#1318 ラーマの終戦の一撃
ここで章を区切ろうと思います。10日に章のまとめを上げたのち次回更新は一週間後の6月17日から再開する予定で行こうと思います。この期間の間に修正などを入れるので、場合によっては延期する可能性もあります。その場合は一話上げた時にまた告知させていただきます。
地面に落下して倒れて動かないゲイルに巨大なチャリオットに乗ったラーヴァナが言う。
「ふん…馬鹿なライオンだ。この超巨大チャリオット。プシュパカ・ラタに挑もうとするからそうなるのだ」
「ガァアアア!」
「キュー!」
優牙とジークが爪で攻撃するが弾かれる。相当な硬さであることはよく分かった。そして優牙とジークも吹っ飛ばされるがこれは側面からぶつかって来た攻撃だったので、ゲイルほどのダメージは無かった。
「無駄だ! クベーラから奪い取ったこのチャリオットは無敵だ! 誰にも壊すことは出来やしない! 喰らうがいい! 拡散光線! 大雷轟! 神撃! 強欲門!」
プシュパカ・ラタから放たれた雷や光線、巨大な武器がみんなに降り注ぐ。その光景を俺たちはラーヴァナのボス部屋だった場所から見つめる。あの瞬間、ゲイルが自分の影とプシュパカ・ラタの影を繋いでくれたからノワたちの影潜伏と影移動が間に合った。ゲイルと一瞬の判断、無駄にはしない。
「いくぞ…みんな全力を出していい! ゲイルをぶっとばしたあのチャリオットも全部破壊するんだ!」
「「「「おぉー!」」」」
それぞれ切り札を切ったみんながプシュパカ・ラタとラーヴァナに挑む。最初に仕掛けたのはさっきやられたジークだった。強烈な爪の一撃を与えてから引く前に尻尾でラーヴァナに一撃を与えた。
本来ならこれで半減の効果が発動するはずだが、ラーヴァナに発動していない。これもプシュパカ・ラタも効果か。実にうざったいチャリオットだ。しかも空中戦を挑む竜化したリリーたちに対して距離を取りながら武器を飛ばして来るいやらしい戦闘をして来た。
それが出来る程の機動力と速度を得ている原因がチャリオットの車輪部分に発生している觔斗雲だ。ただこれを消してもまた作り出されるだけな気がする。
武器が痛くないなら強引にリリーたちも行くところなんだけど、神の武器なだけあって、威力はかなりある。そう簡単に飛び込めはしない。チャリオットといい武器といい今のところラーヴァナ自身の強さがほとんどないじゃないか!伝説の武器などで武装している俺たちが言う資格はないと思うけど、流石にこれは言いたくなる。
「やっぱりラーヴァナを引きずり下ろすしかないな」
「しかしタクト様、近づけませんよ?」
「だな。それにあれだけ無敵ならもう何が何でも降りはしないだろう。ならこっちは何が何でも降りるしかない状況を作り出すしかない」
俺はアリナに頼んでラーヴァナの察知能力を空間歪曲での奇襲などで調べて貰った。結果はラーヴァナはサーベルで空間歪曲を斬り裂くなどの対応して見せた。ただ空間歪曲の発生そのものを防げた訳じゃないことから時空属性はないと判断する。
更に竜化したアリナが暴旋風を発動して貰うと車体が揺れるがダメージが入らないという結果に終わる。これでプシュパカ・ラタ攻略の情報は手に入れた。俺はアリナとストラ、ノワたちとユウェルに作戦を伝えて、仕掛ける。
「行くぞ! ヒクス!」
「ピィ!」
「馬鹿め! 強欲門!」
俺たちがラーヴァナに突っ込むと武器を無数に飛ばして来る。俺たちに命中しようとした瞬間、ヒクスは空間跳躍でラーヴァナの背後に回ると荷電爪で攻撃するが神障壁に阻まれる。俺の旭光近衛で斬撃を放ったが斬れなかった。これは本当に無敵バリアなんじゃないだろうな?まぁ、いい。それならこっちとしては好都合だ。俺の作戦を実行する。
「無駄って学習しねーな!」
「いいや。したよ。だからお前は負けるのさ」
『空間置換なの!』
俺たちと超覚醒のストラが入れ替わるとストラの首がプシュパカ・ラタに巻き付き、ラーヴァナの視界を奪う。相手のバリアには俺の斬撃や優牙とジークも触れていたので、当然ストラも触れることが出来る。ただここで締め付けてもバリアはびくともしない。だが、これでいい。
「なんだ? お前は? 死にたいらしいな!」
