#1314 プシュパカ・ヴィマナ攻略戦
俺たちは疲れて、夕凪の中でおやつを食べていると結界の消滅がイオンから報告される。
「あぁ! みんなしてお菓子を食べるなんてずるいですよ!」
「はい。アイス」
「はむ。おいひいでふ」
俺はみんなを見る。
「ここからは俺たちが頑張る番だ。作戦通りに落とすぞ」
「「「「おぉー!」」」」
みんなが夕凪から外に出ると流星群が降り注いでいた。大きい召喚獣たちも夕凪の背に乗って、戦闘しているせいだ。ストラは一番上、ディアンは右側で左側にスキアーが陣取っていて、中央にサフィを置くことで回復領域の効果をみんなが受けて夕凪が無敵の俺たちの城塞になっている。
「みんな、交代だ。お疲れ様。ボス戦に備えて休んでくれ。夕凪の中におやつがあるから食べていいぞ」
これを言うとみんなすぐに引くんだよな。敵よりも食べ物のほうが優先度が高い皆さんです。恐ろしいのがサフィが夕凪の中に言っても回復領域の効果が夕凪に発動するところなんだよな。
ここで俺はプシュパカ・ヴィマナから新たに出現した敵を確認した。
ナヴァラトナ・ヴィマナLv78
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
プシュパカ・ヴィマナの周囲に展開された岩だ。数は全部で九。それぞれ岩の中心部に異なる宝石が埋め込まれる。
ナヴァラトナは確かインドで結婚するときにジョーティッシュという星占いで使われる最高の魔除けことだったはず。今はどうか知らないけど、この星占いの結果次第で結婚出来ないこともあるとかテレビで言っていたのを覚えている。
ナヴァラトナには九つの宝石があり、それぞれ惑星を示していたはずだ。つまりあの岩は配置された宝石で恐らく属性が違っており、惑星魔法か星と名が付くスキルを使って来そうだ。
俺は久々にヒクスに乗って、戦闘を開始する。プシュパカ・ヴィマナの武装の追尾光線などが非常にうざいので、空間転移を扱うヒクスやスピカのほうが武装の破壊には向いている。
「手筈通りに行くぞ」
まずリリーたちがテジャス・ヴィマナとアラバスター・ゴーレムと蹴散らしているとナヴァラトナ・ヴィマナから自分の中心部にある宝石と同じ宝石を打ち出して来た。そして宝石解放で爆ぜる。
「危ない危ない…いっくよー!」
リリーたちは回避してプシュパカ・ヴィマナに攻撃すると封鎖スキルで防がれる。やっぱりナヴァラトナ・ヴィマナを先に落とさないとダメか。
リリーたちはそれぞれ狙いを定めて、攻撃を叩き込むと神バリアで防がれるとそれぞれの属性の波動技が放たれ、みんな回避するとプシュパカ・ヴィマナの追尾光線が飛んで来て、回避しているとナヴァラトナ・ヴィマナがそれぞれの光線で撃ち抜かれた。その結果、追尾光線も当たり爆発する。
更にアラバスター・ゴーレムたちが追撃に出るが無事だったリリーたちは返り討ちにする。その程度の光線ではオリハルコンの鎧はびくともしないぜ。そしてリリーたちは再度ナヴァラトナ・ヴィマナに突撃し、攻撃を躱すとその隙に俺たちが突撃する。
ここでチャリオットに乗ったラークシャサたちが突撃して来て、俺はヒクスの空間転移で回避すると逆に襲い掛かろうとしたが弓矢の狙撃が来て、下に回避する。やばさを感じ取ったチャリオットは上に逃げると俺たちは追跡し、弓矢の狙撃を回避しながら距離を詰めて旭光近衛ですれ違い様に一刀両断する。
落下していくラークシャサたちは俺たちに狙いを定めるが背後にいる白夜とゲイルに噛みつかれて、移動しながら倒された。ここまでの空中戦で俺たちは相手のチャリオットの危険性を全く感じていない。
確かに逃げながらあちこち自由に攻撃出来るところは強いのだが、明らかに耐久値と速さ不足だ。何度か突撃して来たところはあったんだけどイクスのソードフライヤーで黄金障壁を貫通され、その後デウスレーザーフライヤーに撃たれまくって撃沈している。
