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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
神々の黄昏ラグナロク
1432/1718

#1340 ラグナロク、パラディンロード防衛戦

次の戦場はパラディンロードだ。ここでは戦場で散っていった戦士たちがゾンビナイトとなって、巨人たちと共に押し寄せていた。そして海からは巨人たちの船団が現れている。


海を任されたのは湖の騎士であるランスロット。そして俺の召喚獣からはジークが選ばれた。ランスロットは愛馬に乗って、海を駆けて次々ナグルファルを切断していく。


ジークも空からドラゴンブレスを次々放って、パラディンロードの船団を援護する。しかし敵も火山弾や氷山を投げて来て、かなりの激戦地となっていた。


「撃て! 撃て! 怯むな! 我らにはランスロット卿と白竜が付いている!」


「マストに火山弾が直撃!」


「被弾した船は後ろに下がれ! 後方の船は撤退を援護せよ!」


流石にパラディンロードはNPCたちのレベルが高い。ただのレベルだけでなく、個々の判断能力が極めて高かった。それに彼らは他の国と違って、海での戦闘になれていた。何せ悪魔とドンパチしてきた歴史がある国だ。


ただ全体的にレベルが高いせいか巨人たちのレベルもゾンビナイトたちも比例して強くなっていた。


「氷山が来るぞ!」


「キュー!」


ジークが氷山を爪と尻尾で次々破壊すると高度を上げる。そして魔方陣を展開するとシューティングスターライトで艦隊を攻撃した。しかしダメージがそこまで入らない。魔法に強いみたいだ。


それならジークにも考えがある。ジークは空からナグルファルに襲い掛かると船を足で掴むと荷重操作でナグルファルを軽くして持ち上げると空でぶん回し、乗組員たちを外に放り出す。


更にジークは持っているナグルファルを持ったまま別のナグルファルに叩きつけて、二船破壊する。ここで敵艦隊からの攻撃が飛んで来るがジークは残像で姿を消して攻撃を躱すと白熱刃で次々ナグルファルを切断していった。


そして空に上げると拡散光線の日光と天雨を降らせて、敵艦隊が火に包まれる。しかしヨトゥンがいる彼らに消火はたやすいことだ。しかし火の対処に回っている間に海上を走るランスロットが次々船を切断して沈める。


本当にこんなランスロットに狙われて、よく無事でいられたものだ。海での戦闘は現時点では問題なし。


一方地上戦のほうはパラディンロードの二つの要塞を舞台に乱戦が発生していた。まずは一つ目の戦場を見る。


「この人たち、本当にゾンビなんですか? リリーお姉様たちが話していたゾンビと全く違うのですが!」


「パラディンロードのゾンビですからね…この国は昔から悪魔たちと戦い、多くの優秀な騎士たちが命を落として来ました。そんな彼らを普通のゾンビと同じにしては失礼ですよ!」


「英雄技! クリムゾンパラディヌス!」


ロン毛の赤髪の騎士が紅蓮の炎を宿した剣で敵を焼き殺す。


「最も俺たちの敵じゃないぜ? お嬢ちゃんにはちときついか?」


「…ブレイブサラマンドラ! その程度の炎の剣より某のほうが威力が高いようですが?」


ここを守っているのはトリスタンとガラハッド、パーシヴァルで燎刃と火花を散らしているのがパーシヴァルだ。


「へぇ…流石炎のドラゴニュートだな。いいぜ。どっちが多く敵を倒すか勝負しようじゃねーか」


「受けて立ちます」


「受けないでください。パーシヴァルもこれは我が国への侵略なのですよ? もっと真剣にやってください」


ガラハッドがちゃんとした人で助かった。そのガラハッドだが、アーサーにこの場所の防衛を命じられている指揮官だ。そのガラハッドの部隊は大盾装備で構成されており、滅茶苦茶防衛戦が上手だった。


