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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
太陽神ラーとラーヴァナ戦
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#1298 シンモラ戦と終末の炎の巨人

GWの更新について告知します。5月3日から5月5日をいつもと同じ時間に連続更新をします。みなさんのGWの楽しみの一つになれば幸いです。

俺たちを囲っていた敵が一斉に襲い掛かって来た。これに対してスルトはレーヴァテインを横に構えると思いっきり振る。するとレーヴァテインに触れてしまったムスペルやマーナガルムに猛爆が発動し触れてない仲間まで纏めて爆発する。


墜落し、ダウンしている彼らはスルトがレーヴァテインを天に掲げているのを目撃すると天から焼尽による雨と黒い雨が降り注ぎ、地獄絵図を作り出す。防御も耐性も加護も無力化されて逃げ回るしかない。


「つっよ…」


黒鉄の下に避難している俺たちは素直な感想を言う。一方でシルフィは冷静にレーヴァテインを分析していた。


「これがスルトの専用装備の力ですか…タクトの言う通り危険な力ですね。後でちゃんと言い聞かせておかないと」


シルフィもやっぱり一流の召喚師だね。ちょっと鼻が高くなる。


「あまり調子に乗っているんじゃないよ! 巨人技! レーギャルン・プリズン!」


スルトが特攻して来たムスペルにレーヴァテインを振るおうとしたところでレーヴァテインに空間から現れた鎖が巻き付き、拘束すると更にスルトにまで鎖が巻き付いて、動きを封じて来た。その上、黒鉄や俺たちにまで鎖が来る。


俺たちは避けられたが黒鉄やウェルシュドラゴン、ハーベラス、コーラル、フェニックス、サラマンダーは拘束されてしまった。


「あたしの鎖は封印と灼熱の鎖。たっぷり味わんな。紅炎! 溶断!」


鎖が真っ赤に染まるとその熱でみんなから焼かれる音が聞こえる。耐性無効まであるな。厄介な鎖だ。だからこそシンモラに挑む価値があるのだ。あのレーヴァテインを止めれる鎖なんてそうそうある物じゃない。


そう思っているとレーヴァテインに巻き付いて来る鎖が砕けてしまう。耐久値の限界を迎えてしまったみたいだ。


「流石に箱がない状態じゃ、完全封印は出来やしないかい。でも、召喚獣のスルトならまだ希望はある。悪いけど、召喚主のあんたを倒させて貰うよ!」


シンモラが片手に持つ鎖をシルフィに向けて振り落として来た。それを俺は蹴り飛ばす。


「少しは逃げる素振りを見せてもいいんじゃない?」


「嫌ですよ。タクトが助けてくれてる姿が好きなんですから」


ズルいな。そう言われると助けるしかなくなるじゃん。


「この!」


もう一方の鎖をまた振り落として来るが俺はまた蹴り飛ばした。同じ攻撃が通用するはずがない。


「く…巨人技! シンモラ・ラッシュ!」


シンモラは連続で鎖を連続で叩きつけて来る。流石にこれは怪物王の魔法封印杖で弾くしかない。俺が全部弾くと流石にシンモラは叫ぶ。


「な…なんなんだい! お前は! どうしてそんな小さな人間が巨人のあたしの渾身の攻撃を全て弾ける!?」


「筋力がほぼ互角で俊敏性で俺が圧倒的に上回っているからです」


悪いけど、最初に鎖を蹴飛ばした時点で脅威をまるで感じていない。ラーを倒した影響は俺が思っている以上にやばいものだったみたいだ。


「まぁ…普通の人間は出来ませんよね。その意見には同意します」


「召喚師が一番の化け物ってどうなんだ?」


「あたしたちが一番頭を悩ませているところでありますよ」


「最近助けている実感が減ってきているものね」


結構助かっているし、頼ってばかりな気がするんだけどな。俺に余裕が出てきているのが逆にみんなからすると助けている実感を失わせているのかもしれない。これから戦闘は激化していくから余裕がある戦闘なんて少ないだろうからリリーたちの悩みは解消されそうな感じはする。


