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#134 イベント開始と予期せぬ出会い

#130の花火ちゃんの登場回を大幅に修正しました。

お昼12時にログインし、イベント参加のメンバーを決める。決まったのはリリー、イオン、セチア、リキュール、ダーレーだ。リキュールとダーレーは外せなくて、四人でくじをした結果恋火は残念ながら、お留守番です。


くじをしているとヘーパイストスがガラスの剣を三本持ってくる。間に合ってくれたか…


「すみません。昨日のうちに出来上がっていたのですが、何やらもめていたみたいなので、渡せませんでした」


あぁ〜、昨日は花火ちゃんと決闘したあと、獣魔ギルドに向かって、リリーたちと話していたら、ログアウトだったからな。時間を作らなかった俺が悪い。


「ヘーパイストスが謝ることはないよ。昨日はリリーたちと色々話していたからな。時間を作ってやれなかった…悪い」


「大丈夫ですよ。これが出来上がったものです」


「確かに。俺たちの武器の耐久値の回復も頼めるか?」


「はい!」


その後ルインさんたちやメルたちも加わり、みんなで食事をして、満腹度を全回復させる。


そしてセチア、ヘーパイストスが武器の準備を整え終える。これで全ての準備を終えて、イベント開始時間を迎える。


「そろそろだね」


「イベント頑張りましょう」


「はい」


イベント開始が告知される。


『イベント『離島のサバイバル』を開始いたします。強制転移にご注意ください』


そして強制転移により、俺たちは知らない森に転移する。


さて、イベント開始されたわけだが、どうするかな。


「う…!?」


突然セチアが苦しそうな様子を見せる。


「セチア!? 大丈夫か?」


「は、はい…タクトさん、この森変です。森全体が毒に侵されてます」


「な、何?」


毒だと?俺は周りを見る。普通の森だ。そこでリンゴみたいな実を発見する。礫をリンゴに当て、リンゴを落とす。


「美味しそう!」


「はい。普通に美味しそうに見えます」


俺は鑑定してみる。


毒りんご:レア度1 食材アイテム 品質F-

毒に侵されたりんご。食べると即死する。


毒リンゴかよ!?しかも即死って危なすぎだろ!?


俺は果物ナイフで切ってみる。普通のリンゴだ…これは酷い。


最初はまともな食材が手に入らないこのゲームでこのリンゴ…悪質すぎるだろう。


俺はルインさん、佳代姉にコミュニケーションを使う。フレンドで灰色になっている人がいる…恐らく別のサーバーに行った人か…幸い仲がいい人は集まってるみたいだ。


『相手がログアウト中です』


遅かったか…メールを残しておこう。さて、方針を決めないとな。と考えていた所にモンスターが来る。お馴染みのボアだ。ただし色が紫色、毒ですよアピールしているだけりんごよりマシだな。一応識別してみる。


毒ボアLv1

イベントモンスター 討伐対象 アクティブ


「リリー」


「うん!」


リリーのフルスイングが直撃。ボアよ。安らかに眠れ。


さて、解体してみる。アイテムを落とさなかった。


これで現在が危機的状況であることが確定した。このイベントはサバイバルなので今までの食材、料理は持ち込み不可だ。


つまり食材は現地調達しなければならない。しかし周りは毒だらけだ。これはやばい!


「セチア…この辺りは全部毒か?」


「はい…私が感じる範囲でですが」


「そうか…毒がない場所は感知できるか?」


「出来ます。エルフですから!」


頼もしい限りだ。セチアの感知範囲は探索しながら図ろう。これで方針は決まったな。


「急いで移動するぞ! 食材が毒の場所に用はないからな」


俺は近くに待機していたリキュールに乗る。以前のリリーの操縦がそんなに嫌だったのかな?気のせいと言うことにしておこう。そしてちゃっかり相乗りするセチア。


「な、何しているんですか! セチア!」


イオンが食って掛かるがこれが致命的になる。


「私はタクト様に教えないと行けないので、仕方ないじゃないですか。それよりもいいんですか?」


「いいって何が…」


イオンが振り返るとダーレーに乗ったリリーの姿があった。イオンの顔が真っ青になる。


「ほら! イオンちゃん! 早く乗って!」


「ま、待ちなさい! リリー! ダーレーの操作なら私が!」


「ダメだよ。早い者勝ちだよ」


別にイオンは操作したいわけじゃないからな。


「頑張ってください。イオンお姉様」


セチアのエールを受け、イオンの恐怖の時間が始まった。一応俺もイオンを操縦に推したが意外に頑固なリリーを止められるわけがなかった。料理がないのがこんなところで影響するとは思ってなかった。