ストラの首がバラバラに切断される。しかしストラはちゃんと時間を稼いでくれた。
「ははは! ん?」
ストラをバラバラして視界を確保したラーヴァナの目の前に両手を上に合わせている黒鉄の姿があった。黒鉄の渾身の一撃が決まるとプシュパカ・ラタは神バリアを発生させながら地面を墜落する。
「何がどうなってやがる! 俺様はずっと上空にいたはずだぞ!」
確かに俺たちとストラが入れ替わった時点では黒鉄がいるところより、ずっと上空にいた。それがストラを斬っている間に黒鉄の攻撃範囲のところまで移動させて貰った。からくりは簡単でノワたちが使った引力支配だ。引力で強引に黒鉄の攻撃範囲にまで引き寄せたわけだね。
時間ないなら次元転移を使わせる方法もあったけど、その場合、黒鉄が遥か上空に転移することになるので、あまりしたくなかったことからこちらの方法を採用した。
本来ならラーヴァナは引力に引き寄せられれば気付けるはずだ。しかし今回はプシュパカ・ラタの無敵さを逆手に取らせて貰った。プシュパカ・ラタの神バリアに守られているせいでラーヴァナは引き寄せられていることに気付けなかったわけだ。しかも無敵なら危険予知系のスキルも発動することはないだろうしね。
こうして地面に墜落したプシュパカ・ラタはユウェルの流砂に捕まってしまう。
「く…この! 脱出しろ! 役立たず!」
「無駄だ。重力と地圧でプシュパカ・ラタの脱出することは出来やしない。プシュパカ・ラタの能力は車体と乗り手を無敵にすることだけ。車体の外の力に対して無敵なわけじゃない。その証拠に風を受けた車体がバランスを崩していたぜ?」
俺の声にラーヴァナは忌々しそうに俺を睨んで来るとストラが地面から首を出して来た。
「無事でよかったよ。ストラ。悪いな。身体はらせてしまって」
「「「「シャー」」」」
もっとがんがん指示を出してくれって感じだ。これは結構みんな思っていることなんだよね。もっと戦闘の機会を与えることが出来たら、良いんだけど、中々に難しい。
「そのサーベル、不死殺しがないんだな?」
破壊神シヴァの武器なら持っている可能性を考えていたが現時点で無い事は確定した。恐らく加護の蘇生は加護破壊で無力化されてしまうんだろうけど、不死身スキルを破壊するまでの力はない感じか。
破壊神シヴァといえば三叉槍トリシューラかパシュパタストラのイメージが強い。弱くはないんだろうけど、やはりこの辺りの武器と比べると劣るんだろうな。
「く…おぉおおおおお!」
最後までラーヴァナはプシュパカ・ラタに乗りながらあがいていたがどうどん地面に沈んでいき、遂に完全に流砂に呑み込まれてしまった。
『これで終わり?』
「普通ならそうだろうがそう簡単にはいかないだろう。気を抜かないようにな? リリー」
『うん!』
「魔素が地面から噴き出しているわ! 来るわよ!」
地面が吹っ飛び、魔素解放と巨大化を使用したラーヴァナが現れた。
「これで勝ったと思うな! 人間ども!」
ラーヴァナは顔全てから特大のブレスが放たれ、武器を次々ぶん回すと空振の効果で次々吹っ飛ばされる。更に武器から斬撃も飛ばしてくるとこれを受けた黒鉄や優牙、ジークが後ろに下がらされる。この三人が斬撃を受けて怯むほどの威力はやばい。
距離を取った俺たちに対して目から死滅光線を放ち、地面を踏みつけると地割れが発生して、黒鉄がバランスを崩してしまうがこれは足を伸縮で伸ばして地割れから脱出した。そんなことも出来たんだ。確かに体のどこでも伸び縮みが出来るなら可能だよな。盲点だった。
自分に近付けないように武器を振り続けているのは凄いがこいつはもう無敵じゃない。リリーたちが反撃のブレスをして、激しく戦闘をしていると俺がヒクスに乗って、イクスと千影、虎徹、ルーナ、白夜、蒼穹、コーラルと共に次々ラーヴァナの顔と腕を切断する。
これに対してラーヴァナは衝撃放射で俺たちをぶっ飛ばすと腕を強化復活で治して、治した手には武器が無いので、魔神波動や溶波動、冥波動、消滅弾で攻撃して来た。更に口から多種多様なブレスを吐いて来たがこれはリリーたちがブレスや体で止めてくれた。
俺たちが確実にラーヴァナを追い詰めている時だった。湖から巨大な水柱が発生すると空飛ぶ黄金の巨大な猿の姿を見せる。
