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#140 謎の石板と海のギャング

イベント二日目、俺がログインするといきなりインフォ。またアラネアがレベルアップみたいです。どうやら夜の間にワイヤートラップが活躍したみたいだ。


俺が確認しているとルインさんが何やら怒っている。


「最悪よ! あいつら!」


「ご、ごめんなさい! 私たちが止められなかったから」


「僕らも止めれなかった…すみません」


他の生産職のプレイヤーだろうか?どうしてルインさんに謝っているんだ?


「あなたたちに責任はないわ。あるのはこんな事をしたあいつらよ」


「完全にやられたな…どうするんだ? ルイン」


「寄こせって言っても言うこと聞かないよ。あの人たち」


問題が発生したのは明らかだな。


「どうかしたんですか?」


「あ、タクト君にメルちゃんたちも来たのね」


「イベント中ですから。それで何があったんですか?」


「昨日の攻略組の連中がベースエリアの食材を夜の間に取りまくって、殆どドロップしなくなったよ」


うわ〜。昨日の腹いせか?


待てよ?俺もたんまり溜め込んでいるから大差ない気がする。


「満腹度が減ったままだと、探索は難しいわ…このままだと他のプレイヤーたちが探索に行けなくなる」


それが狙いだったのか?いや、単に嫌がらせをしたかっただけな気がするな。さて、俺は食材を溜め込んでいるがどうするか…そこで俺は湖に目が行く。


「…ルインさん、攻略組の人たちって釣りスキルとか持ってますかね?」


「え? そんなスキル持ってるはずが…あ」


ルインさんも気がついたみたいだ。森での食材は全滅させられたかも知れないが湖の食材なら手付かずの可能性が高い。なぜなら彼らは釣りスキルや装備を持っていないだろうからだ。


「俺が溜め込んでいる食材を少し譲ります」


「いいのかしら? タクト君が探索の為に集めたものでしょ?」


「減った分は釣りとイオンたちでなんとかしますよ」


というわけでイオン、チェス、セグロ、ぷよ助を召喚する。ぷよ助はチェスにへばりつく。どうやらチェスを気に入ったみたいだな。


イオンがホッとしているのは気のせいだ。


「なるほどな。魚という手があったか。確か釣り師の奴が二、三人いたな。ちょっと話してくるか。タクトだけでこのサーバーの全プレイヤー分の魚を釣るのは無理だろうからな」


確かにそれは無理だ。こういうのは専職の人の領分だな。


『料理は任せてください』

『ロコモコちゃんたちも召喚してください』


はいはい。ロコモコたちの生産ね。それと魚も渡しますよ。


というわけで釣りを楽しむ。イオン、チェス、セグロ、ぷよ助は湖の中で魚を集める。もしもの時のために黒鉄は温存している。


順調に食材を集めて、ルインさんたちにお裾分けする。


そしてお昼でログアウトしようか考えているとイオンが目の前に現れる。


「タ、タクトさん! 湖の中に何かあります!」


「落ち着けイオン。何かってどんなのだ?」


「えーっと。石に何か文字が書かれてました!」


石に文字?石板かな?気になるな…何か攻略のヒントな気がする。だがイオンには解読不可能みたいだ。恐らく読書スキルがないせいだな。


ということは俺が潜らないとダメなんじゃないか?…とりあえず先に昼食食べるか。



昼食を食べ終え、ログインする。さて、じゃあ水泳スキル取るか。


『水泳スキルを獲得しました』


消費スキルポイントは1pt。俺の残りのスキルポイントは21ptになった。


ま、いずれ取ることになっただろう。するとイオンが喜ぶ。


「これでタクトさんも水中に行けますね!」


あー…ひょっとして、寂しい思いをさせていたかな?これは反省だな。しかし水泳スキルを取った以上、俺も水中戦闘することになるだろう。


では、謎の文字を読みに行くか。泳ぐ感触だが普通と変わらないな。


ローブを装備したままでも問題はないみたいだ。助かった…俺もふんどしの仲間入りすることを覚悟していたからな。


ではイオンたちと共に水中に潜る!


水中は綺麗な光景だった。色んな魚が泳いでいる。あんなに色んな魚を釣り上げてないぞ!?ワカサギばかりだったじゃないか!くそ、なんだこの敗北感…


だがそれを味わってばかりは入られない。息が苦しくなってくると生命力が減り出す。マジで!?


