#1349 ムスペルヘイム転送魔方陣破壊作戦
俺たちはムスペルヘイムに行くと無数の火球と火炎が飛んできた。
「暴風壁!」
シフォンが俺たちの前に出ると前面に竜巻を発生させると火球と火炎を防いでくれる。しかし続く無数の火山弾は風では防げないので、今度は俺が前に出る。
「時空切断。飛梅! おらおらおらおら!」
俺は飛んできた火山弾を全部切断する。
「タクト、場所はどこだ?」
「向こうですね。」
「では、行くとするか。二人に対処を任せて大丈夫だろう」
そんなわけで地上にいる無数のムスペルたちの攻撃を俺とシフォンが防ぎながら指定された場所を封印していくと最後の場所に辿り着く。そこには俺たちが一度戦った女性の巨人がいた。
「またあんたが来たのかい」
「シンモラ!? ってそうか…あんたもヘルに蘇生して貰っていたんだな」
「あたしもここであんたたちにころされたからね…ヘルとロキに感謝するんだよ。あたしを蘇生していなかったら、あんたらはもっと早くに終わってたんだからね」
「スルトが暴れなかったのはヘルがあんたを蘇生させたからか」
それでも一度は自分の妻を殺されているんだから怒り散らしてもしょうがないと思うんだけど、そこはロキが上手く制御したんだろう。口の上手さではロキを超える神は早々いないだろうからね。
「お話のところ申し訳ないんだけど! 助けてくれないかな!」
シフォンは一人でムスペルたちの火炎に対処しており、リースとスピカが助けに入って、会話が再開される。
「今回はムスペルヘイムにいるムスペルたちとガルムたちがお前さんたちの敵さ。卑怯とだとは思うけど、数日で強くなれるわけでもなし。悪いけど、これでリベンジさせて貰うよ」
「それは構わないけど、一つだけ聞きたい。ヘルとロキとの関係はどうなっているんだ?」
「親子関係の話じゃなくて今回の関係の話だね? まぁ、ヘルはユグドラシルの下層にやって来た巨人の魂を蘇生させているだけさ。ロキに協力しているというよりロキがヘルを利用していると言った方がいいさね。最も本人はそれを分かっていて仕事をしていると思うけどね」
なるほど。それじゃあ、転送魔方陣を破壊すれば大丈夫という話に変更は無さそうだ。俺は旭光近衛を構える。
「それを聞けて安心したよ。悪いがまた倒させて貰う。ここであんたを倒してもスルトと戦う事はもう決まっているだろうからな」
「そうだね…でも、あたしも二度同じ男に倒されるほど、甘い女じゃないよ!」
「どうやら因縁があるみたいだね…それなら周囲の巨人の相手をさせて貰うとするか」
「えぇ。流石に周囲の巨人を倒さないととてもじゃないけど、転送魔方陣の破壊は出来ないわ」
というわけで戦闘開始する訳だが、俺とシンモラの最初のぶつかり合いで俺は力負けして、弾き飛ばされる。
「おっと…随分強くなったな?」
「一応ロキからここを守るための力を貰っているからね。前のようにはいかないよ!」
俺はシンモラの鎖の攻撃を躱していると笑みを浮かべる。それを見たシンモラは聞いて来る。
「何を笑っているんだい! そんな余裕がある状況じゃないよ!」
「そうだな。地上は敵だらけ。味方は俺を除いて六人しかいない。おまけに俺の相手は強くなってしまった。普通に考えれば絶望的な状況だ。だけどな…俺はお前たちに負ける気がしていない」
「へぇ…随分強気に出るじゃないか! ならそれを正面してごらんよ!」
俺はシンモラの鎖の連続攻撃を躱して、旭光近衛を構える。
「超電磁! 雷光刃! 雷光!」
「っ!?」
俺の雷速の斬撃をシンモラは躱すが俺の斬撃は地面を斬り裂く。この結果、地上にいるムスペルたちの多くが真っ二つになった。
「この! やってくれたね! この! この! っ!?」
俺はシンモラの鎖を受け流して、また先程の斬撃を放つとシンモラは身体を後ろに仰け反らして回避する。そしてまたムスペルたちが俺の斬撃の餌食となった。
「なんだい!? その武器は!? それに前の時と戦闘が違うじゃないかい!」
「これが元々の俺の戦闘スタイルだよ。今となっては筋力が付きすぎてしまったけど、この領域に至るまではずっと筋力で負けている戦闘をして来た。だからあなたのような戦闘スタイルは得意なんだよ。それに」
俺は旭光近衛をシンモラに向ける。
「この旭光近衛はかなりやんちゃな武器でね。結構制御していつも使っているんだ。そうじゃないと斬ってはいけない物まで斬ってしまいそうでね。でも、この状況なら旭光近衛を暴れさせるにはいい環境だ。悪いけど、全力の旭光近衛で暴れさせてもらうよ」
俺が攻めに転じるとシンモラが旭光近衛の斬撃を必死に鎖で叩きつける事で防いでいる。普通の人ならまず斬撃を追えないはずだが、数回見ただけで対応して見せるのは流石の強さだ。
「やるね…じゃあ、手数を増えさせて貰おうか! 多乱刃!」
「この! はぁあああああ!」
俺が手数を増やすとシンモラは両手の鎖を前で回転させて俺の斬撃を弾いて来た。この戦闘はユウェルに見せたかったな。再会した時に教えてあげよう。
「はぁあああああ!」
「くぅううううう! 溶ブレス!」
流石に刀を振るだけで多乱刃が飛び出す俺と鎖をずっと降り続けないといけないシンモラとではかかる負担が段違いでシンモラは溶ブレスを放つことで俺に回避を選択させた。
「巨人技! レーギャルン・プリズン!」
空間から鎖が伸びて来る。その技はもう知っているよ!