現在、森を爆走中。とはいえこちらは平和、リリーたちは暴走している。リリーたちに近づいたボアが吹っ飛ばされている。ボアが可哀想になってきた。


とはいえ、離島って話だが範囲が広大すぎる。リキュールを走らせ続けて1時間近くなるが海どころかずっと森だ。しかも変わらず毒の森だ。一応満腹度はいっぱいにしてあるが、不安がよぎる。


そんなことを思っていたらセチアが何かを察知する。


「タ、タクト様。戦いの音が聞こえます! あっちです!」


プレイヤーか?苦戦しているなら行ってみるか。満腹度の不安はあるがそれよりも情報を知りたい。ひょっとしたら毒のない場所を知ってるかも知れないからな。


「わかった。いくぞ! リリーたちもいいな?」


「ヒヒーン」

「「……」」


二人から返事はない…当然だわな。 ということは戦闘参加は俺、セチア、リキュールだ。


「俺はリキュールの操作に集中する。攻撃は任せたぞ? セチア」


「お任せ下さい」


「それとなるべく使ったことが少ない魔法を使ってくれ」


周りに出るモンスターははっきり言って弱い。ならば魔法スキル上げに利用しよう。


「わかりました!」


よし。では、行くか。


リキュールを走らせるとプレイヤーを二人見付けた。戦っているのは懐かしきウルフマン。紫色だから毒になっているが相変わらずの勇者スタイルだ。流石だと思う。


「トライデントアロー!」


おや?この声に聞き覚えが…


「ヘビースラッシュ!」


ん?こっちの声にも聞き覚えがあるぞ…だがヘビースラッシュを使った人はウルフマンと攻めぎあって、押されている。まずいな。


「リキュール、突っ込むぞ。セチア、しっかり捕まっていろよ」


「ヒヒーン!」

「は、はい!」


リキュールが疾風で速度をあげ、ウルフマンに突進する。ウルフマンは角に貫かれ、吹っ飛ばされる。


「大丈夫か?」


「お…王子様…」


何いっているんだ…この人は。というか聞き覚えがあるはずだ。


「委員長じゃないか」


「え?……せ!」


「本名禁止なんだろ?」


思いっきり誠吾と呼びそうなので止める。


「あ…う…あ…」


委員長、大混乱である。そしてもう一人はゲームの知り合いだ。


「まさかあなたに出会うとはね」


「お久しぶりです。トリスタンさん」


この人は以前アーサーの件で衝突した弓術師の人だ。自分の否を認め、一人で謝りに来た凄い人だ。


「話は後ですね。あいつ、どうしたらいいですか?」


俺はウルフマンを指差す。


「残念ながら私たちだけじゃ倒せないわ。手を貸してくれる?」


「わかりました」


俺とセチアはリキュールから降りる。俺は俺専用のガラスの剣を取り出す。準備オッケー。


「セチア、支援頼むぞ。俺が合わせるから、魔法を撃ちまくれ」


「お任せを」


「私も支援するわ」


「お願いします」


さて、やるか。ぶっ飛んだウルフマンが戻ってくる。そして前に出た俺に爪を振り下ろす。


攻撃パターン、変わらないな。俺は爪を弾く。そして俺がしゃがむとセチアの魔法とトリスタンさんの弓が飛んでくる。タイミング完璧だな。


ウルフマンがセチアとトリスタンさんを見た瞬間。俺は突きを放つ。


それを後ろに飛び去りながら避ける。へー、若木の森の奴より少し強いか?


ウルフマンが俺に噛みつく為に突っ込んでくる。おー、そんなパターンあったんだ。でもダメだな。


「回し蹴り!」


俺の回し蹴りがウルフマンの顔面に直撃、ぶっ飛ぶ。


木にぶつかったことでセチアとトリスタンさんの追撃を食らう。その間に俺はウルフマンとの距離を詰める。


ウルフマンの目が怪しく輝く。はい、待ってました。俺はガラスの剣を投擲。ウルフマンの叫びを阻止し、ウルフマンは硬直する。勝ったな。


俺はウルフマンに刺さったガラスの剣を抜き、斬りまくる、止めはセチアとトリスタンさんに任せた。


「お疲れ様。流石の強さね」


「いえいえ、トリスタンさんも見事の腕前です。セチアもよかったぞ」


「タクト様のサポートですから当然です」


どや顔だな。そこでリリーたちが来た。戦闘終わってるぞ。


「「き、気持ち悪い…」」


あんな走りをしていたらそうなるだろうよ。


「何があったのよ…」


トリスタンは苦笑いだ。そうなるよね。


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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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