぞ。ドラゴンクロー!」


倒れて動けない俺にドラゴンクローが迫る。すると金属音が鳴り響いた。攻撃を受け止めたのは燎刃だった。


「はぁあああああ!」


「何!?」


しかも燎刃は押し返した。


「なぜ俺様たちが力で負ける!? っ! 貴様らの仕業か!」


「当たり前だろ?」


「私たち以外に誰が燎刃を強く出来るって言うのよ」


俺たちが使ったのは暗黒魔法のサクリファイス。自分の生命力を一だけ残し、全ステータスを仲間に付与する魔法だ。これを俺とファリーダが使用して、燎刃を対象に選んだ。既に満身創痍な状態だからデメリット効果はそこまで気にならない。


恋火たちがアポカリプスドラゴンに挑んだのは俺の指示で時間稼ぎを頼んだからだ。三人は見事に時間を稼いでくれた上にアポカリプスドラゴンの注意を俺たちから逸らさせてくれた上にジークは半減の効果まで弱体化に成功している。


そして俺が託したのはこれだけではない。燎刃が俺が渡した旭光近衛を構えると旭光近衛から稲妻が発生する。


「タクト殿、使わせていただきます! 英雄技! 霹靂閃電!」


俺が恩恵で託した英雄技を燎刃が発動させると燎刃はアポカリプスドラゴンを斬り刻んだ。


「ふ」


「はぁ…はぁ…」


「よくやった」


アポカリプスドラゴンがそういうと身体が斬られた箇所から溶岩が血飛沫のように発生するとアポカリプスドラゴンは倒れた。そしてインフォが来る。


『ドラゴニックマウンテンの二つ目の山をクリアしました。セーブポイントが解放されました。中断することが可能です』

『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント5ptを獲得しました』

『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント5ptを獲得しました』


『燎刃のレベルが50に到達しました。成長が可能です』

『和狐のレベルが50に到達しました。成長が可能です』


『燎刃の刀のレベルが50に到達しました。刀【閃影】を取得しました』

『燎刃の太刀のレベルが50に到達しました。太刀【雲耀】を取得しました』

『燎刃の竜技のレベルが50に到達しました。竜技【ドラゴンフォース】を取得しました』

『和狐の杖のレベルが40に到達しました。杖【マジックブラスト】、【マジックシールド】を取得しました』

『和狐の狐技のレベルが50に到達しました。狐技【フォックスフォース】を取得しました』


インフォが来たが死闘が終わった安心感から燎刃が倒れたことで俺たちは見事に全員倒れている状況となった。回復スキルで生命力と魔力を回復してからみんなをテレポートで集めて改めて勝ったことを伝えた。


「キュ~」


「やりました~」


「全く…こんなとんでもドラゴンとは二度と戦いたくないわ。命があることが不思議でならないもの」


ジークと恋火は戦いが終わって安心している様子だ。ファリーダの感想は俺も同感である。しかし俺は後四体の同格のドラゴンと戦うことになるんだよな。泣きたくなってきた。メルトダウンのダメージはエデンの炎の試練の時に味った痛みを超えていたんですけど。


「「…勝った?」」


和狐と燎刃は信じられていない様子だ。こういうところでも性格の差が出るのは面白いよな。二人を抱き寄せて改めて勝ったことを伝えると二人もようやく認識が出来てきたようだ。みんながそれぞれ話している間に俺はステータスを操作する。ステータスポイントは俊敏性に振って、残りのスキルポイントは671ptとなった。後は報酬の確認をこれからしていこう。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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