一旦、水上に出る。


「大丈夫ですか!? タクトさん」


「あ…あぁ。大丈夫…だ。ちょっと…苦しかった…だけ、だから」


水上に出ると生命力の減りが収まる。そしてチェスを見ると俺ほどではないが生命力が減っている。今まで気付いていなかったが、チェスはずっとこんな状態で戦っていたんだな。


「チェス、お前の苦労が身にしみたよ。今まで頑張っていたんだな」


「ガウ」


とはいえこのままでは無理であることが判明したな。潜りながら回復したら、いけると思ったが時間が立つに連れて苦しさが増し、生命力の減りも大きくなった。


さて…どうするかな。


イオンの話では石板は湖の底にあるらしい。底まではかなり深かった。湖だから当然と言えば当然か…全く…嫌らしいことばっかりだ。だがせっかくイオンが見つけたのだ。何か手を考えないと。


「わ、私が…その〜…タクトさんの…手を繋いで…潜るというのはどうでしょうか?」


それしかないか…ただイオンよ。そんなリアクションされたら、こっちも言い出しにくいだろ!?


結局、イオンに運んで貰った。情けない…


さて問題の石板はどこだ?俺が探していると岩の隙間から顔を出している存在と目があった。識別してみる


ジャンボウツボ?

? ? ?


えー…湖にウツボなんているのか?


とりあえずこれはダメなやつだ!一旦撤退!俺がそう思ったがイオンが言う。


「タクトさん、あそこです!」


え?どこ?ていうかイオン、水中で話せるんだ。初めて知った。


イオンが指を指したほうを見ると確かに石板があった。何々…


『ーー空より(きた)るーー』


これだけではわからないな。するとセグロが騒ぎ出す。


なんだ?


俺とイオンが振り返ると全長およそ10メートルのウツボがこっちに向かっていた。


いや、でかすぎるだろ!?どうやってあの岩場にいたんだ!?無理だろ!?


そして俺の生命力が減り始める。やばいやばい!?撤退、撤退だ!


俺がシンクロスキルで撤退の指示を出すが、相手はウツボ。水中で普通に泳ぐ人間がスピードで敵うはずがない。


それがわかったのだろうか?


チェスがウツボに戦いを挑む。正面から体当たりし、ウツボは瞬時にチェスに巻き付く。しかしチェスにはぷよ助がいる。ぷよ助が逆にウツボに密着して、ダメージを与える。


ウツボは構わず、チェスに噛み付こうとするが、ウツボの口にセグロが巻き付き、噛み付くのを防ぐ。そしてセグロは噛み付き、ウツボを毒にした。


そこでチェスが俺を見て、頷く。


こいつの相手は俺たちに任せろと言われた気がした。


『わかった…頼んだぞ。チェス、ぷよ助、セグロ』


「タクトさんのことは任せてください。必ず水上まで連れてきます!」


「ガァァ」


チェスが叫びながらウツボに噛み付き、爪を立てる。


俺とイオンはもう振り向かず、ひたすら水上を目指し、撤退した。



「はぁ…はぁ…死ぬかと思った…」


「ごめんなさい…私が石に夢中になったから…」


「俺のために必死になってくれたんだろ? 嬉しかったよ」


「タクトさん…」


イオンが遠慮がちに頭を差し出す。撫でろアピールだ。撫でてあげましょう。


「セグロとチェス、ぷよ助にもお礼とご馳走食べさせてやらないとな」


「はい…みんながいなかったら、たぶんダメでした…」


水上に上がるまでにチェスの生命力がみるみる減って、助けることが出来なかった。チェスが死んでから、セグロも一瞬でやられた。最後は生命力全開のぷよ助も一瞬で生命力がなくなってしまった。何らかの魔法攻撃だろう。


…あいつらが時間を稼いでくれなかったら、俺たちが死に戻っていただろう。


感謝の気持ちと敵打ちをしてやりたい気持ちがある。だけど水中では時間制限ありでチェスとセグロ、ぷよ助が勝てない敵だ…悔しいが今は無理だな。


今回の戦闘で俺は水中戦ではお荷物であることがはっきりわかった。もしまともに戦闘するならイオンたちが持っている水中行動スキルとホースの進化先にいたレイクホース…は水上だったか…何かしらの水中の足は必須だろう。


