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#139 森での防衛方法と攻略組との衝突

佳代姉たちと夕飯を食べ終え、風呂を済ましてからゲームにログインするとプレイヤーの姿がなかった。


「どうやらみんな防衛に出ているみたいだね」


「…大変」


「私たちも急がなくちゃ!」


確かに急がないとまずい。だけど、さっきから木がバキバキ倒れる音が聞こえてくる。


「またボアリーダーか?」


「だとしたら、タクト君のゴーレムがいないときついかもね。それにやっぱりプレイヤーの攻撃を無視するみたいだね」


「…来る」


「近衛家の底力、見せちゃおー!」


「「おー!」」


ん?俺もカウントされているのか?


「兄ちゃん、返事」


「お、おー」


カウントされていたのか…というわけでメルたちとパーティーを組む。


そして木々を倒しながら現れたのは巨大な芋虫だった。どこかで見たことあるな。巨大芋虫。とりあえず識別する。


タンクキャタピラーLv16

イベントモンスター 討伐対象 アクティブ


「王〇だ!」


「モ〇ラじゃない?」


あー、いたね。だが似てないな。普通の巨大な芋虫だからな。イベントモンスターで紫色になっているけどね。


「タクト君はゴーレムと火魔法を使える子を召喚して」


「了解。来い! 恋火、黒鉄!」


恋火と黒鉄を召喚し、早速指示を出す。


「黒鉄、あいつを止めてくれ。恋火は狐火と炎魔法だ」


「はい!」


「ミライ、黒鉄の回復を頼んでいいか?」


「…任せて」


じゃあ、俺も火魔法で参加しますか。


「メル姉ちゃん、やるよ!」


「うん! 日頃ブロッカーさせられているストレスを解消するよ!」


やっぱりストレス感じていたんだ。


黒鉄がタンクキャタピラーを止めるが押されている。俺が黒鉄にバフをかけるとようやく止まる。ふぅ。


「いくよ! はぁぁ! ヘビースラッシュ!」


「闘気! やぁぁ! アッパー!」


「狐火!」


二人は武技を連発するがダメージが弱い。恋火の狐火はダメージを与えているな。やはり虫は火に弱いのかな?


すると援軍がくる。ルインさんたちだ。


「ごめんなさい! 抜かれたわ」


「いやいや、こっち無視してたから仕方ないよ」


確かに死に戻るわけにはいかないし、抜かれたことは仕方無いよな。とにかくルインさんたちが後ろから攻撃して、ダメージを稼ぐ。


「ヒートランス!」


俺の赤い光線がタンクキャタピラーを焼き貫く。


「恋火!」


「はい! フレイムサークル!」


タンクキャタピラーの下から紅蓮の炎が吹き上がり、タンクキャタピラーを焼く。


「今よ!」


「攻撃! 攻撃!」


プレイヤーたちの総攻撃でタンクキャタピラーは倒される。勝鬨を上げるプレイヤーたちからルインさんたちが来る。


「タクト君たちが間に合ってくれて助かったわ」


「やはりこちらの攻撃は無視しましたか?」


「えぇ」


そこでセンターさんとレッカが話す。


「察知してから迎撃に向かったんですが、手も足も出ませんでした」


「壁魔法でも止められないし、魔法は無視。ひっくり返そうとしたけど、持ち上がらないから詰んだよ。何か手を考えないとやばいよ。タクトがログアウトしている度に防衛が出来ないなんて話にならない」