大量のゾンビが押し寄せて来ても隊列が乱れないガラハッドの騎士団の練度の高さが伺える。その上、要塞からトリスタンの騎士団による遠距離攻撃が来て、敵部隊の攻撃をパーシヴァルの騎士団が担当する。攻撃、防御、援護が揃った完璧の布陣だ。


彼らの弱点を上げるとするなら補給系だが、そこはプレイヤーたちがフォローしている。こんな戦場にいる燎刃は俺からある指示を受けていた。


「パラディンロードの騎士たちの剣術はどれも一級品らしいからまじかで見れる機会は滅多にない。折角だから生身でみて、後で俺に教えてくれ」


俺は指示で燎刃は騎士たちの動きをよく見ていた。これで燎刃の勉強になればいいと思っていたがパラディンロードの騎士たちは俺が思ったよりの容赦がない戦闘をしていた。普通倒れたゾンビナイトに止めに剣を串刺しにしていたのだ。


敵は確実に倒す行為は重要なのは認めるけど、やり過ぎるのは俺も燎刃も好きではない。綺麗ごとなのは重々承知だけどね。俺は燎刃にそういうことをして欲しくなく、燎刃もそれを分かってくれていた。


「この光景はタクト殿に伝えるべきではないですね…某は某の戦いを貫くのみ! ドラゴンダイブ! ドラゴンノヴァ! 竜魔法! ドラゴニックラバーシャワー!」


燎刃が敵軍に突っ込むとドラゴンノヴァで敵軍を消し飛ばし、空に魔方陣を展開すると溶岩の雨が降り注いでゾンビナイトたちとヨトゥンは炎上する。しかしムスペルには効果が無く、燎刃に襲い掛かる。


「オォオオ!」


「剣突! 時空切断! はぁあああ! 回天! 王撃!」


燎刃は溶岩の斧の攻撃を躱して生大刀でムスペルの腹を貫くとそのまま下に切断すると地面を蹴り、上向きに回転斬りを決めると最後は生大刀の王撃でムスペルを倒す。見事なコンボだ。しかし一人で部隊に飛び込むのはよろしくない。燎刃も流石にここで引いた。


それが偶然にも味方を助けることになった。ムスペルたちから溶ブレスが放たれると燎刃は翼を羽ばたかせて、味方の前に入ると手を前に差し出す。


「炎熱支配!」


ムスペルの溶ブレスは燎刃の支配を受けて、後ろに流され、味方に届く事は無かった。


「俺と同じことをするとはやるな。お嬢ちゃん。おい! お前たち! この程度の炎でビビっているんじゃねーぞ! 炎は俺たちがなんとかする! 恐れず攻撃に集中せよ!」


「「「「は! パーシヴァル卿!」」」」


パーシヴァルには褒められた燎刃だが、本人は突撃からの撤退で偶然間に合っただけで内心は最初の突撃を猛省するのだった。


一方もう一つの要塞でも戦闘が発生していた。ここにはメルたちとリオーネがいる。パラディンロードからはケイが指揮官でモードレッドとベディヴィアがいた。


ケイとベディヴィアはヨトゥンを次々倒している。それもそのはずでこの二人は巨人退治の伝説を持つ英雄だ。そしてモードレッドに反転も相手の筋力や技の威力が上がるほどに有利になるスキルなので、この戦場でもかなり有利なはずだった。


