#1406 火蜥蜴の住処
俺たちが転移して、次のドラゴニックマウンテンに向かうとそこは予想通り火属性のドラゴニックマウンテンだった。どうやら目指すドラゴニックマウンテンの山頂は火山らしい。噴煙で空が雲に包まれており、火山灰が降り注いでいる。
攻略のルート的には飛行ルートと地上ルートがあるっぽい。俺たちの目の前の地上ルートは一面が溶岩となっている対策が無ければ厳しいだろう。幸い俺たちはテューポーンと対戦する時に溶岩は対策済みだ。逆に空はフィールド的な障害がないように思える。逆に言うと登場する敵の強さは上がりそうだよね。
そして今回選んだメンバーは恋火、和狐、燎刃、ファリーダ、ジークだ。ジークはウェルシュドラゴン対策、燎刃は火属性のドラゴニュートで選ぶことは確定している。後はもう火属性でガン押しだ。最後に登場するアポカリプスドラゴンもサタン関連であることを考えるとファリーダを選びたい。ぶっちゃけブランを選ぶか迷ったけどね。ここは火属性の魔神であるファリーダを選んだ。
そのファリーダが目の前の光景を見て、感想を言う。
「ここが火属性のドラゴンの住処なのね…破壊と殺気が渦巻いていてなかなかいい所じゃない。燎刃」
「あ、ありがとうございます!」
お礼を言うところだったのだろうか?燎刃がいいならそれでいいか。装備を整えて俺が武器を抜くとみんなも戦闘態勢に移る。それじゃあ、攻略を始めよう。
ジークが低空を飛び、俺たちが溶岩の上を歩いていると早速敵が溶岩の中から奇襲を仕掛けて来た。
サラマンドラLv70
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
現れたのは炎の盾と炎のサーベルを持つ火竜の鱗のリザードマンだった。サラマンドラはリザードマンの第五進化だね。こいつが集団で溶岩の中から奇襲を仕掛けて来た。
「「「「「シャー!」」」」」
「「「はぁ!」」」
奇襲のはずが恋火、燎刃、ファリーダにぶっ飛ばされる。盾も剣も機能していない。悲しいことだが実力差は歴然だな。いくら盾でもパワーで負け過ぎていると普通に負けることが証明された。
「はぁあああ!」
そんな戦いをしている中、やはり燎刃が張り切っている。回転しながら重斬の魔竜剣で振るって敵を薙ぎ倒す。それを見た恋火とファリーダもやる気を出していく。
「タクトに戦わせたら、ダメよ! 二人共!」
「はい!」
「分かっています!」
どうやら俺に戦闘参加させない方針らしい。
「そんなに戦闘参加してほしくないもんか?」
「いつも言っているけど、嫌ではないわ。ただ召喚獣は召喚師を守るのが普通なのよ。私たちはどこまでの敵ならタクトを戦わせなくていいのか知りたいって感じね」
みんなはみんなでしっかり考えているわけね。みんなが一生懸命考えて決めたことなら俺はそれを尊重しよう。そう思っていると恋火たちが押され始めた。その原因はサラマンドラが持つ不屈。これで倒すのが遅れて、次々敵が増えていき、押され始めたのだ。しかもサラマンドラたちが左右に分かれ始めた。これは非常によろしくない。
『悪いけど、少しだけ助力するぞ』
『えぇ。お願い』
みんなの了解を得たので、俺は魔導書を出して魔法を発動させる。
『『『『『『アシッドレイン』』』』』
サラマンドラたちに酸性雨が降り注ぐ。すると不屈で耐えていたサラマンドラたちが次々力尽きる。不屈の弱点は状態異常によるダメージだ。酸性雨は広域に雨を降らせて、浴びた者にダメージと腐蝕を付与する。これは武器や防具の耐久値に対してもダメージが適応されるのが酸性雨の特徴となっている。
これによりサラマンドラたちが腐蝕のダメージで倒れたのだ。こうしてみると火属性はやけどのダメージがないと他の状態異常系のスキルは持っていないのが弱点だな。
「キュー!」
三人が俺からの援護を受けて次々サラマンドラを倒しているとジークが空に向かって叫ぶ。そりゃあ、空からも敵は来るか。識別する。
サラマンダーLv75
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
リザードの第五進化だね。どうやらこの溶岩エリアはサラマンドラとサラマンダーの住処らしい。次々敵がやって来る。やはりこのドラゴニックマウンテンは足を止めていたら、消耗するだけだな。俺たちは敵を蹴散らしながら前に進んでいく。これがドラゴニックマウンテンの攻略の進め方でいいはずだ。