「間にあったようだな! ん? ははは! 随分ラーヴァナはボロボロのようだな!」
「私たちの夫が戦っているんですから当然です!」
イオンがそう言うが状況はそんな状態ではない。
「ハヌマーン!? それにお前がラーマか!」
「そうだ! ラーヴァナ! お前が俺から奪ったシーターはこの通り、返して貰ったぞ!」
「シーターだと!? き、貴様ら! シーターまで俺様から奪うのか!」
「奪ったのはお前のほうだろうに…まぁ、いい。お前たちの蛮行もここまでだ。大人しく武器をおけ」
ラーマの投降勧告にラーヴァナはぶちギレる。
「ふざけてんじゃねーぞ! てめぇ! 誰が負けなど認めるか! 俺様は最強でお前たちが下なんだよ! チャンドラハース! 神威解放! チャンドラチャクラ!」
サーベルから銀色の輪っかの斬撃が放たれる。流石にシヴァの斬撃を受けるのはやばいと考えたハヌマーンは回避するが斬撃が追尾してくる。
「ハヌマーン! 射線をラーヴァナに開けてくれ!」
「任せろ!」
ラーマが弓を構えるとシーターがラーマの隣に立ち、弓矢を引くラーマの手に自分の手をさえる。
「何の力にもなれませんが…わたくしも一緒に」
「シーター…わかった。行くぞ! シーター!」
「はい!」
「今こそ俺の力を解き放とう! 神威解放!」
ラーマから創造神クラスの神のオーラが発生する。それをラーヴァナが知覚する。
「なんだ!? なぜ人間からそんな凄まじい神の気が宿っている!? インドラを超えているではないか! くそったれが!」
「威力はだいぶ落ちるがお前を倒すにはこれで十分だ。受けてみるがいい! 宇宙最強の一撃を! 神技! ヴァイシュナヴァーストラ!」
ヴィシュヌの力が宿っている宇宙の弓矢がとんでもない速さで放たれる。それは受け止めようとしたチャンドラハースの二本が破壊され、ラーヴァナに炸裂するとラーヴァナが宇宙の光に包まれて、身体が焼かれる。ナーラーヤナーストラより遥かに威力が高い攻撃だ。
「が…あ…あぁ…っ!?」
武器は残った二本のチャンドラハース以外全滅し、ボロボロのラーヴァナにハヌマーンが接近するとハヌマーンに攻撃するが残像に消えて、ハヌマーンを追っていたチャンドラチャクラがラーヴァナに向かう。
「魔素化!」
ラーヴァナの姿が消えて、これを回避した。しかし魔素化で体を空に復元するところは俺から丸見えだった。ラーマには悪いが俺たちが決めさせて貰おう。
「英雄技! 霹靂閃電! 今だ! 決めろ! みんな!」
俺の斬撃が炸裂すると最後はみんなの一斉攻撃を受けると最後は神格覚醒を使ったゲイルがやられた分のお返しとばかりの爪の一撃でラーヴァナは地面に墜落して倒れるとインフォが来る。
『ラーヴァナの領地を解放しました』
『恋火の神道魔術のレベルが40に到達しました。神道魔術【祝詞】を取得しました』
『リビナのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『リアンの人魚技のレベルが30に到達しました。人魚技【マーメイドテイル】を取得しました』
『和狐のレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『アラネアのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『ロコモコのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『エアリーのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『ダーレーの格闘のレベルが40に到達しました。格闘【クロスカウンター】を取得しました』
『ダーレーの槍のレベルが40に到達しました。槍【スクリューランサー】を取得しました』
『ダーレーの竜技のレベルが40に到達しました。竜技【ドラゴンノヴァ】を取得しました』
『ぷよ助のレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『伊雪のレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『伊雪の棒のレベルが40に到達しました。棒【三突星】を取得しました』
『ミールのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『ミールの槍のレベルが40に到達しました。槍【スクリューランサー】を取得しました』
『ミールの妖精技のレベルが20に到達しました。妖精技【フェアリーダンス】を取得しました』
『ヒクスのレベルが30に到達しました。成長が可能です』
『ストラのレベルが30に到達しました。成長が可能です』
『クリュスの槍のレベルが50に到達しました。槍【テンペストペネトレイター】を取得しました』
『月輝夜の大剣のレベルが30に到達しました。大剣【断刀】を取得しました』
『千影の魔王技のレベルが30に到達しました。魔王技【デモンズオーラ】を取得しました』
『ハーベラスのレベルが30に到達しました。成長が可能です』
『リオーネのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『スキアーのレベルが40に到達しました。成長が可能です』
『リースの天盾のレベルが40に到達しました。天盾【マジックカウンター】を取得しました』
『リースの英雄技のレベルが30に到達しました。英雄技【エインオーラ】を取得しました』
これでここでの戦いは終わった。ラーマたちが俺のところに来るとラーマに勝鬨を譲る。やっぱりラーマから聞いてみたい。
「魔神ラーヴァナは俺たちの手で倒された! 俺の妻シーターも無事に取り返した! みなの尽力に心から感謝する! この戦い、俺たちの勝利だー!」
「「「「わー!」」」」
みんなが勝鬨を上げるとラークシャサたちは戦意を失う。ここからは戦後処理だ。解体作業にかなりの時間を有するので、今回の反省点をみんなに伝える。
「まぁ、竜化とかの判断は完全に間違っていたな」
「あぁ~! やっぱりそうだよね!」
リリーが気付くほどだから当然みんな気が付いていた。普通に武器の解放で留めて置けば変にダメージを受ける事は無かったからここは完全に調子に乗ってしまったダメな所だ。これは命令した俺に全責任がある。
リリーたちは全力で戦えて満足したなどフォローしてくれたけど、リリーたちを危険な目に合わせたことには変わりないので、しっかり反省しようと思う。
その後、イオンたちから話を聞いているとここで解体作業が終わったので、まずラーヴァナたちの最終決戦の報酬から見て行こう。
プシュパカ・ラタ:レア度10 戦車 品質S+
重さ:10000 耐久値:なし 攻撃力:8000
効果:堅城、黄金装甲、黄金障壁、神バリア、神障壁、光速激突、強激突、超加速、神速、超電磁、格納、仙術、休養、別荘、回復領域、雷轟、拡散光線、日光、神の加護
財宝神クベーラが持つ空飛ぶ巨大なチャリオット。魔神ラーヴァナに奪われてしまったチャリオットで壊れることが無く、四つの車輪から觔斗雲を発生させることで飛行を可能にしている。突撃の破壊力もさることながら、大人数が乗ることが出来、たくさんのアイテムの持ち運びにも便利なチャリオット。
チャンドラハース:レア度10 片手剣 品質S
重さ:500 耐久値:4000 攻撃力:5000
効果:神殺し、魔神殺し、神気、覇気、破魔、万物破壊、万物切断、魔力切断、時空切断、多乱刃、星光刃、月光、月食、覇撃、加護破壊、耐性無効、防御無効、神威解放、破壊神の加護、月の加護
破壊神シヴァが魔神ラーヴァナに手渡した見た目が美しいサーベル。そこまで強くシヴァの力が宿っていない代わりに月の力が加わっており、月の魔力で敵の正気を失わせてから相手を斬る戦闘を得意としている。
攻撃力八千の突撃を受けて、ゲイルは無事だったのかと思ったけど、神鎧レオテンペストアーマーがボロボロになっていた。防具を装備させといてよかったよ。
「帰ったら、ヘーパイストスたちに直して貰おうな」
「ガウ!」
プシュパカ・ラタはうちのギルドで管理する案が出たけど、インドラがある提案をして来たことで変化する。
「こいつをクベーラに渡してやるといいことあると思うぜ? あいつは俺様たちの財宝全部管理している神だからな」