「英雄技! 霹靂閃電!」
鎖が俺と旭光近衛を巻き付こうした瞬間、俺たちは稲妻となり、姿が消えた。そしてシンモラの両手足、首を切断する。
「速い!? けどね…炎化! 物質化!」
「そう来るよな…魔力切断! ダメか」
シンモラが炎になると炎の巨人らしく炎の拳が飛んで来て、俺は切断を試みるが物質化があるせつで魔力切断が出来ない。俺が距離を取ると地上からも攻撃が飛んで来る。
「中々うざいな」
「よそ見している暇はないよ! 核撃!」
「超電磁! 雷光刃! 雷光! 魔力切断! 居合斬り!」
俺はシンモラの核撃を横に真っ二つに斬り裂くと万物吸収で核撃が旭光近衛に吸収させる。
「はは。たくさん栄養貰えて、嬉しそうだな。それじゃあ、そろそろ反撃とさせて貰おうか! 雷化!」
俺はシンモラの炎化が切れたタイミングで雷化を使用するとシンモラをスルーして、ムスペルたちの前に現れる。
「旋風刃! 雷轟! さぁ! 行こうぜ! 旭光近衛!」
斬れる竜巻に巻き込まれたムスペルたちに無数の雷が襲い掛かると俺は竜巻に飛び込んでボロボロ状態のムスペルたちに止めを刺す。スサノオの加護のお陰で竜巻の中でも自由に動ける。
「あんた! あたしを無視にして仲間に手を出すのかい!」
「超電磁! 雷光刃! 雷光! 電子分解!」
俺の構えは突きだ。
「っ!?」
旋風刃から雷の矢が飛び出すとシンモラを咄嗟にガードするが鎖が限界を超えて、砕ける。しかし俺の攻撃を一瞬止めたことで回避に成功した。そしてシンモラは無事の鎖を手に巻き付けて、拳を握って、格闘戦を挑んで来た。
この鎖の使い方も面白い。本当に鎖武器にハマっているユウェルの先生になって欲しいくらいに俺が知らない戦闘を見せてくれるよ。
鎖が巻き付いた拳は旭光近衛でも先に鎖に当たってしまうので、手出し出来ない。それなら躱してカウンター狙いだが、シンモラはフリーの左手に核撃を作り出している。至近距離からぶつける気満々だな。
「いいぜ。当てれる物なら当ててみな。光速激突! 神速! 転瞬! 飛び蹴り!」
一瞬で俺のライダーキックがシンモラの腹に炸裂する。
「く…甘い」
「いいや。俺が先に攻撃を当てたから俺の方が速いよ。大気震!」
「ぐ…」
「終わりだ! っ!?」
ここで地面が大噴火する。俺はシンモラを倒すよりも回避を選択した。なぜなら大噴火が発生した所からとんでもない気配を感じたからだ。
「フリーティアには行ってなかったか」
この気配は正体はスルトだった。まぁ、スルトはラグナロクでユグドラシルを燃やす役割があるからここにいる可能性は高いと思ってたけど、怒らしちゃったからフリーティアを狙う可能性が高いと思ってたよ。
「主様!」
「神技。シギュン・ガンド!」
「ホー!」
俺の上から謎の魔力の弾が撃ち込まれる。それをコノハが絶対防御で守ってくれた。その魔力の弾から強い呪いと毒を感じた。技名から考えるとロキが幽閉させた時に浴びたという蛇の毒液が放つ技だと思われる。
ここで警告してくれたリースとスピカも俺の守りに入る。
「ち…まぁ、この程度の奇襲が通用するはず無いか…とはいえ仕掛けるタイミングがここしか無かったら、しょうがないね」
空間からロキが現れた。これでロキ、スルト、シンモラがここに揃ってしまった。流石にこれはやばい。
「貴様! 一度ならず二度までも俺の妻を殺そうとしたな! 絶対に許さん!」
「だろうね。俺も妻を殺そうとした奴や危険な目に合わせた奴は許さないつもりだから同意するよ」
「あれ? なんで僕が睨まれているのかな?」
「お前が戦争を起こして、お前らの仲間が今まさに俺の妻たちを攻撃しているからだよ。だから妻の事で怒っているというならお互い様だ」
俺とスルトの間で怒りが激突する。ここでロキが痛い所を付いて来た。
「なるほど…でも、その妻たちを戦場に送り出したのは君だと思うけどね」
「あぁ…俺はいい夫じゃないだろうさ。けど、それを言うならシンモラを戦わせているスルトには同じ事を言えよ」
「彼女は望んで戦いっているんだよ」
「それを言うなら私たちだって、主様のために望んで戦っています! だから主様はいい夫です! そんな主様を侮辱することは許しません!」