「それなら! はぁあああああ!」


シンモラはジャンプすると両手を天に掲げると巨大な火の球が作り出される。核撃か。


「あたしも耐性無効持ち。これを受けたら、あんたたちでも一溜まりもないだろう?」


「そうだな…雷光刃!」


怪物王の魔法封印杖が斧モードになる。


「斬るつもりかい! やれるもんならやってごらんよ! 核撃!」


「いいや。斬るのは俺の仕事じゃないな。おら! いけ!」


俺は怪物王の魔法封印杖を核撃とは別の方向に投げると怪物王の魔法封印杖はレーヴァテインとを縛る鎖を次々念動力で操り、切断する。


「オォオオオオオ!」


レーヴァテインの封印が解除されたことでレーヴァテインの溶解と灰燼の効果でスルトの身体に触れていた鎖は溶け、周囲の鎖が金属の粉になる。そして自由になったスルトはレーヴァテインを構えて、覇撃を落下してきている核撃に放つ。


核撃はレーヴァテインの覇撃を受けて、消し飛び、射線上にいたシンモラも直撃を受けて、墜落する。倒れるシンモラにスルトが近付く。


「やっぱりレーヴァテインを手にしたあんたは強いね。あんたはあたしが愛した人じゃないけど、他の奴らにやられるよりはその剣を持つあんたに倒されたい。お願い出来るかい?」


スルトは頷くとシンモラの腹にレーヴァテインを突き刺し、シンモラは燃え上がる。そんな状態のシンモラだが、スルトの頬に手を伸ばす。


「こんなことを言うのも変だけど、あたしの夫は強いよ。頑張んな」


そう言うとシンモラの手が落ちて、スルトは咆哮を挙げる。


「残酷な事をさせてしまったでしょうか?」


「シルフィが気にすることじゃないよ。俺が提案したんだ。罪は俺にある」


「オォ!」


スルトは首を振る。


「これで良かったんですか? スルト?」


「オォ!」


スルトは頷いた。二人の間に色々な感情があるんだろうな。今回の解体はシルフィに任せる事にした。俺がやるのは無粋な気がしたからね。手に入ったのがこちら。


レーギャルンチェーン:レア度10 専用装備 品質S+

重さ:600 耐久値:8000 攻撃力:2000

効果:シンモラ装備時全ステータス+50、武器封殺、封殺、拘束、堅固、空間歪曲、紅炎、溶断、自動修復、巨人の加護

終末の剣レーヴァテインを封印する際に使用された封印特化の炎の鎖。シンモラの専用装備で攻撃にも十分に使える性能がある。


これはシルフィにあげる事にした。


「え? でも、私はスルトですし」


「スルトが装備すればいいんじゃない?」


「オォ!」


いいこと言うな。お前。と言われた気がする。


「なんか今回は私ばかり強化して貰った気がしますね」


「いつも譲ってもらっているし、今回も結構報酬貰ったから気にしない。気にしない。さぁ、帰ろう」


「もぅ…ふふ。はい。帰りましょう」


俺たちが歩き出すと後ろで火山が大爆発して火山の中から巨大な手が現れた。あ、これはやばい気がする。


「山に急げ! コーラル!」


「あ…あぁ…」


「シルフィ!」


俺は突然の巨大な敵の出現に飲まれてしまったシルフィを抱きかかえて一緒にコーラルに乗る。


「俺様の妻を殺したのは何処のどいつだ!」


火山噴火の噴煙の中から巨大な顔が姿を見せる。


終末巨人王スルト?

? ? ?