これはつまりインド神話の武器と交換可能ってことだ。しかもインドラの話によると制限なしらしい。こんなの満場一致で交換決定だよ。というわけでこれはインドラに渡して、明日いつものリストから選ぶ形式になることが決まった。
そしてユウェルが女の子たちを解放したことでこちらもリストの報酬が決定した。つまり明日はリストから選べる報酬が二個あるわけだ。うはうはですわ。
チャンドラハースについては月光で回復していたんだね。しかも破魔でリビナたちが結構危なかったんだ。月食は使用されなかったが優牙がいたから使えなかった感じか。
結構強そうには見えるがやはりハラダヌの弓と比べると激しく劣化を感じてしまう。品質も良くないし、シヴァの武器の中でもかなり弱い武器に設定されていそうだ。それでこのステータスは色々やばいけどね。
チャンドラハースは四本手に入り、俺は一本貰うことになった。残りの三本は筋力自慢の重戦士たちの手に渡った。俺たちの方では厳選なじゃんけんの結果、ダーレーの手に渡る。
「筋力足りてないじゃん! ダーレー!」
「そうだぞ! そうだぞ!」
「格納を使うから別にいいんだよ」
確かに攻撃する時に武器を入れ替えて、振り下ろすだけなら重さの影響はほぼ受けないだろう。それにいざとなれば持たずに念動力で浮かせるのもありだと思う。普通に使えるならそっちのほうが強そうではあるけどね。
「それに負け惜しみはみっともないぜ?」
「「「「生意気―! お仕置きだー!」」」」
戦闘が終わった後でも元気なリリーたちである。
次は俺以外の報酬の確認だ。ナムチからはスラー酒。ナラカからはインド神話の天界に行けるアイテムである天部の鍵が手に入った。これは誰が貰うかはナラカの攻略に参加した人たちが決める事になった。
シュムバたちからは天上界の鍵が手に入る。これは仏教の天界への鍵らしい。桜花かワントワークにあることが確認されている。これはタクマの手に渡った。
「仏教で強い神様って何がいるんだ?」
「真っ先に浮かぶのは帝釈天や毘沙門天とかだが、釈迦如来とかどこまでが天界の範囲なのか分からないから行ってから考えるべきだと思うぞ」
「あぁ~…言われてみると結構幅が広そうだな。まぁ、行ってみるか」
最後にマヒシャだがマヒシャの蹄というアイテムが手に入った。馬などに装備するアイテムで女性に強くなるらしい。これを知ったダーレーがお願いしてきた。
「あれ、貰って来てくれねーか?」
「「「「ダメ―!」」」」
ダーレーのお願いはリリーたちに阻止されました。このアイテムは騎兵の人の手に渡る。その代わりにメルたちには今回の戦闘で手に入った大量の武器から得られるお金を結構多く渡すことで報酬とした。この辺りの判断をする商人たちは流石だね。
この他にも各ヴィマナからは大量のコスモメタルとメテオライトが手に入り、アラバスター・ゴーレムからは伸縮鉄とプラズマタイトが確認された。プシュパカ・ヴィマナからはギャラクシーメタル、コールドダークマター、ホットダークマターが大量にゲットし、宇宙航行装置と縮退炉が手に入った。
縮退炉はSF世界で使われる仮想エンジンだ。ブラックホールエンジンなどが縮退炉に類している。色々な縮退炉があるのだが、どれもエネルギーが膨大であることは共通しているので、これは完全に宇宙船用のエンジンと見るべきだろう。
報酬を見たみんなは全会一致でアザトース戦前に攻略すべきクエストだったと思ったのは言うまでもない。宇宙航行装置と合わせて、一応研究者たちが共同で宇宙戦艦の建設することで話がまとまった。
そして報酬の山をを見たルインさんが言う。
「よくもまぁ、こんなに倒したものね…解体するの大変だったわよ」
「途中から見てましたけど、初めてUFOに同情しました…」
「あちこちで発生する巨大竜巻に巻き込まれていたもんな…」
「タクトさんたちを相手に無限沸きの敵を用意したらダメだよ…運営さん」
「「「「えへへへ~」」」」
テジャス・ヴィマナとアラバスター・ゴーレムを倒しまくったリリーたちは照れている。俺から見てもかなり酷い戦闘だった。セチアや和狐まで飛び出して、空中戦をしていたからね。しかもそれで勝っているのがまた凄いわけだ。