「へぇ…ヴァルキリー風情が神である僕に意見するとはいい度胸じゃないか」
俺たちが一触即発の状態になるがここでロキが空気をぶっ壊す。
「まぁ、いいや。とにかく君たちの作戦は半分失敗だ。悪いけど、ここの転送魔方陣は諦めて貰うよ。僕たちを相手にして、転送魔方陣の破壊はできないでしょ?」
「そうだなぁ…頼む」
「ホー!」
「スピカちゃん!」
コノハがロキ、リースとスピカがスルトに奇襲を仕掛けると俺は転送魔方陣に向かう。
「は? 君じゃ転送魔方陣の破壊は出来ないはず」
「何をする気か知らないけどね! 止めさせて貰うよ!」
「それはこっちの台詞! 行って! タクト君!」
シフォンがシンモラを止めてくれている間に俺は転送魔方陣の上に着地した。そしてロキを見る。
「チェックメイトだ。サタンから俺が持っている装備品についてもっと詳しく聞いておくんだったな」
俺は魔術殺しの魔導書を取り出す。それを見たロキは自分の失態とオーディンに一杯食わされたことに気が付く。
「その魔導書は!? オーディンめ! それがあるなら影の国の二人を寄越す必要なんてなかったじゃないか!」
魔術殺しの魔導書は魔法と魔方陣を問答無用で破壊する。なのでぶっちゃけスカアハ師匠たちは必要無かった。あの場で二人を寄越したのはオーディンが恐らく今の事態を予想していたからだ。もちろん彼女たちがいなくなっても、優牙たちが影の国を守れると判断出来たからこそ仕掛けることが出来たオーディンの悪戯である。
完全に勝利を確信していたロキの頭の中にオーディンの悪戯成功顔がさぞ浮かんでいることだろう。
「リース!」
「はい!」
俺とスカアハ師匠たちがスピカに飛び乗ったり、足を掴むことで撤退を計る。
「く…逃がすな!」
「最後にお土産をくれてやるよ! レヴィアタングリモワール! 嫉妬門!」
ムスペルヘイムが暗黒の世界に変わると暗黒の手がロキとスルト、シンモラ、ムスペルたちに襲い掛かる。
「あぁ…もう! うざったいな!」
「ふん。この程度、燃やしておしまいだ…シンモラ!」
シンモラとムスペルたちは対処出来ず、スルトは彼らを救うことを優先してしまったことでロキは追撃を諦める。ここで追撃をしたら、人数不利なのが自分になってしまうからだ。ここの引き時は誤らないのがロキだよな。
これで俺たちの任務は完了。それをいち早く察知したのが各世界の冥界神たちだ。
「…転送魔方陣が破壊された。完全に閉じる」
「これでもう奴らは俺たちの冥界にやって来るためには俺たちの世界で死ぬ他ない」
「散々踏み荒らしてくれたのだ…今からお仕置きをするのが楽しみじゃわい」
月読、オシリス、ハデスがそういうと次々魂の姿の巨人たちが送られて来た。彼らは転送魔方陣に向かうがもうそこには出口はない。そして彼らにかつてないほど怒りのオーラを発生させている冥界神たちが笑顔で近寄って来た。彼らがこの先、どうなかったかは各世界の冥界神のみぞ知る。
俺の作戦成功は各世界の冥界神からみんなに伝えられた。彼らなりに今回の一件に責任を感じているからだろう。これを聞いたリリーたちやプレイヤーたちは巨人たちの殲滅戦に移行する。
「「「「竜化!」」」」
「「「「神威解放!」」」」
『マスター。大至急帰って来て下さい。魔力が足りません』
『へーい…俺も結構魔力使ったんだけどな』
各世界の戦場で次々巨人たちが討伐させていくと敵の無限湧きはすることが無く、夕方の四時には各世界で勝鬨が上がる。そして夕方の五時にインフォが来るとイベントは次の段階に進む。
『防衛成功おめでとうございます! 皆さんの防衛成功で各国の結界が解除されました。イベントの続きは夜七時から開始されます』
『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント5ptを獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント5ptを獲得しました』
『リリーの神聖魔法のレベルが30に到達しました。神聖魔法【リヴァイブ】、【ジャッジメント】を取得しました』