「タクト君、どうかしたの?」


ルインさんだ。石板の事を話さないとな。


「イオンが湖の中で見つけた石板を見に行ったら、巨大ウツボに襲われて、チェスたちが死に戻りました。絶賛、へこみ中です」


「色々ツッコミ所満載だけど…タクト君もへこむのね」


「大切な仲間が自分のために死んだら、へこんで当然なのでは?」


「それはそうね…それでその石板は見付かったの?」


「えぇ。石板があって『空より来る』と書かれてました。意味わかりますか?」


「何かが空から来るってことかしら?」


俺たちは空を見る。いい天気だ。じゃない!とにかくこれだけではさっぱりだ。だがヒントなのは間違いないという意見は一致した。そして他のベースエリアにもあるだろうという話だ。


では、探しに行きますか。


メンバーはイオン、リキュール、白夜、ひまり、レクスでイオンとリキュールの2人乗りです。


「今日は独占させて下さい」


そんなことお願いされたら、断れませんとも。


名前 タクト 中級召喚師Lv8


生命力 42

魔力  84

筋力  30

防御力 21

俊敏性 27

器用値 59


スキル


格闘Lv7 蹴り技Lv12→Lv13 杖Lv18 片手剣Lv8 投擲Lv3 高速詠唱Lv8 召喚魔術Lv20 

封印魔術Lv2 錬金Lv9 採掘Lv14 伐採Lv11 解体Lv21 鑑定Lv10 識別Lv17→Lv18 

風魔法Lv20 火魔法Lv20 土魔法Lv21 水魔法Lv20 闇魔法Lv20 

光魔法Lv26 雷魔法Lv18 爆魔法Lv17 木魔法Lv18 氷魔法Lv16 時空魔法Lv16 

水泳Lv1→Lv5 読書Lv8 料理Lv25 餌付けLv6 釣りLv8→Lv10 シンクロLv4


名前 イオン ドラゴニュートLv25


生命力 38

魔力  52

筋力  30

防御力 20

俊敏性 74

器用値 64


スキル


二刀流Lv19 投擲Lv6 水中行動Lv7→Lv9 水刃Lv10 擬似竜化Lv3


名前 チェス ホッキョクグマLv8


生命力 36

魔力  28

筋力  40

防御力 33

俊敏性 19

器用値 19


スキル


噛みつきLv8→Lv10 素手Lv9→Lv10 強襲Lv8→Lv10 水泳Lv3→Lv6 氷爪Lv8→Lv10


名前 アラネア 大蜘蛛Lv8→Lv10


生命力 30→31

魔力  22→24

筋力  20→21

防御力 13→14

俊敏性 16→17

器用値 54→56


スキル


噛み付きLv3 粘糸Lv7 柔糸Lv3 硬糸Lv9→Lv11 罠設置Lv10→Lv12 糸察知Lv5


名前 ロコモコ クラウドシープLv2


生命力 52

魔力  20

筋力  5

防御力 32

俊敏性 20

器用値 6


スキル


体当たりLv3 危険察知Lv2 逃げ足Lv1 育毛Lv3→Lv4 採乳Lv3→Lv4 耐寒Lv1


名前 エアリー アイベックスLv5


生命力 43

魔力  19

筋力  25

防御力 17

俊敏性 33

器用値 18


スキル


角擊Lv2 登攀Lv1 危険察知Lv3 跳躍Lv1 疾風Lv2 光魔法Lv6 採乳Lv3→Lv4


名前 ぷよ助 ブルースライムLv2


生命力 31

魔力  0

筋力  0

防御力 41

俊敏性 20

器用値 20


スキル


捕食Lv7→Lv9 防御Lv3 物理無効Lv5 変形Lv7→Lv9 衝撃吸収Lv3 分裂Lv3 

再生Lv3 水中行動Lv3→Lv5 極寒ボディLv5→Lv7


名前 セグロ シースネークLv1


生命力 35

魔力  12

筋力  23

防御力 12

俊敏性 18

器用値 18


スキル


噛みつきLv1→Lv4 巻き付きLv1→Lv4 毒Lv1→Lv4 熱探知Lv1→Lv2 水中行動Lv1→Lv4



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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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