他にもストラやコーラル、クリュスに捕まったり、コノハの槍の突撃で破壊されるなど全然対応出来ていない。これは完全に耐久値と速さ不足と言っていいだろう。ぶっちゃけ移動しながら攻撃するなら恋火たちのように觔斗雲に乗った方が全然いい。速さでも觔斗雲のほうが速いし、機動力も上っぽい。
ここでファリーダがナヴァラトナ・ヴィマナの撃破に挑む。
「防御無効に耐えたことには驚いたけど、それだけじゃ炎の魔神から逃げられないわよ。重力場!」
ファリーダが周囲に発生させた重力場で神バリアが歪んで砕け散る。
「デモンクラッシャー!」
これは絶対防御で止められて、反撃の炎波動を受けるがファリーダには通じない。ファリーダが拳を構える。
「シャイターン・ラッシュ! これで終わり! まぁ、ざっとこんなもんね」
見事に一つ破壊して、涼しい顔をしたファリーダだが、追尾光線に命中して爆発する。油断大敵である。
「…潰す」
怒りをぶつける気満々のファリーダだが、ナヴァラトナ・ヴィマナにはぶつけられそうにない。みんながもう破壊の態勢になっている。
「「「「ドラゴンダイブ!」」」」
リリー、イオン、アリナ、燎刃が突撃して、神バリアを破壊すると波動技を回避して、武器を構える。
「天涯両断!」
「海錬刃!」
「当たらないの! 超電磁! 神速! 貫くの! フェンリルレイピア!」
「溶断! 剣突!」
リリーとイオンがぶった斬り、アリナと燎刃は突きでぶち抜いた。アリナは今回の戦闘で完全にフェンリルレイピアの強さを理解したな。まだ馴れていない武器だし、どこまで信じていい武器なのか本人が分かっていなかった。
しかしチャリオットの突撃に対して突撃で返り討ちにしまくったことでかなりフェンリルレイピアという武器を信じられるようになった。こうなるとアリナは強い。特に得意な空での戦闘では盾持ちのラークシャサは全方位をカバーできない。アリナの襲撃を感じ取ってから盾を構えるよりもアリナの突きのほうが速く、ラークシャサたちを倒していた。
これに恋火、リアン、ブラン、千影が続く。
「火炎車!」
「マーメイドダイブ!」
「エンジェルダイブ!」
「才気煥発!」
三人が突撃技をするのと違って、千影は武器の連続攻撃で神バリアを破壊する。そして四人も反撃の波動技を回避する。
「狐稲爆! 溶断! 爆炎之太刀!」
「「テンペストペネトレイター!」」
「時空切断! 水圧切断! 流星一文字!」
恋火は狐稲爆を使って、ダメージを与えてから一刀両断し、千影は才気煥発の時に本体にダメージを与えていたため、流星一文字で一刀両断に成功する。リアンとブランはごり押しでぶち抜いた。
「…リアンが筋肉思考に変わっちゃった」
「えぇ!? なってませんよ! これはその! 勝てると思っただけで」
「ちょっと待ってください。ノワ。それは私も筋肉思考と言ってませんか? 私は違いますから」
「私も違います」
「…自分たちが破壊したあれを見てから言って欲しい」
ノワの意見に誰も反論することが出来なかった。まぁ、俺としてはリアンが勝てると思ったという所が重要だと思っている。勝てるかも知れないから突っ込むと勝てると思ったから突っ込むのとでは天と地の差がある。トリアイナでそれを感じるようになったのなら装備させた甲斐があったものだ。
ただ後で脳筋思考については一応注意しておこう。リアンは元々魔法や歌で支援するタイプだからね。自分の本来の得意な戦闘を見失って欲しくはない。今回は魔法が妨害を受けているからこの戦闘でいいんだけどね。
とにかくこれで封鎖スキルは解除された。これを待っていたセチアとイクス、和狐、セフォネが仕掛ける。
「超電磁! サウザンドレイン! 宝石解放」