『イオンの海魔法のレベルが30に到達しました。海魔法【ムーンドリップ】、【ラージキャタラクト】を取得しました』
『イオンの空間歪曲のレベルが20に到達しました。空間歪曲の最大数が1増加しました』
『セチアの封印魔術のレベルが30に到達しました。封印魔術【ルーンウェポン】を取得しました』
『セチアのルーン魔術のレベルが30に到達しました。ルーン魔術【光のルーン】、【飛行のルーン】を取得しました』
『セチアの地魔法のレベルが30に到達しました。地魔法【ミーティア】、【ダストストーム】を取得しました』
『恋火の炎魔法のレベルが30に到達しました。炎魔法【ヴォルケーノ】、【ウルトラバイオレットレイ】を取得しました』
『イクスのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『イクスの成長が完了しました。多重障壁、重力場、電磁支配、荷重支配、荷電光線、冷凍光線、衝撃放射、耐性無効、加護無効を取得しました』
『堅牢スキルが堅固スキルに進化しました』
『白熱刃スキルが星光刃スキルに進化しました』
『反射スキルが全反射スキルに進化しました』
『ノワの竜技のレベルが50に到達しました。竜技【ドラゴンフォース】を取得しました』
『リビナの鞭のレベルが50に到達しました。鞭【インフィニティスワンプ】を取得しました』
『リアンの同時詠唱のレベルが50に到達しました。同時詠唱の最大数が1増加しました』
『リアンの連続詠唱のレベルが50に到達しました。連続詠唱の最大数が1増加しました』
『リアンの封印魔術のレベルが40に到達しました。封印魔術【ルーンアクション】を取得しました』
『ブランの疾魔法のレベルが30に到達しました。疾魔法【ツイスター】、【オゾンホール】を取得しました』
『ファリーダの二刀流のレベルが50に到達しました。二刀流【グランドサザンクロス】を取得しました』
『ユウェルの竜技のレベルが50に到達しました。竜技【ドラゴンフォース】を取得しました』
『燎刃の炎魔法のレベルが30に到達しました。炎魔法【ヴォルケーノ】、【ウルトラバイオレットレイ】を取得しました』
『狐子の刀のレベルが40に到達しました。刀【驟雨】を取得しました』
『ルーナの杖のレベルが10に到達しました。杖【マジックサークル】、【エントラスト】を取得しました』
『ルーナの二刀流のレベルが40に到達しました。二刀流【ミーティアエッジ】を取得しました』
『ルーナの疾魔法のレベルが30に到達しました。疾魔法【ツイスター】、【オゾンホール】を取得しました』
『ルーナの神聖魔法のレベルが30に到達しました。神聖魔法【リヴァイブ】、【ジャッジメント】を取得しました』
『ルーナの封印魔術のレベルが40に到達しました。封印魔術【ルーンアクション】を取得しました』
『伊雪の封印魔術のレベルが40に到達しました。封印魔術【ルーンアクション】を取得しました』
『ミールの木魔法のレベルが65に到達しました。木魔法【インファクション】、【アシッドレイン】を取得しました』
『ミールの地魔法のレベルが30に到達しました。地魔法【ミーティア】、【ダストストーム】を取得しました』
『ミールの海魔法のレベルが30に到達しました。海魔法【ムーンドリップ】、【ラージキャタラクト】を取得しました』
『ミールの神聖魔法のレベルが30に到達しました。神聖魔法【リヴァイブ】、【ジャッジメント】を取得しました』
『クリュスの空間歪曲のレベルが20に到達しました。空間歪曲の最大数が1増加しました』
『クリュスの海魔法のレベルが30に到達しました。海魔法【ムーンドリップ】、【ラージキャタラクト】を取得しました』
『千影の格闘のレベルが40に到達しました。格闘【クロスカウンター】を取得しました』
『千影の蹴り技のレベルが40に到達しました。蹴り技【旋風脚】を取得しました』
『千影の棒のレベルが40に到達しました。棒【三突星】を取得しました』
『グレイのレベルが50に到達しました。成長が可能です』