妻を殺したわけだから出て来る可能性は確かにあったけど、ここで出会えるとは思ってなかった。


「シルフィ! 召喚獣を召喚石に戻して! シルフィ!」


「あ…はい!」


「あいつらか!」


スルトが巨大な拳を構える。


「来る! 頼むぞ! コーラル!」


「ピィ!」


「巨人技! ギガントクラッシャー!」


溶岩の巨大な拳が俺たちに向かって飛んできた。これに対してコーラルは急降下で見事に回避してくれた。そして約束の山に低空飛行で接近すると空から火山弾が次々降って来る。それを俺と正気を取り戻してくれたシルフィで破壊して、なんとか山に辿り着いた。


すると閃光と共にヘイムダルが現れる。


「急いで乗りたまえ!」


「はい! ありがとな。コーラル。戻ってくれ」


「ピィ!」


コーラルを召喚石に戻して、ヘイムダルは場所を出すと光速でその場から離脱した。


「逃げているんじゃねーぞ! くそ人間とくそ神が!」


「そこまでにしておいて貰うよ。スルト」


「俺様に指図しているんじゃーよ! ロキ! 俺様は今からあいつらをぶち殺しに行く!」


「それじゃあ、契約違反だ。悪いけど、また火山の中で眠っててもらうよ」


ロキがそういうとロキは指を鳴らすとスルトは眠りに落ちて、火山の中に帰っていった。


「やれやれ…本当に余計なことをしてくれる人間だよ。まさか戦争前にスルトを見られてしまうなんて誤算にも程がある。まぁ、スルト相手にどんな対策を取って来るのか楽しみではあるからいいとするか」


ロキはそういうと姿が消えるのだった。一方俺たちはオーディンに結果を報告して、クエストクリアしたことでインフォが来る。


『狐子のレベルが40に到達しました。成長が可能です』


倒した敵の数とレベルもそれなりにあったから結構なレベル上げになったな。


「それにしても言ったばかりにいきなりお世話になるとはな~…どれだけ強くなっても俺にはやっぱりみんなが必要だな」


「そうですね…」


シルフィを見るとまだ震えていた。


「大丈夫?」


「はい…すみません。足を引っ張ってしまって…」


「謝らないで。あんなの見たら、普通はシルフィと同じ感じになると思うよ? 完全にシルフィを見ていたしね」


「やっぱりそうですよね」


シンモラを倒した召喚師として完全にスルトはシルフィを狙っていた。あの怒りと殺気をぶつけられたら、俺でも相当きつい。受けていないのにとんでもない重圧を受けたしね。


「タクトとタクトの召喚獣たちはよく動けましたね」


「経験値が違いますから」


スルトの気配はウロボロスドラゴン、アポカリプスビースト、アザトース、テューポーン、サマエルクラスなのは間違いない。ラーは強かったけど、ラーには悪意とかは無かったから気配の重圧はあまり感じていなかった。ラーも重圧で戦闘放棄状態とかにはしたくなかったんだと思う。


というかこうしてみると俺たちの戦闘経験えげつないな。ウロボロスドラゴンとアポカリプスビーストは戦闘したわけじゃないけどさ。今回改めて強者の気配を一度味わう重要性を知ったよ。というかあの時ウリエルが俺たちにウロボロスドラゴンとアポカリプスビーストを敢えて見せた理由はこれだったんだろう。改めてウリエルに感謝したくなかった。


シルフィは頬を叩いて、気合いを入れ直す。


「よし! もう次は大丈夫です!」


「うん。俺も一度見れて良かったよ…次は戦える」


「はい!」


こうして俺たちは一度帰宅して、まず狐子の成長を実行した。


『狐子の成長が完了しました。炎吸収、病気吸収、冥波動、猛爆、噴火、太極ブレス、覇撃、核撃を取得しました』

『黒霧スキルが魔霧スキルに進化しました』


これでよし。ここで時間を確認すると昼までにはだいぶ時間があった。少しでもあのスルトに勝てる可能性をあげないといけないからね。というわけで次に俺が狙うのはスサノオに勧められた十束剣の強化クエスト。これをかなりずるして挑ませて貰おう。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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