空ではジークと和狐のコンビがサラマンダーを倒している。サラマンダーの特徴は通常の火属性のドラゴンより防御力と生命力が高い。その代わりに筋力と器用値が低いのだが筋力が低いと言っても高いほうなので純粋にステータス面で強い。
この特性がジークが相手になると崩壊するんだよね。何せ積極的に攻撃を仕掛けて来てくれている。爪や尻尾で触れれば折角のステータスがジークの半減の効果でステータスの有利性が一瞬で無くなることになる。
お陰で和狐が次々白蔵主の錫杖でぶっ飛ばしている。和狐としてはなかなか味わえない戦闘だ。相手が巨体でぶっ飛ばすシーンは和狐が少ないからね。俺たちがサラマンドラたちの住処を荒らしていると俺たちが知らないサラマンドラが現れ始めた。
サラマンドラアサシンLv73
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
サラマンドラカイザーLv73
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
サラマンドラライダーLv73
召喚モンスター 討伐対象 アクティブ
しっかりとした鎧を装備しているサラマンドラカイザーが大剣を構えると覇撃を放ってきた。それをファリーダは受け止める。そして接近戦を使用とすると背後の溶岩から飛び出して来たサラマンドラアサシンが謎の苦無をファリーダに投げる。これをファリーダは振り返りながら回避すると次の瞬間、サラマンドラアサシンと目が合ってしまい、爆発の魔眼を受けてしまう。
苦無を鑑定すると毒すら塗られていない雑魚苦無だった。逆にいうと普通の苦無でファリーダに爆発の魔眼を当てたことになる。しっかり攻撃を当てた後は溶岩の中に潜って、逃げているし、アサシンしてるわ。
そしてファリーダにサラマンドラカイザーが大剣で振り下ろして来る。しかしファリーダは大剣の攻撃を止めると弾いた。
「デストロイヤースマッシュ!」
サラマンドラカイザーの鎧が粉々になり、ぶっ飛ばされる。そして追撃に出るとサラマンドラアサシンがまた現れると弾を投げて来た。ファリーダが無視すると煙に包まれる。煙幕か。いいもの持ってるね。
構わずファリーダがサラマンドラカイザーがいたところに攻撃するがそこにサラマンドラカイザーの姿はない。煙幕出された瞬間に怯んだのが致命的だったな。
そしてファリーダは仕掛けられた地雷を踏んでしまい、爆発する。そしてサラマンドラカイザーは火竜解放を使った。
「オォオオオー! っ!?」
ファリーダは普通に止めた。そして大剣を弾いてデストロイヤースマッシュのカウンターが炸裂する。どれだけ小細工をしても変わらない実力差がある。そしてその尻拭いをするためにサラマンドラアサシンがファリーダに苦無を投げようとした。
「閃影」
次の瞬間、恋火に首を斬られた。アサシンは不屈持ちじゃないらしい。暗殺者が逆に暗殺させたら世話がない。それでも頑張ったほうだけどね。
そして空ではサラマンダーに乗ったサラマンドラライダーがジークに超連携で襲い掛かって来た。武器でジークに当たる分なら半減は発動しないからきつい。ただ超連携でもジークは押し負けないけどね。
こうなるとサラマンドラライダーが狙って来るのは和狐だ。和狐に超連携を使って突っ込んで来る。和狐はそれを見て、受けて立つ構えだ。
「シャー!」
「はぁ!」
「グフ!?」
超連携で突いた槍を見切った和狐が槍の下を錫杖を通り、綺麗にカウンターの胴が決まる。和狐も成長しているね。そしてサラマンドラライダーがいなくなったサラマンダーにジークが襲い掛かり、ボコボコにして倒してきると相棒がいなくなったサラマンドラライダーと和狐の対決になる。
この勝負はランスタイプの槍のサラマンドラライダーが突きを防がれた後から来る和狐のカウンターに対処出来ずに攻撃する度にボコボコにされて、倒させた。不屈によるタフさは認めるが肉体活性でいくら攻撃力をあげても問題は俊敏性と器用値なんだよな。
それにランスタイプの槍は重く、突きに特化している。一応払い攻撃も出来るが突きほどの威力は発揮されない。それ故に攻撃を止められてからカウンターされると対処が非常に難しい。俺が使うなら正直下がるしか考えつかないレベルだ。
攻撃を止められて、一度カウンターを喰らった時点で戦い方を変えるべきだったな。それで勝てたとも思えないけど…それほど和狐との実力差がでていた。
ここまではまだまだ序の口だ。いよいよ名持ちのドラゴンが現れる場所に俺たちは足を踏み入れるのだった。