『グレイの成長が完了しました。光閃、多重障壁、暴旋風、旋風刃、地割れ、光球、不屈、奇跡を取得しました』
『魔力回復スキルが魔力超回復スキルに進化しました』
『守護結界スキルが遮断結界スキルに進化しました』
『ディアンのレベルが30に到達しました。成長が可能です』
『ディアンの成長が完了しました。竜気、星気、星渦、星核、不屈、物理無効、加護無効を取得しました』
『ディアンの海ブレススキルが大海ブレススキルに進化しました』
『ディアンの暗黒ブレススキルが冥ブレススキルに進化しました』
『ルミのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『ルミの成長が完了しました。時空切断、時間遅延、精霊門、聖療、冥波動、水爆、妖精技、奇跡を取得しました』
『飛翔スキルが高飛翔スキルに進化しました』
このインフォを見ただけでみんながどれだけ暴れたのかよくわかる。俺はリリーたちが来るまでにステータスを操作することにした。ステータスポイントは俊敏性に回して残りスキルポイントは526ptとなった。
操作し終わって暫くするとリリーたちが秒で俺のところに飛んできた。やはり今まで以上にかなりの負担をかけてしまったんだとこの時理解した。
「ん? リリー? どうしたんだ?」
「ええーっと…」
いつもは最初に突撃してくるリリーがしてこない時点で何か失敗したことを俺は察した。
「あぁ…その様子だと期待されて盛大な空回りした感じか…」
「なんでわかるの!?」
当ててしまった。いや、みんなに期待されて浮かれているリリーの姿を見ていたからそれが悪い方に行かないか心配はしていたのだ。
「まぁ、俺はリリーの夫だからな。全部お見通しなのだよ」
「むぅ~…なんか納得がいかな~い」
頭をポンポン叩かれながらもむくれることしか出来ないリリーである。そんなリリーとみんなに俺は言う。
「今回の戦闘でみんなそれぞれがたぶん今までと違う景色を見て来たと思う。成功した者もいれば失敗した者もいるだろう…大切なのはその経験から何を学んでこれからどうしていくかだ。それをみんなには分かっていて欲しい。それじゃあ、みんなの話を聞いて行こうかな?」
みんなそれぞれが戦闘を分析して話してくれる。そして問題のリリーの戦闘は本人が言いたくなさそうなので、ノワが一切の容赦なく報告した。
「それはダメだな」
「「「「ダメですね」」」」
「反省しているよ~…叱らないで~…タクト~」
リリーには軽いデコピンで済ませた。
「タクト!」
「…にぃ、優しすぎ」
「これで終わりとは言ってないぞ。ノワ」
「「「「え?」」」」
リリーはその後、自分の大好物であるサーロインステーキのお弁当をシルフィたちに届けて、謝りに行く罰を与えた。一番迷惑をかけたのはフリーティアの人たちだからこれぐらいはしないといけない。
「ええーっと…リリーちゃん?」
「だべでぐだざい…」
「凄く食べて欲しくなさそうですけど!? あ」
リリーのお弁当をシルフィのウェルシュドラゴンがシルフィから奪うと一口で全部食べる。それを見ていた他のドラゴンの怒りの矛先が当然ウェルシュドラゴンに向くとウェルシュドラゴンは逃げ出し、フリーティアの空で戦争が勃発する。
「あぁ~!? 何やっているですか! ウェルシュドラゴン! みんなも! 怒る気持ちは分かりますけど、戦っちゃダメです! また町が壊れちゃいます!」
今、またとか言ったよね?どうしてリリーたちが聖竜として称えられて、シルフィのドラゴンたちがなぜ称えられていないのか不思議だったけど、その理由ってもしかして昔に町を壊したことがあったからなのか?
シルフィに聞くと顔を反らされて、サラ姫様たちも苦笑いしている。もうこれは確定だろう。第一王女が自分の国を破壊するなんて前代未聞の大事件だと思うのだが、それを普通に許している町の人たちの精神性が凄まじいな。いや、それだけいい政治をしてきたからこそなんだろうけどさ。
とにかくこれでリリーの罰も終わったので、ログアウトすることにした。
「サーロインステーキ~…」
呪いのような声が聞こえてきたが気にしたら負けです。