「そうね。何か手を考えないと…でも巨大なモンスターをどうやって止めたらいいのかしら?」


するとユグさんが手をあげる。


「はいはい! 木で柵を作るべきだと思う!」


「木を薙ぎ倒しながら来る敵に通用するの?」


「ダ、ダメかな?」


ユグさんが落ち込むが、救世主が現れる。メルだ。


「作り方次第な気がします。巨大な敵の体当たりを想定して作れば効果があるんじゃないですか?」


「はっ!? 思い付いた! なんとかなるかも!」


普通の柵が押されないように更に木で止める柵だ。だが問題だらけ。



「この巨大な柵をどうやって設置するのよ」


「そこはタクト君のゴーレムちゃんで!」


黒鉄頼りですか…ユグさん。


「じゃあ、設置する時間は? この一帯に設置する時間よ」


「えーっと…1週間では無理かな?」


だよな。来るところが一緒ならいいが、恐らくバラバラなんだよな。一ヶ所なら十分なんだけどな。


うーん…短い時間で防衛する方法…手がないわけじゃないけど、確実じゃないよな。


「タクトには何か考えがあるんじゃない?」


もやしめ。なぜ聞いてくる。


「なぜ俺に聞く?」


「こういうこと考えるの得意でしょ?」


こいつの中でどういう扱いなんだ。


「何か考えないかしら?」


ルインさんまで…はぁ。


「確実とは言えませんがいくつか手があります。まず土魔法のボトムレススワンプで沈める方法」


「底無し沼か…やっぱり知らない魔法を色々覚えてるね。だけどそれって、落とせるの?」


「たぶん、無理」


「ダメじゃん。他は?」


「ワイヤートラップだ。これが本命」


レッカとユグさんが話す。


「なるほど。ワイヤーがあるなら止められる可能性があるかも知れない」


「大樹に設置するわけだね。問題は大樹と糸が保つかどうかだね」


そこが問題なんだよな。


「他にはある?」


「これも上手くいくかわかりませんが地面に粘糸を設置する方法もありますね」


「粘着トラップだね…プレイヤーがかかりそう…」


俺はアーレイを見る。


「なぜ俺を見る!? 引っ掛からないからな!」


いや~、お前ならきっとやってくれると信じてる。


「とにかくワイヤートラップをしてみましょう。何もしないより、何かしたほうがいいわ」


というわけでアラネアを召喚する。盗賊のプレイヤーに硬糸を提供して、協力して罠設置をする。敵を待つこと二時間後。恋火が察知する。


「来ます! それに足音がたくさん聞こえます」


「こっちも見えたわ。プレイヤーが追われているわ。敵はボアリーダー! 第三トラップよ!」


トリスタンさんが教えてくれる。夜目と鷹の目スキルの組み合わせは有能だな。


ワイヤートラップは敵が何処から来るかわからないからとりあえず五ヶ所に設置した。アラネアと盗賊プレイヤーしか罠設置出来ないから時間的に五ヶ所が限界だったが他の場所に設置してよかったな。


「全員、第三トラップへ! タクト君は拠点防衛をお願い」


「はい。レッカ、死ぬなよ」


「なんで僕に死亡フラグを立てるのかな?」


俺に話を振ったからだ。


しかし死亡フラグは働かなかった。俺たちの出番なく戦闘は終わった。


「出番なかったですね」


「アラネアの罠設置が上手く言ったってことさ。俺たちもずっと戦えるわけじゃない。休めるときには休ませて貰おう」


「はい」


合流したプレイヤーの中にはルークたちがいた。他に鉄装備で固めているパーティー。攻略組と呼ばれているプレイヤーたちが集まってきた。これで防衛の戦力はだいぶ増したな。


「タクト…さんたちと…ご…合流…出来て…良かった…です」


「疲れているなら無理しなくていいぞ?」


ルークたちが休憩している間に俺は召喚獣のためにボア肉を料理する。だが、問題発生。


じー


召喚獣やテイムモンスターたちに囲まれた!?