因みにテジャス・ヴィマナとアラバスター・ゴーレムと戦っている時に優牙と黒鉄を除くと一番無双していたのはアリナだったりする。理由は旋風刃も凄まじかったけど、空間支配と大気震が一番効果的だったな。空間支配で転移を封じられて、大気震で逃げ場がない攻撃をされていた。
そのアリナに攻撃しても光線は吸収されるし、通常兵器がアリナの速度に叶うはずがない。フェンリルレイピアもあったし、独壇場だった。もちろん他のみんなも随分と暴れていたけどね。
これらの報酬は俺たちが多めにホットダークマターとコールドダークマターを貰って山分けで落ち着き、報酬の確認は終わる。今回の報酬で他のエクスマキナたちの装備がだいぶ変化して来るだろう。俺もラグナロク前にミアたちが強化出来そうで良かった。
そしてまだこの領域での物語は終わっていなかった。ここにはヴィビーシャナとその部下、更には戦意を失ったラークシャサたちの姿があったからだ。ラーマが彼らに問いかける。
「君たちはこれからどうするつもりだ?」
「私たちが大罪を犯したのは事実です。私たちの処罰はラーマ様にお任せします」
「そうは言われてもな…」
「ラーマ。彼がラーヴァナを必死に説得しようしてくれていたのはわたしくも聞いています。どうか命を奪わないようにしてください」
シーター姫は本当に優しいお姫様みたいだな。元々ラーマも一緒に戦ってくれたヴィビーシャナたちを殺すことはしないとは思っていた。さて、神話と同じ流れになるかな?ここでラクシュマナがラーマに耳打ちする。
「おぉ! それはいいアイデアだな! ヴィビーシャナとラークシャサたちよ」
「はい」
「お前たちは大罪を犯した罰としてヴィビーシャナをここの王にし、生活することを命ずる」
「はい…はい?」
ヴィビーシャナがラーマを見るとラーマがヴィビーシャナを肩に手を置く。
「俺も今回の戦いで色々学んだつもりだ。ラークシャサの全てが悪い訳ではない。民を良き者にするか悪しき者にするから王の肩にかかっている。道を外してしまった彼らをお前なら正しく導けるはずだ。頼むぞ」
「ラーマ様…分かりました。我が命が尽きるまで頑張ることをここに誓います」
「うむ。共に良き国を作っていこうぞ」
こんな会話をしたのかは分からないけど、神話の流れ的にはこれと同じだ。そしてラーマが俺たちを見る。
「此度は最初から最後まで随分世話になったな。これから俺たちは各々戦争の復興に乗り出すつもりだが、今回の恩は決して忘れはしない。お前たちが困った時は遠慮なく行ってくれ。必ず駆けつけて、お前たちのために戦うことを誓う」
「ありがとう…もしその時が来たら、遠慮なく頼らせて貰うよ」
ここでハヌマーンたちからは彼らの村でハヌマーンと契約出来るクエストやラーマたちの国に行けることなどが伝えられた。そしてみんなが転移でいなくなる中、俺だけラーマに止められた。
「なんというかだな…また必ず会おう。戦友よ」
「あぁ。これから大変だろうけど、シーター姫のことも忘れずに頑張れよ」
「肝に銘じておくよ」
俺とラーマが拳を合わせて、俺たちがフリーティアに帰るとラーマとシーターは抱き合い、キスをするのだった。
フリーティア城で俺とシルフィが今回の戦いの報告を済ませて、俺たちは寝室に向かう。今日はシルフィが決めたように二人っきりだ。
「ラーマさんとシーター姫が再会出来て良かったですね」
「うん。本当に良かったと思うよ」
「シーター姫、可愛かったですね」
「俺のシルフィには負けるけどね」
シルフィの悪戯失敗。そして俺のカウンターも決めてやったぜ。
「もう…よくそんなこと言えますね」
「シルフィが俺をはめようとしたからでしょうが」
「バレてました?」
「バレバレです」
ここでベッドの中に二人で入る。
「一つ聞いてもいいですか?」
「自分がシーター姫のようになったら、俺がどうするか聞きたい感じ?」
「当てちゃうんですね…で、答えはなんですか?」
「もちろん最速で取り戻しにいくよ。今回の場合なら迷いなく迎えに行っただろうね」
「ふふ。タクトならそうしますよね。タクト、大好きです」
二人で愛を確かめったところで俺はログアウトした。