ヴィジャヤから放たれたレールガンの弓矢がプシュパカ・ヴィマナに降り注いで突き刺さる。一生懸命ラークシャサたちが弓矢で振り落とそうとしたがレールガン状態でしかも弓矢の強度もこちらが上では防ぎようがない。そして宝石解放で敵が吹っ飛ぶ。
しかし彼らは不屈で生き残る。宝石解放の閃光が収まると目の前にロコモコがおり、全員感電させるとコノハの羽投擲、蒼穹の雷雨とコーラルと焼尽が使用し、ラークシャサたちを倒しきる。
すると宮殿からラークシャサが次々援軍として現れる。そこを狙ったのがエアリーで突撃で多くのラークシャサを空に落下させる。そして空に放り出されたラークシャサたちをグレイと白夜、ゲイル、狐子、ルーナ、伊雪、ルミ、ハーベラス、リオーネが仕留める。
「マスターからの命令です。敵要塞の敵出現ポイントを破壊します。全員、一斉攻撃開始」
「狐稲爆! 念動力! 爆発の護符!」
「ブラッティレイドボムなのじゃ!」
こちらではイクスたちがテジャス・ヴィマナとアラバスター・ゴーレムが現れている格納庫を各々の武器で破壊する。
和狐とセフォネはばらけて武装の破壊を狙う。ここで和狐は念動力で大量の爆発の護符を敵の武装に貼り付けて爆発で破壊する技を見せてくれた。そして残りの武装を俺とヒクス、リースとスピカコンビが超連携で破壊した。
そして俺考案の夕凪の必殺技の準備が整った。しかし危険を感じ取ったのが夕凪に神撃が放たれる。しかし突然現れたコノハが盾を展開すると絶対防御でガードした。流石アテナの梟だ。
ここで夕凪はプシュパカ・ヴィマナの真上で手足を引っ込めると逆さまになり、横回転しながら自由落下を始める。それを見たラーヴァナたちは覇撃の弓矢を放つが全て弾かれ、逃げようとした時だった。足に木の根が巻き付き、撤退が遅れる。エリア―の仕業だ。
そして高速運転しながら落下した夕凪は逃げ遅れたラーヴァナたちに直撃するとそのまま大きな穴を空ける。回転激突は連続攻撃判定があるスキルなので、不屈では耐えられない。これが夕凪インパクトの力だ。普通にぶっ壊せると思う攻撃なのだが、流石に墜落はさせてくれないらしい。
ここで中で待機していたユウェルとストラたち大型の召喚獣が制圧に動く。月輝夜だけは回転の影響を受けたらしく、気持ち悪そうにしている。改良の余地あり。浮かべない人のフォローが必要だな。
「ノワ、リビナ。下の奴らを頼む」
「…ん」
「りょーかい」
「「影移動」」
二人が消えるとプシュパカ・ヴィマナの内部にいるラークシャサたちを襲撃する。相手からすると完全に舐められていると思うだろうが敵が思いのほか、集まらない。ユウェルたちが上からイクスたちも格納庫から逆に内部に潜入しているせいでラークシャサたちは分散せざるを得ない。
「…それだけの数で足りる?」
「ボクたちは強いよ」
ノワから影が広がり、リビナが自分の爪が伸びて、ラークシャサたちが次々倒していくのだった。その戦況をみんなから聞いた俺は決断する。
「もう十分だな。ダーレー。ラーマを頼んだぞ」
「あぁ。任せておけ」
「一応イオンに解錠の木鍵は預けておくな。ただでシータ姫を返してくれるとは思えない。気を付けるようにな」
「「「「はい!」」」」
ここで戦力を別れる。シータの救出に向かったのがダーレーに乗るラーマとラーマの兄弟たち、猿軍の面々に加えて、俺からはイオンとリアン、チェス、ミール、ディアン、サフィ、月輝夜、クリュス、蒼穹、夕凪、スキアーが下にある湖に向かう。
「レイジさん、シルフィ。みんなをお願いします」
「任せとき。ギルマスもラーヴァナを頼むで。は!」
「ふふ。本当にタクトは心配性ですね。任せて下さい」
全員が湖の中に入ったことを確認した俺はあちこちで爆発が発生しているプシュパカ・ヴィマナを見る。
「さて、俺たちもラーヴァナの顔でも拝みに行くか」
「「「「おぉー!」」」」
俺たちはいよいよプシュパカ・ヴィマナの宮殿に入るのだった。