それぞれの召喚師や猛獣使いがなんとかしようとするが完全にボア肉をロックオンしている。


結果全員分を作ることになった…今後は気を付けないとな。


「なんだろう…この敗北感」


「だ、大丈夫だよ! ユウナ! タクトさんは召喚師だから、きっと特別な効果が発生しているだけだよ!」


ハルさんが言うような効果は…きっとあるんだろうな。餌付けスキル持ちだし。


「お前が噂の幼女サモナーか?」


俺に話しかけてきたのは鉄装備の騎士だ。騎士にはいいイメージがないな。俺の周りにいたモンスターたちが一斉に威嚇する。


「おー、こわ。だけどイベント中は襲えないだろ?」


確かにそういうルールだったな。俺は恋火にシンクロを使う。


『恋火、離れてろ』


『タクトさん、大丈夫ですか? この人、いい感じがしません』


だろうね。完全に挑発されてるし。


『わかってる…俺に話があるみたいだからな。さっさと話を終わらせて来るよ』


『わかりました。気を付けてくださいね?』


『あぁ』


「そうだったな。それで俺に何か話があるんだろう? ここは召喚獣やテイムモンスターがいるから、場所を変えるか?」


「話が早いな。こっちだ」


俺は攻略組のいるところに来る。


「それで話ってなんだ? 幼女を見せろと言うなら順番を守ってくれ」


無論順番待ちなど存在しない。


「生憎俺たちに幼女やモンスターを愛でる趣味はない」


『え?』


おーい。何人かあるようなリアクションしているぞ?


「…ないよな?」


『ないない』


脅すなよ。大丈夫か?こいつら?


「率直に聞く。あのワイヤートラップを仕掛けたのはお前だな?」


「残念ながら俺にそんなスキルはないよ。糸を生産したのは俺の召喚獣で罠を設置したのも俺の召喚獣とあそこにいる盗賊プレイヤーと一緒に仕掛けたんだよ。それがどうかしたのか?」


「いや、あのでかいモンスターの動きを止めることが出来ていたから感心したんだ」


「そりゃどうも」


こいつに褒められるのは気持ち悪いな。


「しかしワイヤートラップのやり方がなってない。俺たちならもっと上手くワイヤートラップを設置できるからあのワイヤーを今すぐこちらに渡せ」


ほら来たよ。つまりアラネアや罠設置した盗賊の戦果を横取りしたいわけか?こいつ最悪だな。


これには盗賊プレイヤーが怒る。


「ちょっと待てよ。お前らを助けた罠にいちゃもん付けるとはどういうことだ? 俺たちの罠であのデカ猪を足止め出来たんだ。そこの何が不安なんだよ」


「完璧ではないと言ったんだ」


「なら教えてくれたら、いいだけだろう?」


「断る。俺たちの技術を教えるはずないだろう? それに俺はこいつと交渉しているんだ。外野は入ってくるな」


「な!? この野郎」


「そこまでよ」


ルインさんが入る。


「私とあなたが話している彼とは連携関係にあるの。ワイヤーの権利は生産職の私たちが握っているわ」


まぁ、ルインさんに糸を渡して、ルインさんが盗賊プレイヤーさんに渡したから嘘ではない。


「なら今すぐ、ワイヤーをこちらに渡せ」


「生憎、ワイヤーには限りがあるのよ。彼の召喚獣も無限に糸を作れるはずがないことはあなたでも分かるでしょ? 分かったなら、話は終わりよ。折角の罠も一つ潰されちゃったから、みんなで協力して防衛しましょう」


ルインさんの言葉でそれぞれ別れる。俺はルインさんに感謝し、みんなの元に戻ると恋火が飛びついて来る。心配させちゃったな。結局俺はここでイベント初日を終えた。


名前 恋火 セリアンビーストLv20→Lv21


生命力 50

魔力  44→46

筋力  50

防御力 30

俊敏性 52→54

器用値 42→43


スキル


刀Lv7 二刀流Lv1 炎魔法Lv5 狐火Lv6→Lv7 気配察知Lv9 危険察知LLv2 

妖術Lv1 血醒Lv2 


名前 アラネア 大蜘蛛Lv6→Lv8


生命力 28→30

魔力  20→22

筋力  18→20

防御力 12→13

俊敏性 15→16

器用値 50→54


スキル


噛み付きLv3 粘糸Lv7 柔糸Lv3 硬糸Lv6→Lv9 罠設置Lv7→Lv10 糸察知Lv4→Lv5


心配される方もいると思うので、はっきり言っておきます。今回はアーサーの時のようなことは起きませんので、安心してください。それと今回登場した攻略組のリーダーさんはこの先、殆ど登場しません。イベント最後にちょろっと出るくらいの予定です。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
(魔石に)お留守番って意味じゃないの...?
[気になる点] 恋火がイベント参加してますよ!!お留守番だったはずですよ。もう出しちゃったなら、#134の冒頭のお留守番の所を修正してください。
[一言] 恋花はお留守番なのにこの回で登場しているのですが どういうことですか?
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