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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
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#14 生産雑談と料理伝授

累計10万アクセス達成しました!

たくさん読んで下さり、ありがとうございます。

早速フレンドになった三人に色々教えてもらう。まずはユグさんから説明を受ける。


「木は伐採スキルで手に入れるかモンスタードロップで落ちるんだよ」


「採掘じゃ取れないんだ?」


「無理だね。そこまで優しい仕様じゃないよ」


優しくていいのに……。


「現在は若木の森にプレイヤーが集まっているけど、死に戻りが続出してる状況なんだよね」


「え? そうなの?」


俺が聞くとクロウさんとルインさんが答えてくれる。


「タクトは掲示板見てないからな~。状況知らないか」


「そうなのね。まぁ、満腹度が減ってる状態でモンスターに集まられて死に戻ってる感じね」


「狼に群がられて詰んだ奴らもいたな」


それは大変だ。だが俺はそこまで危険を感じたことはないな。運がいいだけだろうか?


「そんなに難しいんですか? 奥までは行かなかったんですが」


「軍隊アリに群がられたり、蜘蛛の巣に引っ掛かって蜘蛛に美味しく食べられたり、トラウマレベルの死に戻りが続出って話だ」


うわ~。悲惨だ。気を付けよう。するとハルさんが話す。


「薬師としても若木の森には行きたいんですが、ベータの頃と難易度が違っていて困ってます」


「いい素材が手に入るんですか?」


「ベータの頃のままならですが、採取でレア度2のキュアリーフが入手出来ていました。それを入手しないと商売出来ない状態なんです」


また違うスキルかよ……面倒臭いな。ルインさんも困った様子だ。


「安いポーションはなかなか売れないのよね……まずいし」


リリーが頷いている。酷い目にあったからな。


「ファーマーも若木の森に採取に行きたいんですが、きついんですよね。せめて料理がまともに出来れば商売できるんですけどね」


あれ? 料理出来ないの? 俺が疑問に思っているとルインさんがやれやれと言う様子だ。


「料理スキルの取得条件が変わっていたんだから仕方ないでしょ?」


「わかってますよ! でも、納得いかないんです!」


ユウナさんが騒ぐ。言わないわけにはいかないかな。


「えーっと、料理スキルなら持ってますよ」


俺がそういうと時間が止まった。


「えー!? 持っているんですか!?」


「あぁ」


「タクトの料理、すっごい美味しいんだよ!」


リリーがどや顔をしている。だがその様子が事実だと物語っている。ユウナさんが聞いてくる。


「取得条件とかわかりますか?」


「取得条件?」


「はーい。ストップ」


ルインさんが止めに入る。


「ルイン姉!? どうして止めるの!」


「当たり前だろ」


クロウさんがそういうが……当たり前? どういうことだ? 


「取得条件不明のスキルをただで教えてもらうのは感心しないわね」


「う……確かに」


どうやらVRゲームの暗黙のルールらしい。もちろん、善意で教えるケースもあるがそれでも確認するのが筋だという話だった。


「私達は生産職だから尚更タダはいけないのよ。というわけで何か欲しいものとかないかしら?」


うーん……杖はあるしな~……木で作れるものか……あ。


「木刀って作れませんか?」


「木刀って木で作った刀のこと?」


「はい」


俺の注文にユグさんが答える。


「それなら作れそうだけど、性能とか分からないよ? 多分凄く弱いと思うけど、それでいいの?」


「大丈夫です。お願いします」


「了解。でも作るのに素材がないから少し時間貰っていい?」


俺は頷く。出来上がったら、メールして教えてもらうことになった。それでは今度は俺の番だ。


「取得条件って言っても料理作ったら、取得出来たんですけど」


「それならもう試したけど、取得出来てないから何か条件があるはずなのよ。作った料理は何かしら?」


ルインさんが聞いてくる。大したものじゃないぞ?


「ボア肉の焼肉です。な?」


「うん! 美味しかった!」


「ちょっと待って! 丸焦げにならなかったの?」


驚かれる。なぜ?


「なりませんでしたけど、変ですか?」


「「変!」」


ユウナさんとハルさんに断言される。


「試しに作って貰っていいかしら? リリーちゃんがべた褒め料理が気になるから。もちろんお金は払うわ」


「いいですけど、水ってあります?」


「ないわね……」


「じゃあ、ちょっと貰って来ますね」


俺はモッチさんに許可を取り、鍋の中に水をたくさん入れて戻る。それから以前と同じ手順で焼いていく。そして無事に出来上がる。


「美味しそうね……」


「なんだろう……この敗北感」


「だね……」


どうやら料理スキルが欲しいユウナさんとハルさんはショックを受けている。どうしたのかな?


「まさか焦がさない条件が血抜きをすることだったなんて気付かないよ」


「私、血抜き作業無理かも……」


どうやらベータのときは普通に焼いて大丈夫だったらしい。焦がしても料理スキルは取得出来るようになっていたそうだ。料理自体は好評だった。ユウナさんとハルさんはなぜか落ち込んでいるけどね。


「ちょっと頭でっかちになってたわね」


「だな。この分だと他のスキルも同じような変更がありそうだな」


ルインさんとクロウさんが反省している。そこでユグさんが提案する。


「このこと掲示板に書いたほうが良くない?」


「そうね。他の生産職も困っているし、他のプレイヤーもまずい料理に苦しんでいるから……タクト君、いいかしら?」


ルインさんが聞いてくる。どうやら飢えた人がたくさんいるらしいので、情報公開ぐらいならいいだろう。


それから俺の調理器具を貸して、料理を作ることに二人は成功。因みに血抜き作業は俺がした。そして二人は無事に料理スキルが取得出来るようになった。


どうやら下ごしらえしたものをちゃんと料理すれば問題ないみたいだな。覚えられてよかった。これで覚えられなかった俺の立つ瀬がない。


二人からお礼を言われて、俺はログアウトすることにした。夕飯食べ終わったら、ピラニア狩りだ!

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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