しかしこの戦場で苦戦を強いられている原因がゾンビナイトの強さだ。流石に数が多いので、巨人ばかり狙っていると包囲されて、大変なことになる。


そこのフォローしているのがメルたちだった。


「なんか俺たち、貧乏くじを引かされていないか?」


「私もそう思うけど、ケーゴもリサちゃんみたいに前で戦って来たら? 楽しそうだよ?」


リサは突撃して、思いっきり包囲されてさっきから救援を求めているが誰もそこには行けない。


「冗談言うな。俊敏性がない俺が突撃したら、囲まれて串刺しにされるだけだろうが」


リサは格闘家だから小回りが利くので、なんとかなっているがケーゴでは間違いなくアウトだ。


「だったら、防御に集中して。ほら! また魔法が飛んできたよ!」


「分かってるよ!」


ケーゴが魔法を防ぐ。


「さっきからゾンビウィザードがうざいな」


「一応狙っているだけどね!」


「トリスタンさんがいてくれて助かってますよ」


いつもいるレッカがいないので、メルたちにとってはトリスタンさんの弓や銃は本当に助かるところだ。ここで黒猫状態のリオーネがミライのところにやって来た。


「ナー」


「…準備できたみたい」


「なんで私じゃなくてミライちゃんに懐くのかな?」


「動物って怖い人は本能で分かるものなのよ? メル」


メルたちも俺たちのように結構戦場で余裕があるんだよな。そしてここでメルたちの戦場の地面が宝石解放の閃光に包まれるとゾンビナイトたちが消し飛ぶ。カーバンクルの進化であるリオーネならこれぐらいは余裕だ。


因みにリオーネは乱戦の戦場の中を空虚で隠れながら、戦場に宝石をばら撒くと言うなんとも堂々とした罠設置をして見せた。苦戦していたゾンビナイトがいなくなったことでここは仕掛けないといけない。


「今だよ! 巨人たちを倒して!」


「全軍! 突撃! 巨人たちを討伐します!」


「「「「おぉおおー!」」」」


みんなが突撃するが流石に通常のパラディンロードの騎士たちは巨人たちの破壊力の前に攻めに出れない。しかしメルたちが片腕とか斬り飛ばすと一斉に襲い掛かる。そんな中、リオーネも本気モードになると爪でヨトゥンやムスペルを斬り裂いて貢献していく。


更にリオーネは疫病も使って、巨人たちを病気の状態異常にして、味方を援護もしていく。ただリオーネはムスペルの攻撃を受けるとかなりのダメージを受けた。やはり巨人たちとの真っ向勝負はかなり厳しい。しかしそれが分かったならリオーネもスピードで翻弄して、攻撃を合わせられたら、魔素化で回避して攻撃する。


とりあえず二つの要塞が無事でここで各自が休憩を挟んでいると一人でいた燎刃にパーシヴァルが話しかけて来た。


「どうした? 火竜のお嬢ちゃん。そんなところで一人で休んでいてはいかんぞ。ここは戦場、強き者だからこそ兵士や民と共に行動して指揮を高めるのも強き者の仕事だ」


「…某は初めてタクト殿と遠く離れて戦いました。そして某がなんとかしないといけないと物凄い責任を感じてしまって…」


「ほぅ…戦場では感じなかったが今頃になって、感じ始めたか。それは俺たちもいつも感じているものだ。俺たちの王もこの世に一人しかおらん。一人の人間が全てを背負うことなど不可能だ。だからこそ俺たちは王を手伝っている。王が重責に潰されないようにな」


燎刃はパーシヴァルの言葉を聞いて、自分たちはタクトの重責を背負えて来ていたのか疑問に思ってしまう。それを聞いたパーシヴァルは断言する。


「一緒に戦って来たのだろう? ならば間違いなく背負えてきていたさ。だが、今回お前はより強く自分の主が背負って来ていた重責を感じ取った。そこからどうするかはお前次第だ。俺から言える事は一つだけ。頑張れよ」


「…はい!」


燎刃だけでなく今回の戦闘はみんなが燎刃が感じている物を背負って戦っている。これを感じ取ったみんなは大きく成長させることになるだろう。そして休憩が終わった燎刃は味方と動きを合わせながら猛爆や焼尽で敵の数を減らす活躍を見せるのだった。


ここでパラディンロードにも巨人たちの数が増えて来て、情報がもたらせる。それを聞いた燎刃たちも本気で暴れる瞬間を待ちながら敵を倒すのだった。

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